2024/05/23

色本藍、東京藝術大学大学院、美術研究科油画技法材料研究室、修士課程



「富田菜摘さんって本当に才能があるのよ!」
去年3月、私は、上野のリンネバーの小島幸代社長から、こう言われた(2023/04/01「冨田菜摘さんって本当に才能があるのよ!!」)

そして10月。
私は、新宿高島屋の美術画廊まで足を伸ばし、富田菜摘さんの個展を実際に見た。
もちろん、私もすぐ、富田さんのファンになった(2023/10/20「富田菜摘さんの「廃材アート」にひと目惚れ」)

半年後の今年4月。
今度は京橋のギャルリー東京ユマニテで、彼女の作品を再度見る機会を得た。




今回の個展は、1階と地下の2種類。
1階の方は、新宿高島屋で見たのと同じコンセプトの廃材アート。
富田さんといえば、廃材アートと思っていたが、地下の作品は違っていた。
こちらは新聞紙を用いた社会風刺作品であった。











なるほど!
いずれの作品も洗練されており、素晴らしい。
しかし、私は、地下の作品が非常に面白かった。

新聞記事の文章が彼女たちを皮肉っているのだが、見る人によっては、どう感じるか。
まるで自分のことを皮肉られているようで、地下の作品は好かない!という感想は大いにあり得る。
私は、1階に戻ると、早速そのことを富田さんに聞いてみた。
すると、主催者によっては、いつもの廃材アートだけがよい、といわれてしまうそうだ。
確かに地下のものはデパートの美術画廊などでは売れにくいだろう。
無難な内容のものが日本人好みだと思うが、出番が少ないのは、チョット、もったいない話ではある。





後日。
上記の展示会は、たまたま寄り道をした銀座シックスの蔦屋書店のものである。
磯崎隼士さんの「自己埋葬行為」・・・何だか、タイトルからして物騒であるが、こちらは自分を題材にした芸術作品といえるだろう。

自己埋葬行為とは何か?
例えば、自分のお墓の絵を描くとか、そういうこと?(*'ω'*)ウーン








磯崎さんの個展を、本当はじっくり見たかったが、あいにく用事があり、私は数分で銀座シックスを出た。
その後は、用事を済ませ、京橋へ。
ギャルリー東京ユマニテを再訪しようと思い、路地を歩いた。

が、私は今回、何となく、ユマニテの手前のビルの前で足を止めた。
そこにある地下への薄暗い階段が気になったのだ。

「色本藍」個展。

いかにも怪しげな画廊が地下にある。
画家の名前もまた怪しげである。
私は、エロビデオ店に潜入するような、うしろめたい気分になった。

とりあえず、中に入ってみよう。





入口脇に、詩が書いてある。
画家自身が個展の趣旨を語る、非常に生々しい文章である。

なるほど、、、彼女はアーティストとしてゼッタイに成功したい、アセっているのだろう。

私は、小さなテーブルに置いてある名刺を1枚手に取り、ポケットにしまった。

では、早速、彼女の作品を見ようではないか。

薄暗い地下のギャラリーに、病んでる系の絵の数々が展示されている。
私は、先ほど読んだ彼女の詩を思い浮かべながら見ていった。





誰にも知られたくないが、彼女は普段、狭いアパートの部屋で、失意と孤独の中に暮らしている。
どこにも出たくないし、何もしたくないし、おしゃれにも興味がない。
まるで病人である。





だが、壁画を描いているとき、彼女は、このようになれる。
絵を描くことは彼女の幸せである。
短絡的な考えと分かっていても、自分は画家を生涯の仕事にしたいと思うわけだ。





これもまた絵を描いていないときの彼女だろうか。
身なりはきちんとしているが、、、外出時、人に見られている時の彼女だろうか。
あるいは在廊しているときなのかもしれない。
周囲の他人に対して身を守っている。





邪悪なフンイキだ。
思うように作品を描けず、アトリエで、苦悩しているようだ。
あるいは、失敗作を眺めて、イライラしているのかもしれない。
才能がないから、やめてしまおう、という瞬間に見える。





しかし、、、実家に帰るのだけは、避けたい。。。
私にはそのような絵に見えた。

さて、そろそろ出よう。
地下のギャラリーを出て京橋駅の方へ。
私は歩きながら、先ほどの名刺を見た。

色本藍、東京藝術大学大学院、美術研究科油画技法材料研究室、修士課程。
彼女の連絡先のほか、芸大の校章が書かれている。

いや、しかし、、、この名刺、紙質が非常に良いな、、、

実は、私の名刺は、激安ネット印刷のラクスルである。
送料込みで100枚741円。
しかし、彼女の名刺は、100枚で3000円以上はしそうな高級名刺であった。

ということは、この個展に賭ける彼女の想いは、それだけ強いのだろう。
私はそう思い、彼女の名刺をていねいにポケットにしまったが、いまの私は、、、実は、どのような名刺もスマホで撮影してデジタル化しているのだった。
最終的には、1枚の名刺の画像ファイルから文字情報を取り出してしまい、紙の名刺はほぼ処分している。
ということで、私としては、彼女が都会で、より長い間、アーティストとして粘るためにも、モッタイナイの日本人的精神が重要で、激安名刺のご使用をすすめたいところではある。