こんにちは、エッセイストのあんみつ先生です。 ワイン、アート、音楽、料理、犬に関するラブリーな記事を掲載しています。ぜひ、ご覧ください。Hello. Anmitsu Sensei is an essayist. This Essay with lovely articles about wine, art, music, cooking, and dogs.Please take a look.
2023/05/20
思ったほどブルーではない
4月。
ママ殿は体調が悪くなり、精神的にも不安定だった。
すると私もシンクロをしてか、具合が悪くなってしまったのだった。
このときの私は仕事のこともあって疲れ気味であったが、ママ殿に言わせれば、書斎にいる私の様子が気になり、自分は疲れてしまったのだという。
いやいや、私は仕事のこともありますが、居間にいるママ殿の様子が気になり疲れてしまったのです、と反論した。
しかし、まあ、これは、鶏が先か卵が先か、というような話である。
2人であ~だこ~だ話しても埒があかなかった。
ゴールデンウイーク明け。
私はママ殿を病院に連れて行き、自分もついでに診てもらった。
前回記事に書いたように、私は微熱があり風邪薬をもらったのだが、ママ殿の検査結果は異常なしであった。
そして診察時にママ殿は、主治医から、思ったほどブルーではない、といわれた。
さて、この、思ったほどブルーではない、とはどういうことか??
実は、前日に私はこの病院を訪ね、ママ殿のことを相談したのだ。
その時の私の重々しい話と比べると、ひどくなかった(普通だった)、ということなのである。
ただ、ママ殿は年のせいか、落ち込むことが多いようだ。
物忘れ、筋力の衰え、不注意などは認知症の初期症状でもあるが、自分でもいろいろ身体的精神的な心配事が増えているという。
私は、もしかしてこれってフレイルではないか??と思っている(2022/03/21「ああ、そうか、大好きな彼女にも、自分の弱みや失敗談を話す方が、かえってうまくいきやすいのだ」)。
まあ、人はいずれ死ぬのだし、気分転換でもしながら、自分自身とうまく付き合っていくしかないのだと思う。
写真は柏高島屋の「鼎泰豊」であるが、私たちはランチの後、行きつけの眼鏡店「イワキメガネ」に立ち寄った。
ここで、私に思わぬ展開が!!
ママ殿はメガネのメンテナンスを終えると、ウィンドウショッピングにいってしまった。
足取りも軽く、心配なさそうである。
しかしその間、私は久しぶりに視力検査を受けたのだが、メガネのレンズの度が合わなくなっていることが分かったのだ。
私は40代後半であるが、この日、生まれて初めて老眼の検査というのをしてもらった。
確かにここ数ヶ月、若干の違和感を感じるようになっていたが、、、ただ、これは小さな問題にすぎないと思ってほとんど気にしていなかった。
40代後半になり老眼が進んで、近くが少し見えにくくなっており、40代前半に作ったメガネが合わなくなった、ということである。
ただ、視力は落ちておらず、私自身、その自覚症状がほとんどなかった。
メガネのレンズが合わないがために、最近のいろいろな体調不良(軽いめまいや倦怠感など)が起きていたのだとすると、私の頭のなかで物事の辻褄が実に合うのだった。
ということで、私は早速、行きつけの眼科の予約を取った。
これで私のほうも、一件落着ということになりそうである!!
2023/05/17
母の日、ABCクッキング
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母の日は、朝早く家を出てABCクッキングでシフォンケーキを作りました。急いで持ち帰り、ママ殿と一緒に3時のおやつ。「当日にあわててプレゼントを買いにいったのかと思ったら、手作りのシフォンケーキとは。なかなかやるわね」
母の日は、朝早く家を出てABCクッキングでシフォンケーキを作りました。急いで持ち帰り、ママ殿と一緒に3時のおやつ。「当日にあわててプレゼントを買いにいったのかと思ったら、手作りのシフォンケーキとは。なかなかやるわね」@hello_anmitsu#ABCクッキング#ABCcookingstudio#シフォンケーキ pic.twitter.com/SfLbFUlyjK
— あんみつ先生 (@hello_anmitsu) May 17, 2023
2023/05/11
Bicycle
「体調はあまり良くないわ。でも、ご心配なく。私は病気ではないのよ。」
「精神的にはどうです??」
「気持ちが沈むけれども、それは今に始まったことではないわ。」
「ほう、そうでしたっけね。」
「年を取ってくれば全てが思い通りにいかなくなるから自然と気持ちは沈むのよ。年を取って、おもしろおかしく生きている人もたまにいるけれども、それは私にはできません。」
ということで、ママ殿は最近体調が悪いのだが、いろいろ話すと、私が深刻に考えすぎるのがよくないということが分かった。
「でも病院は??」
「重い病気と思うなら自分の足で病院にいきます。」
「いや、しかし、、、2月は元気だったのですが、あの時と比べるとやはり、いまはずいぶん違いますよ。」
「そうかしら??」
「そうです。私も最近、疲れ気味なんです。一緒に病院にいきましょうか。」
「あなたが行くなら、まあ、仕方がない。」
ということで、病院に連れて行ったのだが、最近多忙で疲れている私のほうが風邪薬をもらい、ママ殿には特段、新しい薬は処方されなかった。
これはちょっと意外だった、、、
「こないだ久しぶりに外出して、歩いててふらつくといっていたし、そういうのは大丈夫なんですか??」
「いまは大丈夫。何でもないわ。最近は家で座ってばかりいたからです。」
「本当に??」
「本当です。」
「ただ、せっかく健康なので転倒事故が私は恐いのですよね。」
「転倒事故というと自転車のこと??」
「そうです。」
私の最近の心配事というと、ママ殿の電動自転車のことである。
もし転倒して骨でも折ったら一大事なので、最近になり自制をしてほしいとお願いしていたのだが、これは良いチャンスである。
「ママ殿、すみませんが、やはり、あの自転車には乗らないでほしいのです。」
「いいえ、私は買い物にいきたいの。いまはいちごがおいしいから、いちごジャムをうんと作りたいのよ。いちごのパックをまとめ買いして荷台の載せて運ぶ必要があるのです。それに、5月は毎年、らっきょうを漬けなくてはいけない。」
「らっきょうかあ、、、」
「そうよ。早く買いに行かないと、良い砂丘らっきょうがなくなってしまうわ。」
「そうでしたね。遅く買いに行くと、砂丘らっきょうは、大きくてカタいやつになってしまうんですよね。」
「そうなのよ。時間がたつと何でもひねくれてしまう、あなたのように。」
「(;´・ω・)ま、まあ、それはいいとして、しばらくの間は、往きは私と一緒に歩いてくれませんか。帰りは荷物があるのでバスにしましょう。」
「私はすっかり元気なのに。どうしても、自転車に乗るのはだめなのね??」
「う~ん、念のため、ですね。もう少し様子を見て、すっかり元気になってから。」
「そうね、仕方ないわね。」
とまあ、こんな感じでママ殿は自転車に乗ることを望んでいるのだが、念のため、やめてほしいと言っている。
しかし、先日ふと気付いたが、リスク要因を考えると、私が外出している間にママ殿がこっそりママチャリを乗り回す可能性は大いにあるのだ。
そこで先日は、ママチャリにはあまり乗りたくないのだが、私は思わず乗って外出してしまった。
昼間になるべく長時間、物理的に占拠してしまえば心配もない、ということであるが、これは持続可能な戦略ではない。
なお、読者は、私がママ殿の代わりに買い物をすればいいと思うだろう。
私もそう思うのだが、それだと野菜や魚を厳格に選別できないのでだめというのである。
2023/05/06
私のセブンイレブン物語(2)コピー機のうしろの女の子
私は最近、とある会社(A社)から、執筆の仕事を依頼された。
ありがたい話だから引き受ける方向だが、まだ原稿料など条件面の交渉が必要で、本決まりではない。
ただ、書く準備は進めており、その間、私は外出せず、ほぼ在宅だったが、そのため最近ママ殿の元気がないことに気が付いたのだ。
年のせいで、ああだ、こうだ、と愚痴っぽく言っていたことが、実は何かの病気の兆候ではないのか、もしかすると我慢して普通にふるまっているのではないか。
う~ん、でも、どうなんだろう、医者ではないから分からない、、、
他方、仕事の準備中の私は、無意識的に神経質になっていたようだ。
その影響でママ殿も一緒に神経質になったり体調が不調になったということも考えられる。
親子でも恋人でも、距離感の近い人どうしは気持ちがシンクロしてそうなりやすいと思うのだ。
仕事を優先した結果、(自分自身も含め)家族がピンチになっては本末転倒である。
ママ殿の体調が気になる!!
しかし、長いゴールデンウイーク中に、ママ殿は少し元気を取り戻しつつあるようだ。
日課の体操をこなし、風呂に入り、ニュースを見て普通に生活をしている。
ただ、まだ元気がないのは事実で、やはり気になる。
「あのう、どこか具合が悪いのをじっと我慢をしていませんか??」
「確かに最近は体調がよくないのよね。5月病かしら。自分自身何とも言えないんだけど、年が年だけに、考えすぎちゃうと恐いわね。」
「病院に行ったほうがよいのでは??」
「どうだかね。今日電話で話した親戚のおばさんは、ワタシよりもひどい状態なのです。私は同年代の他人と比較すると元気なのよ。むしろここ最近、あなたのほうが疲れているんじゃない??」
「そうですね。春だからなのか、倦怠感があるというか、よく分かりませんが私も不調です。あるいは、元気のない人と一緒だと、私も元気が出ないということもあるんですよね~(*'ω'*)ジー」
「それはお互い様なのです。」
「まあ、そうですね。」
私は思うが、大好きな人や大事な人のことを心配しすぎて、私自身が疲れたり、倒れたりするのでは、非常にまずいということがある。
来週、念のため、病院にいく予定である。
そういえば去年の今頃も、体調不良で病院~ということを書いた。
いまそれを思い出したが、今回はどうだろう。
去年の場合は、ええと、B社の講師のお仕事。。。
今回は、A社の執筆のお仕事。。。
さてどうなるだろうか。
いずれにせよ私自身が無理をせず、うまくやることが大事だと思っている。
さて、そういうこともあり、リフレッシュが必要だ。
家で書いてばかりいて運動不足なので外に出る必要がある!!
ということで昼間、散歩をして、駅で買い物をして、その帰り、コンビニ(セブンイレブン)に立ち寄ったのだが、コピー機で、執筆中の原稿(先ほどのA社とはジャンルも内容も別)を試しに出してみた。
出力枚数が50枚以上あり、コピー機の前でずいぶん待ったが、ふと後ろを見ると小柄でとてもかわいい女の子が立っていた。
素顔の彼女と私は目が合った。
私はあわてて前を向き、コピーを確認し、もう1度見ると彼女はもういなかった。
何て素早い、まるで小犬のような女の子だ。
私の背後にいて、私と目が合うなり姿を消すとは、よほどの急ぎだったのか、あるいは、よほど長くそこで待っていたのだろう。
ひと言、「長くてすみません、もうすぐ終わります」と言えばよかった。
しかし実は、かわいい女の子を前にすると、このように、まったく普段の会話、自然なやりとりができなくなるのが私なのである。
今回の仕事の話といい、コピー機のうしろの女の子の話といい、どうも、最近の私は勝負弱いなあ(*'ω'*)イカンイカン
ということで、私は何となく男梅を買ってしまった。
帰り道、酸っぱい干し梅をなめながら、先ほどの女の子のことを考えた。
どうも気になる。
ただコピーを待っていただけかもしれないが、背後にいて私のことを見ていたようにも思えるのだ。
う~ん、、、長い間マスク生活だったし、とっさのことなので相手の顔をよく見なかったが、、、もしかすると??
2023/05/01
書斎の肥やし「概論日本のベンチャーキャピタル」「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」を読む
何やら書斎の整理中に、こんな本を発見した。
5年ほど前に買った本だが、10年以上前に書かれた本で、ベンチャーキャピタル(VC)の専門書である。
世の中は日々進歩があるようで、実はモノは進化しても人間は進歩などまったくしないものなのである。
だから、新しい本より古い本が、本質を突いていていまだに参考になることが多い。
おやつの肉まんを食べながら初めて熟読したが、「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」の方をまず読んでみると、次のような指摘があり、なるほど、と思った。
~前略~「若い中小企業のための今日のシステムに問題があることは間違いない」と彼は語った。クラシックベンチャーキャピタルが経済全体にとって生みの母であり、通商委員会の調査によると、第二次世界大戦後に行われた画期的な全イノベーションの95%は、大企業ではなく、むしろ設立間もない中小企業が起こしたものであった。新規参入なくしては、いかなる経済も長期的下降を避けられない運命にある。1945年以降、旧ソ連と東ドイツが陥った第三世界の国々と変わらぬ経済衰退は、両国が成長企業の保護、育成努力を怠ったことがその要因の一つであることは疑う余地もない。
(「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」P70~71)
今日において、多くのベンチャーキャピタル(VC)は、投資先のベンチャー企業(VB)に対して経営支援も同時に行っている。
もちろん、運用成績を高めるため、投資先の成長と上場確率をより高めるためである。
上場企業や社歴の長い中小企業とは異なり、VBの経営基盤は脆弱である。
そのため、お金だけを出してぼーっと眺めている、という上場株式のバイアンドホールドのような投資戦略はまずい、ということなのだ。
中には経営支援をしないVCもあるようだが、一般論として、VCはVBに積極的な経営支援をする必要があるといえよう。
VCにとって、まずは投資案件の選別が重要であることは言うまでもないが、経営支援もまた重要のはず、である。
通常、VBに取締役を送り込んで、いろいろ経営支援をするとあるが、それは内情をよく知るVC(たいていは「リードインベスター」)が行うとのことだ。
~前略~それ以外のVCは、オブザベーションライト(投資契約に盛り込まれる経営を監視する権利)に基づき「監視の必要性あり」と判断された場合に限り支援を行うのが通例である。つまり、リードインベスター以外のVCは、さしたる経営支援を行っていないのである。投資案件の規模にもよるが、リードインベスターには力のあるVCが就くのが習慣化しており、弱小VCとの間で役割分担が明確になっている。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P260)
具体的な経営支援の内容となると、「販路開拓支援」「技術などの提携先の紹介」「人材紹介」「金融機関の紹介」が中心であり、ハンズオンを象徴するような「役員の派遣」や「財務、経理支援」などは相対的に比率が低くなっている。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P84~85)
~前略~このとき必要とされる能力は、投資先VBを経営者と一緒になって経営していく起業家的な資質である。すなわち、VCは投資家から集めた資金の運用を行うファンドマネージャーとしての機能と、VBの支援者もしくは支援にとどまらず、VB経営者と共に歩む起業家的な機能を併せ持っている。この二つの機能をビジネスの枠組みの中で実現したのがVCのビジネスモデルなのである。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P30)
しかし、日本の場合、VCがサラリーマン化している、というモンダイが、本書で繰り返し指摘されていた。
例えば金融機関系のVCであれば、そこのベンチャーキャピタリストは親会社からの出向であったりするそうだ。
以下、現実的な問題としてこんな指摘がある。
~前略~取締役となったベンチャーキャピタリストの 60~70%は、業界のことを何も理解せず、企業経営の経験すら持たず、機能していないとさえ思われる。ベンチャーキャピタルが現在価値曲線や財務理論に詳しいMITのMBA取得者を経験のために取締役としてやたら送り込んでくるため、取締役会では貴重な時間の半分が自社製品の説明で費やされてしまう。誰もこのような事態を望んではいない。
(「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」P179)
~前略~大手のリードインベスターが、MBA取り立ての若者を役員に送り込んできたのである。その人物は、MBA 取得前にヘルスケア業界でのキャリアを持っており、いかにも最適の人事に思えた。しかし、彼にとってこれが初めてのベンチャー企業担当だっただけでなく、初めての役員経験でもあったため、何も分かっていなかった。彼が重役の役割を学ぶために授業料が払われたのだと言う者もいた。
(「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」P180)
~前略~一般にベンチャーキャピタルは、経営の経験が全くないのだ。月に1回か2回投資先企業で40%の時間しか働いていない。これではスタートアップ企業特有の仕事とその複雑さを理解するのに足りるわけがない~中略~インタビューを受けたCEO達も、経営経験のある取締役の方が、財務知識だけで経営経験のないベンチャーキャピタル出身の取締役よりも価値があると断言した。
(「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」P183)
~中略~経営支援の必要性は認識していても、具体的な行動にまで至らない VCがある中で、経営支援を行えない理由を聞いた調査結果を見ると、「経営支援を行える人材がいないから」が約8割を占め、他の要因に比べ突出している。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P87)
というわけで、VCは思い切って、経営支援の外部委託をしてみるとよいのではないだろうか、と思うのだが、実際には自分のところでやりたいそうである。
まあ、金を出せば口も出すのは自然なことだと思うが。
以上、書斎の肥やし「概論日本のベンチャーキャピタル」「ベンチャーキャピタルの実態と戦略」を読んで思ったことを書いた。