2022/06/26

Coastal Region

初夏の暑い日。
早めに用事が済んだので私は日暮里駅で電車をおりた。

①日暮里駅~谷中銀座~千駄木駅~団子坂下交差点~森鴎外記念館のモリキネカフェ
②日暮里駅~谷中銀座~朝倉彫遡館~東京芸大~黒田記念館の交差点の上島珈琲
③日暮里駅~谷中霊園~渋沢栄一の墓~寛永寺~黒田記念館の交差点の上島珈琲

①②の散歩コースは知っているが、③の散歩コースはまだ知らない。
②の方がおもしろいとは思うんだけど、今回は未知の③を選んだ。
日暮里駅を出て、JRの線路沿いの細い道を歩く。
狭い階段の坂道を上がるとすぐに谷中霊園である。
花屋、石屋、ボロアパート、座禅道場~霊園内の入り組んだ路地を歩くこと約10分、芋坂というところに出た。

おや、線路の向こう側に行ける歩道橋がある。
ああ、そうか、、、墓参りに来る場合、線路の向こう側のきれいな道を歩き、芋坂の歩道橋を渡ってこちら側に来る方が、墓の位置によっては、らくちんなのだ。
渋沢栄一の墓を見に行く場合は、谷中霊園の反対側、線路の向こう側に出て、線路沿いの道を歩き、「御隠殿坂跨線橋」を渡り、まっすぐ歩く、これが一番よさそうである。


渋沢栄一の墓


渋沢栄一の墓に着いた。
正確には、渋澤家の墓である。
その墓地は整地された小さな公園のなかにあった。
休憩用のベンチが木陰に並んでおり、案内の立札もあり、ちょっとした観光スポットになっていた。
暑いので私はベンチに座り、ペットボトルのお茶を飲んだ。
日なたにある立札は、暑いので、読み流した。
一番右の「渋澤家」の墓石には、紫のきれいな花が供えられていた。

その後、谷中霊園を出て、閑静な通りを歩き、寛永寺に着いた。
隣に中学校があり、寛永寺の前で、無言で下校する子供たちの集団とすれ違った。
境内に入ると、何人かのおじいさんが、庭や本堂でくつろいでいた。
こちらは、まるで時が止まっているかのようだ。


寛永寺


その後、寛永寺を出てから黒田記念館に着くまで、東京国立博物館、国際子供図書館の前を通ったが、ここでも課外授業の子供たちの一団とすれ違った。
子供たちは異様なほど静かだ。
すれ違うとき、引率の女教師がマスクを外し、子供たちに大声で話しかけるのが聞こえた。

「みなさん、今日は暑いので、マスクを外してもいいんですよ!!」

彼女は教師の立場上、マスクを外しなさいとは言えないので、外してもいいんですよ、と訴えかけているのだ。
しかし、子供たちは大人のまねをしてマスクをしているのであり、返事がなかった。


黒田記念館


黒田記念館に到着。
玄関を入ると若い男性職員が待ち構えていて、検温器の前に立つように、と促された。
35.8度。
私は店舗の入口などで検温チェックをするとき、いつも思うのだが、、、うそでしょ~!? 私って、低体温症でヤバいんじゃないの~??
しかし私は、若い男性職員にご苦労様と声をかけ、展示室のある2階に上がった。


黒田記念館


黒田記念館


黒田記念館の展示室は2階のワンルームだけである。
いまは黒田さんといえば日銀総裁の黒田さん(黒田東彦氏)、画家の黒田清輝のことを私はよく知らないのだが、ここは入場料無料、東京芸大のすぐそばの交差点にあるので、ふらりと入ってみるのもいいかもしれない。

その後、上野駅から東京駅へ出た。
KITTE(東京駅前郵便局)でお友達に郵便物を出し、日本橋高島屋、コレド日本橋で買い物をし、休憩、そしてシャングリラホテルの向かいのパソナ本社ビルへ。


キャプランワインアカデミー


実は、この日は、T先生のワイン教室の日なのであった。
ここでも、入口で検温をしたし、教室のテーブルには、毎度のことだがビニール手袋が置いてあった。
感染防止のため、ワインのボトルを持つときに着けるものだが、もう手袋のほうは着けなくてもいいのではないか。
なぜなら、はずす順番を考えた場合、手袋を放棄しない限り、マスクを放棄することもないだろうから。

さて、ワインの話を少し。
この日のテイスティングは、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャの沿岸地域(Coastal Region)の白ワイン5種類だった。





あれ?? いつもの感じと違うな。
途中、セブンイレブンで干し梅を買って食べながら歩いてきたのだが、なんだか、そのような味がする。
T先生の話だと、海風の影響で、ブドウに微量の塩分が付着することがあるためである。

それにしても、今日のT先生のファッション、素敵だなあ(*'ω'*)♪♪
夏らしく、さわやかな白いシャツにジーンズのスカートである。
ん~、もしかしてこれもまた、Coastal Region??


キャプランワインアカデミー

2022/06/22

明日になったら気が変わってしまうから思い立ったときに出かけよう

買い物ついでにパレット柏(柏市の公共施設)に立ち寄った。
暑いので休みたくなり、私はドンキホーテの斜向かいの商業ビルの3階へ。
公共施設は繁華街にあってもわりと空いているので、エスカレーターを上がると周囲の空気が涼しかった。
私は、階下のセブンイレブンで買ったペットボトルを持ち込み、オープンスペースに入った。
帰りにちょっと郵便局で書類も出したいので、ここで作ってしまおう。

私は2人用のテーブル席に座り、30分ばかり事務作業をして過ごした。
が、午後3時前になると、職員の呼びかけがあり、全員退出してください、と言われた。
これから消毒作業をするという。

いや~、これはいちいち、めんどうくさいなあ、、、

とはいえ、公共施設の無料スペースの場合、1日中、同じ席を占拠されるとみなが迷惑するので、総入れ替えの時間を設けるのは妥当である。
コロナ禍の消毒作業は、そのためには都合のいい口実なのだ。
かくして、オープンスペースは30分ほど立入禁止に。
数人の女性職員が消毒作業を終えると、今度は電気が消された。

あらま~、徹底的にやるのね、、、


パレット柏、オープンスペース


再開放の時間まで、私は入口付近のホワイトボードを眺めて待っていたが、「みんなのギモンの掲示板」というコーナーが、なかなかおもしろかった。
Q&Aを書いたのはオープンスペースで自習をする学生たちと思われるが、イタリア料理っぽくキレてください、、、

なるほど、そうやってキレるのか!!
でも、あんまり恐くないけど。

こういう感性は大事だと思う。
さて、郵便物ができあがったので、私はオープンスペースを出て、帰ることにした。
ただその前に、併設の柏市民ギャラリーをのぞいた。
まあ、この手の公共施設の展示会はアマチュアの趣味的なものが多いので、3分で見終わるだろう。


パレット柏、柏市民ギャラリー


おや??
これは意外にも、いいな。
小川兄弟の「極彩四季」。
旅行写真の展示会なので、素人かと思いきや、彼らはプロの写真家だった。
兄弟のどちらかが登山家で、大迫力の山岳写真が何点も展示されている。
また、会場のライティングも絶妙で、写真に添えられた短い詩もよかった。
「明日になったら気が変わってしまうから思い立ったときに出かけよう」
「ありきたりの日常を手放し、別次元の世界に身を委ねたとき自分の想像力が自由を手にする」


小川兄弟、極彩四季


小川兄弟、極彩四季


小川兄弟、極彩四季


ある辞書によれば、掘り出し物とは価値あるものや珍しいものを探し当てることである。
写真を見終えた後、小川兄弟と話すことができた。

「とてもよかったです。」
「どうも、ありがとうございます^^」
「小川さんたちって、本当のご兄弟なんですか??」
「もちろん、そうですよ。」
「ですよね~。目もとがよく似ています。」
「それ、よく言われます。」
「この写真、柏の市民ギャラリーではもったいない気もするなあ。銀座のソニーギャラリーはどうかしら。」
「どうもありがとうございます。」
「ねえ、試しにソニーに持ち込んでみたら??」
「も、持ち込みですか!?」
「そうです。私、業界人ではないので、ソニーに持ち込めるかどうかは知りませんが。藤子不二雄のまんが道みたいにできないんですかね。」
「持ち込みって、どうなんでしょうね、、、」
「今日、電話して聞いてみたらどうですか??」
「どうしようかな、、、」

明日になったら気が変わってしまうから思い立ったときに出かけよう。

2022/06/21

親子丼用の鶏肉を使って、あんかけ焼きそばを作ってみました


普段、焼きそばには豚肉を入れますが、冷蔵庫に豚肉がなく、買い出しのため、肉屋へ。ただ今回は、親子丼用の鶏肉を使って、あんかけ焼きそばを作ってみました。非常においしかったです♪♪




2022/06/18

東京都美術館ZEN展、レジン絵画作家智明葵(CHIAKI)

午後から、秋葉原で人と会う予定があり、約束の時間まで上野で過ごした。
上野駅の改札を出たのは11時過ぎ。
駅周辺は、コロナウィルスの沈静化で、明らかに人出が多かった。

アトレ上野のあんみつみはし、、、ああ、混んでいるなあ。
ヨドバシカメラの前の交差点へ。
上野の森さくらテラスのタリーズコーヒーも、やはり、混んでいる。
急な階段をのぼり、上野の森美術館の脇に出た。
おや、この行列は、、、なるほど、木梨憲武の展示会か。

しばらく公園内を歩き続けた。
上野公園のどこかの美術館に行きたい場合は、とにかく、公園口から出ないと遠回りになってしまうのだ。
右手に東京文化会館、左手に正岡子規記念球場。
その先の十字路を左へ、ようやく、スターバックスの前に辿り着いた。
ああ、やっぱり、スターバックスが空いているわけがないよな。
私はさらに公園の奥へ、上野動物公園の右手奥にある東京都美術館のなかに入った。

東京都美術館なんて、久しぶりに来たなあ、、、
久しぶりなので、ノートに記念スタンプを押していこうと思ったら、コロナ禍のためスタンプはありません、とのこと。
スタンプを押したい場合、受付に申し出る必要があるようだ。

さて、私のお目当ての展示会はZEN展である。
午後からの用事の準備のため、途中で私はカフェに入りたかったのだが、それが一向にかなわず、ZEN展の会場のある東京都美術館に着いてしまった。
まあ、準備は後回しでもいいか。
私は2階の第一展示室に向かった。


東京都美術館、ZEN展


実はZEN展のことを、私はまったく知らないでふらりと来たのだ。
ただここで、レジン絵画作家の智明葵(ちあき、CHIAKI)が新作を出展するというので、用事のついでに立ち寄った。
受付で手続をするとき、投票用紙と鉛筆をもらった。
職員に聞くと、この展示会は公募展で、応募すればたいていは出品がかなうとのこと。

な、なるほど。
智明葵さん、、、まだまだ修行中、発展途上のようですね。


東京都美術館、ZEN展


東京都美術館、ZEN展


公募展なので、作品は多種多様、壁に所狭しと作品が飾られている。
たとえが適切かどうかはともかく、この展示会はドンキホーテの店内のようでもある。
プロ(キュレーター)が考えに考えて展示した空間ではない、作家どうしの場所の争奪戦があったのではないか、という感じもする。
しかし、これはいい!!と私は思った。
ドンキホーテの店内が楽しいのと同じで、スタイリッシュな展示会とはまた別の楽しみがある。


東京都美術館、ZEN展


展示室の一角に、クイズコーナーがあった。
なになに??

(Q)
特急電車こだまの食堂車に設置する際、国鉄の職員が適当に名付けたという胡散臭い名付けのエピソードを持ち、現在では実態に即していない「チン」という別名で呼ばれ続けている調理器具はなに??

(A)
電子レンジ

おお、そうだったんですね!!
ええと、「レジン」ではなく、「レンジ」か。


東京都美術館、ZEN展


あらま~、かわいらしい招き猫ちゃん!!
さすが、婚活仕様、、、右のほうは、目力がすごい。

ええと、、、う~んと、、、
智明葵さんは、どこにいるのかしら??
彼女はキモノがトレードマークで、スタイルもいいので、ドンキホーテのような雑然とした場所にいても、すぐに見つかるはず。

おお、いたいた!!
キモノ姿の彼女は、おばあちゃん2人組と話していた。
そのあいだ、私は彼女の出展作品を撮影。


東京都美術館、ZEN展、黒龍図(予定)、智明葵(CHIAKI)


今回の作品は「黒龍図(予定)」というレジンアート(resin art)である。
これを見て、私は「ドラゴンボール」のシェンロンを思い出した。
シェンロンは緑色であるが、、、ああ、ドラゴンボールなんて、懐かしい思い出だなあ。
鳥山明、レッドリボン軍、シェンロン、フリーザ、ピッコロ、魔人ブウ、などなど。
う~ん、待てよ、ドラゴンボール、鳥山明、魔人ブウねえ、、、(*'ω'*)ブウブウ

しばらく話してから、スタッフに頼んで、智明葵との記念写真を撮ってもらうことに。
さすが、センス抜群、黒龍図とキモノの柄が見事に合っている。
その後、私は急いで階下のカフェへ。
午後からの用事の準備のためである。
う~ん、魔人ブウねえ、、、(*'ω'*)ブウブウ


東京都美術館、ZEN展、智明葵との記念写真


以下、追記。
彼女の「黒龍図」がZEN展の人気投票で準優秀賞を受賞したそうである。

「黒龍図」受賞
6月に開催『第20回公募ZEN展 東京美術館』
700点以上に及ぶ作品、6日間の会期中4800名の来場者から投票があったとのことでした。
出展作品『黒龍図』 は準優秀賞を受賞いたしました。
ご来場いただき本作品にご投票してくださった皆様ありがとうございました。

2022/06/09

柳橋、ルーサイトカフェ&ギャラリー(lucite cafe & gallery)

 




「柳橋といえば芸者ですよね??」
「ええ、昔は。」
「屋形船から隅田川の花火を見る場面が、落語であったような気がするなあ。実際ここから隅田川の花火は見えるのですか??」
「いえ、今は高いビルが多いので、陰になってしまいます。」



2022/06/08

おや、国立西洋美術館に、うちのママ殿みたいなのがいる

国立西洋美術館


この日の予定は、上野の美術館とABCクッキング。
午前中、上野の森美術館で水墨画の展示会を見た後、国立西洋美術館へ。
リニューアルオープンの国立西洋美術館は初めての訪問だったが、前庭に余計なものがなくなってすっきりしていた。
私は1時間ほどかけ、常設展の松方コレクションのほうを見た。


ヴィルヘルムハンマースホイ(Vilhelm Hammershoi)の「イーダのいる部屋(Interior with Ida playing the piano)」


2階の展示室を入ってすぐのところに、懐かしい作品があった。
この作品は、ヴィルヘルムハンマースホイ(Vilhelm Hammershoi)の「イーダのいる部屋(Interior with Ida playing the piano)」ではないか。
以前は、常設展の後半、別の場所(1階)に飾ってあった。
その後、見かけなくなり、どこにあるか学芸員に聞いたら、展示替えでお蔵入りしました、と言われたものなのだが。


マリーガブリエルカペ(Marie-Gabrielle Capet)の自画像


これこれ、ご機嫌な女の子の絵。
マリーガブリエルカペ(Marie-Gabrielle Capet)の自画像である。
私にとっては、通りがかりに眺めるいつもの女性であるが、自信に満ちあふれており、プライドも高そうだ。
いかにも花盛り、という感じである。


アンドレドラン(Andre Derain)の「マダムジャンルノワール(カトリーヌヘスリング)」


おや、今度は、うちのママ殿みたいなのがいる、、、
アンドレドラン(Andre Derain)の「マダムジャンルノワール(カトリーヌヘスリング)」である。
子供時代の私から見て、ママ殿って、若い頃はこんなふうだった。
何となく、日本橋あたりのデパートにいそうな既婚女性である。
もっとも、ママ殿も今はもう70代のおばあちゃん、絵のような強い妖気(?)は出ていない。
しかし、怒ると恐いので要注意(??)である。

そうそう、誤解する読者も多いと思うので、話のついでに書いておこう。
私の母親の呼称についてである。
私が普段、本当にママ殿と呼んでいるのかというと、そんなことはない。
私たちはごくごく普通の親子である。
それなのになぜママ殿と書くのかというと、その方が私たちの会話がユーモラスに展開できるからだ。
このエッセイのママ殿は、私の話を聞き、おもしろいことを言ったり、ツッコミを入れたり、なるほどと思うようなことを口にする、私の相方の役目なのだ。
しかし、私が「お母さん」「母上」などと呼ぶと会話がカタい、「ママ(ママ殿)」と呼ぶと何となくイイ感じになるということである。


ベルトモリゾ(Berthe Morisot)の「黒いドレスの女(Femme en noir)」


ベルトモリゾ(Berthe Morisot)の「黒いドレスの女(Femme en noir)」。
noirとはフランス語で黒。
例えば、ワインのブドウ品種のPinot noir、赤ワインであり、黒葡萄のひとつである。

キャプションにはこう書いてある。
「モリゾと近代都市の女性像 《黒いドレスの女性(観劇の前)》をめぐって。私はもう働くことを目的に働きたくはないのです。 甘い考えかもしれませんが、私がマネに贈ったような絵ならきっと売れるでしょう。 今はそのことばかり望んでいます。ベルト・モリゾから姉エドマ宛ての書簡。1871年3月24日付。」
「印象派の主要画家、ベルト・モリゾ。マネの画中にしばしば現れる彼女の毅然とした眼差しを思い浮かべる人も少なくないでしょう。いまだ本格的な美術教育が女性に対して門戸を閉ざしていた時代にあって、モリゾは早くから姉のエドマとともに画家を目指して絵画の制作に励み、1864年、23歳の頃から1873年までに7回もサロンへの入選を果たします。」
「それでも彼女の画家としての知名度はずっと低いものでした。そうしたなか職業画家として身を立てるために彼女がとった「戦略」のひとつが、 同時代を生きる女性たちの姿を積極的に描くこと~それは自らもパリジェンヌであるモリゾにとって非常に身近なモティーフであるうえ、男性画家より社会的・法的制約の多い身であっても彼らに劣らず画題を開拓できる領域でもありました。」
「モリゾが第二回印象派展で「観劇」のテーマを導入したのも「戦略」のひとつかもしれません。前年1月に落成したパリのオペラ座(オペラ・ガルニエ) が、その壮麗な外観のみなら ず豪華絢爛なネオ・バロック様式の内装によって挿絵入りの新聞雑誌で大々的に報道され、そのころ衆目を集めていたからです。」

なるほど。
素通りせずキャプションをよく読むと、いろいろな発見があるものだ。

国立西洋美術館を出た後は、コレド日本橋のABCクッキングへ。
この日のメニューは手打ちパスタ。
担任のU先生が、パスタの打ち方をていねいに教えてくれた。
強力粉と、デュラムセモリナ粉、、、そこに卵と水を混ぜていく。
こね方はパンとかなり違う。

できあがったパスタは、山梨名物ほうとうのようであった。
エビとクリームの手打ちパスタの完成。


ABCクッキングコレド日本橋、手打ちパスタ


ABCクッキングコレド日本橋、手打ちパスタ

2022/06/04

兜町、秘密会議?

先週末は、兜町で日本テクニカルアナリスト協会のメンバー数人と秘密会議に出てきた、、、などと言うと怪しい話に聞こえるが、ものは言いようである。
秘密会議とは単なる飲み会、飲みながら話せば会議である。
この日は。投資顧問のセミナーがあって、内輪で数名が参加したのだが、ビデオの収録後に飲み会の予定があった。
ただ、いまはコロナ禍なので、飲み会のことを周知すると大人数が出席したがって飲みに行けなくなる恐れがあるということで、秘密にされたのであった。

その予定の前に、私は小伝馬町で別の用事があり、三越前駅で下車。
約束の時間まで日本橋界隈を散策した。
三越前駅~室町~小伝馬町~堀留町~通りがかりに椙森神社(すぎのもりじんじゃ)に立ち寄った。


椙森神社(すぎのもりじんじゃ)


椙森神社は日本橋七福神のひとつ。
日本橋七福神というのは、小網神社、茶ノ木神社、水天宮、松島神社、末廣神社、笠間稲荷神社のことである。
参拝後は、大通り沿いのカフェに入って休憩をした。
狭いカウンター席で2時間ほど、書類を作成するなどして過ごした。

夕方になり、徒歩で東京証券取引所の裏手にある日本テクニカルアナリスト協会のビルへ。
すぐそばに、日証館という立派な洋館があるのだが、その夜景がきれいだった。
日証館はかつて、渋沢栄一の邸宅だった。
Googleで調べると、1878年(明治11年)に東京証券取引所の前身の「東京株式取引所」が作られた。
その創立発起人は、渋沢栄一、木村正幹、益田孝、福地源一郎、三井武之助、三井養之助、三野村利助、深川亮蔵、小室信夫、小松彰、渋沢喜作。
日証館の現在の所有者を調べると、平和不動産のようである。


日証館、渋沢栄一旧邸宅跡


6時半過ぎで、勉強会はすでに始まっていた。
会議室のドアをあけると、古城理事長(元理事長)、テレビでおなじみの野坂さん、司会進行役のOさん、事務方のSさんの4人が、椅子に座って、林投資顧問の講義を熱心に聞いていた。
私は遅れて席に着き、講義の資料とお茶をもらった。
林投資顧問は、ぱっと見は谷村新司みたいな優しそうなおじさんで、温和な印象なのだが、実はものすごい勝負師なのであろう。
彼は泥臭く張らなければ相場は勝てっこない、と言っていた。
確かにその通りである。
テクニカルアナリストや投資顧問の相場論は、証券アナリストやファイナンシャルプランナーの、きれいごとばかりの相場論とは違うのである。

勉強会の終了後は、近所の居酒屋バンボリーナへ。
ここはサイコロステーキが看板メニューだというが、なるほど、サイコロステーキは少し大きめにカットして焼きすぎない方がおいしい。


兜町、バンボリーナ


林投資顧問の昔話。
「大学のときは遊んでばかり~当時から相場をしてて、就職する考えはなかったのですが、卒業間近に結婚することになりまして、あわてて証券会社に入りました」
次は、野坂さんの昔話。
テレビ(日経CNBCなど)でおなじみのテクニカルアナリストだが、いまは某証券会社の投資情報部にいて、トレーダーとしての切った張ったの思い出話がおもしろかった。
続いては、古城理事長の昔話。
ええっ、理事長って、昔はそんな素敵なお仕事をされていたのですか??
これはちょっとビックリである(正解は花屋!!)。

しかし、この3人、いわゆる兜町の相場師と思うが、それは大昔の言い方で、今はトレーダーと呼ぶほうがなじみ深いだろう。
また、今の時代、トレーダーというほうが、スマートでカッコいいと思う。
今は横文字がウケるので、株式投資家よりもトレーダー!!

では、トレーダーと株式投資家の違いとは何だろう??
もちろん非上場株式の投資家などもいるので、ここでは上場株式の投資家ということになるが、私の印象だと、投資家は損をしている株主のことで、トレーダーは儲かっているが株主ではない感じがする。
まあ、株は売らなきゃ儲からないので、読者も納得でしょう。

ただそれは私の偏った印象かもしれないのでさておき、、、一般には短期筋か長期筋か、価格分析か価値分析か、などの違いによるといわれる。
しかし、トレーダーがデイトレーダーとは限らないし、株式投資家が長期投資をしているとも限らない。
売買の手口は様々で、これが相場の正解という理論や手法は存在していない。
トレーダーがファンダメンタルズを気にしないとも限らない。
また、株式投資家がテクニカルを分析していないというわけでもない。
実際には同じ取引者の1人であり、マーケットでほぼ同じこと(売り買い)をしているなら呼び方の区別は重要ではないはずだ。
相場師という言葉が死語となり、何かこう、しっくり来る呼び方がいまはないのだが、、、手品師をマジシャンというように、相場師をトレーダーというのが、私は似合っていて自然だと思う。




さて、帰宅は11時過ぎになってしまったが、協会のこれまでの勉強会の資料を整理して、ざっと読み返した。
左上が古城理事長の移動平均入門。
左下が先ほどの林知之投資顧問の資料である。
右上は、森谷博之氏のAIで株価分析~とある。
続いて右下を見ると、もはやファンドの多くがシステムトレード(コンピューター売買)をしており、彼らだって本当はトレーダーだということが分かる。




ペリーカウフマン(Perry Kaufman)のセミナー


そういえば数年前、ペリーカウフマン(Perry Kaufman)の投資セミナーを聞いた。
彼はNASAの技術者から転身した著名トレーダーである。
カウフマンの奥さんも、トレーダーと名乗った。
会場の参加者からパフォーマンスを聞かれたとき、彼女はニコニコしてノーコメントと答えた。
こりゃ、旦那から教わって儲けているな、と思ったが、同時に私は、案外、女性の方が相場に向いているのでは、と思った。
女性は直観に優れ、理屈っぽくないからだ。
男性と比べて危ない橋は渡らないが、大胆さや思い切りも持ち合わせている。
しかしそれなのに、ファンドマネージャーもトレーダーもアナリストも、男性ばかりなのは不思議というか何というか、、、投資業界がまだまだ男尊女卑という証拠ではないだろうか。
今後、優秀な女性がもっと活躍するようになるといいのだが。

2022/06/03

(第3部)The story of Tokyo Tarot Museum(1)Temperance

この日の予定。

浅草→アートホテルKAIKA→東京タロット美術館→日本橋室町→DeepTechスタートアップイベント(フランス商工会議所)

アートホテルKAIKAは2度目の訪問。
浅草駅をおりたら、仲見世の方には行かず、隅田川を渡る。
吾妻橋の1つ南の駒形橋を渡って、ただ直進するだけで到着。




安っぽいのかモダンなのかビミョウな建物だが、とりあえず中へ。
右手の通路を進んでカフェに出ると、壁に紫色の大きな絵があって、これが非常に良かった。
通路の壁にも作品が展示されており、金網で囲まれた展示スペースもあった。
金網の向こうでは見にくいが、なんだか、プロレスラー大仁田厚の金網デスマッチみたいじゃないですか。


アートホテルKAIKA




アートホテルKAIKA


この他、入口付近の高所にも狭い展示スペースがあるのだが、ここに、私のアート友達がおすすめの渡辺涼太さんの作品が展示されていた。
おお、これか。
完成した絵を、アーティスト本人がカッターナイフで傷付けたものと聞いたが、、、もともとは何が描いてあったのだろう。






その後、私は、かねてより行きたかった浅草橋の東京タロット美術館へ。
ここは問屋街なので入り組んでいる。
おまけに、「東京タロット美術館」という看板のビルが堂々と建っているわけではないので、探すのに苦労した。
1階のクロネコヤマトの店舗が目印。
その横の狭い正面玄関を入り、狭いエレベーターでビルの6階へと上がる。

オフィスビルとはいえ、分譲マンションみたいだ、、、おお、本当に、美術館がある!!
小さな字で、「東京タロット美術館」と書いてある。
つまり、これは、他人様の家の表札である。


東京タロット美術館


玄関に細長い傘立てが置いてあり、薔薇の日傘が1本、入れてあった。
館内は、そこそこ広い大部屋と、小さな事務室、会議室、倉庫などがある。
美術館に来たというより、誰かの家にお邪魔している感じがして恐縮なのだが、、、タロットカードに囲まれた女性的な空間は妙に居心地がよかった。
実はここ、5階のおもちゃ屋さんがプロデュースしたもので、東京タロット美術館とはいうものの、タロットカードショップ+ブックカフェ、をイメージする方がしっくり来るのではないか。

受付で入場料500円をスイカ決済(6月6日から入場料は800円)。
受付の女性が、タロットカードを1枚引いてください、と言うので、差し出されたかごの中から裏返しのカードを1枚選んだ。


節制のタロットカード


正位置の節制かあ、、、よ、よかった。

節制とは、大アルカナ14番目のカードで、「予定通り」「うまくいっている」「調和」などの解釈である。
ただし、タロットカードは逆位置の場合、意味がひっくり返ってしまうのだ。
したがって、逆位置の節制なら、「予定通りではない」「うまくいっていない」「調和していない」などの正位置の否定の意味か、または、「マンネリ」「停滞」などの正位置の意味をネガティヴに解釈し直すこととなる。


東京タロット美術館


10分ほど、展示品や売り物のタロットカードを見て回った。
額縁に入った22枚の大アルカナの展示、ここだけが撮影可能といわれた。
棚の上に並べられた売り物のレアカードには高額の値札が付いている。
いくらレアとはいえ、かなりの値段なので驚いた。
封がしてあったし、買う気のない私は、あまり熱心には見なかった。


「フィボナッチ」「神話、伝説とおとぎ話」 「悪魔の美術と物語 Devils in Art and Legend」


その後、私は書棚から3冊ほど選び、窓際の席に座った。
運ばれてきたお茶を飲み、しばらく本を読んで休憩。
どれも書店で見かけない珍しい本だが、神秘的な内容でおもしろそうだ。
フィボナッチ数列は、投資分析の方法としてもわりと人気があり、よく知っている。
しかし、考案者のフィボナッチが、まさか周囲の者から能無しと呼ばれ、嘲笑されていたとは思わなかった。
フィボナッチの本を閉じ、ふと、手元のカード(節制)を眺めた。
どうなんだろう、、、自分の人生のこれからを、タロットカードが暗示していると思うなんて。
タロット占いの結果を信じて、自信を持ってもいいのだろうか。

「タロットカードの78枚のうち、22枚で構成されたカードを大アルカナといいます。アルカナとは、ラテン語で「神秘」「秘密」という意味で、大アルカナは番号と表題が書かれた寓意画となっています~中略~タロットを読む時は、直観が大切です。直観は考えるよりも早く、遥か遠くからやって来る「報せ」です。あなた自身に宛てられた、あなたが読めるように託されたメッセージです。見た夢と同じように、そのカードがどのように見えたのかが鍵となります。まずは、あなたが感じたことにフォーカスしてみてください。」(東京タロット美術館資料より)

確かにそのとおりだ。
私たちは何かあった時、あれこれ理屈っぽく考えるより、直観を素直に信じるべきだ。
目に映る景色は、自分のみに与えられた、自分のみにしか解けないアレゴリー(allegory)である。
内なる自分と対話をして、「隠された意味」にフォーカス(focus)してみよう。
そうすれば私たちは、フィボナッチのように素敵な発見ができるかもしれないし、あるいは、思いがけないフォーチュン(fortune)とめぐり逢えるかもしれない。