2019/09/03

ストラディバリウスとVeronika Eberle

WSET3の試験日まで約1ヶ月。
マグカップのコーヒーを飲みながら自宅の書斎で勉強すればいいじゃないか、といわれそうだが、書斎でワインの試験勉強をしても、はかどらないのである。
私は最近、駅前の喫茶店などをワインの教科書片手に回り、はかどりそうな場所から場所へ遊牧民のように転々としている。
しかし、どこへ行っても性格上、くつろいでしまうのであった。
試験勉強をするために今日はどこへ行こうかな♪♪

今日は東京に用があり、お昼は丸ビルの地下のそば屋「酢重正之楽」で食べた。
この蕎麦はコシの強い太麺で食べごたえがある。


酢重正之楽の太麺のそば


食後、山手線で東京駅から上野駅へ。
上野公園をタテに通り抜け、東京芸大の美術館に入った。
注目の「円山応挙展」、この展示会は必見で、いつもの2倍以上は人が来ていた。
今回、特に興味深いのは応挙の美人画。
美人画というと浮世絵美人を想起すると思うが、日本画にも美人画があり、円山応挙は日本画の美人画家でもある。
その女性は「遊女」ではなく「仙女」。
私は奥ゆかしい仙女の方が好みだが、ハデな遊女(ゲイシャ)が好みの人も多いのかしら。


東京芸大美術館「円山応挙」展示会


東京芸大美術館を出た後、私は向かいの芸大陳列館にも入った。
こちらは入場無料、主に芸大生の作品を展示しているが、今日は日本画研究室の展示会で、館内に入るとほぼ誰もいなかった。
う~ん、せっかく円山応挙の展示会に合わせて新進気鋭の芸大生の日本画を展示したのに、何事も思惑どおりにはいかないものだなあ。


東京芸大陳列館の日本画の展示会


しかし、こちらは空いていて、ゆっくり見ることができた。
そういえば、去年陳列館で芸大生からもらった日本画の研究論文が書斎の本棚にあったはず、あとで読んでみよう。
これは余談だが、私は芸大生や画家と話していると、業界人と勘違いされることがよくあるのだ。
確か、この日本画の研究論文も来館者の配布物ではなかったはず。
芸大生と話していたら、よかったらこれ読んでくださいといって手渡されたものだと記憶する。


「美しさの新機軸」


丸井のスターバックスへ。
ここは上野のスターバックスの中では最も空いていると思う。
ただ、新学期が始まったからか、学生が多い。
フラペチーノを飲み1時間ほど休んだ。
その後、私は、本日の最重要イベントの会場へ向かった。
夜7時から東京文化会館で、ヴェロニカエーヴェルレ(Veronika Eberle)のヴァイオリンコンサートを聞くのである。
都響(東京都交響楽団)との共演、前半は彼女のベルクのコンツェルト、後半は大野和士指揮のブルックナーの9番である。


東京文化会館の大野和士、ヴェロニカエーヴェルレののコンサート


東京文化会館の大野和士、ヴェロニカエーヴェルレののコンサート


ヴェロニカエーヴェルレ(Veronika Eberle)は30代のドイツ人で、彼女のヴァイオリンはストラディバリウスである。
今年は東京芸術劇場でコリヤブラッハー、横浜みなとみらいホールで千住真理子さんを聞いたが、いずれもストラディバリウス。
しかし、その中で最も素晴らしかったのは、ヴェロニカエーヴェルレ!!
その演奏は完璧で、一切文句のつけようがなかった。
ヴェロニカの前半最後のアンコールも素晴らしかった。
後半(ブルックナー)が終わり、ラウンジを出た私は真っ先に、彼女のアンコール曲を掲示板で確認した。




おお、当たってる!!
やっぱり、プロコフィエフのような気がしていたのだ(私はプロコフィエフに詳しくない)。
無伴奏ヴァイオリンソナタ第2楽章と書いてある。
そういえば、私は7月の紀尾井ホールでも、プロコフィエフのヴァイオリンを聞いたが、こちらはヴァイオリンソナタ(1番ヘ短調)であった。
まあ、最後にまた余談だが、ヴァイオリンはピアノのように当然に独奏というわけではなく、完全な独奏の場合を特に「無伴奏」というのである。