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2025/08/22

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(4)

前回の続き。

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演習問題・第4回

(問題文)

1.ローヌの北部地域のブドウ畑の特徴を説明せよ。

2.ローヌ川流域の南部で栽培されている黒ブドウ品種を4つあげなさい。

3.ローヌに関する穴埋め。
・ローヌ川流域の北部は(   )気候であり、南部は(   )気候である。
・ローヌ川流域の北部は(   )地が多いが、南部は(   )地が多い。
・ローヌ川流域で栽培されている(   )種は、風に弱いため、ミストラル対策でブドウ棚などによる支えが必須である。
・ローヌ川流域で栽培されている(   )種は、病害に弱いため、ミストラルが当たることで害虫を寄せ付けないという良い効果もある。
・かつては(   )種に(   )種をブレンドして発酵させるこの地域の独特の技法があったが、今はそのような醸造方法はまれである。
・ローヌ川流域の最北にある(   )は、フランス語で「焼かれた斜面」という意味で、(   )種のワインが生産されている。

4.ローヌのグルナッシュのワインのスタイルを説明せよ。また、このワインはスペインのガルナッチャのワインのスタイルとどのような点で異なるか。

5.南仏のどのワイン産地についての記述か。
①マルセイユの東にあり、ムールヴェードルの上質の赤ワインで有名
②海岸に近く、南仏の有名な土着品種の名前が含まれている
③マシフサントラルの斜面にあり、土壌の質にばらつきがある
④標高が高く、冷涼な気候であり、オークを使った高級シャルドネの産地で有名
⑤高品質のワインを生産するブトナックなどの合計11の小区域に分かれている
⑥コートドルシヨンのすぐ北側にある
⑦コートドルシヨンヴィラージュのすぐ北側にある

6.ポートワインはアルコール度数の高い甘口ワインであるが、そのワイン作りにおける問題点と解決策を説明せよ。

7.ルビーとトーニーの違いは何か。

8.アルバリサについて説明せよ。

9.フィノとマンサリーニャの違いを説明せよ。

10.ソレラシステムとは何か。

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演習問題・第4回

(解答例)

1.ローヌの北部地域のブドウ畑の特徴を説明せよ。
北部はローヌ川の渓谷地にブドウ畑が集中している。ミストラル(冷たい北風)がブドウに冷害を及ぼすのを避けるため、風の当たりにくい渓谷地にブドウ畑が作られている。最良のブドウ畑は、このような渓谷地の南向きの急斜面の中腹にある。また、風対策として、ブドウの木は支柱で固定されている。

2.ローヌ川流域の南部で栽培されている黒ブドウ品種を4つあげなさい。
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー

3.ローヌに関する穴埋め。
・ローヌ川流域の北部は(大陸性)気候であり、南部は(地中海性)気候である。
・ローヌ川流域の北部は(渓谷)地が多いが、南部は(平坦)地が多い。
・ローヌ川流域で栽培されている(シラー)種は、風に弱いため、ミストラル対策でブドウ棚などによる支えが必須である。
・ローヌ川流域で栽培されている(ヴィオニエ)種は、病害に弱いため、ミストラルが当たることで害虫を寄せ付けないという良い効果もある。
・かつては(シラー)種に(ヴィオニエ)種をブレンドして発酵させるこの地域の独特の技法があったが、今はそのような醸造方法はまれである。
・ローヌ川流域の最北にある(コートロティ)は、フランス語で「焼かれた斜面」という意味で、(シラー(教科書P99左下+P100右))種のワインが生産されている。

4.ローヌのグルナッシュのワインのスタイルを説明せよ。また、このワインはスペインのガルナッチャのワインのスタイルとどのような点で異なるか。
凝縮感のあるスパイシーな赤系果実の風味。あるいは、ヴィンテージによっては焼いたジャ(教科書P102右)。アルコール度数は高い、酸味は弱い、タンニンは柔らかく、フルボディーの赤ワイン。シャトーヌフドウパプなどのように、ローヌの上質の赤ワインはグルナッシュから作られる(教科書P70)。
スペインのガルナッチャは、グルナッシュと同品種~プリオラートなどで生産される。スペインはローヌに比べて暑くて乾燥した気候であるため、ガルナッチャは完熟しやすく、色も濃くなり、黒系果実の風味を呈する(教科書P70、P132)。

5.南仏のどのワイン産地についての記述か。
①マルセイユの東にあり、ムールヴェードルの上質の赤ワインで有名 バンドル
②海岸に近く、南仏の有名な土着品種の名前が含まれている ピクプールドウピネ
③マシフサントラルの斜面にあり、土壌の質にばらつきがある ミネルヴォワ
④標高が高く、冷涼な気候であり、オークを使った高級シャルドネの産地で有名 リムー
⑤高品質のワインを生産するブトナックなどの合計11の小区域に分かれている コルビエール
⑥コートドルシヨンのすぐ北側にある ペルピニャン
⑦コートドルシヨンヴィラージュのすぐ北側にある フィトウ

6.ポートワインはアルコール度数の高い甘口ワインであるが、そのワイン作りにおける問題点と解決策を説明せよ。
甘口にするためには、発酵時間が24~36時間程度しかとれない。アルコール度数5~9%到達で発酵を中止し、そこからは酒精強化でアルコール度数を高める。短い発酵時間でも赤ワインの色とタンニンをしっかり出せるように、伝統的には人間が集団となり浴槽のようなところでブドウを足踏みした。現在、それはおおむね機械化されている。

7.ルビーとトーニーの違いは何か。
熟成期間の違い。ルビーは早飲みもしくは短期熟成→第1アロマメイン、ルビー色。トーニーは長期熟成→第3アロマメイン、トーニー色または褐色

8.アルバリサについて説明せよ。
シェリー生産地のスペインのヘレスの土壌。アルバリサには白亜が多く含まれており、水捌けが良く、水分保持力に優れる。ここはレバンテと呼ばれる熱風、ポニエンテと呼ばれる冷風が吹き、雨も少ないため、ブドウの生育にはあまり適していない。しかし、アルバリサのおかげでブドウは熱さと乾燥の中でも生育できる。

9.フィノとマンサリーニャの違いを説明せよ。
フィノ=ヘレスで作られたシェリー。生物学的熟成。フロールの膜があり、パンの香りがする。淡いレモン色。ボディーは軽め。アルコール度数15.5%以下(これ以上だとフロールが死滅してしまうため)。熟成に向かない早飲み。
マンサリーニャ=サンルカルデパラメーラで作られたシェリー。フィノと同じタイプのシェリー。この町は海辺にあり、ヘレスよりも涼しいため、フロールの膜が厚くなりやすく、パンの香りは非常に強い。

10.ソレラシステムとは何か。
シェリー製造における熟成のシステム。熟成期間の異なるシェリーをバット(大樽)に分けている。最も古いシェリーは「ソレラ」に入っており、シェリーを瓶詰めするときは「ソレラ」から抜き取る。最も新しいシェリーは「ソレラタブラ」に入っており、「クリアデラ」に入っているシェリーが減ったら「ソレラタブラ」から「クリアデラ」に補充する。クリアデラは、古いものが第一、新しいものが第二~第三~となる。このようにしてバットでシェリーをブレンドしてスタイルを安定させている。

2025/08/21

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(3)

前回の続き。

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演習問題・第3回

(問題文)

1.オーストラリアで最も著名で独特なワインは、皮革やコショウの風味を持ったフルボディーの赤として(   )、ライトボディーで長期熟成向きの白として(   )、ライムの風味を持ったエレガントな白として(   )があげられる。ニュージーランドで最も著名で独特なワインは、フレッシュで青ピーマンの風味を持った白として(   )があげられる。

2.ハンターヴァレーのセミヨンの白ワインの特徴を説明せよ。

3.次の記述はオーストラリアのどのワイン産地に関するものか。
①オーストラリア大陸の南西の端の沿岸部にあり、パースから200キロ程度の地域
②①の地域から東に行ったところにあり、南極海に面する
③テラロッサと呼ばれる赤い土壌がある
④収穫期の天候が不安定で腐敗病のリスクにさらされている
⑤樹齢の高いシラーズの木で有名なヒルオブグレイスがある
⑥メルボルンの西にある
⑦アデレイドヒルズの西に隣接する

4.次の記述はニュージーランドのどのワイン産地に関するものか。
①南島の最も南に位置する
②ニュージーランドの最も規模の大きいワイン産地
③②に次いで規模の大きいワイン産地
④ピノノワールで世界的に知られている
⑤高品質のリースリングで注目を集めている
⑥ギムレットグラヴェルスがある
⑦ワイラウとアワテレという2つの渓谷がある

5.アルザス地方のワインに使用される貴品種とは何か。

6.アルザスのワインに関する次のラベル表示のうち、貴品種のワインで作らなくてもよいとされているものはいくつあるか。
a SGN
b VT
c Alsace Grand Cru
d Alsace
e Reserve personelle
f Cuvee Speciale
g Edelwicker
h Gentil

7.SGNのワインをVTと比較して説明せよ。

8.ロワールのワイン産地に関する記述の穴埋め
①ロワールというラベル表記が用いられるものとして、(   )というラベル表記のロゼワイン、(   )というラベル表記のスパークリングが有名である
②ロワールのワイン産地は4つに分類することができ、東から順番に(   )(   )(   )(   )である
③ロワールのワイン産地の気候は、東がおおむね(   )気候、西がおおむね(   )である
④サントル地方の原産地呼称としては(   )(   )(   )の3つがあり、これらは(   )種の白ワインで有名であるが、3つのうち最も安価なワインの産地は(   )である
⑤トウール市の東に位置する(   )は、(   )種のワインの名産地である
⑥トウール市の西に位置する(   )と(   )は、(   )種のワインの名産地である
⑦(   )は世界で最も偉大な甘口ワインの産地がある
⑧ナント周辺で生産される(   )種のワインは、ミュスカデとも呼ばれるが、特に高品質のミュスカデは(   )と呼ばれる

9.ソミュールとソミュールシャンピニーのワインの違いは何か。

10.ロワールのロゼワインの製法について説明せよ。

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演習問題・第3回

(解答例)

1.オーストラリアで最も著名で独特なワインは、皮革やコショウの風味を持ったフルボディーの赤として(シラーズ)、ライトボディーで長期熟成向きの白として(セミヨン)、ライムの風味を持ったエレガントな白として(リースリング)があげられる。ニュージーランドで最も著名で独特なワインは、フレッシュで青ピーマンの風味を持った白として(ソーヴィニヨンブラン)があげられる。

2.ハンターヴァレーのセミヨンの白ワインの特徴を説明せよ。
収穫期の天候が不安定であるため腐敗病のリスクを回避するために早摘みする。糖度と酸味が低く、ステンレスタンクで作り、ライトボディーに仕上がる。長期熟成をするとハチミツトーストなどの風味がする独特な白ワインとなる。

3.次の記述はオーストラリアのどのワイン産地に関するものか。
①オーストラリア大陸の南西の端の沿岸部にあり、パースから200キロ程度の地域 マーガレットリヴァー
②①の地域から東に行ったところにあり、南極海に面する グレートサザン
③テラロッサと呼ばれる赤い土壌がある クーナワラ
④収穫期の天候が不安定で腐敗病のリスクにさらされている ハンターヴァレー
⑤樹齢の高いシラーズの木で有名なヒルオブグレイスがある イーデンヴァレー
⑥メルボルンの西にある ジーロング
⑦アデレイドヒルズの西に隣接する マクラーレンヴェール

4.次の記述はニュージーランドのどのワイン産地に関するものか。
①南島の最も南に位置する セントラルオタゴ
②ニュージーランドの最も規模の大きいワイン産地 マルボロ
③②に次いで規模の大きいワイン産地 ホークスベイ
④ピノノワールで世界的に知られている ワイララパ
⑤高品質のリースリングで注目を集めている ワイパラ
⑥ギムレットグラヴェルスがある ホークスベイ
⑦ワイラウとアワテレという2つの渓谷がある マルボロ

5.アルザス地方のワインに使用される貴品種とは何か。
リースリング、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネール、ピノグリ

6.アルザスのワインに関する次のラベル表示のうち、貴品種のワインで作らなくてもよいとされているものはいくつあるか。
a SGN
b VT
c Alsace Grand Cru
d Alsace
e Reserve personelle
f Cuvee Speciale
g Edelwicker
h Gentil
abc以外全て、したがって5つ

7.SGNのワインをVTと比較して説明せよ。
どちらもアルザスの白ワインで、遅摘みの貴品種(リースリング、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネール、ピノグリ)のどれかが使われる(単一品種)。また、どちらも一定の糖度が要求される。しかし、その要求される糖度が異なり、SGNの方がVTよりも高い。そのため、SGNは要求される糖度をみたすために通常は貴腐ワインであり、常に甘口である。また、SGNは生産量が非常に少なく、貴重である。これに対して、VTはそれほどの糖度が要求されるわけではないため、貴腐ワインとは限らず、辛口から半甘口まで幅広い

8.ロワールのワイン産地に関する記述の穴埋め
①ロワールというラベル表記が用いられるものとして、(ロゼドロワール)というラベル表記のロゼワイン、(クレマンドロワール)というラベル表記のスパークリングが有名である
②ロワールのワイン産地は4つに分類することができ、東から順番に(サントル)(トウレーヌ)(アンジュソミュール)(ナント)である
③ロワールのワイン産地の気候は、東がおおむね(大陸性)気候、西がおおむね(海洋性)である
④サントル地方の原産地呼称としては(プイイフュメ)(サンセール)(ムヌトウーサロン)の3つがあり、これらは(ソーヴィニョンブラン)種の白ワインで有名であるが、3つのうち最も安価なワインの産地は(ムヌトウーサロン)である
⑤トウール市の東に位置する(ヴーヴレ)は、(シュナンブラン)種のワインの名産地である
⑥トウール市の西に位置する(シノン)と(ブルグイユ)は、(カベルネフラン)種のワインの名産地である
⑦(コートドレイヨン)は世界で最も偉大な甘口ワインの産地がある
⑧ナント周辺で生産される(ムロンブラン)種のワインは、ミュスカデとも呼ばれるが、特に高品質のミュスカデは(ミュスカデセーヴルエメーヌ)と呼ばれる

9.ソミュールとソミュールシャンピニーのワインの違いは何か。
ソミュールはシュナンブランのスパークリング。ソミュールシャンピニーはカベルネフランの赤ワイン。

10.ロワールのロゼワインの製法について説明せよ。
ロワールのロゼワインは、直接圧搾または短期のマセラシオンにより作られるが、いずれにせよ、フレッシュな果実風味を維持するために、不活性またはステンレス容器で発酵させる。

2025/08/20

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(2)

前回の続き。

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演習問題・第2回

(問題文)

1.ブルゴーニュにおけるグランクリュの畑の特徴を説明せよ。

2.ブルゴーニュのシャブリ、ムルソー、プイイフュイッセの気候の特性と、典型的な白ワインのスタイルを説明せよ。

3.次の記述は、ブルゴーニュ地方のどのコミューンに関するものか。
①コートドニュイの最も北にある
②コートドボーヌの最も北にある
③コートシャロネーズの最も北にある
④ラターシュとロマネコンティで知られる
⑤コートシャロネーズで最も上質の赤ワインを作る
⑥コートドボーヌの中で最も上質の白ワインを作る(3つ)
⑦上記6の3つのコミューンの中で、最も南にある
⑧コートシャロネーズの非常に小さなコミューンだが、赤ワインが高く評価されている
⑨マコンで最も有名である(2つ)
⑩ブルゴーニュ地方の最も北にある

4.コートドニュイヴィラージュの赤ワインの特徴を、同じコートドニュイのなかのジュブレシャンベルタンの赤ワインと比較して説明せよ。

5.ボージョレ地方についての記述の正誤。
①ボージョレ地方では白ワインは生産されているが、ロゼワインは生産されていない
②ボージョレの代表的なガメイ種の赤ワインのことを、ボージョレヌーヴォーと言う
③最良のガメイ種は、ボージョレ地方の栄養分の多い肥沃な土壌で作られる
④ボージョレ地方の伝統的なブドウの仕立て方は、ゴブレであるが、この仕立て方は機械収穫に不向きである
⑤ボージョレの赤ワインの格付けは、ボージョレクリュ、ボージョレヴィラージュ、ボージョレの順番である
⑥ボージョレでは、赤ワインを炭酸ガス浸漬法により作らなくてはならない

6.次の記述はアメリカのどの場所に関するものか。
①セントラルヴァレー地域にあり、ジンファンデルの名産地として有名である
②ナパヴァレーの最北の西側で、最も高い日中気温を記録する
③ナパヴァレーの最南端にあり、ソノマにまたがっている
④ソノマの中でもソフトな感触のカベルネソーヴィニヨンの赤ワインを作ることで有名である
⑤ジンファンデルの古木があることで有名である
⑥カスケード山脈の西にあるオレゴン州の代表的なワイン産地である
⑦カスケード山脈の東にあるワシントン州の代表的なワイン産地コロンビアヴァレーの中にある非常に小さいが重要なワイン産地である
⑧ニューヨーク州の氷河湖のそばにあり、リースリングで有名である

7.ナパヴァレーの気候的特徴を説明せよ。

8.セントラルヴァレーで生産されるワインの特性を説明せよ。

9.次の記述は、アルゼンチンとチリのどちらに関するものか。
①ワインの国際市場で成功している
②地中海性気候
③カサブランカヴァレー
④マルベック
⑤アンデス山脈の山陰となるため降水量が少ない
⑥アンデスと表記されたワインラベル
⑦ボナルダ
⑧ラ・リオハ
⑨トロンテス
⑩ワイン畑の標高が高いことで知られる
⑪カルメネール

10.以下は南アフリカの何に関する記述か。
①南アフリカの土着品種
②ケープタウンの東にある高級ワイン産地
③ケープタウンの北にある低価格ワイン産地
④ステレンボッシュの東南にある標高の高いワイン産地
⑤ステレンボッシュの北にある山のワイン産地
⑥南極から北上する寒流
⑦南東から吹く強風

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演習問題・第2回

(解答例)

1.ブルゴーニュにおけるグランクリュの畑の特徴を説明せよ。
丘陵地の中腹。斜面。方角は南または東を向いている。理由は、日当たりが良い、霜の被害を受けにくい、偏西風から保護される。そのため、平地やふもとと比較して良質のブドウがとれる。

2.ブルゴーニュのシャブリ、ムルソー、プイイフュイッセの気候の特性と、典型的な白ワインのスタイルを説明せよ。
典型的な白ワインはどこもシャルドネである
シャブリは北部⇒冷涼な大陸性気候、シャープで鋼鉄のような非常に高い酸味、緑色系果実風味が強いものも
ムルソー=コートドールは中部⇒比較的温和な大陸性気候、マロラティック発酵や熟成中のおりとの接触などを経た複雑で表現力の豊かなスタイル(P86)
プイイフュイッセ=マコネは南部⇒温和な大陸性気候、フルボディーで非常に円熟した果実風味、石灰岩質の土壌で栽培されていることもあり、そのような香りも

3.次の記述は、ブルゴーニュ地方のどのコミューンに関するものか。
①コートドニュイの最も北にある ジュブレシャンベルタン
②コートドボーヌの最も北にある アロスコルトン
③コートシャロネーズの最も北にある リュリ
④ラターシュとロマネコンティで知られる ヴォーヌロマネ
⑤コートシャロネーズで最も上質の赤ワインを作る メルキュレ
⑥コートドボーヌの中で最も上質の白ワインを作る(3つ) ムルソー、ピュリニモンラッシェ、シャサーヌモンラッシェ
⑦上記6の3つのコミューンの中で、最も南にある シャサーヌモンラッシェ
⑧コートシャロネーズの非常に小さなコミューンだが、赤ワインが高く評価されている ジヴリ
⑨マコンで最も有名である(2つ) プイイフュイッセ、サンヴェラン
⑩ブルゴーニュ地方の最も北にある シャブリ

4.コートドニュイヴィラージュの赤ワインの特徴を、同じコートドニュイのなかのジュブレシャンベルタンの赤ワインと比較して説明せよ。
ジュブレシャンベルタンはコートドニュイにある村名である。どちらの赤ワインも、ピノノワールのストレートという点は同じだが、コートドニュイヴィラージュは、コードトニュイにあるいくつかの村名のピノをブレンドしたものである。そのため、最高級とされるジュブレシャンベルタンよりも価格はリーズナブルで、クオリティーはやや落ちる。

5.ボージョレ地方についての記述の正誤。
①ボージョレ地方では白ワインは生産されているが、ロゼワインは生産されていない 誤
②ボージョレの代表的なガメイ種の赤ワインのことを、ボージョレヌーヴォーと言う 誤
③最良のガメイ種は、ボージョレ地方の栄養分の多い肥沃な土壌で作られる 誤
④ボージョレ地方の伝統的なブドウの仕立て方は、ゴブレであるが、この仕立て方は機械収穫に不向きである 正
⑤ボージョレの赤ワインの格付けは、ボージョレクリュ、ボージョレヴィラージュ、ボージョレの順番である 正
⑥ボージョレでは、赤ワインを炭酸ガス浸漬法により作らなくてはならない 誤

6.次の記述はアメリカのどの場所に関するものか。
①セントラルヴァレー地域にあり、ジンファンデルの名産地として有名である ローダイ
②ナパヴァレーの最北の西側で、最も高い日中気温を記録する カリストガ
③ナパヴァレーの最南端にあり、ソノマにまたがっている ロスカーネロス
④ソノマの中でもソフトな感触のカベルネソーヴィニヨンの赤ワインを作ることで有名である アレキサンダーヴァレー
⑤ジンファンデルの古木があることで有名である ドライクリークヴァレー
⑥カスケード山脈の西にあるオレゴン州の代表的なワイン産地である ウィラメットヴァレー
⑦カスケード山脈の東にあるワシントン州の代表的なワイン産地コロンビアヴァレーの中にある非常に小さいが重要なワイン産地である ヤキマヴァレー
⑧ニューヨーク州の氷河湖のそばにあり、リースリングで有名である フィンガーレイクス

7.ナパヴァレーの気候的特徴を説明せよ。
ナパヴァレーのあるカリフォルニアは地中海性気候である。温暖で雨は比較的少ない。カリフォルニア海流による冷たい海風の影響を受けるが、西側のソノマとのあいだには高い山(マヤカマス山脈)があり、その冷たい海風は南のサンフランシスコの方から朝霧を伴って迂回して北上してくる。したがって、ナパヴァレーは南の方が冷涼で、北の方が温かい傾向がある。

8.セントラルヴァレーで生産されるワインの特性を説明せよ。
カリフォルニアの大量生産タイプのワイン、低価格ワイン。カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネといった国際品種のワインが多い。しかし、セントラルヴァレーのローダイは、高品質のジンファンデルの赤ワイン。

9.次の記述は、アルゼンチンとチリのどちらに関するものか。
①ワインの国際市場で成功している チリ
②地中海性気候 チリ
③カサブランカヴァレー チリ
④マルベック アルゼンチン
⑤アンデス山脈の山陰となるため降水量が少ない アルゼンチン
⑥アンデスと表記されたワインラベル チリ
⑦ボナルダ アルゼンチン
⑧ラ・リオハ アルゼンチン
⑨トロンテス アルゼンチン
⑩ワイン畑の標高が高いことで知られる アルゼンチン
⑪カルメネール チリ

10.以下は南アフリカの何に関する記述か。
①南アフリカの土着品種 ピノタージュ
②ケープタウンの東にある高級ワイン産地 ステレンボッシュ
③ケープタウンの北にある低価格ワイン産地 スワートランド
④ステレンボッシュの東南にある標高の高いワイン産地 エルギン
⑤ステレンボッシュの北にある山のワイン産地 パール
⑥南極から北上する寒流 ベンゲラ
⑦南東から吹く強風 ケープドクター

2025/08/19

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(1)

この演習問題は、2019年当時に作成したものです。
私のブログに何度か登場するワイン友達Aさんに、私が個人教授をしたときに使った資料の一部をもとにしています。
彼女はワイン業界で何年も仕事をしていますが、ワインの体系的知識はほとんどなく、自分の会社(インポーター)で取り扱うワインのことしか知りませんでした。
だから、イタリアのワインにはめちゃくちゃ詳しいが、隣国フランスのワインだと「??」となる。

しかし、そんな彼女も直前のわずか2週間程度、私との試験勉強でWSET3に合格しました。
WSET3は、難関国家資格などとは異なり、あきらめずに頑張って勉強すれば合格できる試験です(2021/03/13「私の教え子なら合格できると思っていた」)。

WSETの試験は原則として教本から出題されます。
なので、最も重要な受験対策は教本の熟読です。
おいおい、それって講義で習ってないよ~という細かい問題が出ることもありますが、教科書のどこかにちゃんと説明が書いてあったりするのです。

私の演習問題も教本からの出題です。
解答を読んで不足なら、教本のどこかに書いてあることのはずなので、ご自分で確認し、熟読もなさってみてください。
受験生のみなさまの勉強の一助となれば幸いです。

使い方は簡単♪♪
ブログ記事をコピペする⇒ワードに貼り付ける⇒PDFファイル化⇒コンビニなどで印刷する⇒実際に問題を解いてみてください。
なお、ーーーーーで改ページをすると使いやすくなると思います。

誤字脱字、内容の疑問質問等、何か気になることがあれば、プロフィールページよりご連絡ください。
なお、2019年当時のテキストは現在のテキストの1つ前の版ですが、数か所を除き、内容的に同じであることを確認済みです。

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演習問題・第1回

(問題文)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(   )である。これは(   )大陸系のブドウ品種である。これに対して、(   )大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(   )があるので、(   )として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(   )または(   )という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(   )のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(   )側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(   )(   )(   )(   )となる。
③一般的にボルドー地方は(   )川を境界にして左岸と右岸に区分され、(   )のワインは(   )のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(   )の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(   )の土壌であり、黒ブドウ品種としては(   )種が、白ブドウ品種としては(   )種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(   )であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。

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演習問題・第1回

(解答)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(ヴィテス・ヴィニフェラ種)である。これは(ユーラシア)大陸系のブドウ品種である。これに対して、(北米)大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(フィロキセラ耐性)があるので、(台木)として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(取り木)または(挿し木)という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(フィロキセラ)のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。
ブドウの樹が成長過程で突然変異することがある。突然変異した樹が好ましい特徴を持っている場合、以後、その樹の方を繁殖させること。たいていは、A→Aダッシュのように同じ品種として扱われるが、大きな違いを持っている場合、A→Bのように別の品種として扱われる。その例として、ピノノワール→ピノグリ、ピノブランなどがある。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。
ブドウの樹の新種を開発する場合、ブドウ品種A×Aの同種交配をクロッシング、A×Bの異種交配をハイブリッドという。ハイブリッドは、ヴィテス・ヴィニフェラ種に北米系などの他品種をかけた場合のことであり、これは非常にまれであるが、フィロキセラ耐性がある。ワイン作りに用いられるブドウはヴィテス・ヴィニフェラ種であるから、ふつうは、ワイン用のブドウの樹の新種というのはクロッシングに該当する。こちらはフィロキセラ耐性がない。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。
台木=フィロキセラ予防のために台にする木。台木は北米系(もしくはハイブリッド)を用いる、もっとも、フィロキセラのリスクがない地域でもわざわざ台木をするのがふつうである、その理由は線虫の予防、干ばつ対策である
接ぎ木=ワイン用のブドウの樹と、台木をつなぐ木のこと。両者をつなぐ作業をする。したがって、接ぎ木は、ヴィテス・ヴィニフェラ種と、北米系(もしくはハイブリッド)の両方である
※台木の接ぎ木、接ぎ木した台木=日本語として理解できるようにする

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。
ボルドーは温和な海洋性気候で、暖流のメキシコ湾流のおかげで、春の遅霜によるブドウ被害はほとんどない。だが、多雨多湿であるため、ブドウは腐敗しやすい。そこで、収穫期の異なるブドウ品種を栽培することで、確実にブドウを収穫する工夫がなされている。例えば、赤ワイン向けのブドウだと、収穫期の早い順番に、メルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、プチヴェルドーといったものが栽培されている。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(南)側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(サンテステフ)(ポイヤック)(サンジュリアン)(マルゴー)となる。
③一般的にボルドー地方は(ガロンヌ)川を境界にして左岸と右岸に区分され、(左岸)のワインは(右岸)のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(左岸)の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。
大別すると、水捌けがよい砂利質(小石、石灰岩など)で温かい土壌、低温の粘土質の土壌がある。前者は、オーメドック、ペサックレオニャンなどの左岸の最高級ワイン産地の土壌であり、ここで主にカベルネソーヴィニヨンが栽培される。後者は、サンテミリオン、ポムロールなどの右岸のワイン産地の土壌であり、ここで主にメルローが栽培される。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(砂利質)の土壌であり、黒ブドウ品種としては(カベルネソーヴィニヨン)種が、白ブドウ品種としては(ソーヴィニヨンブラン)種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(軽め)であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。
セミヨン主体でソーヴィニヨンブランのブレンド、もしくはセミヨンのみ。上質、甘口、貴腐ワイン、フルボディー、オーク樽熟成、アプリコットの香りなど。

2025/08/18

わたしの「テイスティングコメントの作り方」



きのうは、実家の墓参りの後、錦糸町の東武ホテル(レバント東京)で、日本ソムリエ協会主催のワインセミナーを受けてきた。

セミナーのタイトルは「テイスティングコメントの作り方」。
ブドウ品種の特性を知り、それを言葉で表現するための勉強会である。
たいていのワインセミナーでは、試飲は5銘柄(5グラス)程度だが、今回は、8銘柄(8グラス)もあり、驚いた。

写真を見ると、飲んでいないようにも見えるが、ちびちび飲んで、かなり減っている。
お酒に弱い私は、飲み切れなかったが、となりの席の大柄な女性は全部飲み切っていた(*'ω'*)スゴイ~!!

では、銘柄リストに書き込んだメモをもとに、簡単にセミナーを振り返ってみよう。




前半のポイントは、白ワインのアルバリーニョと、ソーヴィニヨンブランの比較だ。

私なんかだと、単一のグラスで、ブラインドテイスティングだと、どちらもソーヴィニヨンブランで、産地や値段の違いと判断する可能性が高い。
しかし、答えを示されて飲み比べると、左のアルバリーニョの方が、中央のソーヴィニヨンブランよりも、具体的な味わいを欠き、安っぽい印象があることは否めない。

このアルバリーニョ、あっさり系で飲みやすいとでも言うと、よさそうだ。




写真の1列目の右端のワインは、甲州のオレンジワイン。
オレンジワインは何なのか、と思う人もいるだろうが、製法的には赤ワインである。
講師は、白ブドウまたはグリ系品種(ピノグリや甲州)を赤ワインの製法で作るとオレンジワインになると言っていた。

つまり、スキンコンタクトのことなのだが、果皮で色付けをしてオシャレに見せている白ワインということである。
白ブドウや、ピノグリ、甲州のようなグリ系品種だと、果皮で色付けをしても、赤いワインにならないわけである。

「このワイン製法(スキンコンタクトワイン)は、赤ワイン用ブドウからワインにわずかにピンクがかった色合いが着いた時点で速やかに果皮を取り除くことが必要なロゼワインの製法と、基本的に正反対である。しかしながら、赤でも白でもないスキンコンタクト調整を施す有名なブドウ種の中でも、ピノ・グリ (Pinot gris)種においては、スキンコンタクトワインとロゼワインの両方で、ピンク、アンバー、オレンジ、サーモンピンク等で表現される類似した色調を示す可能性があり、用語の拡散性が指摘されている[5]。」(Wikipediaより




後半は赤ワイン3種類の飲み比べである。
左から、ブルゴーニュ、マルベック、バローロ。

ブルゴーニュのピノノワールといえば高級ワインの代名詞だが、今回のものは、おとなしすぎる印象だった。
また、リストには小売価格9020円と書いてあり、価格は正直だと思った。
1万円前後なら、常識的には高いワインだが、ブルゴーニュの中では、普通かあるいは廉価だろう。
こういう場合、何といえばいいのか・・・ブルゴーニュのピノだから、否定的にとらえず、静かな味わいで、過度に複雑ではないところが良い、などと前向きなコメントがよいのだろう。

次に、バローロ。
このバローロは、教科書的なバローロとは、やや違った印象であった。
例えばワインバーなどで、店員に「(一応)これ、バローロなんですよ」と言われて飲むようなやつだと思えばいい。
しかし、講師はさすが商売人で、ワインとしてまとまっている(収れんしている)などと、うまいことを言っていた。
なるほど、まとまりがよいという表現は、やや退屈で個性的とはいえないブランドワインをほめるのには使えそうだ。

そして、真ん中のマルベックであるが、ここはメルローが出るところだと思う。
しかし、このマルベック、期待以上、お値段以上で、とてもおいしかった。
赤ワインをがぶがぶ飲みたい酒好きに向いており、ブルゴーニュやバローロの安価なのを掴むよりは、これを買う方がよいと思った。
他の2つのブランドの赤ワインと比較して遜色もなく、値段はピノノワールの半額、バローロの7~8割程度である。
ちなみに、マルベックは、下の写真の右から3番目のワインである。

以上、わたしの・・・テキトーな「テイスティングコメントの作り方」になってしまった。


2025/02/02

トッピングの罠?

「妻家房」は、全国展開している韓国料理店で、結構、有名だと思う。
サイカボウと読むのだが、私は、ここに入るのは2回目だ。

写真フォルダを見ると、前回の初入店は、2018年2月だった。
六本木で、カジュアルなワイン会に参加したとき、知り合った女性に誘われて、初めて食べた。
しかし、このとき食べたものは、そこまで辛くなかった気がする。











彼女とは何度か食事をしただけだったが、当時の彼女は、私がこのように法律の本を書いたり、マジメな仕事をするとは思わなかっただろう。
私自身も、そうなるとは思っていなかった。

人の将来とは、実に分からないものだ。
それは、大きな可能性があるということと同時に、一寸先は闇ということでもある。
だから、いつどこで何があるか、気を付けなくてはいけない。
また、良いことがあっても、喜んでばかりはいられないのである。

(以上、2025/01/13「新年早々、妻家房」より)


1月のある日の午後。
都内の用事を済ませてから、日本橋高島屋に行った。
セールの冬服を見たいのと、喫茶店で時間調整をするためだ。
館内のカフェはどこも混雑していて、私は、結局、スターバックスに入った。
スマホの充電もしたいので、相席の大きなテーブル席へ。





おや、このトッピングは、金粉!?
ラッキー!(*^^*)

スターバックスは、トッピングが有料である。
だから、私は普段、頼まないが、たまに何かのサービス(?)で、トッピングを無料でしてくれることがある。

ズバリ、今年の自分は、金運が良いのではないか。
実際そのような兆候があるのかと問われると、何とも言えないところなのだが。
ママ殿の購入した年末ジャンボ宝くじは、大ハズレだった。

あるいは、金粉≒ゴールドを買うと値段が上がって儲かる、そういう示唆かもしれない。
ゴールド価格は長年、上昇を続けており、今後さらに上昇する可能性がある。
これは、欧米日の中央銀行が超低金利の金融緩和(バラマキ)をしていたことによるものだが、天下の日銀は、先進国の中では最も遅く金融緩和を始めたということもあって、引き締めが遅れていると批判されている。

経済用語で、「流動性の罠」というのがある。
Wikipediaの解説によれば、「流動性の罠とは、ケインズ経済学を解釈した経済学者のジョン・ヒックスが発案したものであり、金利水準が異常に低いときは、貨幣と債券がほぼ完全代替となってしまうため、いくら金融緩和を行っても、景気刺激策にならないという状況を指す」とある。

金融緩和をすれば、株や不動産の価格が上がるなどして、景気は何となく良くなるし、投資をすればらくに儲かる。
らくに儲かるのであれば、政府も人々も、低金利の世界にいつまでも浸っていたいと思うようになる。
だが、このやり方は、安易すぎて、ある種の「麻薬」である。

経済を良くするためには、本来であれば、生産性の向上、構造改革といった痛みの伴う政策をする必要があるが、居心地の良さに慣れて、そういったことをさぼってしまう。
結果、実体経済は次第に行き詰まるが、私たちは株や不動産の価格だけを見て、経済は順調と信じてしまう。
そのような状況では、麻薬を切らせば経済の醜い正体が露わになる、株価が暴落するので、いよいよ麻薬を打ち続けるしか選択肢がなくなる。
そうならないよう・・・あるいは、もうそうなっているのであれば、手遅れになる前に、日銀は、どんどん金利を引き上げていくのではないだろうか(年内1%、来年以降2%、最終的には3%以上も?)。





その後は、1時間ほどで高島屋を出た。
数日前、個展を見に行ったアーティストの方から、素敵な年賀状をいただいたので、私は、寒中見舞いを出すため、郵便局へ。
ただ、郵便局は、プリントハガキを1枚売りしてくれない。
私は、郵便局の机で、ボールペンの手書きのメッセージを書いて出した。

その後、私は、六本木へ移動。
気軽にカジュアルワインのテイスティングをするワイン会に参加するためだ。
しかし、実に久しぶりの入店で、コロナ禍があったので、かれこれ5年ぶりくらいだった。

店内のインテリアは、ずいぶん変わっていた。
少し戸惑ったが、立食用テーブルの前で待っていると、ワイン会は、予定通り、始まった。
狭い場所で、立ち飲み。
私は、知らない人どうしのテーブルで相席となり、ワインの銘柄の話など、いろいろ話した。





帰り道は、上野駅のエキュートで、ラーメンを食べて、常磐線で帰った。
「じゃんがら」という面白い店名のラーメン屋があり、かなりの人気店のようである。

私は、飲んだ帰りなどに、つい食べてしまうのだが、ラーメンの分量は、気持ち少な目で、価格は800円前後とお安い。
これから電車に乗る人のことを考えると、なかなか、うまい営業戦略ではないだろうか。

また、無料でトッピングができるのも、この店の大きな売りである。
カラシ高菜、紅ショウガのほか、店員に言えば無料で擦りおろしニンニクも、もらえる。
トッピングがおいしいものだと、トッピング目当てで食べに行ってしまうこともある。
これもまた、うまい営業戦略のように思うかもしれない。




しかし、これは「トッピングの罠」なのである!

Wikipediaの解説には載っていないが、「トッピングの罠」とは、ラーメン食べ歩きが好きなエッセイストのあんみつ先生が発案した言葉である。
トッピング無料のラーメン店だと、トッピングが有料だとまず頼まない客が、無料だと入れないと損だから、せっせと入れるようになり、もしそれが結構おいしいものだと、やがて、トッピング目当ての常連になることである。

トッピングは、客にとって「麻薬」になり得るということである。

そこで、自分がラーメン屋を開業する場合に、トッピング無料にして、客に「トッピングの罠」を仕掛ければ、集客ができて良いと考えるかもしれない。
しかし、起業支援コンサル(?)として相談を受けた場合、あんみつ先生は、あまり良くないとコメントするだろう。

最近は物価が異常に高騰しており、店側がトッピングを無料で提供し続けるのは、非常に厳しいのではないか(トッピングが特殊なものであれば、コストはかなり高いはず)。
しかし、そのような状況下でも、麻薬を切らせば客が来なくなる、売上が暴落するかもしれないので、トッピング無料を続けるしか選択肢がなくなる。

ということで、トッピングは、スターバックスのように有料の方がよいと思っている。
そうすると私は頼まないし、他の客の多くも頼まないのだが、それでもいいのではないか。
無料にして、客に「トッピングの罠」を仕掛けると、手っ取り早く店の景気は良くなるが、やめられないことであれば、あとになって大変な思いをするときが必ず来るということである。

2024/12/10

アサヒスーパードライミュージアム忘年会ツアー













忘年会企画で、アサヒスーパードライミュージアムに行ってきた。


ブースに、国際ジャーナリストで作家の落合信彦氏の写真がある。

元アサヒビールの重鎮H氏が教えてくれた。

「落合さんは、スーパードライのCMで一躍有名になったんです!」

2024/12/02

わたしのInner Landscapes



福徳神社は、三越前駅のコレド室町の脇にある。
私のブログ記事に何度も出てきているが、実際、行ったことのある読者も多いかもしれない。
私は、ここで、おみくじを引き、自分の運勢を占ったりするが、最近の福徳神社は、やけに混雑している。

以前なら、並ぶこともなく境内に入れた。
すぐにお参りができたし、おみくじも引けた。
しかし、この日も、参拝客は列をなしており、私は、お参りを諦めた。




一体、何があったのだろう(*'ω'*)?
誰かがここでお祈りをして、1億円のジャンボ宝くじでも当てて、クチコミが広まったのかしら!?

これでは、三越前駅の乗り換えのとき、気軽にお詣りができなくなったなあ、、、

私は、地下への階段をおりて、三越前駅に戻った。
銀座線に乗り、銀座駅へ。

4丁目交差点のビルの6階のソニーギャラリーへ。
山口晴久氏の写真展「Inner Landscapes・記憶の再構築」を見ることにした。
Inner Landscapesとは、単に訳すと、内面の景色ということであるが、この写真展、非常に良かった。








写真の白いドレスの美女が気になる。
背後に大木がある。
彼女は、木の妖精だろうか?

私が立って写真を眺めていると、奥の部屋の扉から、若い女性のスタッフが出てきた。
彼女は、濃紺のワンピース姿だが、髪型と顔つきが、写真の美女に似ている。
彼女がこちらに近付いてきたので、私は、モデルさんですか、と聞こうと思った。
が、やっぱり余計なことは聞かない方がいい。
私は、黙って写真を眺め、すれ違った。

記憶の再構築の作業か。。。

それは恐らく、写真家の山口氏が、どこかの森の中で、大木と出会い、彼の記憶の中にあった白いドレスの美女を想い起こした、ということだと思う。

ウ~ン、白いドレスの美女ねえ(*'ω'*)




夕方、私は、銀座から南青山へ。

表参道駅から国道246号線を歩いて、パソナの本社ビルに行った。
休日なので、正面玄関は閉まっている。
しかし、大きなクリスマスツリーが飾ってあり、記念写真を撮る人たちが、何人もいた。

もうすぐ、クリスマスだ(*'ω'*)ブツブツ...

これから、最上階のパーティールームで、アメリカのマスターソムリエ協会(リンク)のイベントがある。
会場に入ると、早く着きすぎで、スタッフたちは、まだ準備中だった。
私は、フロアのはじっこの方へ行き、東京の夜景を眺めながら、開始を待った。
ビルから見える東京の夜景は、文句なしに美しい。






スタッフのひとりを捕まえて話を聞いた。
すると、昼間に、キャプランワインアカデミーの教室の方で、マスターソムリエの研修があり、夜は、資格バッジの授与式と、新規向けの説明会があるとのことだった。

たった今来たばかりで、研修のことも知らなかった。
そもそもマスターソムリエとは何なのかもよく分かっていないのだ。
他の参加者に話を聞くと、どうやら、アメリカで新しく設立された団体の付与するワインの認定資格のようだ。
先ほど、会場に入ってきた数人の外国人たちが、マスターソムリエ協会のボードメンバーだという。




バッジの授与式と説明会が始まった。
私たちは、ワインを飲みながら、リラックスムード。
会場の参加者は50名以上いたが、キャプランのWSET受験生時代の知り合いは、見当たらなかった。

つい先日、ボジョレーヌーボーで、盛り上がったばかりだが、今回は、マスターソムリエ協会のボードメンバーたちの用意した、多種多様なワインを飲んだ。

私は、飲み過ぎて、酔っ払った。









後半は、マスターソムリエの資格の案内があった。
ただ、私は、ワインに関しては、イギリスのWSET3(Wine and Spirit Education Trust Award in Wines Lv3)のみで十分だと思っている。

帰り道は、参加者3人で、大通りを歩いて帰った。
1人は原宿駅へ、もう1人は私と一緒に歩き、外苑前駅で別れた。
私は、浅草方面の銀座線に乗り、上野まで行き、常磐線に乗り換えた。

電車内では、少し寝てしまったが、その間、私は、白いドレスの美女の夢を見ていた。。。

2024/09/13

ビミョウな関係



少し前の話だが、8月は夏風邪を引き、とにかく、しんどかった。
10日ほど寝込んで良くなったが、回復後も、咳が治らず、外出時はマスクの着用が当たり前になった。
また、なかなかモチベーションが上がらず、原稿の執筆に着手すらできなかった。
しかし、8月後半、あることがきっかけで、私は、行き詰まっていた原稿の執筆を再開した。

書斎に入り、ノートパソコンと向き合う。
マウスを手に持ち、数時間、キーボードを叩いた。
最初はゆっくりと、そして、だんだんそれは速くなった。
チョット書きはじめればどうってことなかったのだ!!

自分でもビックリだが、、、なぜだろう(*'ω'*)??
まあ、書ければヨシとしよう♪




原稿がほぼ完成したので、気分転換に、表参道のキャプランワインアカデミーに出かけた。
昼間に約束があり、市ヶ谷まで行った帰りだが、途中、喫茶店で休んでから、パソナの本社ビルに入ったのは18時過ぎ。

この日は、ワインではなく、日本酒のテイスティングだった。
よくある日本酒の飲み比べではなく、日本酒の古酒の飲み比べである。
日本酒の古酒というのは、あまり知られていないが、熟成ワインのようなものだ。
蔵元で一定期間寝かせられ、これにより、色みや、香り、濃厚さ、あるいは独特の味わいが醸成される。
新酒のようなシンプルな味わいではなくなるが、熟成ワインののような複雑さはないように思う。
私なりに表現すると、ユニークな日本酒という言葉が合う。




テイスティング開始。

私は、左から順番に1つ1つグラスを持ち、顔を近づけては、香りをとっていった。
しかし、風邪の影響で、咳が出てしまい、うまく香りをとれない。
そこで、少しずつ飲んで、ゆっくりと味わいながら、テイスティングを進めたが、日本酒はワインよりキツいので、酔いが回った。

ハアハア、、、とりあえず、ペットボトルのお茶を飲み、ひと休みしよう(*´Д`)

教室の左側はガラス張りである。
ここは、パソナの本社ビルの最上階なのである。
私は、窓から見える東京の夜景を眺め、しばらく、ぼ~っとしていた。




テイスティング再開。

私は、グラスを手に持ち、グラスのふちに、ゆっくりと口をつけた。
このグラスからは、鼻をクンクンさせなくても、明らかにチョコレート香(カカオ香)がする。
コーヒーの香りのするクラフトビールがあるが、あれと同じような感じである。

とてもイイ香りだ。
しかし、チョコレート香(カカオ香)が強すぎるのではないか。
また、その甘い香りに反し、味は意外と辛口で、全体的に私好みではなかった。
結局、私は、薔薇の蜜のような華やいだ香りのする、私好みの甘ったるい味わいの3番目のグラスの日本酒を最高評価とした。

評価の終了後は、おかわりもできて、私は、さらに酔っ払った。
余りのボトルが自分に回って来ると、注がずに次の人に回すと損な気がして、ついつい、注いでしまう。
そして、目の前の酒は、ついつい、飲んでしまうものだ。

パソナビルを出たのは、8時過ぎ。
帰り道は、外苑前駅まで歩いたが、まだ野球の試合は終わっておらず、駅は空いていた。
銀座線で上野駅へ。
電車内では、寝ないように、いろいろ考え事をした。

主に、原稿のことを考えた。
テーマは、原稿の執筆の停滞と進展についてである。

物事には停滞が付き物だ。
長い停滞期があり、それを経て、状態が良くなったり、悪くなったりする。
だから、停滞中に何をするのかが重要。
上手に停滞させれば、停滞中、別の部分で進展が見られる。
それが全体に波及し、全体が良くなる。

まず、停滞中も、完全に離れてしまわないことが大事だ。
今回の原稿は締切があるから、私は常に締切を気にして、書斎にあるパソコンで原稿を書きたい気持ちが維持されて、想いが続いたのだ。
ただ、気持ちはあるのに、実際、体調が悪く、身体が動かなかった。
それを、もどかしいと思ったりせず、受け入れて静かに過ごせたのが、良かったのだと思う。

個人的に思うのは、物理的に離れてしまうと、やはり、関係は疎遠になってしまうということである。
しかし例えば、何かの機会にチョット顔を出すとか、連絡をしておくとか、プレッシャーを与えておくとか、些細なことでいいのだが、何らかのカタチや方法で、物理的に繋がりを維持しておくと、物事は終わらないし、ビミョウな関係が続く。
ビミョウな関係とは煮え切らない、ある種のストレスなのだけれども、新しいところには行きにくくなる、長い目で見ると、ふらりと元の場所に戻ってきてしまう可能性が高まる。
つまり、これは相手を見えない鎖で繋いでおくということなのである。
例えるなら、別れた男女のその後の肉体関係の継続や、以前の顧客への近況報告をかねたメールなどもそうである。
ビミョウな関係というのは、ビジネスでもプライベートでも非常に意味のあることではないだろうか。
だから、もし自分がその関係を終わらせたくないと望むなら、希薄でも、このようなビミョウな関係を維持しておくのがよい。

次に、停滞と進展、、、それはちょうど晴れの日と雨の日が交替でやって来るようなもので、ひとつのサイクルや周期になっている。
停滞期を脱したら、少しずつ動き出さなければならない。
大事なことはまず、精神的に「やりたい」「やらなきゃ」と強く思うことだ。
そして実際、その想いを行動に移す。
私の場合は、パソコンに向かって原稿を書くということだったが、これは、物理的に向き合い、肉体的に接着することが進展の決め手になることを意味するのだと思う。




翌日は雨。
朝起きると、きのうの日本酒の酔いがまだ残っていた。
雨のなか、買い物に行き、喫茶店に入った。

晴耕雨読というが、改めて考えると、なかなか奥深い言葉だ。
雨の日は、本を読み、静かに過ごす。
外の畑は耕せないから停滞といえばそのとおりだ。
しかし、その間、本を読んで知を蓄え、準備をすれば、停滞ではない。

私も、晴れの日の到来を待って静かに本を読むことにした。
森茉莉「甘い蜜の部屋」。


2023/10/18

トゥーランドットは求婚されるとその男を殺してしまう!

東劇でMETのオペラを2本見てきたのは、9月のことだ。
そのうちの1本は、定番中の定番、プッチーニの「トゥーランドット(Turandot)」である。

プリンセス・トゥーランドットは中国の紫禁城で父親とともに暮らす絶世の美女で、常に他国の貴族や王子などから言い寄られている。
ただ、強烈な男嫌いで、全ての男たちを拒絶している。

トゥーランドットは求婚されるとその男を殺してしまう!

拒絶にも限度があると思うが、残忍で冷酷な中国のプリンセスということで、業界有名人(?)となっている。

彼女は求婚者に3つの謎かけをする。
全問正解なら結婚すると約束をするが、難問なのでどうせ解けないのだ。
これまで挑戦者の男たちは全員処刑され、城下町の道ばたにその生首が吊るされている。
今回は、戦争に敗れ放浪中のカラフ王子がトゥーランドットにひとめぼれをし、3つの謎かけに挑む。

そんなストーリーである。




トゥーランドットはプッチーニの遺作で、「誰も寝てはならぬ」が有名だ。
このアリアは第3幕でカラフが歌うものだ。

誰も寝てはならぬ。
誰も寝てはならぬ。
お姫様、あなたも同じ。
冷たい寝室で(ひとり孤独に)、眺めているのか、(夜空の)この星々を。
(彼女は)愛と希望に打ち震えている。

しかし私の秘密は胸の内に閉ざされたままです。
誰も私の名前を知ることはできません。
しかし、私はあなたの唇に誓います。

太陽の光が輝くとき、私の口づけがあなたを溶かすでしょう。
あなたの沈黙を破るでしょう。
そしてあなたは私のものになるでしょう。

確かこんな歌詞であった。

その後、ストーリーは下記のように展開する。
トゥーランドットの3つの謎かけをカラフが見事正解し、結婚が事実上決まったにもかかわらず、プリンセスはなお結婚をしぶる。
誰もカラフの名前を知らないからである。
愛する者の名前を呼べなくてはプリンセスは永遠の愛を誓えないし祝福もできない。
さて、どうするか。

するとここでカラフは、もし夜明けまで自分の名前が判明しなければ結婚、判明すれば自分は死ぬと誓うのである。
いきなりそう言われてもプリンセスの方もかえって困ってしまうが、ほとんどヤケクソで(と思われる)、彼女は国民に向け、彼の名前が判明するまでは誰も寝てはならぬ、と命ずるのである。
そして、もし判明せずに夜が明けたら国民を皆殺しにするという無茶苦茶な命令を出す。

唯一彼の名前を知っていそうなのは、カラフの家臣の娘リューである。
彼女はカラフに片想いをしているが、プリンセスに拷問されても黙秘を貫き、彼の幸福のために死を選ぶ。
これで脈がなくなり、プリンセスの負けとなる。




彼女が求婚者を殺すのは、誰からも支配されたくないからである。
私は男には絶対に服従しないという。
が、そのような感情は、先祖のロウ姫が男に弄ばれた悲劇、つまり彼女の過去のいまわしい記憶から来るもので、彼女は激しい恋をするたび、そのいまわしい記憶にさいなまれて拒絶していた。
こんなかんじでトウーランドット姫の心情や動機の説明がなされるが、プリンセスの今回の拒絶は本心からではなかったと思われる。
第1幕ではトゥーランドットはじっと黙ったままだったが、それはかえって彼女の好意を示唆しているようにも思える。

彼女は実は愛に飢えており、彼の愛に応えたかった。
が、愛に対して臆病すぎるため、いつものように拒絶してしまった。
男女の出会いは不思議なもので、出会ったときに本能的に運命の出会いと感じることがあっても、それはそれで恐いのである。
彼女の彼に対する強い憎しみは強い愛の裏返しである。




東劇の帰り道、私は歩行者天国を歩き、コンビニと喫茶店を探して西銀座のほうまで歩いた。
古びた商業ビルのあるガード下の交差点で、出勤途中のクラブのママを数人見かけた。
女は真実の愛に賭け(男がそれに)敗れたとき、クラブのママになるのではないか、私はふと、そんなことを思った。
偽りの愛の相手と結婚し一生を共にするよりは・・・誰とも結婚しないほうがいいということだ。
でも、ちょっとこれは、彼女たちを美化しすぎだろうか。

まあ、それはさておき、後日。
私は日本ソムリエ協会のブラインドテイスティングコンテストの決勝戦を見に行った。

場所は目黒の雅叙園東京。
会場に到着したのは12時30分。
決勝戦は14時過ぎからだったが、13時から一部の観客向けに、ブラインドテイスティングの「プレ」イベントがあった。

私はそれにも参加したが、ぜんぜん当たらなかった!
WSET3保有者であるにもかかわらず、情けない、、、








テイスティングしたワインは3種類。
1問目は正解だったが、2、3問目は不正解だった。

答えを聞くと、難問ではなかったが、問題を3問全て正解するのは難しいものなのだ。
もし私がトゥーランドット姫の美貌にひかれて求婚し、3つの謎かけを出されたら??
アッサリ処刑されて終わったかも。。。

自分の専門分野でもそうだが、試験問題を作るより、試験問題を解く方が大変である。
知識を駆使すればどのような問題でも作れる。
ただ、解くためにはリアルタイムで受験生として練習や訓練をしていないとダメなのだ。
その点、ブラインドテイスティングコンテストの出場者たちは、常に練習や訓練をしているから、見事に当てられるのであろう。






テイスティングコンテストが終わったのは4時過ぎ。
雅叙園の帰り、カフェでコーヒーを飲みながら手帳を開いた。
このとき、私は1週間前に見たトゥーランドットのことを思い出した。
幕間でナビゲーターの女性が、歌手のクリスティンガーキー(トゥーランドット役)にインタビューするくだりがあるが、このくだりについて、手帳にメモが残されていた。

「あなたはご自分の役をどう解釈していますか?」
「一般的にトゥーランドット姫は冷酷で残忍な女とみなされています。しかし、人は誰しも仮面をかぶって生きているのです。本当の彼女はそのどちらでもないわ」
「では、どうしてあんなひどいことをしたのかしら?」
「彼女がカラフの愛を断固拒絶したのは、彼女がとても心優しくて臆病な性格だからよ」
「どういうこと?」
「彼女は怯えつつも大きな幸せを求め日々情熱的に生きている女性なの。それをカラフが鋭く察知し、強引に結婚を迫ったのよ」
「なるほど。ところで、この2人、将来、幸せになれるでしょうか?」
「そうねえ、未来のことは分かりませんが、、、」彼女はユーモアたっぷりに客席の私たちを指差して、最後にこう言った。「私は、彼らが幸せになれると信じます!」

2023/10/12

「私、NISA、やってます!」

こないだは、久しぶりに講演をしてきたが、依頼者はリピーターであった。
私の尊敬する終活講座のY先生は、ほとんどがリピーターからだといっていたし、ワイン講座のT先生も同じく、受講生のほとんどはリピーターなのである。
やはり、講師業でもリピーターの獲得が重要なのだ。

依頼者は、茨城県内の障がい者支援施設。
去年の会場は、つくば市内の施設内の会議室であった。
そのときは30名ほどの人が聴きに来ていた。




今年の会場は、つくば市内のショッピングモールの会議室。
私は場所が分からず、インフォメーションセンターの前で電話した。
すると、担当職員が迎えにきて、彼に案内されて行った会場には50名ほど来ていて、ほぼ全席埋まっていた。

これって、、、リピーター効果そのもの??(*'ω'*)

この日の講演テーマは、法律ではなくマネーであった。
障がい者向けのマネーリテラシー講座である。

去年のネットリテラシー講座は簡単な内容にした。
これに対し、今回は、チョット難度を高めに設定してみた。
「お金は大事です」「無駄遣いしないように」、それは誰だって分かっている。
そういうマネー講座は、退屈に感じるのではないか、と思ったのだ。

もっとも、様々な障害を抱えている方がいるため、レベル設定はビミョウなモンダイであった。
そもそも、超簡単な内容にするのが一番無難である。
とはいえ、私は今回、あえてその選択をしなかったわけだが、それは、少し難しめの方がおもしろかった、という反応も実際にあるからである。
結局は、その場の雰囲気や反応などを見て、話す内容を柔軟にコントロールするのがいいと思う。
そういうわけで、今回の障がい者向けのマネーリテラシー講座は、お金の基本的な話から始まり、、、お金は人生の目標を達成するための手段である~経済的自由とは?~金融資産の分類~リスク資産~株式投資~インフレと現金の関係~自己投資の重要性~人生の目標を決める、などなどを喋った。

すると、最後の質疑応答で、障がい者の方から次のような発言が出た。

まず、男性が挙手し、「私、NISA、やってます!」と発言した。
彼の様子からすると、きっと積立てがうまくいっているのではないか。
私は、株主優待で何かおいしいものでも食べているのですか??とは聞かなかった。

次に、女性が「今後、インフレで現金が目減りするのであれば、現金のままではだめですよね」と質問した。
この質問、私には、女性が投資をする時代の兆候としか思えなかったが、私の回答は全員に向けられるものなので、投資をするべきかどうかについては明言を避けた。

他には、男性から「ドコモのdポイントは、お金なのか、そうではないのか」というユニークな質問が出た。
こ、これは、、、私が講義のなかで、それとなく、現金と預金と国債がほぼ同じもの(同等物)である、という説明をしたからだと思われる。
なかなか手ごわい質問だ!

最後は職員からクレジットカードのリスクについて質問があった。
カードはリスクもあるが便利な代物である。
キャッシュレス時代にあって、カードもまた、リスクがあっても避けるべきものではなく、うまく活用するべきものだろう。
是非はともかく、今後ますます、インターネットとスマホを駆使しないと生きてはいけない。

以上が、今回の私の障がい者向けのマネーリテラシー講座の話である。

さて、名講師というと、私以外に、あと2人いる。
次は、その2人の名講師の話をしようと思う。
その2人とはもちろん、私の尊敬する終活講座のY先生とワイン講座のT先生である。


Yさんへのお礼のガラス工芸品


上記は、Y先生に送ったお礼の品物だが(坂東市さざ波硝子店)、Y先生については、これまで私のブログをお読みの方はご存知と思う。
コロナ禍の2020年8月に初登場したファイナンシャルプランナー1級の先生である。
最初、Yさんって、どうってことない先生と思っていたのだが、だんだん、そうではないことが分かってきた。
ある時、仕事で話したおじいさんが、昔のYさんと偶然面識があって、彼女の印象を聞くと、「とにかく、Yさんはすごい人です!」と言っていた。
70歳近くのおじいさんが、年下の女性を「すごい人」と形容するとは、、、彼女は本当にすごい人なのだ。
ただ、具体的にどうすごいのかは??だが。。。


WSETワイン講座


次に、ワイン講座のT先生。
T先生も、Yさんとよく似たタイプの控えめで上品な名講師・・・これまで私のブログをお読みの方はご存知と思うが、コロナ前の2019年に登場したWSETディプロマの先生である。
以下、過去記事の引用である。

ああ、そういえば、私はこのブログでT先生のことをほとんど書いたことがなかったなあ。
では今回少し書いておこう。
まず、ワインの先生というと、気取っている、お高くとまっている、難しい話をする、というイメージで見られがちである。
実際、ワイン友達の話を聞くと、なかにはそういう先生もいるようである。
しかし、T先生は気さくな庶民派である。
また、私が知っているワインの先生の中で、最も「楽しい授業」をする先生なのである。
先生の授業を受けていると、いつも私は楽しくてしょうがない。
やはり、ワイン講座は楽しくなくては!!と私は思うので、先生が担当するWSET3の講座を選んだのだった。
しかし、まあ、かなりの美人でもあるので、先生を独占したい常連の男性ファンたちのため、先生の話はこれくらいにしておこう。
(2019/09/07「わたしのワインの先生(1)」)

私の本が無事に出たら、Y先生とT先生にも、渡しに行かなくては!!(*'ω'*)

2023/09/03

ワイン&ラーメンの旅







ワイン&ラーメンの旅。


まず馬喰町。

この赤ワインはスペインのガルナッチャ(南仏のグルナッシュ)、つまり、ありがちな赤をあえて選択。

実際、価格のわりに普通で退屈なワインだった。

が、一見客に出すには無難かも。


次は上野広小路へ。

ここのラーメンは相変わらずおいしい(*'ω'*)

2022/10/05

The true story of WSET wine lovers(5)お彼岸に墓参りとワインの話

9月のある夜、私はママ殿と2人で、2階の窓から中秋の名月を眺めていた。
そのときママ殿が、そういえばもうすぐ、お彼岸よね~、と言った。
彼岸といえば、コロナ以前は2人で実家の墓参りに行ったものだ。
帰りはデパートで買いものをして、夕食に鰻や、すき焼きを食べたなあ、と思い出した。

この日はT先生のワイン教室があり、私は早めに家を出て、途中、実家のお墓参りをしてから南青山に行った。

表参道駅~Pixiv WAEN Gallery~青山墓地~キャプランワインアカデミー~フレンチレストラン「Aminima」

確かPixivってマンガとイラストのSNSだっけ、、、それくらいしか分からないので事前に調べると、最近は小説(ライトノベル)の発表の場にもなっているようだ。


Pixiv WAEN Gallery


ピクシヴのギャラリー(Pixiv WAEN Gallery)は初訪問である。
表参道から徒歩10分ほどの閑静な住宅街の一角にあった。
その近所に昔ながらの小さな八百屋があって、小分けのシャインマスカットが1つ680円で売っていた。
それを見て私は、ああ、日本って庶民の国だなあ、と思った。
そういえば南青山三丁目の交差点にも、古臭い靴屋があって、いつもバーゲンセールの張り紙がしてある。
ピクシヴのギャラリーは秋葉原や神田のアニキャラショップのような雰囲気で、おしゃれな表参道には似合わないとも思ったが、時代遅れの八百屋や靴屋も存在しているのだ。




展示作品を見た後、コンビニで食事を買い、近くの青山墓地の入口のベンチで座って食べた。
ランチタイムで、私のほかにも会社のお昼休みの数人の男女が、ベンチでコンビニ弁当を食べていた。
食後は30分ほど墓地を散歩した。
広大な墓地で、公園のような場所である。
そういえば午前中、私は実家のお墓参りをしてきたのだが、こちらは下町の由緒あるお寺の古くて狭い墓地である。

青山墓地は広くて立派な墓ばかりだなあ、、、すごい!!

ただ、中には無造作に雑草がのびて墓石が隠れていたり、手入れがされておらず墓石が汚れていたり、下町の由緒あるお寺では見られない状態の墓が数多くあった。
掃除のおじさんがゴミ袋を抱えて歩いているが、彼はきっと、アルバイトだろう。

そうそう、午前中お寺に行ったとき、私は玄関先で住職の奥さんと出くわし、立ち話をしたのだった。

「あら、いらっしゃい。どなたのお墓参りですか??」
「〇〇家です。でも、たくさんお墓があるから、奥さんはご存知ないですよね??」
「いいえ、知ってますよ。〇〇さんのお家なら、△△さんがよくお参りに来られます。△△さんの息子さんでしょ??」
「いえ、〇〇さんの妹の息子です。」
「あら、そうなの。何となく、覚えてるわ。あなた、大きくなったわね~♪♪」
「そ、そうですかね~(*'ω'*)」

あとでママ殿に聞いたら、住職は別のことで忙しく、この寺は奥さんが切り盛りして成り立っているようなものよ、と言っていた。

青山墓地を出たのは3時過ぎ。
キャプランワインアカデミーのあるパソナビル(エイベックス旧本社ビル)に着いたのは4時頃だった。
向かいのセブンイレブンで買ったほうじ茶を飲みながら、外のベンチに座って涼んでいると、Sさんから到着のLineが入った。

「いま、外のベンチに着きました。Tさんと一緒に、あなたのそばにいるわよ。」
「おお、Sさん、Tさん、お久しぶりです!!」

Sさんとは、ワインの銘柄をズバズバ言い当てるワイン通の女性である。






3人で一緒にビルの中へ。
移転したばかりの新教室は高層階にあり、教室の大きな窓からは、六本木ヒルズ、東京タワーなどが見渡せる。

この日の講座のテーマは、マイナー品種のカベルネフラン(Cabernet Franc)。
ええと、カベルネフランというとボルドーブレンドで用いられる保険品種であるが、同系のカベルネソーヴィニヨン (Cabernet Sauvignon)があまりにも有名であるため、その陰に隠れている。
Wikipediaを読むと、簡単な解説があるだけである。

「ボルドー地方ではカベルネ・ソーヴィニヨン種に比べて排水のよくないところでも育つため、ドルドーニュ川右岸のサンテミリオンやフロンサック地区などで比較的多く見られている。ジロンド川左岸のメドック抔では、ほんの数パーセント作られているだけである。フランス国内でもっとも栽培面積が多いのはロワール地方であり、シノン、ソミュール、ブルグイユなどの赤ワインはこの品種を主体にして作られている。カベルネ・ソーヴィニヨン種によく似たブルーベリーのような香りと、ほどよい渋み、豊かな酸味を持っているが、カベルネ・ソーヴィニヨン種に比べるとおとなしい感じのワインが多い。AOCワインでは安価なものの一つである。心地よい薄甘口の味わいとサーモンピンクの色合いが美しいアンジュー・ロゼやカベルネ・ダンジューも、この品種を中心に作られている。フランス以外では、アメリカ合衆国のカリフォルニア州やオーストラリアでもわずかながら栽培されている。カベルネ・ソーヴィニョンに比べて高温多湿に強いため、日本では山梨県を中心にこの品種を導入しているワイン園がいくつかある。」
(Wikipedia「カベルネフラン」より)

しかし、マイナーなカベルネフランのことを、先生はかれこれ1時間以上、話し続けた。
この日のテイスティングは6グラス。
品種のみならず、土壌(地質)も当てるように、と言われた。
知らずに飲めば、1~4(左4つ)をカベルネソーヴィニヨン、右の2つをピノノワールと判断するだろう。
しかし6グラス全てがカベルネフランで、砂利質のところのものと粘土質のところのものがあった。

講評では、おおむね2と4が人気だったが、私と先生は2と6が好みということで意見が一致した。
ん~と、いつものことだが先生と好みが同じになってしまうのは、弟子の私にとって大勝利(=゚ω゚)ノ!!!!(2021/12/23「わたしのワインの先生(2)」)。




ワイン教室の後は、神宮前の人気のフレンチレストラン「Aminima」へ。
みんなは常連だが、私は初入店、、、いや、このインテリアは見覚えがあるぞ。
2019年夏、まだ私がWSET3の受験生だった頃、受験生仲間3人で授業の帰りに、ふらっと来たことがあった。
そうだ、ここで、不思議なカレーを食べたのだ!!
懐かしい思い出だなあ。

Aminimaの料理は、家庭的な味で、とてもおいしかった。
表参道の家庭的なフレンチレストランというと私はジャリーヴを思い出すが、ジャリーヴはコロナ禍に閉店してしまったという。
この店も、ふだんは予約なしでは入れないはずだが、この日の客は予約なしの私たちだけ。
表参道周辺は賃料が高額で、支援金が絶たれてからは、客足が回復するまで飲食店は苦労しているようである。
私のブログでは宣伝にもならないが、ここに料理の記念写真を並べておこう。