2019/12/26

湯島天神、恒例の終わり詣(2019年)

初詣の湯島天神は混んでいるが、年末は空いている。
初詣は自分勝手な願い事をするものだが、年末なら1年の無事を神様に感謝するだろう。
そんなお参りの仕方もあっていいと思う。
これを私は勝手に「終わり詣」などと名付け、手帳の12月の予定に書き込んでいる。
師走にホッとする時間が得られるので、わりとおすすめである。


湯島天神1


今日は散髪に行く前に、湯島天神に「終わり詣」に行った。
テレビ局が境内を取材していたが、ねじり鉢巻きをしたあの中年男性は誰だろう。
カメラマンと談笑しており、お笑い芸人のようだが、もうほとんどテレビを見なくなったので、さっぱり分からない。
御朱印をもらい、坂上の門から外に出た。




ここから歩いてすぐの旧岩崎邸庭園へ。
岩崎邸の見学が主目的ではなく、岩崎邸に隣接する国立近現代建築資料館の展示を見に行くためでもある。
年末は、日本のモダニズム建築の先駆者、吉田鉄郎の企画展をしているという。
ただ、湯島の合同庁舎の正門からだと無料で入れるのだが、岩崎邸経由だと裏門からの入場となり、こちらは岩崎邸の入場料400円を払う必要があるので要注意である。
というわけで、せっかく400円払ったので、岩崎邸も少し見学した。
おや、改装が終わり、すいぶんきれいになっている。


国立近現代建築資料館


国立近現代建築資料館「吉田鉄郎の近代」


吉田鉄郎といえば、丸の内の郵便局のデザインで有名だが、素人の私はそれくらいしか知らない。
時間がないので、30分ばかり見て資料館を出た。
散髪をした後は、銀座をぶらっと散歩した。
ただABCクッキング北千住教室で今年最後の料理教室があるので、それに間に合うよう日比谷線に乗らなくてはいけない。


銀座DNPギャラリー3


銀座グラフィックギャラリー、ソニーイメージングギャラリーを回った。
今回は、どちらもドイツにちなんだ展示であった。
ソニーギャラリーでは、ベートーヴェンの故郷などを回って撮り集めた写真展をしていた。
「ベートーヴェンの故郷の旅」、これはそこそこ売れそうなロングテールの写真集ができそうである。


銀座ソニーギャラリー「ベートーヴェンの旅」


おや、撮影禁止マークがある。
ソニーギャラリーの展示は撮影自由であることが多いのだが、、、

もしかすると写真集の出版が決まっているので、出版社との関係で撮影禁止になっているのかもしれない。
が、撮影禁止にすれば写真集が多く売れる、という考え方はたぶん当たっていないと思う。
撮影禁止にすれば単に忘れ去られるだけ。
この作品をばかにしているわけではなく、一部の例外を除いては、一般人にとってアートなんてその程度のもの、通りすがりの作品にすぎないのだ。
日本の美術館やギャラリーの撮影禁止の慣行は、本当にくだらないことだと思う。
写真家本人が待機していたので、私は少しだけ雑談をして記帳もして帰った。


ABCクッキングコロッケエビフライ


ABCクッキングの今日のメニューは、コロッケ&エビフライであった。
芸術とは違って、料理と食事は人間の基本的欲望に根差しており、生活上避けることができない。
むろん私にとっても、芸術より重要で価値がある。
ABCクッキングではふつうのお鍋で揚げ物をするのだが、これ自体はべつに問題ないが、入れる油の量が多すぎると思った。
油はもっと少なくてよく、少ない方がむしろ揚げやすい。
それに、油がもったいないではないか。

ああ、しまったな、、、
帰宅後、カサを忘れたことに気付いた。
ABCクッキングに忘れたのだが、明日電話で聞いてみよう。
1000円もしない安物のカサなのだが、やはりもったいない。
でも、カサを北千住まで取りに行くと交通費がもったいない、、、
というわけで、どうやらカサを取りに行くのは、年明けABCクッキングに行く時になりそうである。

2019/12/17

虎ノ門の日本酒情報館

今日はワイン教室があり、表参道(青山)まで行ってきたのだが、いつものように途中で地下鉄を降りて、美術館巡りをした。

森鴎外記念館→三井記念美術館→日本の酒情報館→キャプランワインアカデミー


森鴎外記念館「永井荷風と森鴎外」展示会


森鴎外記念館は、千駄木駅前の交差点から団子坂を登ってすぐだが、今日は「永井荷風と森鴎外」という企画展をしていた。
私は、永井荷風と幸田露伴の違いをよく分かっておらず、永井荷風は三人冗語の写真の文士と思っていたが、そうではなかった。
当時、森鴎外、幸田露伴、斎藤緑雨は、文学界の毒舌トリオ「三人冗語」と呼ばれていた。
私は昔、斎藤緑雨のエッセイ(?)を読んだことがあり、かなりの毒舌であることと、やはりというか何というか、本の装丁が見事な緑色だったことを覚えている。
では、永井荷風と森鴎外はどのような関係があったのか。

「1910年(明治43年)、慶應義塾大学の文学科顧問に就任(教授職に永井荷風を推薦)し、慶應義塾大学幹事の石田新太郎の主導により、上田敏を顧問に、永井荷風を主幹にして、「三田文學」を創刊した。またその年には、5月に大逆事件の検挙が始まり~」

Wikipediaには、永井荷風は慶應義塾大学文学部の教授のポストを、森鴎外から斡旋してもらったと書いてある。
荷風が死んだ時、その寝床には、読みかけの「渋江抽斎」が置いてあった。
荷風は鴎外を尊敬し、小説家の手本を鴎外の本としていた。
「渋江抽斎」は荷風の愛読書だったと思われるが、鴎外のなかでも特に難解な本であるから、寝床で読めばさぞや寝つきがよかっただろう。
これは荷風の眠り薬かしら、と私は思った。


三井記念美術館「国宝雪松図」展示会


その後、三越前の三井記念美術館に行き、国宝雪松図の見事な屏風を見て、三越前から銀座線に乗り、虎ノ門まで行った。
内幸町の大通り(外堀通り)沿いに、日本酒の試飲ができるという日本酒情報館がある。
私は今回初めて行くのだが、地図を見なくても真っ赤な看板があるので、すぐに見つかった。


日本の酒情報館


日本酒情報館は飲み屋ではないため、夕方までしか営業していない。
本棚には日本酒に関する資料や書籍が並んでおり、確かに日本酒情報館であったが、それよりもおもしろいのが日本酒のカウンターバーである。
今日はこれからワイン教室なのだが、その前に日本酒を試飲することに決めた。
3カップで300円の試飲セットと、5カップで500円の試飲セットがあり、私は500円の方を頼んだ。


日本酒情報館


日本酒バーテンダーの女性が、カウンターで小さなカップに1つずつ注いでくれた。
私はそれを持ってテーブル席へ。
周囲には外国人観光客と、商談中の会社員がいたが、日本酒とは無関係の商談のようだ。


日本酒情報館の日本酒バーの様子


日本酒情報館


私はカップの日本酒を飲み始め、まもなく日本酒の情報収集はどうでもよくなった。
お酒に弱い私は顔が真っ赤になってしまうのだ。
情報館を出てすぐに交差点のコンビニに入り、冷たいペットボトルのお茶を買って飲んだ。
涼しい外でしばらく時間をつぶしてから銀座線に乗り込んだが、赤い顔で平日昼間の銀座線に乗ることになり、少し肩身の狭い気分を味わった。
外苑前からワイン教室まで10分ほど歩き、ようやく酔いがさめたが、今日のテーマは王道のイタリアワイン「バローロ」と「バルバレスコ」である。
ご存知のとおり、どちらもフルボディーの強烈な赤ワインである。


キャプラン


この2つをテイスティングするうち、私はまた酔いが回ってきた。
この時点で飲みすぎだと思ったが、ワイン教室の後、近くのレストランでアフターの飲み会をすることになった。
そこでまたグラスワインを何杯か飲み、帰り道はかなり酔った状態で銀座線に乗り込んだ。
その後、何とか無事に帰宅することはできたのだが、ここまで飲んだのも久しぶり。
まあ、年末は忘年会や宴会が多いと思うが、みなさんもほどほどに!!

2019/12/11

トランプ劇場の最もドラマチックな最後

今日は東京ステーションホテルで、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の年末の懇親会がある。

出光美術館→国立近代美術館→東京ステーションホテル

出光美術館では、「やきもの入門」という企画展をやっており、縄文~弥生時代のハニワのところから説明されていた。
やきものの世界では、茶飲み用のすり鉢状のお茶碗を「天目」(てんもく)と言うが、天目のコーナーはかなりの粒ぞろいであった。
私は11月の静嘉堂文庫美術館で、曜変天目(ようへんてんもく)を見たばかりであるが、素人目線だとそれに匹敵するものもいくつかあった。
さすがは出光美術館である。

次に、竹橋の国立近代美術館に向かった。
珍しいことに、館外の入口のチケット売り場に長蛇の列ができており、着物姿の女性が何人もいる。

鏑木清方の特別展の客のようだ。
しかし、私は常設展を見たいだけである。
行列嫌いの私は近くの椅子に座り行列がさばけるのを待ったが、ちっとも短くならない。
仕方なく並んで、、、チケット売り場の窓口の係員にチケットをくださいと言うまで15分ほどかかったが、今日の私は「ぐるっとパス」を持っていたのだ。
係員から、ぐるっとパスの人はチケット不要で、いきなり館内に入ってよいのです、と言われてしまった。

なあんだ、そうだったっけかな。

そう、私はいつでも忘れっぽい人である。
でも、よかった。
私はエレベーター前の女性にパスをもぎってもらい、2階へ上がった。
ちなみに、鏑木清方展は常設展ではないため、ぐるっとパスだけで無料で見ることはできない。
しかし、常設展の最初の方に鏑木清方のコーナーがあり、屏風絵など数点が展示されていた。


東京国立近代美術館の鏑木清方


おお、わたしって、ラッキーですね。

そう、私はわりとラッキーな人である。
国立近代美術館は作品の質量ともに言うことなしなので、ゆっくり見ているとあっという間に暗くなった。
私は美術館を出てホテルに向かった。
が、竹橋から皇居沿いをぶらぶら歩き、自然な足取りでパレスホテルに入ってしまった。
いつものウォールストリートジャーナルの懇親会はパレスホテルで行われるため、私は勘違いをしたというか、単に何も考えていなかった。
20~30分ほどたってからそのことに気付き、私はあわてて東京ステーションホテルに向かった。


東京ステーションホテル1


WSJparty2


東京ステーションホテル


ウォールストリートジャーナルの懇親会。
何人かと雑談したが、新聞社の男性、IT会社の女性などと話をすることができた。
トークイベントでは、東洋大学の横江教授が来年のアメリカの大統領選の行方を分析した。
トランプ大統領は熱烈な支持者がいる反面、不人気でもあるが、これまで彼の支持率が37%を割ったことはない。
大統領選は人気投票ではなく、有権者の3割の確実な支持(投票行動)があれば当選可能である。
いかに不人気でも、3割の熱烈で確実な支持で彼はまた当選してしまうのである。

なるほど、不祥事が露見した国会議員が当選してしまうのも、これと同じような仕組みと理解した。
と同時に、自分は1票の有権者にすぎないから選挙に行っても意味がない、何も変えられない、そういうふうに諦めるのは間違っている、とも思った。


WSJparty3


横江教授の話で最も気になったのは、トランプ大統領のスキャンダルのリスクのことである。
横江教授の話をベースに、私なりの見方も加えるとこうだ。

トランプ大統領は常に自分のためにメディアを使う。
そもそも彼はテレビの娯楽番組で名を売ったわけで、メディア戦略などお手のものだ。
したがって、マスコミにさんざん叩かれている「強引で差別的でアタマのおかしなトランプ大統領」というのは、実は彼なりの計算ずくで成り立っている役者の演技であり、それはトランプ大統領の「仮の姿」である。
私たちは、トランプ大統領の「仮の姿」を見て喜怒哀楽したり、一喜一憂しているだけである。
私たちは、トランプ大統領が決して見せようとしない「真の姿」を想像する必要がある。

さて、この点(真の姿)について横江教授がおっしゃっていたのは、トランプ大統領は典型的なオーナー企業のワンマン社長である、ということだ。
当然ながら、トランプ大統領の周囲には不満分子も少なからず潜んでいるはずで、彼はそういう仲間の裏切り行為に遭って失脚するリスクがある。
もちろん、順調ならトランプ大統領は再選されるだろうとおっしゃっていたが、横江教授のこの但書のようなコメントが、案外、当たりそうな気もする。
というのも、かれこれ4年も続くトランプ劇場は、あまりにもドラマチックの連続であるから、ふつうの大統領と同じような、ありきたりの展開はふさわしくないからだ。

そういう意味では、トランプ劇場の最もドラマチックな出来事は、仲間の裏切り行為による失脚もさることながら、ハリウッドの名画のように主人公が突然死ぬことだって考えられる。
まあ、トランプ大統領には悪いのだけれども、その方が彼らしい花々しい最期のような気もする。
例えばオバマ大統領やクリントン大統領のように、任期満了後に笑顔でCNNのインタビューに答える、そんな光景をトランプ大統領で想像することは私にはできないのだ。
いずれにせよ、いまのテンションでは、トランプ大統領は4年間の任期満了で燃え尽きてしまうのではないだろうか。

2019/12/02

アンリシャルパンティエ銀座のクレープシュゼット

銀座松屋前


きのうは、銀座有楽町をぶらっと回って帰って来た。
ランチタイムと、3時のおやつの2回、銀座のカフェに立ち寄った。
ランチタイムは松屋のデパ地下の銀座キャピタル、おやつはアンリシャルパンティエに入った。
デパートでよく見かけるケーキ屋「アンリシャルパンティエ」は、兵庫(芦屋市)の有名洋菓子店で、銀座にも店舗がある。
店の建物の前を通りかかると分かるのだが、高級レストランのようで、見るからに敷居が高く、入店客を寄せ付けない雰囲気がある。
しかし、ここではクレープシュゼットが食べられるので、クレープシュゼットを食べたくなったら私はここしか思い当たらない。
ここで、クレープシュゼットとは何だろう、という人もいると思うが、食後は、アンリシャルパンティエとはクレープシュゼットの人、と覚えて店を出ることになるので、実際に食べてみればよいだろう(必ずその「解説」をされる)。
ただし、値段が高いので、カップルでいくとデートの予算がオーバーするので要注意。
私もそうなのだが、日中に1人で行き、静かに本を読んで過ごした。


アンリシャルパンティエ銀座


アンリシャルパンティエ銀座


アンリシャルパンティエ銀座




さて今日は、ワイン教室の知り合いで、柏駅前で会社を経営するJさんと会った。
実は私は大学生のころ、法律の資格試験(司法書士試験)を受験するため、1年半ほど柏駅前の法律受験予備校に通ったのだが、偶然にもJさんの会社はその近くだった。

ところで、受験生を刺激するためかどうか分からないが、どこの受験予備校にも必ずかわいい女性職員が配置されているように思うのだが、、、そうそう、当時私が通っていた柏校にも、とてもかわいい女性職員がいたのだ。
確かに、彼女はどこにでもいるただの人ではあるのだが、予備校の受験生は試験に受かっていない、もっともっとただの人、あるいはただの人以下の身分ということで、私のほうから親しく話しかけるのは心理的にも難しいのだった。
こうして私はずっと好きな女性職員に話しかけることすらできずにいたのだが、ラッキーなことに一発合格ができたため、合格後すぐアルバイトのお呼びがかかった。
営業戦略上、予備校は難関試験の一発合格者を欲しがるのである(当時の司法書士試験の合格率は約2.5%前後)。

電話で彼女からその話があったとき、私は喜んでいないふりをした。
そして、大学が忙しいので少しだけなら行ってもいい、などと冷淡な受け答えをしたような気がする。
しかし、単位はほぼ取り終えていたので、私はゼミ以外の講義に出る必要がなかった。
そういうわけで、私は大学卒業まで素敵な彼女のいるこの予備校で、しばらく楽しいアルバイト生活を送ることができたのだった。

Jさんは私をご夫婦で出迎えてくれた。
2人とも優しい人柄で、雑談から個人的な話まで、話が弾んだ。
帰りは柏高島屋で晩ごはんのお惣菜を買った後、ラウンジスペースで少し休んだ。
その時、私はふと、きのうのことを思い出した。
きのうは東京国際フォーラムの相田みつを美術館にも行ったのだが、「あたらしい門出」という企画展をしていた。


相田みつを美術館2


あたらしい門出をする者には、新しい道がひらける。

私はこの言葉を眺め、来年のことを思った。
ワインの試験が無事終われば新しい道がひらけるのだろうか。
まあ、先のことは分からないが。
また、相田みつをはこんなことも言っていた。


相田みつを美術館


アナタの主人公はアナタなんだよなあ。

あなたの人生の主人公はあなた自身なのである。
確かに、主人公がじっとしていては、どんな人生のドラマも始まりようがない。
だいたい、主人公が舞台のすみにいてはドラマにもならない。
自分が主人公となるためには、舞台の中央に進む勇気が必要であり、そのためには何でもトライしてみなくてはなるまい。
私は心に決めた。
明日からといわず、今日から新しいことをしてみよう。

2019/11/26

CHANEL「マドモアゼルプリヴェ展」

2週間ほど前、CHANELからイベントの案内が来た。
「マドモアゼルプリヴェ展」という無料の展示会が天王洲アイルで開催されるという。
私は、ただでCHANELのコレクションを見られるのならと思い、スマホで簡単な申込みを済ませておいた。


天王洲アイル


今日がその日であるが、先週末から続くあいにくの雨である。
しかし、天王洲アイル駅を出た頃にはひとしきり雨もあがって、私は道に迷いつつも運河沿いの倉庫に到着した。
倉庫とはいえ、ここは天王洲アイルであり、CHANELのイベントであるから、しゃれた倉庫に改装されている。
私は、黒服の男性に、予約した時間帯ごとの来場者の列に並ぶよう促された。


シャネルの展示会「マドモアゼルプリヴェ展」


この展示会の参加者は、スマホで好きな時間帯を選んで申込みをし、チケットの代わりにQRコードをもらい、会場ではバーコード読み取りで入場する。
したがって、CHANELは事前に人数制限をすることが可能であり、そのため、来場者はコレクションをゆっくりと見ることができる。
CHANELのこのやり方はなかなか先進的で、いずれはこのようなやり方がミュージアムのスタンダードになるだろうと思った。


ココシャネルの本、カールラガーフェルドの本


私の書斎の本棚にはココシャネルの本が何冊かあるが、ココシャネルのファッションといえば、ブラック&ホワイトをイメージする。
だが、いまはモノクロの時代ではなく、カラーの時代であるから、CHANELのベースカラーは時代遅れだと思う。
ただ、カールラガーフェルドはドイツ人らしく保守的なデザイナーで、時代の変化に柔軟に対応しつつも、あくまで「古き良きココシャネル」を守ろうとしたのだ。
ただ、そのカールラガーフェルドが、今春、高齢で死んでしまった。
したがって、CHANELは今後、ブランドコンセプトを大胆に「変化」させることも考えているはずだし、それと同時に、これまでのCHANELの「総括」をする必要があるのかもしれない。


シャネルの展示会「マドモアゼルプリヴェ展」


シャネルの展示会「マドモアゼルプリヴェ展」


展示されているドレスのほとんどはブラック&ホワイトである。
しかし、後半の展示には、赤やピンクのドレス、そのほかの色のドレスもあった。
ただ、それらはどうしても、CHANELにしてはイマイチで、何か違うな、と私は感じた。
というのも、その後、新橋にある汐留パナソニック美術館へ行き、「ラウルドゥフィー展」を見たからである。


汐留パナソニック美術館のラウルドゥフィーの展示会


ラウルドゥフィーもまた、パリの高名なデザイナーであった。
ただ、ラウルドゥフィーの本業は画家であり、ファッションデザイナーとして「も」活躍したということである。
企画展の最後の方に、彼のデザインしたドレスが展示されていた。
当時のハリウッド映画の舞台衣装として作られたという説明書きがあったが、こちらの方がココシャネルのドレスよりもセンスがあると思った。


汐留パナソニック美術館のラウルドゥフィーの展示会


こちらのドレスの方は、シャネルのものよりも、自然で、シンプルで、いやみがなく、エレガントである。
そういえば思い出したが、真夏の丸の内の三菱一号美術館で、スペインのマリアーノフォルチュニの企画展があった。
彼もまた画家兼ファッションデザイナーだったのであるが、そこで彼のデザインしたドレスを見た。
彼のデザインしたブラックのドレスなども、シャネルのものよりも、自然で、シンプルで、いやみがなく、エレガントであった。

さて、「マドモアゼルプリヴェ展」の帰りに、来場者全員に記念のプレゼントを配っており、私はそれをもらったのだが、帰宅して早速使ってみた。

さすがCHANELは高品質。
タダなのに丈夫で長持ちしそうだな、、、(これはもちろん誉め言葉!!)

しかし他方で、ラガーフェルドの死後、CHANELの商品はだんだん売れなくなるのではないか。
何となく私はそんな気がしてしまうのであるが。

2019/11/21

「慶應美女図鑑」と「ラスト浮世絵」

11月といえば学園祭の季節である。
私は今日、慶應義塾大学三田キャンパスで、三田祭を見て来たのだが、これが非常におもしろかった。
開催初日の午前中であったため、マンモス大学の学園祭とはいえ、まだ空いていた。
校門の向こう側に三田祭の赤い看板があることを除いては、普段と変わらないキャンパスのようにも見えたが、校門の手前で女子アナがマイクを持って実況中継をしている。


慶應三田祭


あれはテレビ局の女子アナかと思ったが、よく聞くとその語り口が上手ではなかった。
どうも地上波ではなく、インターネットテレビの女子アナのようだ。
私は校門を入り、左手の階段を上がった。
一段上のキャンパスには、すでにかなりの人数が集まっており、ああ、やっぱり、学園祭のムードだな、と思った。

行きたいところは事前にパンフレットを見て決めてあった。
キャンパスに入ってからは、そこへ向かって歩くだけだ。
しかし学園祭には、新宿歌舞伎町の住人たちも顔負けの客引きがいる。
早速、私は校舎の2階の廊下で、チラシ配りの女子大生に捕まってしまった。
彼女は着物姿、ひと目で落語研究会の女の子だと分かった。




「あそこの教室で落語をやるので、聞いていきませんか。」
「いや、ちょっと目的地があってね。」
「落語もおもしろいですよ。途中退席もOKですから、ぜひぜひ、ちょっとだけ。あと1分で始まっちゃいます。」
「すみませんけど、私は、似ている芸能人をAIが診断します、っていうのを見にきたので、その教室を探してるんですが、234号室って、どこだか分かります~??」
「234号室、、、え~と、AI診断は今日の出し物じゃないですよ。」
「えっ、まじで??」
「これは明日以降の出し物です。」
「そ、そうか、残念だな。」
「残念ですね~♪♪ それじゃ、落語を一席どうぞ。」
「どうしようかなあ。」
「あと10秒で始まっちゃうから、さあ、入って入って。」


慶應三田祭の落語研究会


私は、彼女に背中をポンと押され、そのまま落研の教室に入ってしまった。
すでに室内は薄暗く、ステージに照明が当たっている。
私が座席につくと、太鼓が鳴り、舞台袖から第14代目乱痴(らんち)さんが登場。

あっ!!
私、この人のこと、知ってるんだけど、、、

何たる偶然か、去年12月に南館ホールで慶應文連のイベントがあり、落研の部長として一席披露した彼のことを私はよく覚えていた(2019/01/22「まんじゅうこわい」)。
その時は「まんじゅうこわい」であった。
そして今日の乱痴さんは「道具屋」を話すようである。

なるほど、「道具屋」か。
まあ、彼なら、きっとおもしろいから聞いていこうかな。

「道具屋」はあまりにも有名な話で、こちらはオチまで知っている。
しかし落語とは不思議なものである。
上手な落語家は次が分かっている客を笑わせるのである。
乱痴さんの道具屋は私の期待通りで、若々しく、非常に斬新で良かった。
ただ、隣の教室からロックバンドの激しい演奏が地響きのように聞こえており、私たちにとって近所迷惑も甚だしかった。
まあ、これもまた学園祭の醍醐味と思って笑い飛ばせばよいことだが。


慶應三田祭のコンサートのステージ


道具屋が終わり、私は落研の教室を出た。
次はどこへ行こうかな。
結局私は、やきものコーナー、画廊コーナーなどを回り、1時間ばかりキャンパスの中をぶらぶらした。
途中、慶應の女子大生の写真集「慶應美女図鑑」の売り場ブースもあって、初日なので写真の女子大生たちが何人か待機していた。
私は記念に1冊写真集を買ったが、サービスで彼女たちの生サインを書いてもらった。
彼女は将来、女子アナにでもなるのだろうか。

その後はランチを済ませ、田町駅まで戻り、山手線で原宿駅まで行った。
明治神宮方面の少し先の路地に太田記念美術館という浮世絵の美術館があるのだが、今日は「ラスト浮世絵」というおもしろそうな企画展をしていた。


太田記念美術館「ラストウキヨエ」展示会


太田記念美術館「ラストウキヨエ」展示会


今回の企画展「ラスト浮世絵」とは、明治時代以降の浮世絵のことである。
浮世絵といえば江戸時代のものと考えられがちだが、むろん明治維新後も浮世絵師は仕事をし、作品を作り続けていた。
しかし、急速な時代の変化に翻弄され、明治の浮世絵はマイナーアートになり下がってしまったのだ。
西洋文化を取り入れる中で、歌舞伎などと同様、浮世絵はダサいものとみなされた。
今回は、そのマイナーな時代のダサいとみなされていた浮世絵コレクションを集めたのだが、日露戦争の浮世絵、明治の女性の美人画、なんだかデザインのようなウキヨエなどがあり、多種多様でおもしろかった。

1時間ほどで全ての展示作品を見終えた。
私は、帰る前にトイレを探したが、トイレは地下にあるというので、人の気配のない階段をおりた。
地下にはトイレのほかにミュージアムショップがあり、客は誰もいなかったが、私は何かおみやげを買いたくなった。
ミュージアムショップというのはなかなかよくできており、つい買ってしまうような記念品が置いてあるものだ。

おや、あれはいい。
さっきの明治女の美人画のレプリカがあるぞ。
かなり良くできている。

しかし、値札を見ると1万5000円ほどであった。
値札とは別に商品の説明もあり、そこには、職人が手彫りをした元画から刷ったものです、と書いてあった。
私は1つ欲しいと思ったが、何とか思いとどまった。
1万5000円は高いと思ったからだ。
1万5000円の理由は商品説明のとおりだが、なぜ私がそれを高いと思ったか、さっきの慶應美女図鑑よりも10倍以上もするからである。
明治の古くさい女性のカラー印刷が、慶應の女子大生の写真集の10倍以上もするなんて、どう考えてもお高い。


2019年三田祭パンフレット、慶應美女図鑑

2019/11/18

ベルリンフィルスペシャルアンサンブルの鉄板コンサート

今日は銀座ヤマハホールで、ベルリンフィルスペシャルアンサンブルのコンサートがあるのだが、夜7時からなので、昼間いくつかの美術館を回った。

文化学園服飾博物館→銀座ソニーギャラリー→銀座ヤマハホール


文化学園服飾博物館「能装束と歌舞伎衣装」展示会


新宿の文化学園服飾博物館には昼過ぎに着いた。
今回は「能装束と歌舞伎衣装」という企画展をしていた。
歌舞伎が江戸時代からの大衆文化であるのに対して、大名の式典などにも登場する能は、お上の文化である。
その点、能は歌舞伎よりも、おカタい芸術と言えそうだが、私にはどちらも役者が唸るイメージしかなく、ただ展示室に飾られている衣装の違いを観察するのみであった。
能の装束の方が総じて作りがぜいたく、抑制的な美をたたえており、歌舞伎衣装よりも重々しい。
これは恐らく、能はお上の文化なので、幕府の役人が能装束に多くの予算を付けたからではないか。


銀座ソニーギャラリー


地下鉄で新宿から銀座へ。
松屋の銀座キャピタルで30分ほど休んでから、銀座4丁目の交差点のソニーイメージングギャラリーに行った。
モノクロ写真の展示会をしており、ちょうど写真家本人(山下恒夫氏)が在廊していたので、少しばかり話した。


エクセルシオールカフェ


その後は開場時間近くまで、向かいのエクセルシオールカフェで休んだ。
6時過ぎ、そこから歩いてすぐの銀座ヤマハホールに入ると、すでにエレベーターホールの入口には列ができていた。






私はベルリンフィルスペシャルアンサンブルは初めてだが、メンバーは明らかに超一流だけの集まりである。
私のクラシック音楽の師匠(Iさん)によれば、チケット代が高かろうが聞いて損はない、ということだった。
なので、今日は「鉄板」コンサートということになるが、Iさんは自身のお友達のクラリネット奏者フックス氏の演奏をよく聞いてくるように、と私に言った(なお、私は日本人の清水直子さんにも注目していた)。


銀座ヤマハホールのベルリンスペシャルアンサンブルのコンサート


ホールは満席。
他の人も、チケット代が少々高かろうが、聞き逃せないと思ったのだろう。
フックスは2曲目から登場。
彼のクラリネットは躍動感にあふれており、自由奔放で型破り、これはうまい、と私は納得した。
ただ、3曲目のバルトークの演奏を終えると、客席に向かってバイバイをして舞台から消えてしまった。
その後の曲はフックス以外のメンバーで演奏し、最後の曲が終わるとメンバー全員がすぐにいなくなった。
アンコールもなく終わったのは残念だった。
なお、ビオラ奏者の清水直子さんは、このメンバーの中でも遜色のない演奏をしていた。

さて、この鉄板コンサートのチケット代は1枚15000円である。
海外オペラでもなく、海外オーケストラでもない。
しかも、短時間で、あっという間に終わった。
高すぎるとも思えるチケット代だが、まあ、私は妥当な値段だと思う。
ただそうはいっても、15000円もあれば上野の奏楽堂などで、芸大生の演奏を10回近く、通って聞けるお値段である。
そこで私は以前、Iさんにこう聞いたことがある。
「上野の奏楽堂などでたまに聞くと、芸大生の演奏もそこそこだから、安くて何度も聞きに行けてお得なような気がするのだけど、、、」

しかし、それを聞いたIさんは、ピシャリと私にこう言い放ったのだった。

「あのね、芸大生のヘタクソな演奏を何度聞いたって、音楽も芸術も少しも分かりゃしないのよ。音楽と芸術のことが知りたければ、ただ一流演奏家のコンサートだけを聞きに行けばいいのです。一流演奏家以外のコンサートは、お金と時間の無駄。」

さすが、Iさんは本音の人であるが、これ以降、私は上野の芸大の奏楽堂のコンサートにはほとんど行かなくなった。

2019/11/12

The true story of WSET wine lovers(2)スタバで締め?

東京都庭園美術館「アジアのイメージ」


今日は青山でワイン教室があり、少し早めに出て、白金台の東京都庭園美術館に寄り道した。
今回の企画展は「アジアのイメージ」。
明治維新の日本は、あらゆる分野で西洋を学び、西洋を輸入したわけだが、絵画の分野では、日本人の洋画家が新時代を作ろうとしていた。
この点、例えば医学だと、西洋医学をそのまま日本へ持ち込めばよいのだけれども、こと芸術となると、西洋のそれをそのままコピーしたのでは単なる「ぱくり」である。
そのため、日本の洋画家は、自分たちの作品のなかに何らかのオリジナリティーを必要としており、それは西洋にはなくてアジアにしかないもの、日本人として、あるいはアジア人としての独自性のある何か、であった。
例えば、静物画の花瓶が景徳鎮のやきものであるとか、そんな感じのオリジナリティーである。
東京都庭園美術館は、もと朝香宮邸であるからかなり広く、渡り廊下から新館もあって、そちらにも展示室があるため、午後から行ってまともに見ると日が暮れてしまう。
なので、私はここでは手抜きをして見ることにしている。
それに、小分けされた展示室ごとに、監視員の女性が必ず1人いて、四六時中じっと監視しているので、こちらは落ち着いて見ることができない、ということもあるのだった。


キャプラン


夕方、ワイン教室へ。
振替日のため、生徒は数人だけ、しかも見知らぬ人ばかりだった。
しかし、開始直前、「日本のワインを愛する会」のパーティーで隣どうしになったBさんが、さっと入ってきた。
お久しぶりですね、ということになり、ワイン教室のあと早速飲みにいく流れとなった。
T先生は用事があり、飲み会に出られないので、生徒4人だけ。
南青山三丁目の交差点でタクシーを捕まえ六本木へ。
六本木交差点の瀬里奈の前でタクシーをおりた。
信号を渡り、路地の雑居ビルへ。
講座のテイスティングでピュリニモンラッシェをズバリ当てたSさん(女性)が、なじみのワインバーに案内してくれた。
講座のテイスティングでハイエンドのブルゴーニュを4本もあけた後だったが、ワインリストを見るとかなりいいワインが揃っている。

シャンパン、ヴィオニエ、ポイヤック、バローロ、アルザスVT。








続けて、二次会の場所を探す流れに。
どこか良い店はないか、という話になり、私は去年何度か行ったことのある「ミッドタウンのスタバの先のレストランで二次会をやろう」と言った。
しかし、3人ともびっくりしている。
どうやら私は酔っていて、「ミッドタウンのスタバで二次会をやろう」と言ってしまったらしく、3人とも戸惑っていたのだった。
Bさんが言った。

「スタバで二次会をやるのかと思ってびびったよ~。」
「すみません。ミッドタウンのスタバの先のレストランです、、、」
「まさか、スタバで締めはないよね~。」
「そうですよね。」
「じゃあ、今日のこの4人のメンバーは「スタバで締め」のメンバーにしよう。」
「あ~、そういう変な名前もおもしろくていいですね。」

というわけで、私たちはスタバの先のレストラン「Orange」で飲み食いしながらラインを交換し、「スタバで締め」という風変わりなグループラインを作ったのだった。


東京ミッドタウン


東京ミッドタウン