2022/09/28

Bye Bye Abenomics

築地本願寺日めくりカレンダー


書斎で探し物をしていたら、2018年に築地本願寺で買った日めくりカレンダーを見つけたので、和室でお茶を飲みながら、座ってじっくり眺めてみた。
しかし、この日めくりカレンダーというもの、買って必ず後悔するものだ。
みやげもの屋でありがちだが、毎朝めくるのはめんどうで、すぐお蔵入りとなる。
たまたま開いていたページは12日。


築地本願寺日めくりカレンダー


12日。
人間の言葉はあてにならない。そんなものに惑わされるな。

なるほど、確かにその通りである。
それでは、あてになるものとは何だろう、、、

私はカレンダーを何枚かめくってみた。


築地本願寺日めくりカレンダー


17日。
悪人こそ救いのめあて。私こそ救いのめあて。

ええと、これはどういう意味かな。
私は解説を読んで、なるほど、と思った。
ここで悪人とは煩悩のある人間のことだ。
善人に見える人も所詮は煩悩のかたまりであるから、この世は悪人ばかりということだが、そのような悪人を助けてこそ、本当の慈悲深い神様なのだという。

その後、私はまたカレンダーを何枚かめくった。


築地本願寺日めくりカレンダー


21日。
向かい合うことも大切だが、ともに同じ方向を向くことも大切。

おお、さすが、築地本願寺!!
築地本願寺の日めくりカレンダーの神様は、2018年当時からすでに、新型コロナウィルスによる食事方法の変化もお見通しだったのか。
つまり、テーブル席で向かい合うより、カウンター席の方がよいということが書いてあるのかな。

その後、私はまたカレンダーを何枚かめくった。
おっと、、、めくり方が雑で、カレンダーが倒れ、うしろの方のページが開いてしまった。


築地本願寺日めくりカレンダー


26日。
何をしでかすか分からない、そんな私。

解説を読むと、こういうことを言いたいようだ。
例えばいま、ロシアの兵士たちは、ウクライナで平然と人殺しをしている。
しかし、1人1人のロシア兵士がそれを望んでしているのかというと、必ずしもそうではなく、国家(政府)が戦争をしているから個人(国民)も戦争をさせられているのである。
このように、人間とは弱い生き物で、状況次第では悪事をもしてしまうものなのだ。
あなたや私が悪事をしないのは、周囲の恵まれた環境のおかげでもある。
だから、周囲に感謝をしなくてはいけない。

また、最近の日本人のなかには、テレビのワイドショーなどで安部さんの国葬を見て辟易した人も多いだろう。
しかし、国葬に参加しなくてもいいという私たちは自由であり、まあ、恵まれた環境ということなのである。

さて、国葬の日の夜、久しぶりに報道ステーションを見た。
すると、献花希望者の列が狭い道を占拠し、付近の飲食店の主人が国葬のせいで客が来ない、とぼやいていた。
他方、交差点の花屋の前には、花を買いたい人々の長蛇の列があった。
花屋にとっては国葬が、アベノミクス以来のバブルになっているようだった。

この様子を見て私は、経済というのは実におもしろい生き物だなあ、と思った。
アベノミクスには賛否両論あるが、ある人はアベノミクスにより、あの飲食店の主人のようになり、ある人はあの花屋のようになったのだと思う。
つまり、アベノミクスとは、日本経済にそういう変化をもたらした「動」の政治であり、その結果、日本経済は良くも悪くも生き物のようになれたのだ。

さて、番組の最後のほう。
日本武道館の巨大スクリーンに、安倍元総理が映った。

「Buy my Abenomics」

10年前の懐かしいセリフを聞いた。
が、私には、バイマイアベノミクス(Buy my Abenomics)が、バイバイアベノミクス(Bye Bye Abenomics)、と聞こえてしまった。
なるほど、確かにこの葬儀には、さようなら、バイマイアベノミクス、という意味も込められているのかもしれない。
というわけで、日経平均は今後しばらく、下落を試すのではないか。


■日経平均株価(2022年9月27日)
(出典:Yahoo Finance)

2022/09/19

姪っ子の犬が夏休み以来のお泊まりに来たのですが

 


姪っ子の犬が夏休み以来のお泊まりに来たのですが、姪っ子の枕に遠慮して寝ていました(*'ω'*)アブナイ!!!



2022/09/11

I'm giving mom a private lesson at night

講演会控室


9月は2度、講演の依頼をいただいている。
いずれも法律に関する講演会で、この間3週間ほど出番がなく、十分時間の余裕がある。
私は最近、終活講座をすることが多いが、高齢者にも分かりやすい講演とはどのようなものか考えている。
それは、受験予備校の講義や、若者向けの講演とは違うもののはずだ。

そうだ!!
あんみつ先生は、いただきもののおやつのフィナンシェを食べながら、ふと、こんなことを思い付いた。


洋菓子店アリスベル、フィナンシェ


「ママ殿、ちょっといいですか。」
「な~に??」
「これから2~3週間ほどでいいんですが、私の講義の練習台になってほしいのです。」
「あなたが先生で、私が受講生になるのかしら??」
「そうです。どうでしょうか??」
「おもしろそうじゃない♪♪ テレビは退屈なので、ちょうどいいわね。」

というわけで、最近の私は、晩ごはんを食べた後、うちのママ殿を相手にマンツーマンレッスンに挑んでいる。
資料の余りを渡したりして毎回30~40分ほどだが、テーマを決めて話す。
ママ殿は夜テレビを見るよりも私の講座を聞く方が、息子からおもしろい話が聞けると上機嫌である。

なんだか、学生時代の家庭教師のアルバイトを思い出すなあ、、、
ただ、至近距離で講義をすると気恥ずかしいので、私はダイニングテーブルでノートパソコンを見ながら話す、ママ殿は数メートル離れたソファーに座って聞いている。

ちなみに先週のテーマはこんな感じ。

(日)終活(相続と遺言)
(火)成年後見
(水)日本の年金制度と福祉制度の持続可能性
(金)インターネットトラブルの対処法
(土)インフレと金融緩和

「もっとゆっくり、はっきり喋ってほしいのよ。」
「分かってるけど、つい早くなってしまうんだよね。」
「アナウンサーみたいに上手に喋りなさいよ。」
「う~ん、、、」

ママ殿は、年を取ると誰でも耳が悪くなるから、テレビのアナウンサーのように滑舌よく話してくれないと聞き取れないというのだが、、、
しかし、時間内に終わらせなくてはいけない、言うべきことがたくさんある、そういった講師側の事情もあり、なかなか呑気に喋ってはいられない。
ただ、終活講座の受講生はほぼ高齢者だから、この指摘は非常に重要だ。
成年後見の話をしたときは、こうも言われた。

「認知症の人は何も分からないから後見制度で保護する必要がある、とあなたは言うけれども、何も分からないわけじゃないのよ。」
「まあ、そうなんだけど、、、」
「忘れちゃうということなのよ。何も分からないと言われると、年寄りは人格を否定されたように感じます。」
「な、なるほど。」

こちらに他意はないのだが、高齢者に対する配慮というのは、なかなかむずかしいものだ。
さて、今夜は何を話そう、、、
調べものをしながら考えていると、ママ殿がおやつを持って来た。


チーズケーキ


「はい、どうぞ。」
「どうも。」
「ちょっと、ニュースで見たんだけど、ECBだっけ??」
「えっ??( ゚Д゚)ECB!!! あのう、、、ECBとはヨーロッパ中央銀行のことですが、何かありましたかね??」
「ECBが金利を大幅に上げたって、さっきニュースでやってたのよ。」
「ええ、そうなの!?( ゚Д゚)」
「そうなんですよ、あんみつ先生。物価が高騰しているから、中央銀行がついに金利を上げたということね。」
「ママ殿、さすがです!!」
「そうでもないわよ。それにしても、日本銀行は何をぼさっとしているのかしら、腹が立つわ(=゚ω゚)ノ」
「・・・・ど、どうなんですかね。私はまったく知る立場ではございませんが。」

2022/09/01

たった2回のそれは、黄金時代の日本のことであった

日本橋宮川、うなぎ


むかしは良かったは老人の口癖である。

日本の証券関係者も同じようなことを口にする。


「バブルのころは良かったなあ。」

「へえ、そうなの??」

「そうだよ。いまは本当に景気が悪い。」


私はバブル時代の兜町を知らないが、お昼は寿司や鰻だったというし、まあ、バブルなら良かったにきまっているか。

しかし、老人が人生で最も輝いていた時間を取り戻すことは決してできないのだ。

また、人生のピーク時を基準にして現在の自分を評価するのは、非常に欲深いことでもある。

そのような評価をするなら、つねに現在の自分は敗北者ということになる。



■日経平均株価・年足
日経平均株価年足
(出典:かぶたん)


日本の株式市場はどうだろう。
バブル時の最高値は4万円の手前で、この場所からは常に相場を見下ろせるので、いつまでたっても日本株は割安だと言われる。
でも、本当にそうなんだろうか。
よく見ると、終値が3万円を超えていた年は、、、

1988年 30159円
1989年 38915円

たった2年だけ。
しかも、その時はアメリカを凌駕しようかという破竹の勢いの「黄金時代の日本」だった。
たとえ「黄金時代の日本」でもこの水準は高すぎる、というのがマーケットの神様の判断だったようだ。

ちなみに、2021年は一時3万円を超えたが、惜しくも、終値は28791円となった。


いまの日本は1988年と1989年と比較して強い日本なのだろうか。

もしその根拠や手がかりがあるならば、日経平均株価はこれからも上昇すると思う。

日本の証券関係者も、この先、個人投資家に日本株を推奨するときには、1988年と1989年と比較して、いまの日本がどういう点で「強い日本」なのかを説明できなくてはなるまい。

しかし日本の証券関係者は、チャートに買いシグナルがあることくらいしか説明することがないのではないか。



■日経平均株価・年足・ボリンジャーバンド

日経平均株価年足ボリンジャーバンド

(出典:かぶたん)



「えっ、きみはそんなばかげた根拠(テクニカル分析)で日本株に投資するの?」

「ええ、そうですよ。どうせ、あぶく銭ですから。」


<ボリンジャーバンドの計算式>
BB = x日の移動平均 ± x日の標準偏差 × y
(yは、1,2,3などを用いる)

ボリンジャーバンドについては、トレンドフォロー(順張り)で用いるならば比較的内側のバンド(例えば1σあたりのバンド)を描き、そのブレイクアウトなどで売り買いするのが有効である。
バンドの拡大縮小を観察する。
バンドが拡大中の局面をエクスパンションといい、エクスパンションをしているならトレンドが強まりやすいと考える。
この局面で実際にトレンドが出た場合、バンドウォークという。

さて、私もちょっと、テクニカル分析以外の、まともな理由を考えてみる。
すると、現在、日本銀行が大規模な金融緩和をしていること以外、日本の強さはひとつもないと思うのだ。
今のところ、さらなる金融緩和はあっても、その反対の政策はない、と信じ切れるならいいが、、、ウクライナ戦争で世界的なインフレ基調。
アメリカのFRBも、ヨーロッパのECBも利上げに舵を切っており、円安も進んでおり、日本としては、これ以上の金融緩和が難しい局面になっていることも確かだ。

日本株を買うなら、忘れないようにしておきたい。
たった2回のそれは、黄金時代の日本のことであった。



東京夜景