2022/06/29

Between Debt and the Devil(1)ヘリコプターマネーは日本を救うか?

アデアターナー債務さもなくば悪魔


書棚を整理しているとき、タイムリーな本を見つけて思わず読み耽ることがある。
今回は「債務さもなくば悪魔(Between Debt and the Devil)」というヘリコプターマネーの専門書である。
著者のアデアターナー(Adair Turner)はイギリスの元金融サービス機構(FSA)長官、ヘリコプターマネーの権威、イギリスを破綻させたヘッジファンドマネージャーのジョージソロスの仲間である(`・ω・´)オオ,カッコイイ!!


アデアターナープロフィール
(債務さもなくば悪魔(Between Debt and the Devil)表紙裏より)


そもそもヘリコプターマネー(helicopter money)とは何だろう??
中央銀行が国債の買入で財政資金を供給し、大量の貨幣を市中に供給すること。
これにより、財政規律を害する、中央銀行のバランスシートは債務超過となるため、中央銀行及びその発行する貨幣に対する信認が損なわれてしまう。
というわけで、ヘリコプターマネーは平時には行われない、劇薬である。

しかし現在の日本人にとって、ヘリコプターマネーとは、なじみ深く重要な話なのだ。
なぜなら、アベノミクス以降、日本銀行が金融緩和(QE)をしており、それがまさにヘリコプターマネーだからである。
通称ヘリマネの典型例としては、新型コロナの流行時に全国民に配られた1人10万円の定額給付金が最も分かりやすい。
まるでヘリコプターで上空から札束をばらまくような、太っ腹で無節操なバラマキの経済対策だ。
その経済効果は極めて大きい!!

そりゃそうだろう。
だが、ヘリマネの副作用、つまり通貨の価値の毀損による過剰なインフレを懸念して反対をする者もいる。
確かに、過剰なインフレなんてそう簡単に起きるものではない。
しかし、床の上に油をまき散らしても直ちに火災になるわけではないから大丈夫ですよ、などという子供だましの屁理屈を聞いて、誰が納得して安心するというのか。


monetary base,bank of japan

monetary base,bank of japan


もっとも、日銀のヘリマネのおかげで、アベノミクス以降、日経平均株価は上昇し、都心の不動産価格も上昇し、資産価値の上昇による「富」が生まれたことも事実だ。
そもそもアベノミクスのポイントは、構造改革や三本の矢ではなく、日銀のヘリコプターマネーという1本の矢だったのかもしれない。
日銀のヘリマネにより資産インフレが起きる、資産インフレで豊かになった人たちがその利益を市井で消費に回す、そうすれば街角景気は良くなる。
このメカニズムがうまくいかなくては、どうしようもなかった。

しかし現実には、株で儲けた人たちは株の儲けでまた株を買い、不動産で儲けた人たちは不動産の儲けでまた不動産を買うのが道理なので(人間の欲望は無限大であり、そうなるのはしょうがない)、アベノミクスは、昔からよくある「相場師」や「土地転がし」の儲け話を実現しただけだ。
街角景気が改善せず、実体経済と株価の乖離が起き、それがすっかり常態化した。
そして新型コロナウィルス~ウクライナ戦争~いよいよ、インフレが始まった。
最近の街では、女性のホームレスも見かけるようになり、何とも複雑な気分になる。

では、他の2冊の名著(「バブルの歴史」「大暴落1929年」)が警告するように、バブルは崩壊する、株価は大暴落するのか。
いや、専門家のあいだでは、今回のバブルはそう簡単には終わらない(終われない)と考えられている。
なぜなら、上空のヘリコプターから札束をばらまいている最中に、株価が暴落してしまったら、それこそ日本経済の破綻(!!)だからである。

つまり、「特攻隊」は戻れない、最近の政治のニュースでも、「一億総株主」という言葉が流れたが、そういうことなのではないか。
ちなみに戦時中の政府は「一億総火の玉」と言っていた。
もっとも、ヘリコプターマネーといっても、これ以上何をばらまくのかという感じもする。
なので、これ以上のバブル相場は想定しにくいと私は思う。

以下は、6月第3週終了時点のチャートである。


■⽇経平均株価 
nikkei225,chart
(出典・YahooFinance) 


6⽉第3週の下落により、6月第4週以降は、①〜④〜⑤と下落基調が継続することが想定される。
25000円を割り込み、④〜⑤に⼊ると、⽇銀の⾦融緩和以来の⻑期の上昇相場が終了したと判断してもよいだろう。
また、その場合は、相場が⼤きく動き、総崩れとなる可能性もある。
もし③に⼊ることがあるとすれば早期の20000円割れも視野に⼊る。 
かたや、25000円よりも上で相場が推移し、④〜②に流れ着いた場合、いったんは下げ⽌まったと判断してよいだろう。
ただそれでも当⾯は、②から再度下落が試されることが想定される。
少なくとも2本の右肩下がりの川の中に相場がある限り、下落基調が継続しているとみなす⽅がよいだろう。


■ドル円 
(出典・YahooFinance)
 

年後半、ドル円は、⾚い四⾓の中で、上下動することが想定される。
140円を越えたところからは上昇が困難となるだろう。
しかし、ここを容易に突破し、140円台に定着すると、もう⼀段の円安に備える必要があるだろう。 
ところで、⽇経平均株価はドルベースで⾒ると、円安の分だけ、余計に下落している計算となる。
そのため、外国⼈投資家は、現在の⽇経平均株価について⽇銀の⾦融緩和以来の⻑期の上昇相場がすでに終了した、と判断しているかもしれない。
そうだとすると、⽇本株売却、円売りドル買いの流れが⾃然であり、円安なら株⾼になると いう従来の考え⽅はもはやあてにならないかもしれない。
また、株安ともう⼀段の円安のセットも⼗分あり得るのではないだろうか。

まあ、これは、今日明日の危機をあおるような話ではなく、中長期の冷徹な相場予測である。
この歴史的なバブル相場、、、これがさらに延命するためには、例えば新型コロナウィルスの流行で政府が過激なバラマキをして株価が上昇したように、悪いことが起きるほうがいいのか、あるいは、景気が回復するなどの良いことが起きるほうがいいのか。
もちろん、一国民としては後者のほうがいいに決まっているが、地震、台風、津波、戦争など、政府がバラマキをする要因となるものがバブル相場の延命のためには、いい材料となってしまうのは皮肉なことである。
これらは全て、インフレを加速させる要因ともいえるので要注意である。


■WTI原油先物(2022年2月・強い原油高シグナル)


■NY金先物(2022年2月・中立シグナル)


■ドル円(2022年3月・強い円安シグナル)


■米国債10年(2022年・強い金利上昇シグナル)


それにしても、こういう逆相関の事態を私たち1人1人はどのように受け止めればいいのだろうか、、、(*'ω'*)ヨノナカドウナッテルノ!?
アデアターナーは本書で様々に論じているが、「債務さもなくば悪魔」というコワい名前を、かわいい自分の子供(本書)に付けている。
それが、ヘリコプターマネーの真実を示唆しているのではないだろうか。
ただし、和訳された本の帯には「劇薬ヘリマネのススメ」と書いてある。

まず、金融緩和が私たちに何をもたらすのか、ということであるが、資産価格の上昇という正の側面があり、私たちはそれをもう十分に味わった。
次は、もう1つの負の側面を味わうことになるのではないかと危惧する。
ヘリコプターマネーというのは、永遠には続けられないことなのである。

次に、ヘリコプターマネーは平時には行われない劇薬による経済の治療法だが、端的に言うと、お金を生み出す「悪魔」と契約をして、「債務」を際限なく増やすことである。
古典的物語では、悪魔と契約をした者は、、、ええと、最後には、どうなるんだっけ??
そのことについては、経済学者の先生やエコノミストといった専門家の楽観的な話を信じるのではなく、文学少女のお友達に結末を聞き、彼女の話を参考にするほうがいいのではないか。




■日経平均株価(2022年3月)
nikkei225,chart


■日経平均株価(2022年3月・赤丸のゾーンは強い下落シグナル)
nikkei225,chart

2022/06/18

東京都美術館ZEN展、レジン絵画作家智明葵(CHIAKI)

午後から、秋葉原で人と会う予定があり、約束の時間まで上野で過ごした。
上野駅の改札を出たのは11時過ぎ。
駅周辺は、コロナウィルスの沈静化で、明らかに人出が多かった。

アトレ上野のあんみつみはし、、、ああ、混んでいるなあ。
ヨドバシカメラの前の交差点へ。
上野の森さくらテラスのタリーズコーヒーも、やはり、混んでいる。
急な階段をのぼり、上野の森美術館の脇に出た。
おや、この行列は、、、なるほど、木梨憲武の展示会か。

しばらく公園内を歩き続けた。
上野公園のどこかの美術館に行きたい場合は、とにかく、公園口から出ないと遠回りになってしまうのだ。
右手に東京文化会館、左手に正岡子規記念球場。
その先の十字路を左へ、ようやく、スターバックスの前に辿り着いた。
ああ、やっぱり、スターバックスが空いているわけがないよな。
私はさらに公園の奥へ、上野動物公園の右手奥にある東京都美術館のなかに入った。

東京都美術館なんて、久しぶりに来たなあ、、、
久しぶりなので、ノートに記念スタンプを押していこうと思ったら、コロナ禍のためスタンプはありません、とのこと。
スタンプを押したい場合、受付に申し出る必要があるようだ。

さて、私のお目当ての展示会はZEN展である。
午後からの用事の準備のため、途中で私はカフェに入りたかったのだが、それが一向にかなわず、ZEN展の会場のある東京都美術館に着いてしまった。
まあ、準備は後回しでもいいか。
私は2階の第一展示室に向かった。


東京都美術館、ZEN展


実はZEN展のことを、私はまったく知らないでふらりと来たのだ。
ただここで、レジン絵画作家の智明葵(ちあき、CHIAKI)が新作を出展するというので、用事のついでに立ち寄った。
受付で手続をするとき、投票用紙と鉛筆をもらった。
職員に聞くと、この展示会は公募展で、応募すればたいていは出品がかなうとのこと。

な、なるほど。
智明葵さん、、、まだまだ修行中、発展途上のようですね。


東京都美術館、ZEN展


東京都美術館、ZEN展


公募展なので、作品は多種多様、壁に所狭しと作品が飾られている。
たとえが適切かどうかはともかく、この展示会はドンキホーテの店内のようでもある。
プロ(キュレーター)が考えに考えて展示した空間ではない、作家どうしの場所の争奪戦があったのではないか、という感じもする。
しかし、これはいい!!と私は思った。
ドンキホーテの店内が楽しいのと同じで、スタイリッシュな展示会とはまた別の楽しみがある。


東京都美術館、ZEN展


展示室の一角に、クイズコーナーがあった。
なになに??

(Q)
特急電車こだまの食堂車に設置する際、国鉄の職員が適当に名付けたという胡散臭い名付けのエピソードを持ち、現在では実態に即していない「チン」という別名で呼ばれ続けている調理器具はなに??

(A)
電子レンジ

おお、そうだったんですね!!
ええと、「レジン」ではなく、「レンジ」か。


東京都美術館、ZEN展


あらま~、かわいらしい招き猫ちゃん!!
さすが、婚活仕様、、、右のほうは、目力がすごい。

ええと、、、う~んと、、、
智明葵さんは、どこにいるのかしら??
彼女はキモノがトレードマークで、スタイルもいいので、ドンキホーテのような雑然とした場所にいても、すぐに見つかるはず。

おお、いたいた!!
キモノ姿の彼女は、おばあちゃん2人組と話していた。
そのあいだ、私は彼女の出展作品を撮影。


東京都美術館、ZEN展、黒龍図(予定)、智明葵(CHIAKI)


今回の作品は「黒龍図(予定)」というレジンアート(resin art)である。
これを見て、私は「ドラゴンボール」のシェンロンを思い出した。
シェンロンは緑色であるが、、、ああ、ドラゴンボールなんて、懐かしい思い出だなあ。
鳥山明、レッドリボン軍、シェンロン、フリーザ、ピッコロ、魔人ブウ、などなど。
う~ん、待てよ、ドラゴンボール、鳥山明、魔人ブウねえ、、、(*'ω'*)ブウブウ

しばらく話してから、スタッフに頼んで、智明葵との記念写真を撮ってもらうことに。
さすが、センス抜群、黒龍図とキモノの柄が見事に合っている。
その後、私は急いで階下のカフェへ。
午後からの用事の準備のためである。
う~ん、魔人ブウねえ、、、(*'ω'*)ブウブウ


東京都美術館、ZEN展、智明葵との記念写真


以下、追記。
彼女の「黒龍図」がZENの人気投票で準優秀賞を受賞したそうである。

「黒龍図」受賞
6月に開催『第20回公募ZEN展 東京美術館』
700点以上に及ぶ作品、6日間の会期中4800名の来場者から投票があったとのことでした。
出展作品『黒龍図』 は準優秀賞を受賞いたしました。
ご来場いただき本作品にご投票してくださった皆様ありがとうございました。

2022/06/05

The story of Tokyo Tarot Museum(1)Temperance

この日の予定。

浅草→アートホテルKAIKA→東京タロット美術館→日本橋室町→DeepTechスタートアップイベント(フランス商工会議所)

アートホテルKAIKAは2度目の訪問。
浅草駅をおりたら、仲見世の方には行かず、隅田川を渡る。
吾妻橋の1つ南の駒形橋を渡って、ただ直進するだけで到着。
安っぽいのかモダンなのかビミョウな建物だが、とりあえず中へ。
私は入口付近のメインのギャラリーから見始めた。
その後、1階のラウンジにある他の展示作品も見た。
カフェの壁には紫色の大きな絵があり、カフェと通路の間には金網で囲まれた展示スペースがある。
金網の向こうで見にくいが、なんだか、プロレスラー大仁田厚の金網デスマッチみたいじゃないですか


アートホテルKAIKA


アートホテルKAIKA


その後、私は、かねてより行きたかった浅草橋の東京タロット美術館へ。
ここは問屋街なので入り組んでいる。
おまけに、「東京タロット美術館」という看板のビルが堂々と建っているわけではないので、探すのに苦労した。
1階のクロネコヤマトの店舗が目印。
その横の狭い正面玄関を入り、狭いエレベーターでビルの6階へと上がる。

オフィスビルとはいえ、分譲マンションみたいだ、、、おお、本当に、美術館がある!!
小さな字で、「東京タロット美術館」と書いてある。
つまり、これは、他人様の家の表札である。


東京タロット美術館


玄関に細長い傘立てが置いてあり、薔薇の日傘が1本、入れてあった。
館内は、そこそこ広い大部屋と、小さな事務室、会議室、倉庫などがある。
美術館に来たというより、誰かの家にお邪魔している感じがして恐縮なのだが、、、タロットカードに囲まれた女性的な空間は妙に居心地がよかった。
実はここ、5階のおもちゃ屋さんがプロデュースしたもので、東京タロット美術館とはいうものの、タロットカードショップ+ブックカフェ、をイメージする方がしっくり来るのではないか。

受付で入場料500円をスイカ決済(6月6日から入場料は800円)。
受付の女性が、タロットカードを1枚引いてください、と言うので、差し出されたかごの中から裏返しのカードを1枚選んだ。


節制のタロットカード


正位置の節制かあ、、、よ、よかった。

節制とは、大アルカナ14番目のカードで、「予定通り」「うまくいっている」「調和」などの解釈である。
ただし、タロットカードは逆位置の場合、意味がひっくり返ってしまうのだ。
したがって、逆位置の節制なら、「予定通りではない」「うまくいっていない」「調和していない」などの正位置の否定の意味か、または、「マンネリ」「停滞」などの正位置の意味をネガティヴに解釈し直すこととなる。


東京タロット美術館


10分ほど、展示品や売り物のタロットカードを見て回った。
額縁に入った22枚の大アルカナの展示、ここだけが撮影可能といわれた。
棚の上に並べられた売り物のレアカードには高額の値札が付いている。
いくらレアとはいえ、かなりの値段なので驚いた。
封がしてあったし、買う気のない私は、あまり熱心には見なかった。


「フィボナッチ」「神話、伝説とおとぎ話」 「悪魔の美術と物語 Devils in Art and Legend」


その後、私は書棚から3冊ほど選び、窓際の席に座った。
運ばれてきたお茶を飲み、しばらく本を読んで休憩。
どれも書店で見かけない珍しい本だが、神秘的な内容でおもしろそうだ。
フィボナッチ数列は、投資分析の方法としてもわりと人気があり、よく知っている。
しかし、考案者のフィボナッチが、まさか周囲の者から能無しと呼ばれ、嘲笑されていたとは思わなかった。
フィボナッチの本を閉じ、ふと、手元のカード(節制)を眺めた。
どうなんだろう、、、自分の人生のこれからを、タロットカードが暗示していると思うなんて。
タロット占いの結果を信じて、自信を持ってもいいのだろうか。

「タロットカードの78枚のうち、22枚で構成されたカードを大アルカナといいます。アルカナとは、ラテン語で「神秘」「秘密」という意味で、大アルカナは番号と表題が書かれた寓意画となっています~中略~タロットを読む時は、直観が大切です。直観は考えるよりも早く、遥か遠くからやって来る「報せ」です。あなた自身に宛てられた、あなたが読めるように託されたメッセージです。見た夢と同じように、そのカードがどのように見えたのかが鍵となります。まずは、あなたが感じたことにフォーカスしてみてください。」(東京タロット美術館資料より)

確かにそのとおりだ。
私たちは何かあった時、あれこれ理屈っぽく考えるより、直観を素直に信じるべきだ。
目に映る景色は、自分のみに与えられた、自分のみにしか解けないアレゴリー(allegory)である。
内なる自分と対話をして、「隠された意味」にフォーカス(focus)してみよう。
そうすれば私たちは、フィボナッチのように素敵な発見ができるかもしれないし、あるいは、思いがけないフォーチュン(fortune)とめぐり逢えるかもしれない。

2022/06/01

日本橋兜町・秘密会議

先週末は、兜町で日本テクニカルアナリスト協会のメンバー数人と秘密会議に出てきた、、、などと言うと怪しい話に聞こえるが、ものは言いようである。
秘密会議とは単なる飲み会、飲みながら話せば会議である。
この日は著名な投資顧問の勉強会があって、内輪で数名が参加したのだが、ビデオの収録後に飲み会の予定があった。
ただ、いまはコロナ禍なので、飲み会のことを周知すると大人数が出席したがって飲みに行けなくなる恐れがあるということで、秘密にされたのであった。

その予定の前に、私は小伝馬町で別の用事があり、三越前駅で下車。
約束の時間まで日本橋界隈を散策した。
三越前駅~室町~小伝馬町~堀留町~通りがかりに椙森神社(すぎのもりじんじゃ)に立ち寄った。


椙森神社(すぎのもりじんじゃ)


椙森神社は日本橋七福神のひとつ。
日本橋七福神というのは、小網神社、茶ノ木神社、水天宮、松島神社、末廣神社、笠間稲荷神社のことである。
参拝後は、大通り沿いのカフェに入って休憩をした。
狭いカウンター席で2時間ほど、書類を作成するなどして過ごした。

夕方になり、徒歩で東京証券取引所の裏手にある日本テクニカルアナリスト協会のビルへ。
すぐそばに、日証館という立派な洋館があるのだが、その夜景がきれいだった。
日証館はかつて、渋沢栄一の邸宅だった。
Googleで調べると、1878年(明治11年)に東京証券取引所の前身の「東京株式取引所」が作られた。
その創立発起人は、渋沢栄一、木村正幹、益田孝、福地源一郎、三井武之助、三井養之助、三野村利助、深川亮蔵、小室信夫、小松彰、渋沢喜作。
日証館の現在の所有者を調べると、平和不動産のようである。


日証館、渋沢栄一旧邸宅跡


6時半過ぎで、勉強会はすでに始まっていた。
会議室のドアをあけると、古城理事長(元理事長)、テレビでおなじみのNさん、司会進行役のOさん、事務方のSさんの4人が、椅子に座って、林知之投資顧問の講義を熱心に聞いていた。
私は遅れて席に着き、講義の資料とお茶をもらった。
林知之投資顧問は、著名な相場師林輝太郎先生のご子息である。
ぱっと見は谷村新司みたいな優しそうなおじさん、、、語り口も谷村新司のようで、温和な印象である。

勉強会の終了後は、近所の居酒屋バンボリーナへ。
ここはサイコロステーキが看板メニューだというが、なるほど、サイコロステーキは少し大きめにカットして焼きすぎない方がおいしい。


兜町、バンボリーナ


林知之投資顧問の昔話。
「大学のときは遊んでばかり~当時から相場をしてて、就職する考えはなかったのですが、卒業間近に結婚することになりまして、あわてて証券会社に入りました」
次は、Nさんの昔話。
Nさんはテレビ(日経CNBCなど)でおなじみのテクニカルアナリストだ。
いまは某証券会社の投資情報部にいるが、トレーダー時代の切った張ったの思い出話がおもしろかった。
続いては、古城理事長の昔話。
ええっ、理事長って、昔はそんな素敵なお仕事をされていたのですか??
これはちょっとビックリである。

しかし、この3人、いわゆる兜町の相場師と思うが、それは大昔の言い方で、今はトレーダーと呼ぶほうがなじみ深い。
また、トレーダーというほうが、スマートでカッコいいと思う。
今は横文字がウケるので、株式投資家よりもトレーダー!!

では、トレーダーと株式投資家の違いとは何だろう??
もちろん非上場株式の投資家などもいるので、ここでは上場株式の投資家ということになるが、私の印象だと、投資家は損をしている株主のことで、トレーダーは儲かっているが株主ではない感じがする。
まあ、株は売らなきゃ儲からないので、読者も納得でしょう。

ただそれは私の偏った印象かもしれないのでさておき、、、一般には短期筋か長期筋か、価格分析か価値分析か、などの違いによるといわれる。
しかし、トレーダーがデイトレーダーとは限らないし、株式投資家が長期投資をしているとも限らない。
売買の手口は様々で、これが相場の正解という理論や手法は存在していない。
トレーダーがファンダメンタルズを気にしないとも限らない。
また、株式投資家がテクニカルを分析していないというわけでもない。
実際には同じ取引者の1人であり、マーケットでほぼ同じこと(売り買い)をしているなら呼び方の区別は重要ではないはずだ。
相場師という言葉が死語となり、何かこう、しっくり来る呼び方がいまはないのだが、、、手品師をマジシャンというように、相場師をトレーダーというのが、私は似合っていて自然だと思う。




さて、帰宅は11時過ぎになってしまったが、協会のこれまでの勉強会の資料を整理して、ざっと読み返した。
左上が古城理事長の移動平均入門。
左下が先ほどの林知之投資顧問の資料である。
右上は、森谷博之氏のAIで株価分析~とある。
続いて右下を見ると、もはやファンドの多くがシステムトレード(コンピューター売買)をしており、彼らだって本当はトレーダーだということが分かる。




ペリーカウフマン(Perry Kaufman)のセミナー


そういえば数年前、ペリーカウフマン(Perry Kaufman)の投資セミナーを聞いた。
彼はNASAの技術者から転身した著名トレーダーである。
カウフマンの奥さんも、トレーダーと名乗った。
会場の参加者からパフォーマンスを聞かれたとき、彼女はニコニコしてノーコメントと答えた。
こりゃ、旦那から教わって儲けているな、と思ったが、同時に私は、案外、女性の方が相場に向いているのでは、と思った。
女性は直観に優れ、理屈っぽくないからだ。
男性と比べて危ない橋は渡らないが、大胆さや思い切りも持ち合わせている。
しかしそれなのに、ファンドマネージャーもトレーダーもアナリストも、男性ばかりなのは不思議というか何というか、、、投資業界がまだまだ男尊女卑という証拠ではないだろうか。
今後、優秀な女性がもっと活躍するようになるといいのだが。