私は、しばらく会場を見て回り、引き上げることにした。
移住交流ガーデンを出ると、通り3丁目の交差点に戻った。
交差点の向こうに、アーティゾン美術館が見える。
去年の年末、ここを通ったときは、「漂流」・・・いや、「漂着」という展示会が開催されていた。
その展示会を見たかったが、すでに終わり、次の展示会の準備中となっていた。
私は、交差点で信号待ちをするあいだに考えた。
私たちは、多かれ少なかれ、あてもなく、さまよい、生きている部分がある。
あてもなく、さまようというのは、定まらないということだが、それは自由であることを意味する。
もっとも、仕事については、さすがに定まっていないとまずいわけで、お金がなければ自由が脅かされる事態となる。
とはいうものの、お金のために定まった仕事をすれば長時間拘束をされたり、不自由になるので、自由な時間を使って何かをしたい人にとっては、この問題は非常に悩ましいのだ。
その後、私は、3丁目の横断歩道を渡り、大通りを歩きながら、ある出来事を思い出した。
それは、トゥーランドットの3つの謎かけ。。。である。
ただし、プッチーニのオペラの中の正統なトゥーランドットのものではない。
異端のトゥーランドットの方で、3つの謎かけの内容も異なる。
コロナ禍のときもそうだったが、物価高騰のときも、やはり、この問題は非常に悩ましいのだと思う。
私たちは、どう「漂流」し、どう「漂着」するか。

上記は、同じ場所(アーティゾン美術館)の写真だが、5月半ばまで、クロード・モネの展示会が開催されていた。
モネといえば、フランスの画家で、印象派の巨匠として有名だ。
特に連作の「睡蓮」が知られており、その一部を国立西洋美術館で見かけた記憶がある。
展示会場は、平日昼間、時間予約制にもかかわらず、想定以上に混んでいた。
私は、客の列に並び、少しずつ前へ進みながら絵を見た。
これだと、落ち着いて見れない。
まるで、どこかのレジャー施設の西洋風アトラクションにいるようだ。
私は、ときどき客と客のあいだをすり抜け、先に進んだ。
もうちょっと空いていると良かったんだが、、、人気なので、仕方がないか。
ただ、アーティゾンの良いところは、たいていの展示物が撮影OKであることだ。
モネの絵も、撮影OKのものが多く、私は、気に入った絵を何枚か撮ることができた。


美術館を出た後は、デパートの洋食屋で、遅めのランチ。
ナポリタンを注文した。
飲み物は何にしよう。
周囲を見ると、テーブル席のオバサマたちが、昼間からアルコール類を飲んでいる。
あっちも、こっちも、アルコール。。。アルコール。。。
それじゃあ、私も、ワインを頼もう。
私は、赤ワインを飲みながら、先ほどスマホで撮影したモネの絵を眺めた。
モネの絵は、私のようなシロウトには、わりと分かりやすい。
今回の展示会のサブタイトルは、「風景への問いかけ」である。
モネといえば、風景画をイメージするだろう。
素敵な女性がいる風景画だ。
しかし、中には陰鬱でミステリアスな絵があり、私はそちらに注目した。

例えば、私の住む取手にいる芸大卒のアーティストが、これとソックリな絵を描いているとして、果たして将来、評価される(値が付く)ものなのだろうか。
あっちは二束三文で、こっちはモネの高額の絵というのは、やはり、シロウトには分かりかねる世界だ。
私は、ワインを飲み干した。
このナポリタン、具だくさんで、美味しかったな。
私は、店を出ると、デパ地下を歩き、地下鉄の駅に向かった。
最近、甘いものをあまり食べていない。
ワインの次は、チョコレートが食べたくなった。
チョコレート、チョコレート、、、
スイーツ店の立ち並ぶ場所で、私は立ち止まった。
そうだ!
チョコレートケーキを買って帰ろう♪


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