2019/10/30

事業計画書の書き方(2)

事業計画書の内容


サービス商品のなかみ




前回の続きである。

①サマリー(sammary)
サマリーとは要約、ここではビジネスモデルを簡潔に記載することを意味する。

・事業ドメイン(ようするに、店の看板、何屋か、業界の分類等)
・このビジネスモデルの魅力、成長性
・事業戦略、成長戦略
・その実現方法、実現過程(スケジュール)
・なぜこのビジネスをするのか、選択理由、決断理由

サマリーに事業ドメインを明記するのは当然のことだが、少なくともここでは、何を(どんなサービス商品を)、誰に、どのようにして売るのか、といった5W1Hを要約して記載する必要がある。
また、事業の主役は起業家自身というよりは、利益を生み出すサービス商品そのものの方であるから、そちらの成長性を明示する必要がある。

サマリーの作成は、起業家にとっては、もう一度ビジネスプランを整理できる機会なので、意味のある作業と言える。さらに、このサマリーをもとに、30秒以内の説明、5分以内の説明、15分以内の説明、30分以内の説明というように、数パターンの話法を用意すれば効率的である。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P173)

②ビジネスモデル(business model)
事業計画書にはビジネスモデルを記載するわけだが、起業家はビジネスモデルとビジネスアイディアの違いをよく理解しておく必要がある。
私は、ビジネスアイディアを漫才のネタのようなものだとすると、ビジネスモデルとは漫才のシナリオ(台本)のことだと思っている。
同じネタでも、シナリオが違えば観客ウケも違ってくるから、シナリオはネタ同様に漫才の核心である。
シナリオとはネタを生かすための仕掛け、重要なのはこの仕掛けを事業計画書に明記できなくては、VCを説得できないということである。
また、漫才の話とひっかけてもう1つ付け加えると、ビジネスアイディアが「古いネタ」ではだめである。
ネタは今はやりのもの、トレンドでなくてはいけないのだ。

ビジネスモデルは時の流れとともに陳腐化し、最近はそのスピードが速くなっている。ビジネスモデルの有効期限が短くなっているということであり、VCはこの点に特に注意を払う。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P175)

③キャッシュフロー(cashflow)
詰まるところビジネスは「儲け話」である。
漫才は笑いを取れるかが勝負だが、ビジネスではキャッシュを取れるか(生み出せるか)である。
どうしてそのビジネスモデルでキャッシュを生み出せるのか、この点を事業計画書に明記しないとVCを説得できない。

④サービス商品(service product)
先ほどの繰り返しとなるが、何を(どんなサービス商品を)、誰に、どのようにして売るのか、がビジネスモデルの「なかみ」(各論)である。
事業計画書では、この点を掘り下げて説明する必要がある。

・サービス商品そのもの(サービス商品そのものの特徴、強み、革新性、使われているテクノロジーの説明等)
・市場(市場には需要があるのか?)
・顧客
・マーケティング(どのようにして顧客を勝ち取る?)
・ライバル(ライバルとの競争を勝ち抜くには? 競合他社との差別化)

この想定シナリオを現実のものとするには、キャッシュフローを生み出すためのビジネスモデルが実現可能であることをVCに示さなければならない~中略~そのビジネスモデルが、具体的なプロセスのなかで、どのようにしてキャッシュフローを生み出すのかという点が重要なのである。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P174)

さて、④に記した5つのポイントを、次回以降1つずつ解説する。

2019/10/29

便乗値上げ?

今日は、パレスホテルでウォールストリートジャーナル(WSJ)のラグビーのトークイベントがある。
私はラグビーをほとんど知らない。
しかし、世間はいまラグビーのワールドカップで興奮状態にあるので、雨の中を後学のために聞きに行くことにした。

丸の内のパレスホテルを過ぎ、皇居沿いに歩いて竹橋まで足をのばせば、国立近代美術館、工芸館、国立公文書館、科学技術館といった時間をつぶせるミュージアムがいくつもある。
私は国立近代美術館を見たかったが、あいにくの展示替え期間中であった。
工芸館の企画内容にそれほど興味を持てず、一度も行ったことのない科学技術館に向かった。

雨のせいかもしれないが、初めて見た科学技術館の建物は古びているように見えた。
入場券売場には課外学習の子供たちが並んでおり、美術館の雰囲気とは異なる。
10月の消費税増税で、入館料がはねあがっている。

720円(私のぐるっとパスの表示)→880円(入場券売場の表示)

私はこれほどの便乗値上げを初めて見たが、親方日の丸なのに何か事情があるのだろうか。
私は、入場口からエスカレーターに乗り、上の階へ行った。
どちらかというと子供向けの理科の自由研究向けの資料館のような感じで、学校の先生と子供たちのグループを何組も見かけたりする。


科学技術館の自転車の歴史の展示


私は、自転車の歴史のコーナーに興味を持った。
おもしろいことに、1790年フランスの貴族が最初の自転車を発明したが、その現物はなく、証拠がないから否定されている、と説明があり、その原型のサンプルが展示されていた。
ただ、証拠がなく否定されていることなら、まぎらわしいので、その原型のサンプルをわざわざ作って証拠として飾るのも何だか変である。
ただ、1789年がフランス革命であるから、ちょっとした邪推もできる。
もし当時の貴族が自転車の原型を発明しても、それは一般大衆に壊されたりしてしまったのではないか、とも考えられるからだ。

この後、自転車コーナーのほかも見て回ったのだが、ITやAIといった今どきの最先端に関するコーナーはなく、重工業、建設、宇宙開発、原子力発電などが中心であった。
館内は今もなお昭和の雰囲気をたたえている。
展示内容も時代遅れの方がマッチするのかもしれないが、日本の科学技術館が昭和の雰囲気にマッチしているなら、日本の科学技術ひいては日本経済の未来もどうなることかと心配になってしまう。
フロアの一角には、昭和の雰囲気の古びた売店があった。
こんな売店があるところに、ITやAIの展示はマッチしていない。


科学技術館の売店


国立公文書館「行幸」の展示会


国立公文書館。
今日は「行幸」の企画展である。
行幸の意味を分かりやすく言うと、天皇陛下がどこかへお出かけすることである。
例えば、東日本大震災の被災地を視察するのは行幸である。
そもそも天皇家が政治権力の中心だったころ、天皇陛下は御所にひきこもっていた。
しかし、明治以降は政治的なパフォーマンスにもなるのでよく外出をするようになり、それは表向き、国民とふれあうためだと説明されたが、かくして私たち一般庶民に、天皇陛下の姿も顔も当たり前のように知れるようになったのである。
丸の内に行幸通りという通りがあるが、その名の由来でもある。

ところで、行幸通りのところに三菱地所の地下道があるのを思い出した。
行幸の地下道、である。
この地下道沿いにギャラリーが続いており、暇つぶしにちょっと見たくなって私は東京駅方面へ戻った。
一度見たことがあるが、全部は見切れず、今日はイベントの時間までじっくりと見ることができた。
それから地下道をまた戻って、私はパレスホテルに行った。


行幸通りの地下道のギャラリーの作品


私はウォールストリートジャーナル(WSJ)の有料購読者である。
いつものトークイベントなら金融経済の話題である。
しかし、今回はラグビーの方が新規購読者の獲得に繋がると考えたのだろう。
まあ、確かに会場には、ビール会社の営業マンのような、筋肉質のスーツ姿の男性が何人も来ていた。
ゲストは有名な元ラグビー選手。
いまはスポーツ関連会社の経営者、あるいはスポーツライターのようである。


WSJパーティー


ウォールストリートジャーナルパーティー


会場を出る時、おみやげの入った紙袋をもらった。
その中にはラグビーの本が2冊入っており、帰宅した私は、書斎の本棚にしまう前にひととおり読んでみた。
新しいことを学ぶのはいつでもおもしろい。
知らない、分からない、興味がない、年を取るとついそうなってしまうものだが、常に新しいことを学び、向上心を持ち続けたいものだ。


ラグビーのルール超初級編

2019/10/27

事業計画書の書き方(1)

役所の提出書類の書き方のきまり


役所の作成書類の書かれ方の特徴


「マンガでやさしくわかる事業計画書」


「マンガでやさしくわかる事業計画書」


<役所の提出書類の書き方のきまり>
・一般常識のある社会人の文体
・素人向けの言葉遣い
・シンプルで明快な構成
・はっきりとした根拠を示す
・はっきりと回答する
・結論が明確

<役所の作成書類の書かれ方の特徴>
・役人ならではの文体
・専門職の言葉遣い
・複雑で難解な構成
・はっきりとした根拠はない
・はっきりとしない回答がある
・結論が不明確

役所の提出書類の書き方は、わりと当たり前のことばかりである。
これに対して、イヤミではないが、役所の書類は見事にこの反対である。
もう本当にこれに尽きるのだが、事業計画書は、役所の書類ではなく、役所の提出書類の書き方で作成しなくてはならない。
私の勝手な見立てだと、多くの役所の主導する民間事業がうまくいかないのは、事業計画書が前者の体裁で書かれているからではないだろうか。

うちは〇〇をしたい⇒そのために△△をする計画を立てた⇒しかし、いまは資金不足でそれができない⇒よって、助成金補助金、銀行融資~に申し込みます

事業計画書の全体の構成はこういう感じである。
その審査のためいくつか答えるべき事項があるはずだが、これは試験問題の「問い」にあたる部分なので、必ず「答え」を書かなくてはいけない。
もちろん答えだけではだめで、根拠を示す必要がある。
根拠は文章だけに頼るのではなく、数字、表、グラフ、フローチャートなどを多用する。
しかし、どうも事業計画書を書くのは気が進まないという人もいるだろう。
そういう人は、手始めに自社のウェブサイトを作ってみるのがよい。
ウェブサイトのコンテンツを充実させる過程では、事業計画書を書くのと同じような頭の使い方をするからだ。
これにより頭の中が整理できるので、事業計画書の構想もだいぶ固まるだろう。

事業計画書のメインは何といっても資金計画である。
何かをすれば資金が増減するので、事業計画書とは資金計画書でもある。
言うまでもなく、事業計画書を審査して出資する投資家や金融機関は、そこを一番知りたいわけであるから、全ての物事を「お金」の問題へ落とし込む必要がある。
どんなに素晴らしい目標を語っても、目標だけでは相手を説得できない。
目標の実現手段がハッキリしていることが重要である。
そして、実現手段を担保するのはお金なのである。
また、事業計画書では「ゴール地点」も明らかにしておく必要がある。
登山で言うと、山頂に何があるのか、ということだが、そこには財宝の山があるのだ。
ようするに、数字でそれを示せ、ということである。
強気な数字を示せないなら、そもそも新しい事業なんかやらない方が良い。
さて、事業計画書の詳しい書き方については次回に譲ることにするが、まずはリラックスしてマンガで学べばよいのではないだろうか。

2019/10/23

実は、10月13日はWSET3の資格試験の日なのであった!!

取手市は先週末、巨大な台風に襲われた。
これほどの恐ろしい出来事は、2011年3月11日の東日本大震災以来ではなかろうか。
大地震は突然地下からやってくるが、台風は天気予報を見ていれば向こうからやってくるのが分かる。
なので、備えはしていたが、豪雨が終わってホッとした後に利根川の水位が急上昇したので肝を冷やした。
上流の水は下流へ流れるから(私の住む取手市は中流であるが)、川の水位が上がるのは豪雨の時間よりも遅くなるのだという。
素人の私はそんなこと知らないので、12日の夜中に豪雨が終わったのを確認して安眠したのだが、翌朝13日になると近所の女性が青い顔をして、利根川が決壊しそうだから逃げた方がいい、などと言うのである。
防災無線も、避難指示などと言っていた。

私はインターネットで利根川の水位グラフを見た。
水位グラフは、まるでバブル時の日経平均のチャートのように急騰している。
私はチャート分析と似たような感じで、今後の水位の値動きを予測してみたが、ぎりぎり決壊しないと判断した。
ただ、自分の眼で確かめる必要もあるから利根川へ向かうと、河川敷のゴルフ場は水没していた。


利根川河川敷の2019年10月の大型台風による被害の様子


私のほかにも心配で見に来ている人がたくさんいたが、あふれそうな川の水を眺めたところでどうなるわけでもない。
目分量では大丈夫そうなので帰宅したが、念のため、自宅の1階の家財道具の一部を2階に持っていった。

ところで、、、実は、10月13日はワイン認定資格WSET3の資格試験の日なのであった!!

11日にすでに試験中止のメールが届いたが、改めて日程調整を行い、再試験を行う方向で動いているというだけで、前代未聞のことなので何もかも未定、受験生には何とも困った状況となった。
11月はすでにいろいろと予定を入れているし、その日に受けられるかどうかも分からないし、そもそも勉強の時間が取れそうもない。
そういうわけで最近は、もやもやした気持ちで教科書を眺めたりして過ごしているが、ある日、気分転換に河川敷を散歩することにした。


利根川河川敷


驚いたことに、ゴルフ場はたった1週間で元に戻っていた。
クラブハウスの倉庫のところでは、ゴルフ場の職員たちが、せっせと働いている。
大利根橋の橋げたまで歩くと、水没した駐車場も元に戻っている。
そこには、何事もなかったように車が止めてある。
私は、人間のしぶとさというか、強さというか、そういうのを見た感じがした。
日本はアメリカとの戦争に負け、東京は焼け野原となったというが、その1週間後、1ヶ月後に、日本人はこういう感じで立ち上がっていたのだろう、と思った。
こういう復活の光景を見ると、くじけずに頑張ろうと思える。
散歩から帰ると、出光美術館の来年のカレンダーが届いており、私はそれをクローゼットの扉にぶら下げてみた。
来年は良いことがありますように。


出光美術館カレンダー