2019/09/29

クレオパトラのアリア「つらい運命に涙はあふれ」

今日はトッパンホールで、ベルリン古楽アカデミーのコンサートを聞いてきた。
トッパンホールは、飯田橋の凸版印刷のビルに併設された素晴らしいコンサートホールである。
ただ、飯田橋駅から首都高の高架下の方へ15分ほど歩かなくてはならず、また、周囲に目ぼしい店がなく、少々不便な場所にある。
そこで時間潰しのため、薄い文庫本を持って行った。
塩野七生の「マキアヴェッリ語録」。


トッパンホール


館内はトッパンホールのほかに、カフェと印刷博物館がある。
すでに昼過ぎで、コンビニ弁当を食べた私は、印刷博物館の常設展に入って長い待ち時間を潰すことにした。
ここには何回か来たことがあるが、かなり広いので、じっくり見れば数時間かかるだろう。
私は印刷に詳しくないが、印刷の技術がなかった時代、人々はどうやって記録をとっていたのか、と思うことがある。
まあ、昔は「写本」をしていたのだよね。

そうそう、写本といえば、ショーンコネリー主演の「薔薇の名前」という映画を思い出す。
中世の山奥の寺院が舞台のミステリー映画なのだが、寺院の一角で僧侶たちが日々重要な書物をひたすら写本しているのである。
こういう、まったくお金にならない文化活動は、やはり政府か宗教団体が取り組まなくてはならないのだ。
その寺院の構内は街のようになっており、書き上げた大量の写本を保管するため、寺院の塔内は巨大な図書館のようになっている。
ある時から院内のあちこちで謎めいた連続殺人事件が起こるようになり、事件解決のカギはこの塔の書物に隠されているようだ、というストーリーだと記憶する。
そんなことを思い出しながら印刷博物館の展示を見たが、写本が宗教と深く関わっていたように、印刷も宗教を通じて発展してきたようである。
教団の教義とは絶対的なもの、一字一句完璧に写本しなくてはいけない、布教活動も印刷物の配布でいけるなら、彼らにとってイノベーションそのものだ。
凸版(トッパン)、凹版(オウハン)、平版(へいはん)、孔版(こうはん)、凸版は学校の木版画など、凹版はメゾチントの版画家浜口陽三などが分かりやすい。
平版はよく分からないので、まあ置いといて、孔版とはシルクスクリーンのことだ。
1時間ほど見て疲れたので、私は適当に切り上げてトッパンホールに入った。


トッパンホールのベルリン古楽アカデミーとソフィーカルトホイザーのコンサート


ベルリン古楽アカデミーは、バロック音楽を演奏する世界でも有名なグループである。
今日は、ソフィーカルトホイザー(Sophie Karthauser)というドイツ人の女性ソプラノ歌手が主役である。
日本人は欧米人よりフィジカルで劣るため、日本人のソプラノ歌手だと金切り声でがっかりすることが多いのだが、欧米のこのクラスだと、そういうハズレ歌手はまず出てこない。
彼女の歌声は、あたたかく耳に心地よい。
世界屈指の歌姫ディアナダムラウもそうだが、日本人歌手とは積載エンジンが違う。
それは、カローラとベンツのような劇的な違いではないだろうか。
コンサートホールで生の歌声を実際に聞けば説明を要しないので、専門的な議論の余地もないだろう。




トッパンホールのベルリン古楽アカデミーとソフィーカルトホイザーのコンサート


コンサートの最後。
アンコールは、ヘンデルのオペラ「Julius Caesar」のアリアであった。
私はヘンデルのオペラを聞いたことがなく、へえ、そうなんだ、と思って聞いたが、Julius Caesarとは、歴史の教科書で習ったユリウスカエサルのことである。
それにしても、クレオパトラの歌うこのアリア、実に深刻な題名である。
「つらい運命に涙はあふれ」。
クレオパトラのような豊かで賢くて美しい完璧な女性も自分の運命がつらかったのだろうか。
まあ、私はお気楽者なので、今のところ自分の運命がつらいとは思わないが、クレオパトラを拘束していた運命というものについて、マキャヴェリはこう言っている。
最後に、マキャヴェリの言葉を書いて終わろう。


マキアヴェッリ語録、塩野七生


人間は、運命に乗ることはできても逆らうことはできないというこのことは、歴史全体を眺めても、真理であると断言できる。人間は、運命という糸を織りなしていくことはできても、その糸を引きちぎることはできないのである。ならば、絶望するしかすべはないかとなると、そうでもないのだ。運命がなにを考えているかは誰にもわからないのだし、どういうときに顔を出すかもわからないのだから、運命が微笑むのは、誰にだって期待できることだからである。それゆえに、いかに逆境におちいろうとも、希望は捨ててはならないのである。(政略論・塩野七生マキャヴェリ語録)

2019/09/21

出光美術館「奥の細道」

きのうは銀座の資生堂美容室で散髪をしたのだが、すぐそばの資生堂ギャラリーでボロの展示会を見た。
遠藤薫さんの「重力と虹霓(Gravity and Rainbow)」。
沖縄のボロが展示されていた。




資生堂ギャラリー「遠藤かおる作品展」


原材料はリサイクル雑貨のほか、さとうきび、米軍のパラシュートなど。
なにも米軍のパラシュートを使わなくてもいいと思うが、これには彼女の沖縄人としての政治的主張や先祖の事情などがあるのかもしれない。
そういえば去年、浅草寺の二天門のすぐそばの美術館(布文化と浮世絵の美術館)で津軽のボロの展示会を見たのだが、ボロなど見すぼらしくて着たくもないが、展示作品だとなかなかおもしろい。


浅草寺の二天門


布文化と浮世絵の美術館


布文化と浮世絵の美術館


その後、私は有楽町方面に歩き、出光美術館のある帝劇ビルへ。
出光美術館に行く前に、丸亀製麺でうどんセットを食べた。
私はうどんよりもそばが好きなので、駅のそば屋はよく入るが、こういったうどんチェーン店にはまず入らない。
しかし、他に食べるところがなかったのだ。
店内には、帝劇の舞台を見終えた女性客が何人か来ており、舞台の話で盛り上がっていた。


丸亀製麺


出光美術館「芭蕉」


出光美術館の今回の企画展は、松尾芭蕉の「奥の細道」。
私は8月の内覧会のときすでに1度見たので、30分ほど展示室を歩いてざっと見るだけだった。
松尾芭蕉は現代人も知る超有名な俳人だが、そもそも俳句というのは明治時代正岡子規が作り出した形式であり、芭蕉当時の歌は俳句ではなく発句と言うのが正しいのである。
発句とは連歌の最初の歌のことである。

芭蕉の歌の肉筆は世にたくさんあり、その多くが真偽不明のままである。
筆跡を見分けようとしても、そもそも筆跡が一定ではなかったり、芭蕉は人気作品だったので、当時からかなりの量の偽物が出回っていたのだ。
そのため、国内の美術館は芭蕉の歌の肉筆を所蔵していても、芭蕉の企画展をしたがらない傾向があるといわれる。
そういうわけで、出光美術館も今回まで、芭蕉の歌の肉筆の多くを収蔵庫でお蔵入りとしていたという。

展示室を出て、皇居の見えるラウンジへ、お茶を飲んで休憩。
すると、くつろいでいる私のすぐ前で、おばあちゃんの2人組が皇居を見ながら井伊直弼の話を始めた。
歴史の教科書に出て来る例の桜田門外の変である。

「あれが桜田門だ。」
「そうだね。」
「このあたりはね、当時、あちこちの大名屋敷があってさ、桜田門の前で井伊直弼が暗殺されたとき、大名屋敷の連中はそれを上から眺めていたのさ。」
「そうだっけね。」

いきなり人前で物騒な話である。
おばあちゃんたちの話だと、当時、桜田門周辺は夜でも明るかったらしい。
江戸の大名屋敷の住人は、井伊直弼の暗殺ショーを特等席から観覧していたというのである。
私は後楽園ホールのボクシング会場を想像した。

「いまも井伊家のお墓は、直弼さんのお墓だけいつもお花が供えてあるんだよ。」
「不思議だねえ、いったい誰がお花を供えているんだろう。」

どうも、おばあちゃんがご両親から聞いた話のようであるが、井伊直弼の遺骨(切断された首の遺骨)をめぐってひと悶着があったらしい。
だが、そこはまあ、よそさまの家の話であり、また、生々しいのでここには書かない。

2019/09/07

わたしのワインの先生(1)楽しい授業をする先生

今日は夕方にワイン教室があり、早めに家を出て美術館に寄り道をした。
上野の東京都美術館~水天宮前のミュゼヤマサ浜口陽三ミュージアムである。
東京都美術館にはお昼過ぎに着いたが、大混雑の企画展を避け、手前のスカスカの展示会を選んで入場した。
こちらの方が入館料が安くて行列に並ぶ必要もないので気軽なのである。
ただ、株式市場でもそうなのだが、価格というのは正直である。
展示会の入館料が安ければつまらない、というのがお約束であり、期待せずに入ったのだが、、、


東京都美術館伊庭靖子展示会


今日は「伊庭靖子展」。
伊庭靖子はユニクロの商品デザイナーと書いてある。
あのユニクロにも商品デザイナーがいるのか、と思ったが、確かに展示されている彼女の作品には、ユニクロのフレッシュなシャツの質感と匂いが感じられた。
真夏の暑い日は、こういう絵を見ると涼しい気分になる。
しかし、それ以上の何かが感じられる作品ではなかった。
価格も価格なので、こんなもんかな、と思って、私はスカスカの会場を出た。
帰る時に出入口でユニクロのロゴの書かれた案内板を目にしたが、ユニクロは今後どのように自身のブランド価値を上げていくのだろう。

上野から三越前を経由して水天宮前へ。
ロイヤルパークホテル前に出て、大通りの横断歩道を渡ると、ガード下の脇道に小さなギャラリーがある。
ここがミュゼヤマサ浜口陽三ミュージアムである。
さて、ミュゼヤマサ浜口陽三美術館とは、どういうことなのだろう、と思う人がいるかもしれない。
浜口陽三は有名な版画家なのだが、ヤマサ醤油の御曹司なのだ。
そして、奥さんの南けいこもまた有名な版画家で、南けいこの企画展もここでは年1回程度開催している。
今日は「真夏のさくらんぼは闇に輝く」という企画展であった。
浜口陽三は「さくらんぼ」を題材にして生涯多くの版画を作っている。


ミュゼヤマサ浜口陽三美術館さくらんぼの展示


ミュゼヤマサ浜口陽三美術館さくらんぼの展示


いちごでもトマトでもなく、タネがあって食べにくいさくらんぼ??
まあ、それを選ぶのは浜口氏の好みだが、確かにそのセンス、私も分かるような気がする。
いちごは歪んだ形をしており、表面にはブツブツもあって気持ちが悪い。
トマトにはさくらんぼのような上品さがなく、食べるときはただのカット野菜でかわいげがない。
しかし、さくらんぼはきれいな形をしていて、表面もきれいだし、上品でかわいらしい、何となくこれが最も女性的で、セクシーだと思うのである。
彼はメゾチント法と呼ばれる珍しい技法を用いた。
さくらんぼの果実の部分のきれいな赤と、背景の黒が見事にコントラストされているが、このメゾチント法は当時廃れていた手法で、浜口など数人が現代版画界にカラーで復刻させたものである。
メゾチントでさくらんぼのきれいな赤を表現するのは非常に難しい技術なのだという。
4月にここで版画のワークショップがあり、私はそれに参加してプロの版画家(江本創先生)から教わったが、その時は白黒の版画を作った。

夕方、ワイン教室へ。
早めに着いたので、教室に私ひとりで待っていると、T先生が入ってきた。

「先生、こんにちは。」
「あら、こんにちは。今日は早いじゃない。」
「ええ、今日は早く来ちゃいましたね。」
「もうすぐ試験よ。ちゃんと勉強してる??」
「ぼちぼちです。今日は前期の最終講義だから、終わった後どこかで飲み会ですか??」
「そうだけど、真っすぐ帰って勉強したら??」
「いや、大丈夫です。」
「そう。今日は表参道の「ヴァンヴィアンドアオシマ」です。」
「知らないなあ。」
「この辺りでは、なかなかのお店よ。」




ああ、そういえば、私はこのブログでT先生のことをほとんど書いたことがなかったなあ。
では今回少し書いておこう。
まず、ワインの先生というと、気取っている、お高くとまっている、難しい話をする、というイメージで見られがちである。
実際、ワイン友達の話を聞くと、なかにはそういう先生もいるようである。
しかし、先生は気さくな庶民派である。
また、私が知っているワインの先生の中で、最も「楽しい授業」をする先生なのである。
先生の授業を受けていると、いつも私は楽しくてしょうがない。
やはり、ワイン講座は楽しくなくては!!と私は思うので、先生が担当するWSET3の講座を選んだのだった。
しかし、まあ、かなりの美人でもあるので、先生を独占したい常連の男性ファンたちのため、先生の話はこれくらいにしておこう。


ヴァンビアンドアオシマ


ヴァンビアンドアオシマ

2019/09/03

ストラディバリウスとVeronika Eberle

WSET3の試験日まで約1ヶ月。
マグカップのコーヒーを飲みながら自宅の書斎で勉強すればいいじゃないか、といわれそうだが、書斎でワインの試験勉強をしても、はかどらないのである。
私は最近、駅前の喫茶店などをワインの教科書片手に回り、はかどりそうな場所から場所へ遊牧民のように転々としている。
しかし、どこへ行っても性格上、くつろいでしまうのであった。
試験勉強をするために今日はどこへ行こうかな♪♪

今日は東京に用があり、お昼は丸ビルの地下のそば屋「酢重正之楽」で食べた。
この蕎麦はコシの強い太麺で食べごたえがある。


酢重正之楽の太麺のそば


食後、山手線で東京駅から上野駅へ。
上野公園をタテに通り抜け、東京芸大の美術館に入った。
注目の「円山応挙展」、この展示会は必見で、いつもの2倍以上は人が来ていた。
今回、特に興味深いのは応挙の美人画。
美人画というと浮世絵美人を想起すると思うが、日本画にも美人画があり、円山応挙は日本画の美人画家でもある。
その女性は「遊女」ではなく「仙女」。
私は奥ゆかしい仙女の方が好みだが、ハデな遊女(ゲイシャ)が好みの人も多いのかしら。


東京芸大美術館「円山応挙」展示会


東京芸大美術館を出た後、私は向かいの芸大陳列館にも入った。
こちらは入場無料、主に芸大生の作品を展示しているが、今日は日本画研究室の展示会で、館内に入るとほぼ誰もいなかった。
う~ん、せっかく円山応挙の展示会に合わせて新進気鋭の芸大生の日本画を展示したのに、何事も思惑どおりにはいかないものだなあ。


東京芸大陳列館の日本画の展示会


しかし、こちらは空いていて、ゆっくり見ることができた。
そういえば、去年陳列館で芸大生からもらった日本画の研究論文が書斎の本棚にあったはず、あとで読んでみよう。
これは余談だが、私は芸大生や画家と話していると、業界人と勘違いされることがよくあるのだ。
確か、この日本画の研究論文も来館者の配布物ではなかったはず。
芸大生と話していたら、よかったらこれ読んでくださいといって手渡されたものだと記憶する。


「美しさの新機軸」


丸井のスターバックスへ。
ここは上野のスターバックスの中では最も空いていると思う。
ただ、新学期が始まったからか、学生が多い。
フラペチーノを飲み1時間ほど休んだ。
その後、私は、本日の最重要イベントの会場へ向かった。
夜7時から東京文化会館で、ヴェロニカエーヴェルレ(Veronika Eberle)のヴァイオリンコンサートを聞くのである。
都響(東京都交響楽団)との共演、前半は彼女のベルクのコンツェルト、後半は大野和士指揮のブルックナーの9番である。


東京文化会館の大野和士、ヴェロニカエーヴェルレののコンサート


東京文化会館の大野和士、ヴェロニカエーヴェルレののコンサート


ヴェロニカエーヴェルレ(Veronika Eberle)は30代のドイツ人で、彼女のヴァイオリンはストラディバリウスである。
今年は東京芸術劇場でコリヤブラッハー、横浜みなとみらいホールで千住真理子さんを聞いたが、いずれもストラディバリウス。
しかし、その中で最も素晴らしかったのは、ヴェロニカエーヴェルレ!!
その演奏は完璧で、一切文句のつけようがなかった。
ヴェロニカの前半最後のアンコールも素晴らしかった。
後半(ブルックナー)が終わり、ラウンジを出た私は真っ先に、彼女のアンコール曲を掲示板で確認した。




おお、当たってる!!
やっぱり、プロコフィエフのような気がしていたのだ(私はプロコフィエフに詳しくない)。
無伴奏ヴァイオリンソナタ第2楽章と書いてある。
そういえば、私は7月の紀尾井ホールでも、プロコフィエフのヴァイオリンを聞いたが、こちらはヴァイオリンソナタ(1番ヘ短調)であった。
まあ、最後にまた余談だが、ヴァイオリンはピアノのように当然に独奏というわけではなく、完全な独奏の場合を特に「無伴奏」というのである。

2019/09/01

The true story of WSET wine lovers(1)ハイアットは新宿です

きのうは、T先生のお誘いで、「日本のワインを愛する会」の会員向けのパーティーに行ってきた。
おとといも先生のワイン教室があったので、ワインを飲むのは2日連続である。

場所は浦安の海沿いのハイアットプレイス東京ベイ。
どうやって行こうかと思案したが、ホテルとディズニーランドをシャトルバスが往復しているというので、舞浜駅でおり、そのバスで行くのがいいと思った。




ところが、実際、舞浜駅をおりるとディズニーランド周辺にはバスターミナルがいくつもあるのだ。
どこからバスが出るのか、さっぱり分からない、、、
バスターミナルの交通整理をする職員に聞くと、「ハイアットは新宿です」などと、とんちんかんなことを言われた。
そっちのハイアットじゃなくてね~と説明してもだめそうだから、私は日陰に入り、ホテルに直接電話で聞くことに。

バスの出発場所は何となく把握した。
ここからかなり歩くのだが、ディズニーの裏手まで行く必要があるのだが、いまは真夏で今日は快晴である。
ディズニーランドの周囲を数分でも歩けば強烈な日差しでのどが渇き、汗が滝のように垂れてくる。
私は、東京砂漠~というCMの歌を思い出し、立ち止まってため息をついた。

ベイエリアは典型的なコンクリート砂漠だぞ、もうだめだ、帰ろう。

ホテル側の説明によれば、あと30分ほどでバスが出発するが、私はキッパリあきらめた。
この炎天下、戻る気力があるうちに来た道を戻る方がいい。
結局、舞浜駅からとなりの新浦安駅へ電車で行き、新浦安駅から路線バスでホテルまで行った。

さて、このようなトラブルがあったにも関わらず、ハイアットには早めに着いた。
「日本のワインを愛する会」のワインパーティーは夕方から、ロビーで待っていてもしょうがないので、時間まで私は、ホテルの向かいの市民公園を散歩した。
暑いので園内の自販機で懐かしのメロンソーダを買い、プレハブの休憩所で涼んだ。


浦安市の市民公園


メロンソーダ


おや、椅子にスマホの忘れ物が置いてある。
さっきの家族連れだな。

私はそれを拾って窓口の係員に渡した。
こういうのどかな場所ではなく、もし都会でうっかりスマホを忘れると、本当に危ないと思う。
スマホはとにかく、置き忘れが圧倒的に多いそうであるから、何らかのロックは必須である。
休憩所を出た私は、公園の芝生の方を眺めた。
夏休みで、子連れでにぎわっており、時折涼しい風が吹いていた。


日本のワインを愛する会


日本のワインを愛する会


夕方から始まった「日本のワインを愛する会」のパーティーは2部構成。
第1部はホテルのルーフトップ(屋上)で東京湾の夕日を眺めながら日本ワイン、第2部は1階のレストランで食事をしながら日本ワインである。
第1部のパーティーには有名人も何人か来ており、女優の神田うの、お笑い芸人のヒグチくん、音楽家の千住明氏、東大生でクイズ王の川島氏、ピアニストの川田氏などが来ていたが、「日本のワインを愛する会」の会長は俳優の辰巳琢朗氏である。
トイレ休憩後、第2部のパーティーが始まった。
画家の笹倉鉄平氏がラフスタイルで遅れて登場したが、デザイナーのコシノジュンコは用事があって来られないという。
コシノジュンコがどんな格好で現れるのかを見てみたかったのだが(以前どこかで見たことがあったが、その時は紅白歌合戦のトリのような格好だった!!)。


日本のワインを愛する会


日本のワインを愛する会


私は人見知りなので、先生のワイン教室の顔見知りJさんご夫妻と行動をともにした。
はじっこのテーブルに座り、終始おとなしく飲み食いをした。
その時、となりのBさんと雑談したのだが、Bさんもキャプランの生徒で、なんと、私と同じ先生の授業を受けているというのだ。
ただ、曜日違いなので初対面。

驚いたことに、Bさんは趣味でワインを「作っている」という。
勝沼に共同のブドウ畑を持っており、そこで収穫したブドウで毎年自分たちのためのワインを醸造するのだという。
会員募集中なので興味があれば気軽にぜひ、と誘われた。
私は嬉しかったが、山梨県は遠いのでよく考える必要があると思った。

第2部は8時ごろに終わった。
帰りはまた、新浦安駅まで路線バスで帰ることにした。
上りのバス停は、国道を横切ってホテルの向かいの市民公園側にある。
昼間子連れでにぎわっていた公園は真っ暗であった。
そういえば、8月31日は、夏休みの最終日である。
明日から学校が始まるから早く寝なさい、むかしそんなことを言われた残念な日々の始まりであったが、その頃の様々なことを思い出し、私は少し懐かしい気分になった。