2022/07/18

この世はハンター試験

こないだ、コピー機の順番を待つ間、ブックスタンドの少年ジャンプを手にとった。
週刊少年ジャンプ、、、
懐かしいというか、何というか、学生時代は駅の売店で170円で売っていた。
それがいまは270円もするのか!!
しかも、紐で縛られ、立ち読みができないとは。

内容も様変わりしているのではないか。
表紙を見ると時代の移り変わりを感じる。
私の学生時代のジャンプといえば黄金時代だった。
鳥山明「ドラゴンボール」、冨樫義博「幽遊白書」、井上雄彦「スラムダンク」、この御三家で雑誌も単行本もバカ売れしていた。

私は帰宅して、書棚からジャンプコミックスの単行本を取り出した。
懐かしの「こち亀」と「ハンターハンター」を、ぱらぱらとめくって読んだ。
「ハンターハンター」って、まだジャンプに連載しているのかなあ??

「主人公の少年・ゴン=フリークスがまだ見ぬ父親のジンと会うため、父の職業であったハンター(詳細は下記)となり、仲間達との絆を深めながら成長する様を描いた冒険活劇」「くじら島に住む少年ゴン=フリークスは、幼少期に森でキツネグマに襲われている所をハンターの青年カイトに助けられた。ゴンはこの時、死んだと思われていた父親ジンが生きており、優秀なハンターとして活躍していることを知る。それをきっかけにハンターという職業に憧れを抱いたゴンは、ハンター試験の受験を希望。ジンを快く思っていない里親ミトの出した条件をクリアし、ハンター試験会場へと向かうべく故郷を旅立った」

ハンター試験ねえ、、、
つくづく思うが、この世はハンター試験だ!!
志を高く持って努力をしていれば、ふとしたきっかけで、(ヘッド)ハンターと出会うことがある。
志願すれば誰でも受験生になれる。
そう、本人も知らないうちに。
いつのまにか試験が開始していることもある。
セレンディピティ(serendipity)という言葉を知っているだろうか。
ふとしたきっかけで幸運(チャンス)を掴むことである。
このとき、ちょっとした手がかり(ヒント)に気付けるかが重要だ。




漫画の中のハンター試験は、大学受験や国家試験のように公正な試験形態ではない。
試験内容は、その時々の試験官がその場で適当に決めるから、不公正だ。
つまり、試験官の人的要素、受験生の運に大きく左右される。

鬼試験官は、人権無視の無理難題を突き付ける。
そのため受験生のほとんどが不合格となったり、死んでしまったりするが、運営委員会は、それはそれで問題ないのだという。
しかし、やさしい試験官は簡単な問題を出してくれる。
らくちんだし、これは、ありがたい。
例えば単に聞かれたことに答える、言われたことを実行する、それだけで合格することもあるみたいですよ~♪♪






楽しい楽しいABCクッキング!!
ハイ、2人とも合格(*'ω'*)///

すると次は、別の試験官が登場し、二次試験の開始となった。
今度は2人に、まったく別の課題が与えられた。
なになに??
二次試験の試験官は、彼ら(2人は私の大学の後輩で留学生)の事業計画書を見たいようだ。
私は早速、彼らから預かっているアーティスト支援事業の事業計画書を、二次試験の試験官に送った。




中核のデジタルアート事業、、、いわゆるNFT事業といわれるものだ。
これは最近の流行りだから、なかなかいいと思う。
しかも、衰退中の日本市場ではなく、リッチな中国市場をターゲットにするとは、目の付け所もなかなかいい。
この事業は、日本人アーティストの可能性を広げるに違いない。

そういえば数ヶ月前、私はコレド室町で、たまたまデジタルアートの展示会を見たのだ。
エキサイティングな作品ばかりだったが、これからの時代は、伝統的な正統派アーティストだけではなく、ゲームクリエイター、アニメーターといった新しいアーティストが、デジタルアートの分野で活躍し、アート業界を盛り上げるだろう。
彼らの作品は、アメリカ、ヨーロッパ、中国のファンにもかなり売れるのではないか。








ところで、今日は7月18日、海の日である。
実は、この一次試験(料理教室)が行われたのは、今年3月のことだった。
それ以前からこの事業は計画されており、3月当時もいろいろと進行中だった。

では、結果はどうだったのか。
つまり、肝心の二次試験の結果についてであるが、後日、本人たちから「だめでした」という連絡があった。
あら、残念です、、、
二次試験の試験官は、私とは違い、非常に偉い人で、かつ、厳しい人でした(*'ω'*)!!!
エッセイストの私なら、今回のように、エッセイのネタを提供してくれれば、すぐ合格なんですけどねえ。
この2人、これからもあきらめずに起業するのでしょうか??
最近は、試験が終わり、夏休みに入ったようですが。

以下、追記。
これまでブログに書きませんでしたが、3月以降、私の体調はイマイチでありました。
自分でも驚いてしまうのですが、2021年7月当時と比べると、現在の私の体重は(2022年7月19日現在)、マイナス約10キロなのです(*'ω'*)wow!!
おや、大学時代の体重まで、見事に戻ってしまいましたね~♪♪

その点はうれしいのですが、ちょっと心配、、、
私は去年から、ダイエット目的で運動を続けていますが、最大でマイナス10.5キロを達成したのです。
念のため、病院で検査を受けましたが、重い病気などはなし。
しかし、無理はしないほうがいいということで、日常生活は調整中、講師業を始めとする様々な仕事も4月以降お休みです。
講師業は8月中旬から再開の予定。

そのような事情もあり、あんみつ先生は後輩のように、あるいは、懐かしい大学時代のように、しばらく夏休みに入ります(*'ω'*)summer vacation!!

2022/07/17

ラーメン好きなら、Cash is Kingだ!!

テレビニュースなどを見ていると、最近は、芸能人による投資詐欺が話題のようだ。
こういうことがあるから、投資関係者は誤解をされる、トバッチリを受ける、やはり世間のイメージがよろしくないということになる。
私は業界人でないのだが、周囲の人から、親切で本当にこう言われたことがある。

「先生、ここだけの話、投資講座なんか、やめたほうがいいですよ。」
「そ、そうなんですか(*'ω'*)、、、」
「終活講座のほうが、あんみつ先生のイメージがいいからです。」

真面目で、人のいい彼らが私のためを思ってそう言うのだ。
う~ん、世間の目は、投資関係者に対して、実に厳しいのだなあ、、、
それなら、投資講座はイメージダウンになるので素直にやめたほうがいいのだろうか。
今後は、何件かご依頼をいただいている終活等の講演講義を中心に、あるいは、ワイン講座なども企画しつつ、(悪化したらしい??)イメージの回復を図るほうが賢明なのだろうか。




今日においては、郵便局でも投資信託等の推奨勧誘が問題となったり、FP(ファイナンシャルプランナー)も金融商品の販売に深く関与している。
もはや、投資関係者というとき、誰を指すのかよく分からない事態となっている。
以前の繰り返しとなるが、経済評論家山崎元さんの言うように、投資の損の多くは人災、投資のことを語る人間は危険なので一切近付くな、という個人投資家に対する警告が、ますます真実味現実味を帯びてくる(2021/12/22「私の書いたことが本になるなんて」)。
だとすれば、業界人でない私が、どういう投資講座をするべきか、自ずと決まって来よう。

あんみつ先生の投資講座は、もしかするとKYな内容である。
そもそも受講者に金融商品の買いを推奨する内容ではない。
買う買わないを考えてもらうことが重要だからだ。
つまり、投資に関して自己決定に委ねるということだ。
次に、初心者にはいい話だけをする業界人が多いが、リスクマネジメントの話もきちんとしなくてはいけないと思う。
また、証券の価値に投資するといっても、投資はタイミングがとても重要。
そこで、金融商品の価格分析の方法(テクニカル分析)を、少しばかりお披露目する。

いつでもどこでも投資を推奨し、いい話だけをする、リスクがあると言いながらリスクマネジメントの話を避ける、暴落だって起きるのにタイミングは重要ではないという、それは説得力を欠くので、私の投資講座では採用いたしません。

「みなさん、株式を買いましょう。今が買い時です(=゚ω゚)ノ」
「これからインフレになります。株式でインフレ対策をしましょう!!」
「みなさんだけには、アナリストのわたくしの推奨銘柄を、特別に教えましょう♪♪」

これが典型的教科書的な投資講座。
もちろん私は私の投資講座のほうが、お気に入りである。
しかし、そもそも私の尊敬するセミナー講師Yさんのおすすめは、投資講座ではない。
実は終活講座のほうなのである。
Yさんは私に、これからは終活講座のほうが流行りそうな気がするのよね、というのだ。
何でかよく分からないのだが、女の第六感!?
Yさんがそう言うなら、私は今後、終活講座にシフトしていくと思う。

ところで、相場には「Cash is King(最強の金融商品は現金である)」という格言がある。
そう、私のよく行くラーメン屋って、たいていはどこも現金払いだ。
ラーメン好きなら、Cash is Kingだ!!


牛久、ラーメンみちすけ


上野広小路、昇竜


上野広小路、俺の創作らぁめん 極や


■ユーロ/ドル週足(2022年7月15日)
(出典:Yahoo Finance America)


ところで現在のマーケットも、まさに、キャッシュイズキング。
「最強のキャッシュ=ドル」が独り勝ちしているベアマーケット(下げ相場)である!!
しかし、すでにドルは対ユーロで買われすぎの水準に到達した。
連休明けにユーロドルが暴落し、為替市場がまったく新しいステージに入ることもあり得るが、何事もなければいったんは底入れし、ここから切り返して年後半、ドル安にふれるような気もする。
そうなるとドル円相場も、年後半は円安トレンドが一服し、円高圧力が強まる。
ユーロドルがドル安にいけば、ドル円は方向感を欠いた横ばいの展開で推移するだろう。
あるいは、想定外の円高。

世界的に景気が悪化しており、世界的にインフレが進んでいる。
すると当面は、ドルよりも(デフレ傾向の強い日本の)円で保有するほうがいいのである。


■米国債10年週足(2022年7月15日)
(出典:Yahoo Finance America)


ただし、日米金利差などの諸事情から米国債を買う機関投資家の投資行動には合理性がある。
ところが日本の個人投資家は、ドル預金をするが米国債を買わないのがふつうだから、為替リスクと高額の為替手数料を支払ってまで、円を売りドルを買う理由はないと思われる。
政府やマスコミがインフレで円安、インフレで株式投資と騒いでいようが、ドルよりは円で、日本株式よりは日本円で保有するほうがいいと思う。

なお、3か月前は、誰でも円を売りドルを買えばよかった。
これについては、2022年3月26日(土)の専門家向けの金融経済法律の勉強会「あんみつ先生のちょっとためになる老後の福祉と相続のお話!!」で解説したとおりである。

2022/07/15

「ネットリテラシー講座」、障がい者支援施設での講演会とその後日談



最近、インターネットトラブルについて話してほしいとの講演依頼があり、その準備をして、近所の会議室で試し撮り(練習)をしてきた。
障がい者支援施設からの依頼なのだが、担当者とのやりとりの中で、そういったトラブルに巻き込まれて困ってしまう障がい者の方が、少なからず、いるということを聞いた。
これって、なかなか切実な社会問題ではないか、と私は思った。

高齢者をターゲットとした詐欺事件が、毎日のようにテレビニュースで流れている。
高齢者は人口の半分近くもいる。
裕福な高齢者の場合は被害額が大きい。
だから、事件化し、報道されていると考えられる。
これに対し、障害者は少数派である。
高齢者のように裕福かというとそうではない人が多い。
被害額も小さいと考えられる。
また、障害者は自分から相談しにくいのではないかと思う。
とすると、単に事件化していないだけで(泣き寝入りなど)、被害の実態はひどいのかもしれない。

この講演会の終了後、受講者からアンケートをとったのだが、やはりというか何というか、トラブルにあったことがある、いま、あっているという人が何人もいて、私は非常に驚いた!!
この手のトラブルの場合、一般に相談先は、消費生活センターの「188(いやや)」と、警察の「9110」、法テラス「0570ー078374(おなやみなし)」を紹介している。
しかし、それだけでは不十分なのでは、とも思った。
講演のとき、私の話に対して、(自分が話しかけられていると思って)「はい」と答える元気な女の子がいたのだが、、、もし彼女が、悪徳訪問販売員と仲良くなり高額商品を買わされたらどうなるのだろう。
どこの行政窓口に相談すればよいのだろう。

私の調べたかぎりでは、障害の特性を理解したうえで相談に乗ってくれるような行政の窓口はないようであった。
例えば警察のウェブサイトを見ると、高齢者向けのオレオレ詐欺の相談窓口、女性向けの相談窓口、外国人向けの相談窓口はあるのだが。
もし障害者向けの相談窓口があれば、障害者に対する悪徳商法や詐欺の被害を未然に防ぐことができたかもしれない。
というわけで、そういう相談窓口を警察は作ってみてはいかがでしょう、と県警に意見をお伝えしてみた。

2022/07/14

おや?? おいしいのですが、いつもと味が少し違う??


レアチーズケーキ。ママ殿の手作りです。おや?? おいしいのですが、いつもと味が少し違う?? 聞いてみると、レモンの分量を間違えたそうです(*'ω'*)




2022/07/05

江副浩正「不動産は値下がりする!」

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退

だいたい、この3つは同じことである(逆も同じ)。
景気が悪化するとき、資産価格はそれに先んじて悪化(下落)する。
株価は約半年ほどの景気の先行指標と考えられている。

景気が悪化すれば、需要減で物価は下落あるいは低迷する。
平成のデフレ不況がそれである。
よって、、、

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退
④物価の下落

しかし、現在のように、原材料価格の高騰による物価高なら(コストプッシュインフレ)、このときは、どうなるかというと、、、

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退
④物価の上昇

なぜ物価が上昇するのに、不動産価格、株価が下落するのか??
その理由は、投資家が金利の上昇を織り込むからである。
物価が上昇すると私たちは生活に困るから、政府は物価上昇を抑えるために金利を上げざるを得ない。
まあ、それがまともな政策判断なのである。
そのため、投資家はそれを予測し、金利が上がる前に資産を売却し、備えるのである。
その結果、資産価格は金利が上がる前に先んじて下落することになる。

資産価格の下落は始まったばかりのように見える。
物価上昇も始まったばかりだ。
そしていまだにマイナス金利である。

新型コロナウィルスが沈静化し、これから景気が回復する、引き続き、資産価格が上昇するという物語は、日本銀行がマイナス金利を維持する、かつ、日本政府が財政支出を続ける、それが大前提となる。
だが、それだと物価が上昇し続けるので、多くの人が生活に困るし、現金保有者は損である。
このとき、様々な理由で円安になるのが道理であるが、金融緩和の効果とあいまって、円安が今後さらに進んでいく、結果、物価がさらに上昇すると考えられるのである。
そして、さっきの繰り返しとなるが、、、物価が上昇すると私たちは生活に困るから、政府は物価上昇を抑えるために金利を上げざるを得ない。
ということは??


江副浩正の不動産は値下がりする


さて。
不動産価格が下落すると、景気に悪影響を与えることが必至である。

リクルートの創業者江副浩正の「不動産は値下がりする」という名著がある。
いい本なので私は間違えて2回買ってしまい、書斎に2冊並べてある。
今後の物価高を見込んで、あんみつ先生のサイン入りで、1冊税込55000円でお譲りしましょう(*'ω'*)マジデ,タカッ!!!

江副氏はリクルート事件で失脚後、隠遁生活をしたが、晩年にこれを書いた。
リーマンショックの前年(2007年)に出版された。
江副氏は西武グループの堤義明氏などと並んで、昭和の不動産王のひとり。
不動産王が言うのだから当たる、と私は思うのだが、江副氏の指摘することも懸念することもまだ起きてはいない。
それがこれから起きるのではないか、と私は思うのだが、、、

都心に高層オフィスビルと高層マンションが建ち、これまでめぼしいものがなかったエリアでも再開発が進むと、全体として不動産は値下がりするはずだ。
床面積が増えることで、需給関係がゆるむことはあっても、タイト化することはないし、日本は人口減少がほぼ確定しており、高齢化で経済も衰退している。
したがって、長い目で見ると都心の不動産は大きく値下がりするだろう。

ここ10年、このような江副氏の予測に反して不動産価格が上昇していたのは、インバウンドの中国人マネーと東京オリンピックマネーと、そして何よりも、日本銀行の過激な金融緩和(ヘリコプターマネー)のマネーのおかげだったのである。
すると、これからどうなるだろうか??
また、江副氏や堤義明氏の会社が、バブル崩壊後もかろうじて生き延びられたのはどうしてだろう??




■大東建託(1808)
大東建託月足チャート
(出典・YahooFinance)

これはあくまでも、一般的標準的テクニカル分析によるものであるが、2本の下向きの平行線の中に相場があるかぎり、下落トレンドである。

赤い丸=ブレイクアウトで、強い下落シグナル
緑の丸=下げ止まり
青い丸=上昇トレンド転換

ただ恐らく、青い丸のところまで上昇するのは、当面、むずかしそうである。
でも、大東建託はサブリースの不動産屋さんですよね。
サブリースは、2018年にスルガ銀行の事件で社会問題となりました。


■住友不動産(8830)
住友不動産の株価
(出典・YahooFinance)

いまや都心のあちこちで住友不動産のビルを見かける、不動産業界きっての成長企業の住友不動産の株価である。
う~ん、株価のパターンを見るとどうなのだろう??
天下の財閥系不動産会社が大東建託と似ているようにも見える。
なぜサブリースの大東建託と??
もしかすると金利の上昇という共通の爆弾(リスク)を抱えているからではないか。

バブル崩壊当時、高金利を前提に返済計画を立てていた投資家や実業家たち。
しかし、当時とは違い、いまの彼らには、生き延びるための金利ののりしろがあるのかというと、まったくない。

2022/07/03

ファミリーレストランの値上げの是非

テレビから毎日のように値上げのニュースが流れる。
そのとき、コメンテーターたちが値上げの是非を討論している。

我が国は資本主義だ。
コストが上がったら値上げをすべきだ。
値上げをしないと企業の利益が減る。
労働者の賃金が下がる。

だから素直に値上げをすればいいという者がいる。
また、品質を落としたり、量を減らしたりして値上げを回避すると、消費者は疑心暗鬼になると批判する者がいる。
アナリストの友人は、さっさと値上げをすればいいのに、マスコミが値上げを非難するのはけしからん、と憤っていた。

つまり、長い長いデフレ不況が終わらないのは、こういうときに値上げをみんなでためらうからなのだ。
確かに理論的には彼の言うとおりである。
正直言うと私も、金融経済の専門家として値上げ許容派であった。
しかし私は最近の出来事で、ほぼ値上げ否定派に変わった。

6月のある日。
私はうちのママ殿と一緒にファミリーレストランに行った。
昼間に来客があり、その対応でひどく疲れたので夕食を作る気力がない、外食で済ませたいとママ殿は言った。
コロナ禍に、全くといっていいほど外食をしていなかった私たち。
2人で食べに行くなんていつ以来だろう、と話した。
ええと、この前は確か、コロナが落ち着いたときに、2人でデパートに買い物へ行き、その帰りに銀座アスターで食べたはず。

「それ以来じゃないの??」
「違います。銀座アスターではありません。この前は、プリンスホテルです。」
「いやいや、プリンスホテルは、ものすご~~~く前ですよ。」
「いいえ、プリンスホテルです。私の記憶に、間違いはないのよ。」

争っても仕方がないのでプリンスホテルということになった。
しかし、スマホの写真を見返すと、2020年10月の銀座アスターだった。
ちょうどその頃、私はワインの資格試験に合格し、お祝いのため、2人で銀座アスターに食べにいったからよく覚えているのだ。


銀座アスター


あんみつ先生のママ殿


今日は何が食べたいか聞くと、ハンバーグステーキが食べたいという。
それなら、そこらのファミレスで食べればいい。
夕方、大通り沿いのファミレスに入店した。
私はファミレスで、ドリンクバーにスイーツを注文することはあるが、食事をするのは久しぶりだった。

そういえば学生時代、友達と帰りによく食べにいき、長い時間お喋りをしたなあ。
会社員時代は節約のため、ファミレスのランチセットをよく食べていた。
誰かとファミレスで別れ話をして、別れたような、別れなかったような、、、

私たちはテーブル席に座った。
ママ殿は疲れて食欲がないといい、大根おろしのさっぱり和風ハンバーグセットを頼んだ。
暑いので私も食欲がなく、同じものを頼んだ。
注文用ディスプレイの合計額を見ると、2人で2200円程度。
夕食でハンバーグセットでこの値段なら妥当か。
15分ほどで料理が届き、その後は話しながら食べた。




途中、私はスープバーにおかわりを取りにいったが、3人の幼い子供とママさんが、テーブル席で楽しそうに食べているのを見かけた。
席に戻った私はママ殿に言った。

「今度はトマトスープにしました。中華スープはいまいちでしたから。」
「このトマトスープ、なかなかおいしいわ。コンソメ入りで飲みやすいし。」
「これなら家で自分で作れそう。」
「カットトマトを使えばあなたでも簡単ね。」
「コンソメは冷蔵庫のどこにありましたっけ?」
「鶏がらスープの素の入れ物の左隣です。」
「ああ、あそこね。今度ランチの時に作ってみます。」
「頑張ってください。」

さて、値上げの是非の話に戻ろう。
私は値上げ許容派だったのに、ここにいるうち、ほぼ値上げ否定派となった。
お店は値上げをして何を維持したいのか。
客に提供する商品とサービスの質を維持したいのだ。
このファミレスの場合、例えば私たちの食べるハンバーグセットの品質だ。
しかし、このファミレスで私たちは、料理の味にどこまでこだわっているかというと、実はそれほどでもないことに気付いた。
プリンスホテルや銀座アスターは値上げする方がいいかもしれないが、ファミレスは、できるだけ値上げしない方がいい。
あのテーブル席の親子は、値上げではなく、品質の妥協の方を望んでいると思うのだ。

それにしても今年の夏はひどい物価高騰である。
たまにファミレスに入店したときは、若い頃を懐かしむこともあるが、若い頃の思い出は良いものばかり。
昔は何をしても楽しかった。
何を食べても満足だった。
私は、食事というのは、何を食べるかより誰と食べるかにこそ真の価値があるのだと思う。
この日の私は、その価値を少しでも安く提供するファミレスに感謝をしたのだった。


アロスティチーニ、サイゼリヤ


アロスティチーニ、サイゼリヤ


最後に。
ワイン好きの私は、串刺しのラム肉(アロスティチーニ)がとてもおいしいので、最近サイゼリヤで頻繁に食べている。
これは、赤ワインとの相性が抜群にいい。
ただ、せっかくアロスティチーニがこんなにおいしいのだから、サイゼリアのワインリストには、もう少し選択肢があってもいいのではないかと思う。
高価格帯のワインがあることで、低価格のメニューの価格の維持もしやすくなる、と私は思うのだが。

そうそう、思い出した!!

学生時代、友達と帰りによく食べにいき、長い時間お喋りをしたなあ。
会社員時代は節約のため、ファミレスのランチセットをよく食べていた。
誰かとファミレスで別れ話をして、別れたような、別れなかったような、、、

そのファミレス、実はいずれも、サイゼリヤである。

2022/07/01

Between Debt and the Devil(2)フリーランチはない



前回のブログ記事で登場した「債務さもなくば悪魔(Between Debt and the Devil)」というヘリコプターマネーの専門書。
著者のアデアターナー(Adair Turner)はイギリスの元金融サービス機構(FSA)長官、ヘリコプターマネーの権威、イギリスを破綻させたヘッジファンドマネージャーのジョージソロスの仲間である(≧∇≦)キャー,ステキイイ!!


(債務さもなくば悪魔(Between Debt and the Devil)表紙裏より)


すでに述べたとおり、ヘリコプターマネー(helicopter money)は劇薬そのもので、財政規律を害し、中央銀行のバランスシートが債務超過となるため、中央銀行及びその発行する貨幣に対する信認が損なわれてしまう。
また、アベノミクス以降、日本銀行が金融緩和(QE)をしており、それがまさにヘリコプターマネーであるということもすでに述べた。
ヘリマネの典型例は、コロナ禍の給付金や支援金、まるでヘリコプターで上空から札束をばらまくような、太っ腹で無節操なバラマキの経済対策だった。
その経済効果は極めて大きく、日本経済は延命したのだ!!






しかし、世の中、こういう格言(神様の言葉)がある。

「ただより高い物はない」
欧米では、「フリーランチはない」

したがって、ヘリコプターマネーで日本経済は延命ができたものの、必ず、あとで請求書が来て、高くつくはずなのである。
つまり、ヘリマネが劇薬といわれるからには、想像以上の恐ろしい副作用が伴う、というのが道理なのである。
そこで、ヘリマネの副作用、つまり通貨の価値の毀損による制御不能のインフレを懸念して反対をする者がいるけれども、他方で、そこまでのインフレはそう簡単に起きるものではないというのも事実である。
しかし、床の上に油をまき散らしても直ちに火災になるわけではないから大丈夫ですよ、などという子供だましの屁理屈を聞いて、誰が納得して安心するというのか。

以下は、6月第3週終了時点のチャートである。


■⽇経平均株価 
(出典・YahooFinance) 

6⽉第3週の下落により、6月第4週以降は、①〜④〜⑤と下落基調が継続することが想定される。
25000円を割り込み、④〜⑤に⼊ると、⽇銀の⾦融緩和以来の⻑期の上昇相場が終了したと判断してもよいだろう。
また、その場合は、相場が⼤きく動き、総崩れとなる可能性もある。
もし③に⼊ることがあるとすれば早期の20000円割れも視野に⼊る。 
かたや、25000円よりも上で相場が推移し、④〜②に流れ着いた場合、いったんは下げ⽌まったと判断してよいだろう。
ただそれでも当⾯は、②から再度下落が試されることが想定される。
少なくとも2本の右肩下がりの川の中に相場がある限り、下落基調が継続しているとみなす⽅がよいだろう。

まあ、これは、今日明日の危機をあおるような話ではなく、中長期の冷徹な相場予測である。

ここで重要なのは25000円である。
私は、25000円を割ると強い売りシグナルだと思うのだが、しかしそれまではまだ粘っている、ギリギリ大丈夫、、、というふうに楽観的に考えることもできる。
今回は、もう少し長いチャートを見てみよう。


■日経平均株価(2022年6月末)
(出典・YahooFinance) 


(拡大図・出典・YahooFinance) 


なぜギリギリ大丈夫と考えられるのかというと、2本の赤い平行線の中に相場がある限り、10年来の長期の上昇トレンドが継続しているとも考えられるからである。
ここを、日本の公的な買い圧力(いわゆるPKO、price keeping operation)が死守するということなら、ギリギリ大丈夫、下げ止まり、今後は反転上昇すると思う。
しかし、ウクライナ戦争、不穏な世界情勢、インフレ、世界的な金融引き締め、そういう危険な流れの中で、大丈夫ではないかもしれないと不安に思うのは私だけではないはずだ。

以下、これもまた前回のブログ記事より。

では、他の2冊の名著(「バブルの歴史」「大暴落1929年」)が警告するように、バブルは崩壊する、株価は大暴落するのか。
いや、専門家のあいだでは、今回のバブルはそう簡単には終わらない(終われない)と考えられている。
なぜなら、上空のヘリコプターから札束をばらまいている最中に、株価が暴落してしまったら、それこそ日本経済の破綻(!!)だからである。

つまり、「特攻隊」は戻れない、最近の政治のニュースでも、「一億総株主」という言葉が流れたが、そういうことなのである(ちなみに戦時中の政府は「一億総火の玉」と言っていた)。
もっとも、ヘリコプターマネーといっても、これ以上何をばらまくのかという感じもする。
なので、これ以上のバブル相場は想定しにくいと私は思う。

さて、この「特攻隊」の飛行機は現在までどのように飛んでいるのかというと、実は、この2本の赤い平行線の中を、蛇行運転しているようなのである。
どこに向かって特攻しているのかというと、もちろん、バブル期の最高値39000円あたりである。
しかし、39000円まで燃料(金融緩和)が続くのか、ということがいま問題となっている。
もしこの角度で飛べなくなってしまうと、どこの誰に撃墜されたかは相場では知るよしもないが、墜落したようにも見える。

というわけで、赤い上昇トレンドライン(2本の赤い平行線の下のほうの線のこと)をブレイクアウトしたときは、撃墜されたのだから単に売り、25000円割れでもっと売り、一気にリスク回避の流れとなることが想定される。
その場合、特攻隊の飛行機は、白抜きの赤い矢印のように黒い四角の中へ「墜落」していき、青丸がアベノミクス相場の2番天井を形成してしまいそうだ。
7月以降、13ヶ月移動平均×21ヶ月移動平均がデッドクロス(Dead Cross)しかけており、下落トレンドがさらに強まる恐れもある。
私は2022年後半の相場はこのデッドクロスの流れでの下落が試されると予測する。
世界情勢のあやで、何が起こるか分からないではないか。
赤い矢印のTargetの周辺までの急落にも要注意。

なお、このチャートを眺め、思い返すと、第一次特攻隊は、2013年から2015年まで、もっと急角度で威勢よく飛ぶ予定だったのではないか、と思う(Channel Lineと書かれている周辺)。
しかし、チャートから明らかなように、2015年の消費税増税が、第一次特攻隊を撃墜してしまったようである。
ああ、これは残念(*'ω'*)

これでアベノミクスは事実上失敗した。
その後、日経平均株価は長期低迷に陥り、ほぼ横ばいとなった。
そのあいだ、世界の株式はどこもかしこも上昇したが、日本だけが上がらなかった。
確かに、消費税増税は社会保障の維持のためにはやむを得ないとは思うが、大切な仲間を撃墜してしまうとは。

では、次の第二次特攻隊は、どうなる運命なのか??
特攻隊とは決死隊であり、死を覚悟して撃墜されにいくわけである。
だから、この相場も、撃墜の宿命が待ち受けているようにも思える。
しかし、特攻隊員だって命は惜しいし、必ず死ぬとは限らない。
以前、本で読んだことがあるのだ。
ゼロ戦に爆弾を積み過ぎた特攻隊員が、途中で燃料切れになり、どこかの島に不時着して生き残ったというエピソードを。
しかし、万が一暴落などが起きたとしても、欧米のヘッジファンドのせいにするのは、よしましょう!!
投資は自己責任です(*'ω'*)チャリーン!!


■日経平均株価(月足MACD・2022年6月末)
(出典・YahooFinance)




■日経平均株価(2022年3月・赤丸のゾーンは強い下落シグナル)