2024/05/26

Don't Trust Pretty Girls



ゴールデンウイークがあけると、都内は一気に蒸し暑くなった。
平日の昼間でも、銀座の大通りは、人でごった返しており、歩くとすぐ汗ばんでくる。

私は、日本橋で用事を済ませ、銀座の駅をおりて、三越の交差点の日産のビルに入った。
6階のソニーギャラリーでは、5月後半、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2024」の受賞作品の展示会が行われている。






まず、目をひいた作品は、アミノ酸の結晶の拡大写真で、偏光フィルターを用いて撮影されているという鮮やかな作品。
これは、オランダの写真家のもの。

続いて、入口の方に戻り、順路の最初の作品から見てみよう。
学生部門の最優秀賞受賞作品で、連作である。












キャプションには、このような説明がある。
「このシリーズは、私と義理の両親との関係を探るもので、タイトルはパートナーの祖父の左腕にあるタトゥーにちなんでいます。私は、私が聞かされた話や思い出、そしてそれぞれの解釈に導かれ、フィクションと現実の間の緊張を探りました。その結果、現実を反映したり超越したりする可能性を演出しました。ますます強く結ばれた絆のおかげで、私は新しい家族とともに第二の故郷を見つけました。」

連作の最後は結婚式の写真だが、直前の写真では、恋人と一緒の女性が拳銃を構えて、何かを狙っている。
森の中で、彼女は、誰に狙いを定めているのか?
相手は意中の男性か?

一連の作品のタイトルは「Don't Trust Pretty Girls」である。
直訳すると「美少女を信じるな」⇒「美人にダマされるな」ということである。
祖父(のタトゥー)を見て思い付いたタイトルというが、どうもよく分からない、、、




その後、順路の途中に、獲物を捕らえるメスのジャガーの決定的瞬間をとらえた展示作品があった。

イギリスの写真家の作品で、キャプションにはこのような説明がある。
「サン・ロウレンソ・リバーのロッジに別れを告げ、パンタナールの冒険の終わりを迎えたが、出発の際、30分ほど 離れた場所でジャガーが目撃されたと聞きました。私たちは現場に駆けつけ、このしなやかな雌のジャガーが獲物を狙うのに遭遇しました。私たちのボートと私のカメラは、最適な位置取りを行い、彼女が無防備なカイマンに襲い掛かるのを見事に捉えました。」

サンローレンソは、ポルトガル。
写真家がメスのジャガーに睨まれて、目が合っているのが、この写真の高評価のポイントだと思う。




順路の後半へ。
車の窓から手だけが出ているナゾめいた写真が目に付いた。
「The Hand」というタイトルである。

スイス人の写真家の作品だが、キャプションを読むと、「ネパールのバクタプルで行われた結婚式の最中に、新郎が熱烈に手を振って通り過ぎる様子を捉えました。」と書いてある。




ソニーギャラリーを出たあと、地下鉄に乗り、浅草橋に行った。
私は、久しぶりに、東京タロット美術館を訪問した。
手帳を見ると、前回の訪問は2024年1月であった。
しかし、受付の女性スタッフは、いつもの人というかんじの対応だった。

今回、受付で引いたタロットは、太陽(SUN)!!

私は、太陽の解釈をよく知らないので、大アルカナの一覧展示のところで確認をしてから、テーブル席に座った。








太陽(SUN)のタロットには、明るい、楽しい、名声を手に入れる、バイタリティーなどの意味があるという。

なるほど、、、そういうことか。

館内はすいており、私は、4人掛けのテーブル席で、早速、かばんから大サイズの封筒を取り出した。
いつもなら、運ばれてきたお茶を飲みながらスマホを眺めたり、書棚のタロット本を読んだりするのだが。。。




5~6月は総会のシーズンである。
先ほど、東証ペンクラブの定時総会があり、私は、会報誌「Pen」をもらってきたばかりなのだ。

目次を見ると、うしろから2番目、、、おお、経済評論家の大御所杉村富生氏の次に載っているではないか。
また、私が所属する日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)からは、テレビでお馴染みの東野幸利・現NTAA理事長と、元野村証券で初代NTAA理事長の岡本博氏も載っている。

伝統と格式のある東証ペンクラブの会報誌「Pen」、、、ここに私のエッセイも、ちゃっかり載ってしまっているとは!

ということで、本日のタロット、かなり当たっていると思った。





私は、手帳を開いた。
手帳のメモ欄に、ソニーギャラリーの展示会の雑感を書いた。

「Don't Trust Pretty Girls」について。
この作品のタイトルは「美人を信用するな」である。
連作の後半で、女性が狙いを定める写真と、結婚式の写真があった。
私は、結婚というのは女性が決めることで、女性が加害者、男性が被害者で、標的の男性がハートを撃ち抜かれて、被害を受けた結果である、というような意味合いだと思った。
結婚式の写真は、何となく、お葬式のようでもある。
「結婚とは人生の墓場」という言葉を思い出す(マンガ「逃げるは恥だが役に立つ」で読んだ)。

メスのジャガーと女豹について。
メスのジャガーは女豹のことではないかと思ったが、Google検索で調べると、そうではない。
厳密には違う。
ただ、そうはいっても、ジャガーは、豹と、かなり似ていると思う。
だいたい私たちは、ダックスフントも、チワワも、土佐犬も「犬」と呼んでいる。
それなら、ジャガーと豹は同じ扱いでよいのでは?

ネパールの田舎の結婚式の車のパレードの写真について。
新郎が手を振っているが、その手が不自然に硬直している点が気になった。
顔を出さないのではなく、出せないのでは?
車内で新婦(女豹)に襲われている。。。




続いて、お茶を飲みながら、総会の資料を眺めた。
何枚かめくると、会員規約の書かれた紙があり、そこには、東証ペンクラブの会員資格について、「文筆に親しむ金融証券人および本会の事業に協力される文化人をもって会員とし~」とあった。
審査は会員で構成する幹事会で行われるが、「Pen」の執筆者を見ると、会員は、証券業界の理事長や会長や代表取締役、あるいはその元職の方たちが多いようだ。

それなのに・・・今回、私が、東証ペンクラブの会員になれたということは、実にラッキーである!

2024/05/25

ズバリ、彼女は大物になるような気がする(*'ω'*)!!!









5~6月は定時総会のシーズンである。

先週は水戸京成ホテルで、茨城司法書士会の定時総会があった。

懇親会では、4月に古河市内で独立開業したばかりの光岡美乃先生とビールを飲みながら話し込んだ。

ズバリ、彼女は大物になるような気がする(*'ω'*)!!!

2024/05/23

色本藍、東京藝術大学大学院、美術研究科油画技法材料研究室、修士課程



「富田菜摘さんって本当に才能があるのよ!」
去年3月、私は、上野のリンネバーの小島幸代社長から、こう言われた(2023/04/01「冨田菜摘さんって本当に才能があるのよ!!」)

そして10月。
私は、新宿高島屋の美術画廊まで足を伸ばし、富田菜摘さんの個展を実際に見た。
もちろん、私もすぐ、富田さんのファンになった(2023/10/20「富田菜摘さんの「廃材アート」にひと目惚れ」)

半年後の今年4月。
今度は京橋のギャルリー東京ユマニテで、彼女の作品を再度見る機会を得た。




今回の個展は、1階と地下の2種類。
1階の方は、新宿高島屋で見たのと同じコンセプトの廃材アート。
富田さんといえば、廃材アートと思っていたが、地下の作品は違っていた。
こちらは新聞紙を用いた社会風刺作品であった。











なるほど!
いずれの作品も洗練されており、素晴らしい。
しかし、私は、地下の作品が非常に面白かった。

新聞記事の文章が彼女たちを皮肉っているのだが、見る人によっては、どう感じるか。
まるで自分のことを皮肉られているようで、地下の作品は好かない!という感想は大いにあり得る。
私は、1階に戻ると、早速そのことを富田さんに聞いてみた。
すると、主催者によっては、いつもの廃材アートだけがよい、といわれてしまうそうだ。
確かに地下のものはデパートの美術画廊などでは売れにくいだろう。
無難な内容のものが日本人好みだと思うが、出番が少ないのは、チョット、もったいない話ではある。





後日。
上記の展示会は、たまたま寄り道をした銀座シックスの蔦屋書店のものである。
磯崎隼士さんの「自己埋葬行為」・・・何だか、タイトルからして物騒であるが、こちらは自分を題材にした芸術作品といえるだろう。

自己埋葬行為とは何か?
例えば、自分のお墓の絵を描くとか、そういうこと?(*'ω'*)ウーン








磯崎さんの個展を、本当はじっくり見たかったが、あいにく用事があり、私は数分で銀座シックスを出た。
その後は、用事を済ませ、京橋へ。
ギャルリー東京ユマニテを再訪しようと思い、路地を歩いた。

が、私は今回、何となく、ユマニテの手前のビルの前で足を止めた。
そこにある地下への薄暗い階段が気になったのだ。

「色本藍」個展。

いかにも怪しげな画廊が地下にある。
画家の名前もまた怪しげである。
私は、エロビデオ店に潜入するような、うしろめたい気分になった。

とりあえず、中に入ってみよう。





入口脇に、詩が書いてある。
画家自身が個展の趣旨を語る、非常に生々しい文章である。

なるほど、、、彼女はアーティストとしてゼッタイに成功したい、アセっているのだろう。

私は、小さなテーブルに置いてある名刺を1枚手に取り、ポケットにしまった。

では、早速、彼女の作品を見ようではないか。

薄暗い地下のギャラリーに、病んでる系の絵の数々が展示されている。
私は、先ほど読んだ彼女の詩を思い浮かべながら見ていった。





誰にも知られたくないが、彼女は普段、狭いアパートの部屋で、失意と孤独の中に暮らしている。
どこにも出たくないし、何もしたくないし、おしゃれにも興味がない。
まるで病人である。





だが、壁画を描いているとき、彼女は、このようになれる。
絵を描くことは彼女の幸せである。
短絡的な考えと分かっていても、自分は画家を生涯の仕事にしたいと思うわけだ。





これもまた絵を描いていないときの彼女だろうか。
身なりはきちんとしているが、、、外出時、人に見られている時の彼女だろうか。
あるいは在廊しているときなのかもしれない。
周囲の他人に対して身を守っている。





邪悪なフンイキだ。
思うように作品を描けず、アトリエで、苦悩しているようだ。
あるいは、失敗作を眺めて、イライラしているのかもしれない。
才能がないから、やめてしまおう、という瞬間に見える。





しかし、、、実家に帰るのだけは、避けたい。。。
私にはそのような絵に見えた。

さて、そろそろ出よう。
地下のギャラリーを出て京橋駅の方へ。
私は歩きながら、先ほどの名刺を見た。

色本藍、東京藝術大学大学院、美術研究科油画技法材料研究室、修士課程。
彼女の連絡先のほか、芸大の校章が書かれている。

いや、しかし、、、この名刺、紙質が非常に良いな、、、

実は、私の名刺は、激安ネット印刷のラクスルである。
送料込みで100枚741円。
しかし、彼女の名刺は、100枚で3000円以上はしそうな高級名刺であった。

ということは、この個展に賭ける彼女の想いは、それだけ強いのだろう。
私はそう思い、彼女の名刺をていねいにポケットにしまったが、いまの私は、、、実は、どのような名刺もスマホで撮影してデジタル化しているのだった。
最終的には、1枚の名刺の画像ファイルから文字情報を取り出してしまい、紙の名刺はほぼ処分している。
ということで、私としては、彼女が都会で、より長い間、アーティストとして粘るためにも、モッタイナイの日本人的精神が重要で、激安名刺のご使用をすすめたいところではある。

2024/05/22

このジュエリー(Psyche)は、本物の蝶の羽根を使用しているそうだ







このジュエリー(Psyche)は、本物の蝶の羽根を使用しているそうだ。

以前、レジンアーティストの智明葵さんの個展に行ったとき、彼女がシャレた着物の帯に留めていたので、よく覚えていたのだ。

今回はデザイナー本人が売場にいて、対面もできた。

2024/05/04

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(4)

前回の続き。

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演習問題・第4回

(問題文)

1.ローヌの北部地域のブドウ畑の特徴を説明せよ。

2.ローヌ川流域の南部で栽培されている黒ブドウ品種を4つあげなさい。

3.ローヌに関する穴埋め。
・ローヌ川流域の北部は(   )気候であり、南部は(   )気候である。
・ローヌ川流域の北部は(   )地が多いが、南部は(   )地が多い。
・ローヌ川流域で栽培されている(   )種は、風に弱いため、ミストラル対策でブドウ棚などによる支えが必須である。
・ローヌ川流域で栽培されている(   )種は、病害に弱いため、ミストラルが当たることで害虫を寄せ付けないという良い効果もある。
・かつては(   )種に(   )種をブレンドして発酵させるこの地域の独特の技法があったが、今はそのような醸造方法はまれである。
・ローヌ川流域の最北にある(   )は、フランス語で「焼かれた斜面」という意味で、(   )種のワインが生産されている。

4.ローヌのグルナッシュのワインのスタイルを説明せよ。また、このワインはスペインのガルナッチャのワインのスタイルとどのような点で異なるか。

5.南仏のどのワイン産地についての記述か。
①マルセイユの東にあり、ムールヴェードルの上質の赤ワインで有名
②海岸に近く、南仏の有名な土着品種の名前が含まれている
③マシフサントラルの斜面にあり、土壌の質にばらつきがある
④標高が高く、冷涼な気候であり、オークを使った高級シャルドネの産地で有名
⑤高品質のワインを生産するブトナックなどの合計11の小区域に分かれている
⑥コートドルシヨンのすぐ北側にある
⑦コートドルシヨンヴィラージュのすぐ北側にある

6.ポートワインはアルコール度数の高い甘口ワインであるが、そのワイン作りにおける問題点と解決策を説明せよ。

7.ルビーとトーニーの違いは何か。

8.アルバリサについて説明せよ。

9.フィノとマンサリーニャの違いを説明せよ。

10.ソレラシステムとは何か。

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演習問題・第4回

(解答例)

1.ローヌの北部地域のブドウ畑の特徴を説明せよ。
北部はローヌ川の渓谷地にブドウ畑が集中している。ミストラル(冷たい北風)がブドウに冷害を及ぼすのを避けるため、風の当たりにくい渓谷地にブドウ畑が作られている。最良のブドウ畑は、このような渓谷地の南向きの急斜面の中腹にある。また、風対策として、ブドウの木は支柱で固定されている。

2.ローヌ川流域の南部で栽培されている黒ブドウ品種を4つあげなさい。
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー

3.ローヌに関する穴埋め。
・ローヌ川流域の北部は(大陸性)気候であり、南部は(地中海性)気候である。
・ローヌ川流域の北部は(渓谷)地が多いが、南部は(平坦)地が多い。
・ローヌ川流域で栽培されている(シラー)種は、風に弱いため、ミストラル対策でブドウ棚などによる支えが必須である。
・ローヌ川流域で栽培されている(ヴィオニエ)種は、病害に弱いため、ミストラルが当たることで害虫を寄せ付けないという良い効果もある。
・かつては(シラー)種に(ヴィオニエ)種をブレンドして発酵させるこの地域の独特の技法があったが、今はそのような醸造方法はまれである。
・ローヌ川流域の最北にある(コートロティ)は、フランス語で「焼かれた斜面」という意味で、(シラー(教科書P99左下+P100右))種のワインが生産されている。

4.ローヌのグルナッシュのワインのスタイルを説明せよ。また、このワインはスペインのガルナッチャのワインのスタイルとどのような点で異なるか。
凝縮感のあるスパイシーな赤系果実の風味。あるいは、ヴィンテージによっては焼いたジャ(教科書P102右)。アルコール度数は高い、酸味は弱い、タンニンは柔らかく、フルボディーの赤ワイン。シャトーヌフドウパプなどのように、ローヌの上質の赤ワインはグルナッシュから作られる(教科書P70)。
スペインのガルナッチャは、グルナッシュと同品種~プリオラートなどで生産される。スペインはローヌに比べて暑くて乾燥した気候であるため、ガルナッチャは完熟しやすく、色も濃くなり、黒系果実の風味を呈する(教科書P70、P132)。

5.南仏のどのワイン産地についての記述か。
①マルセイユの東にあり、ムールヴェードルの上質の赤ワインで有名 バンドル
②海岸に近く、南仏の有名な土着品種の名前が含まれている ピクプールドウピネ
③マシフサントラルの斜面にあり、土壌の質にばらつきがある ミネルヴォワ
④標高が高く、冷涼な気候であり、オークを使った高級シャルドネの産地で有名 リムー
⑤高品質のワインを生産するブトナックなどの合計11の小区域に分かれている コルビエール
⑥コートドルシヨンのすぐ北側にある ペルピニャン
⑦コートドルシヨンヴィラージュのすぐ北側にある フィトウ

6.ポートワインはアルコール度数の高い甘口ワインであるが、そのワイン作りにおける問題点と解決策を説明せよ。
甘口にするためには、発酵時間が24~36時間程度しかとれない。アルコール度数5~9%到達で発酵を中止し、そこからは酒精強化でアルコール度数を高める。短い発酵時間でも赤ワインの色とタンニンをしっかり出せるように、伝統的には人間が集団となり浴槽のようなところでブドウを足踏みした。現在、それはおおむね機械化されている。

7.ルビーとトーニーの違いは何か。
熟成期間の違い。ルビーは早飲みもしくは短期熟成→第1アロマメイン、ルビー色。トーニーは長期熟成→第3アロマメイン、トーニー色または褐色

8.アルバリサについて説明せよ。
シェリー生産地のスペインのヘレスの土壌。アルバリサには白亜が多く含まれており、水捌けが良く、水分保持力に優れる。ここはレバンテと呼ばれる熱風、ポニエンテと呼ばれる冷風が吹き、雨も少ないため、ブドウの生育にはあまり適していない。しかし、アルバリサのおかげでブドウは熱さと乾燥の中でも生育できる。

9.フィノとマンサリーニャの違いを説明せよ。
フィノ=ヘレスで作られたシェリー。生物学的熟成。フロールの膜があり、パンの香りがする。淡いレモン色。ボディーは軽め。アルコール度数15.5%以下(これ以上だとフロールが死滅してしまうため)。熟成に向かない早飲み。
マンサリーニャ=サンルカルデパラメーラで作られたシェリー。フィノと同じタイプのシェリー。この町は海辺にあり、ヘレスよりも涼しいため、フロールの膜が厚くなりやすく、パンの香りは非常に強い。

10.ソレラシステムとは何か。
シェリー製造における熟成のシステム。熟成期間の異なるシェリーをバット(大樽)に分けている。最も古いシェリーは「ソレラ」に入っており、シェリーを瓶詰めするときは「ソレラ」から抜き取る。最も新しいシェリーは「ソレラタブラ」に入っており、「クリアデラ」に入っているシェリーが減ったら「ソレラタブラ」から「クリアデラ」に補充する。クリアデラは、古いものが第一、新しいものが第二~第三~となる。このようにしてバットでシェリーをブレンドしてスタイルを安定させている。

2024/05/03

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(3)

前回の続き。

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演習問題・第3回

(問題文)

1.オーストラリアで最も著名で独特なワインは、皮革やコショウの風味を持ったフルボディーの赤として(   )、ライトボディーで長期熟成向きの白として(   )、ライムの風味を持ったエレガントな白として(   )があげられる。ニュージーランドで最も著名で独特なワインは、フレッシュで青ピーマンの風味を持った白として(   )があげられる。

2.ハンターヴァレーのセミヨンの白ワインの特徴を説明せよ。

3.次の記述はオーストラリアのどのワイン産地に関するものか。
①オーストラリア大陸の南西の端の沿岸部にあり、パースから200キロ程度の地域
②①の地域から東に行ったところにあり、南極海に面する
③テラロッサと呼ばれる赤い土壌がある
④収穫期の天候が不安定で腐敗病のリスクにさらされている
⑤樹齢の高いシラーズの木で有名なヒルオブグレイスがある
⑥メルボルンの西にある
⑦アデレイドヒルズの西に隣接する

4.次の記述はニュージーランドのどのワイン産地に関するものか。
①南島の最も南に位置する
②ニュージーランドの最も規模の大きいワイン産地
③②に次いで規模の大きいワイン産地
④ピノノワールで世界的に知られている
⑤高品質のリースリングで注目を集めている
⑥ギムレットグラヴェルスがある
⑦ワイラウとアワテレという2つの渓谷がある

5.アルザス地方のワインに使用される貴品種とは何か。

6.アルザスのワインに関する次のラベル表示のうち、貴品種のワインで作らなくてもよいとされているものはいくつあるか。
a SGN
b VT
c Alsace Grand Cru
d Alsace
e Reserve personelle
f Cuvee Speciale
g Edelwicker
h Gentil

7.SGNのワインをVTと比較して説明せよ。

8.ロワールのワイン産地に関する記述の穴埋め
①ロワールというラベル表記が用いられるものとして、(   )というラベル表記のロゼワイン、(   )というラベル表記のスパークリングが有名である
②ロワールのワイン産地は4つに分類することができ、東から順番に(   )(   )(   )(   )である
③ロワールのワイン産地の気候は、東がおおむね(   )気候、西がおおむね(   )である
④サントル地方の原産地呼称としては(   )(   )(   )の3つがあり、これらは(   )種の白ワインで有名であるが、3つのうち最も安価なワインの産地は(   )である
⑤トウール市の東に位置する(   )は、(   )種のワインの名産地である
⑥トウール市の西に位置する(   )と(   )は、(   )種のワインの名産地である
⑦(   )は世界で最も偉大な甘口ワインの産地がある
⑧ナント周辺で生産される(   )種のワインは、ミュスカデとも呼ばれるが、特に高品質のミュスカデは(   )と呼ばれる

9.ソミュールとソミュールシャンピニーのワインの違いは何か。

10.ロワールのロゼワインの製法について説明せよ。

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演習問題・第3回

(解答例)

1.オーストラリアで最も著名で独特なワインは、皮革やコショウの風味を持ったフルボディーの赤として(シラーズ)、ライトボディーで長期熟成向きの白として(セミヨン)、ライムの風味を持ったエレガントな白として(リースリング)があげられる。ニュージーランドで最も著名で独特なワインは、フレッシュで青ピーマンの風味を持った白として(ソーヴィニヨンブラン)があげられる。

2.ハンターヴァレーのセミヨンの白ワインの特徴を説明せよ。
収穫期の天候が不安定であるため腐敗病のリスクを回避するために早摘みする。糖度と酸味が低く、ステンレスタンクで作り、ライトボディーに仕上がる。長期熟成をするとハチミツトーストなどの風味がする独特な白ワインとなる。

3.次の記述はオーストラリアのどのワイン産地に関するものか。
①オーストラリア大陸の南西の端の沿岸部にあり、パースから200キロ程度の地域 マーガレットリヴァー
②①の地域から東に行ったところにあり、南極海に面する グレートサザン
③テラロッサと呼ばれる赤い土壌がある クーナワラ
④収穫期の天候が不安定で腐敗病のリスクにさらされている ハンターヴァレー
⑤樹齢の高いシラーズの木で有名なヒルオブグレイスがある イーデンヴァレー
⑥メルボルンの西にある ジーロング
⑦アデレイドヒルズの西に隣接する マクラーレンヴェール

4.次の記述はニュージーランドのどのワイン産地に関するものか。
①南島の最も南に位置する セントラルオタゴ
②ニュージーランドの最も規模の大きいワイン産地 マルボロ
③②に次いで規模の大きいワイン産地 ホークスベイ
④ピノノワールで世界的に知られている ワイララパ
⑤高品質のリースリングで注目を集めている ワイパラ
⑥ギムレットグラヴェルスがある ホークスベイ
⑦ワイラウとアワテレという2つの渓谷がある マルボロ

5.アルザス地方のワインに使用される貴品種とは何か。
リースリング、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネール、ピノグリ

6.アルザスのワインに関する次のラベル表示のうち、貴品種のワインで作らなくてもよいとされているものはいくつあるか。
a SGN
b VT
c Alsace Grand Cru
d Alsace
e Reserve personelle
f Cuvee Speciale
g Edelwicker
h Gentil
abc以外全て、したがって5つ

7.SGNのワインをVTと比較して説明せよ。
どちらもアルザスの白ワインで、遅摘みの貴品種(リースリング、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネール、ピノグリ)のどれかが使われる(単一品種)。また、どちらも一定の糖度が要求される。しかし、その要求される糖度が異なり、SGNの方がVTよりも高い。そのため、SGNは要求される糖度をみたすために通常は貴腐ワインであり、常に甘口である。また、SGNは生産量が非常に少なく、貴重である。これに対して、VTはそれほどの糖度が要求されるわけではないため、貴腐ワインとは限らず、辛口から半甘口まで幅広い

8.ロワールのワイン産地に関する記述の穴埋め
①ロワールというラベル表記が用いられるものとして、(ロゼドロワール)というラベル表記のロゼワイン、(クレマンドロワール)というラベル表記のスパークリングが有名である
②ロワールのワイン産地は4つに分類することができ、東から順番に(サントル)(トウレーヌ)(アンジュソミュール)(ナント)である
③ロワールのワイン産地の気候は、東がおおむね(大陸性)気候、西がおおむね(海洋性)である
④サントル地方の原産地呼称としては(プイイフュメ)(サンセール)(ムヌトウーサロン)の3つがあり、これらは(ソーヴィニョンブラン)種の白ワインで有名であるが、3つのうち最も安価なワインの産地は(ムヌトウーサロン)である
⑤トウール市の東に位置する(ヴーヴレ)は、(シュナンブラン)種のワインの名産地である
⑥トウール市の西に位置する(シノン)と(ブルグイユ)は、(カベルネフラン)種のワインの名産地である
⑦(コートドレイヨン)は世界で最も偉大な甘口ワインの産地がある
⑧ナント周辺で生産される(ムロンブラン)種のワインは、ミュスカデとも呼ばれるが、特に高品質のミュスカデは(ミュスカデセーヴルエメーヌ)と呼ばれる

9.ソミュールとソミュールシャンピニーのワインの違いは何か。
ソミュールはシュナンブランのスパークリング。ソミュールシャンピニーはカベルネフランの赤ワイン。

10.ロワールのロゼワインの製法について説明せよ。
ロワールのロゼワインは、直接圧搾または短期のマセラシオンにより作られるが、いずれにせよ、フレッシュな果実風味を維持するために、不活性またはステンレス容器で発酵させる。

2024/05/02

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(2)

前回の続き。

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演習問題・第2回

(問題文)

1.ブルゴーニュにおけるグランクリュの畑の特徴を説明せよ。

2.ブルゴーニュのシャブリ、ムルソー、プイイフュイッセの気候の特性と、典型的な白ワインのスタイルを説明せよ。

3.次の記述は、ブルゴーニュ地方のどのコミューンに関するものか。
①コートドニュイの最も北にある
②コートドボーヌの最も北にある
③コートシャロネーズの最も北にある
④ラターシュとロマネコンティで知られる
⑤コートシャロネーズで最も上質の赤ワインを作る
⑥コートドボーヌの中で最も上質の白ワインを作る(3つ)
⑦上記6の3つのコミューンの中で、最も南にある
⑧コートシャロネーズの非常に小さなコミューンだが、赤ワインが高く評価されている
⑨マコンで最も有名である(2つ)
⑩ブルゴーニュ地方の最も北にある

4.コートドニュイヴィラージュの赤ワインの特徴を、同じコートドニュイのなかのジュブレシャンベルタンの赤ワインと比較して説明せよ。

5.ボージョレ地方についての記述の正誤。
①ボージョレ地方では白ワインは生産されているが、ロゼワインは生産されていない
②ボージョレの代表的なガメイ種の赤ワインのことを、ボージョレヌーヴォーと言う
③最良のガメイ種は、ボージョレ地方の栄養分の多い肥沃な土壌で作られる
④ボージョレ地方の伝統的なブドウの仕立て方は、ゴブレであるが、この仕立て方は機械収穫に不向きである
⑤ボージョレの赤ワインの格付けは、ボージョレクリュ、ボージョレヴィラージュ、ボージョレの順番である
⑥ボージョレでは、赤ワインを炭酸ガス浸漬法により作らなくてはならない

6.次の記述はアメリカのどの場所に関するものか。
①セントラルヴァレー地域にあり、ジンファンデルの名産地として有名である
②ナパヴァレーの最北の西側で、最も高い日中気温を記録する
③ナパヴァレーの最南端にあり、ソノマにまたがっている
④ソノマの中でもソフトな感触のカベルネソーヴィニヨンの赤ワインを作ることで有名である
⑤ジンファンデルの古木があることで有名である
⑥カスケード山脈の西にあるオレゴン州の代表的なワイン産地である
⑦カスケード山脈の東にあるワシントン州の代表的なワイン産地コロンビアヴァレーの中にある非常に小さいが重要なワイン産地である
⑧ニューヨーク州の氷河湖のそばにあり、リースリングで有名である

7.ナパヴァレーの気候的特徴を説明せよ。

8.セントラルヴァレーで生産されるワインの特性を説明せよ。

9.次の記述は、アルゼンチンとチリのどちらに関するものか。
①ワインの国際市場で成功している
②地中海性気候
③カサブランカヴァレー
④マルベック
⑤アンデス山脈の山陰となるため降水量が少ない
⑥アンデスと表記されたワインラベル
⑦ボナルダ
⑧ラ・リオハ
⑨トロンテス
⑩ワイン畑の標高が高いことで知られる
⑪カルメネール

10.以下は南アフリカの何に関する記述か。
①南アフリカの土着品種
②ケープタウンの東にある高級ワイン産地
③ケープタウンの北にある低価格ワイン産地
④ステレンボッシュの東南にある標高の高いワイン産地
⑤ステレンボッシュの北にある山のワイン産地
⑥南極から北上する寒流
⑦南東から吹く強風

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演習問題・第2回

(解答例)

1.ブルゴーニュにおけるグランクリュの畑の特徴を説明せよ。
丘陵地の中腹。斜面。方角は南または東を向いている。理由は、日当たりが良い、霜の被害を受けにくい、偏西風から保護される。そのため、平地やふもとと比較して良質のブドウがとれる。

2.ブルゴーニュのシャブリ、ムルソー、プイイフュイッセの気候の特性と、典型的な白ワインのスタイルを説明せよ。
典型的な白ワインはどこもシャルドネである
シャブリは北部⇒冷涼な大陸性気候、シャープで鋼鉄のような非常に高い酸味、緑色系果実風味が強いものも
ムルソー=コートドールは中部⇒比較的温和な大陸性気候、マロラティック発酵や熟成中のおりとの接触などを経た複雑で表現力の豊かなスタイル(P86)
プイイフュイッセ=マコネは南部⇒温和な大陸性気候、フルボディーで非常に円熟した果実風味、石灰岩質の土壌で栽培されていることもあり、そのような香りも

3.次の記述は、ブルゴーニュ地方のどのコミューンに関するものか。
①コートドニュイの最も北にある ジュブレシャンベルタン
②コートドボーヌの最も北にある アロスコルトン
③コートシャロネーズの最も北にある リュリ
④ラターシュとロマネコンティで知られる ヴォーヌロマネ
⑤コートシャロネーズで最も上質の赤ワインを作る メルキュレ
⑥コートドボーヌの中で最も上質の白ワインを作る(3つ) ムルソー、ピュリニモンラッシェ、シャサーヌモンラッシェ
⑦上記6の3つのコミューンの中で、最も南にある シャサーヌモンラッシェ
⑧コートシャロネーズの非常に小さなコミューンだが、赤ワインが高く評価されている ジヴリ
⑨マコンで最も有名である(2つ) プイイフュイッセ、サンヴェラン
⑩ブルゴーニュ地方の最も北にある シャブリ

4.コートドニュイヴィラージュの赤ワインの特徴を、同じコートドニュイのなかのジュブレシャンベルタンの赤ワインと比較して説明せよ。
ジュブレシャンベルタンはコートドニュイにある村名である。どちらの赤ワインも、ピノノワールのストレートという点は同じだが、コートドニュイヴィラージュは、コードトニュイにあるいくつかの村名のピノをブレンドしたものである。そのため、最高級とされるジュブレシャンベルタンよりも価格はリーズナブルで、クオリティーはやや落ちる。

5.ボージョレ地方についての記述の正誤。
①ボージョレ地方では白ワインは生産されているが、ロゼワインは生産されていない 誤
②ボージョレの代表的なガメイ種の赤ワインのことを、ボージョレヌーヴォーと言う 誤
③最良のガメイ種は、ボージョレ地方の栄養分の多い肥沃な土壌で作られる 誤
④ボージョレ地方の伝統的なブドウの仕立て方は、ゴブレであるが、この仕立て方は機械収穫に不向きである 正
⑤ボージョレの赤ワインの格付けは、ボージョレクリュ、ボージョレヴィラージュ、ボージョレの順番である 正
⑥ボージョレでは、赤ワインを炭酸ガス浸漬法により作らなくてはならない 誤

6.次の記述はアメリカのどの場所に関するものか。
①セントラルヴァレー地域にあり、ジンファンデルの名産地として有名である ローダイ
②ナパヴァレーの最北の西側で、最も高い日中気温を記録する カリストガ
③ナパヴァレーの最南端にあり、ソノマにまたがっている ロスカーネロス
④ソノマの中でもソフトな感触のカベルネソーヴィニヨンの赤ワインを作ることで有名である アレキサンダーヴァレー
⑤ジンファンデルの古木があることで有名である ドライクリークヴァレー
⑥カスケード山脈の西にあるオレゴン州の代表的なワイン産地である ウィラメットヴァレー
⑦カスケード山脈の東にあるワシントン州の代表的なワイン産地コロンビアヴァレーの中にある非常に小さいが重要なワイン産地である ヤキマヴァレー
⑧ニューヨーク州の氷河湖のそばにあり、リースリングで有名である フィンガーレイクス

7.ナパヴァレーの気候的特徴を説明せよ。
ナパヴァレーのあるカリフォルニアは地中海性気候である。温暖で雨は比較的少ない。カリフォルニア海流による冷たい海風の影響を受けるが、西側のソノマとのあいだには高い山(マヤカマス山脈)があり、その冷たい海風は南のサンフランシスコの方から朝霧を伴って迂回して北上してくる。したがって、ナパヴァレーは南の方が冷涼で、北の方が温かい傾向がある。

8.セントラルヴァレーで生産されるワインの特性を説明せよ。
カリフォルニアの大量生産タイプのワイン、低価格ワイン。カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネといった国際品種のワインが多い。しかし、セントラルヴァレーのローダイは、高品質のジンファンデルの赤ワイン。

9.次の記述は、アルゼンチンとチリのどちらに関するものか。
①ワインの国際市場で成功している チリ
②地中海性気候 チリ
③カサブランカヴァレー チリ
④マルベック アルゼンチン
⑤アンデス山脈の山陰となるため降水量が少ない アルゼンチン
⑥アンデスと表記されたワインラベル チリ
⑦ボナルダ アルゼンチン
⑧ラ・リオハ アルゼンチン
⑨トロンテス アルゼンチン
⑩ワイン畑の標高が高いことで知られる アルゼンチン
⑪カルメネール チリ

10.以下は南アフリカの何に関する記述か。
①南アフリカの土着品種 ピノタージュ
②ケープタウンの東にある高級ワイン産地 ステレンボッシュ
③ケープタウンの北にある低価格ワイン産地 スワートランド
④ステレンボッシュの東南にある標高の高いワイン産地 エルギン
⑤ステレンボッシュの北にある山のワイン産地 パール
⑥南極から北上する寒流 ベンゲラ
⑦南東から吹く強風 ケープドクター

2024/05/01

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(1)

この演習問題は、2019年当時に作成したものです。
私のブログに何度か登場するワイン友達Aさんに、私が個人教授をしたときに使った資料の一部をもとにしています。
彼女はワイン業界で何年も仕事をしていますが、ワインの体系的知識はほとんどなく、自分の会社(インポーター)で取り扱うワインのことしか知りませんでした。
だから、イタリアのワインにはめちゃくちゃ詳しいが、隣国フランスのワインだと「??」となる。

しかし、そんな彼女も直前のわずか2週間程度、私との試験勉強でWSET3に合格しました。
WSET3は、難関国家資格などとは異なり、あきらめずに頑張って勉強すれば合格できる試験です(2021/03/13「私の教え子なら合格できると思っていた」)。

WSETの試験は原則として教本から出題されます。
なので、最も重要な受験対策は教本の熟読です。
おいおい、それって講義で習ってないよ~という細かい問題が出ることもありますが、教科書のどこかにちゃんと説明が書いてあったりするのです。

私の演習問題も教本からの出題です。
解答を読んで不足なら、教本のどこかに書いてあることのはずなので、ご自分で確認し、熟読もなさってみてください。
受験生のみなさまの勉強の一助となれば幸いです。

使い方は簡単♪♪
ブログ記事をコピペする⇒ワードに貼り付ける⇒PDFファイル化⇒コンビニなどで印刷する⇒実際に問題を解いてみてください。
なお、ーーーーーで改ページをすると使いやすくなると思います。

誤字脱字、内容の疑問質問等、何か気になることがあれば、プロフィールページよりご連絡ください。
なお、2019年当時のテキストは現在のテキストの1つ前の版ですが、数か所を除き、内容的に同じであることを確認済みです。

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演習問題・第1回

(問題文)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(   )である。これは(   )大陸系のブドウ品種である。これに対して、(   )大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(   )があるので、(   )として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(   )または(   )という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(   )のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(   )側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(   )(   )(   )(   )となる。
③一般的にボルドー地方は(   )川を境界にして左岸と右岸に区分され、(   )のワインは(   )のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(   )の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(   )の土壌であり、黒ブドウ品種としては(   )種が、白ブドウ品種としては(   )種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(   )であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。

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演習問題・第1回

(解答)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(ヴィテス・ヴィニフェラ種)である。これは(ユーラシア)大陸系のブドウ品種である。これに対して、(北米)大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(フィロキセラ耐性)があるので、(台木)として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(取り木)または(挿し木)という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(フィロキセラ)のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。
ブドウの樹が成長過程で突然変異することがある。突然変異した樹が好ましい特徴を持っている場合、以後、その樹の方を繁殖させること。たいていは、A→Aダッシュのように同じ品種として扱われるが、大きな違いを持っている場合、A→Bのように別の品種として扱われる。その例として、ピノノワール→ピノグリ、ピノブランなどがある。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。
ブドウの樹の新種を開発する場合、ブドウ品種A×Aの同種交配をクロッシング、A×Bの異種交配をハイブリッドという。ハイブリッドは、ヴィテス・ヴィニフェラ種に北米系などの他品種をかけた場合のことであり、これは非常にまれであるが、フィロキセラ耐性がある。ワイン作りに用いられるブドウはヴィテス・ヴィニフェラ種であるから、ふつうは、ワイン用のブドウの樹の新種というのはクロッシングに該当する。こちらはフィロキセラ耐性がない。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。
台木=フィロキセラ予防のために台にする木。台木は北米系(もしくはハイブリッド)を用いる、もっとも、フィロキセラのリスクがない地域でもわざわざ台木をするのがふつうである、その理由は線虫の予防、干ばつ対策である
接ぎ木=ワイン用のブドウの樹と、台木をつなぐ木のこと。両者をつなぐ作業をする。したがって、接ぎ木は、ヴィテス・ヴィニフェラ種と、北米系(もしくはハイブリッド)の両方である
※台木の接ぎ木、接ぎ木した台木=日本語として理解できるようにする

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。
ボルドーは温和な海洋性気候で、暖流のメキシコ湾流のおかげで、春の遅霜によるブドウ被害はほとんどない。だが、多雨多湿であるため、ブドウは腐敗しやすい。そこで、収穫期の異なるブドウ品種を栽培することで、確実にブドウを収穫する工夫がなされている。例えば、赤ワイン向けのブドウだと、収穫期の早い順番に、メルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、プチヴェルドーといったものが栽培されている。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(南)側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(サンテステフ)(ポイヤック)(サンジュリアン)(マルゴー)となる。
③一般的にボルドー地方は(ガロンヌ)川を境界にして左岸と右岸に区分され、(左岸)のワインは(右岸)のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(左岸)の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。
大別すると、水捌けがよい砂利質(小石、石灰岩など)で温かい土壌、低温の粘土質の土壌がある。前者は、オーメドック、ペサックレオニャンなどの左岸の最高級ワイン産地の土壌であり、ここで主にカベルネソーヴィニヨンが栽培される。後者は、サンテミリオン、ポムロールなどの右岸のワイン産地の土壌であり、ここで主にメルローが栽培される。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(砂利質)の土壌であり、黒ブドウ品種としては(カベルネソーヴィニヨン)種が、白ブドウ品種としては(ソーヴィニヨンブラン)種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(軽め)であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。
セミヨン主体でソーヴィニヨンブランのブレンド、もしくはセミヨンのみ。上質、甘口、貴腐ワイン、フルボディー、オーク樽熟成、アプリコットの香りなど。