2024/05/01

WSET3受験対策オリジナル本試験演習問題(1)

この演習問題は、2019年当時に作成したものです。
私のブログに何度か登場するワイン友達Aさんに、私が個人教授をしたときに使った資料の一部をもとにしています。
彼女はワイン業界で何年も仕事をしていますが、ワインの体系的知識はほとんどなく、自分の会社(インポーター)で取り扱うワインのことしか知りませんでした。
だから、イタリアのワインにはめちゃくちゃ詳しいが、隣国フランスのワインだと「??」となる。

しかし、そんな彼女も直前のわずか2週間程度、私との試験勉強でWSET3に合格しました。
WSET3は、難関国家資格などとは異なり、あきらめずに頑張って勉強すれば合格できる試験です(2021/03/13「私の教え子なら合格できると思っていた」)。

WSETの試験は原則として教本から出題されます。
なので、最も重要な受験対策は教本の熟読です。
おいおい、それって講義で習ってないよ~という細かい問題が出ることもありますが、教科書のどこかにちゃんと説明が書いてあったりするのです。

私の演習問題も教本からの出題です。
解答を読んで不足なら、教本のどこかに書いてあることのはずなので、ご自分で確認し、熟読もなさってみてください。
受験生のみなさまの勉強の一助となれば幸いです。

使い方は簡単♪♪
ブログ記事をコピペする⇒ワードに貼り付ける⇒PDFファイル化⇒コンビニなどで印刷する⇒実際に問題を解いてみてください。
なお、ーーーーーで改ページをすると使いやすくなると思います。

誤字脱字、内容の疑問質問等、何か気になることがあれば、プロフィールページよりご連絡ください。
なお、2019年当時のテキストは現在のテキストの1つ前の版ですが、数か所を除き、内容的に同じであることを確認済みです。

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演習問題・第1回

(問題文)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(   )である。これは(   )大陸系のブドウ品種である。これに対して、(   )大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(   )があるので、(   )として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(   )または(   )という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(   )のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(   )側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(   )(   )(   )(   )となる。
③一般的にボルドー地方は(   )川を境界にして左岸と右岸に区分され、(   )のワインは(   )のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(   )の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(   )の土壌であり、黒ブドウ品種としては(   )種が、白ブドウ品種としては(   )種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(   )であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。

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演習問題・第1回

(解答)

1.ワイン作りに用いられるブドウ品種のほぼすべては(ヴィテス・ヴィニフェラ種)である。これは(ユーラシア)大陸系のブドウ品種である。これに対して、(北米)大陸系のブドウ品種は、ワイン作りには用いられることはほぼないが、(フィロキセラ耐性)があるので、(台木)として用いられる。

2.ブドウの樹は、タネをまいて生えて来るわけではないので、すでに生えているブドウの樹を使って、(取り木)または(挿し木)という2つの方法で繁殖(栽培)させる。ただし、前者の方法は(フィロキセラ)のリスクがあるので、現在は後者の方法が用いられている。

3.クローン選抜とは何か。
ブドウの樹が成長過程で突然変異することがある。突然変異した樹が好ましい特徴を持っている場合、以後、その樹の方を繁殖させること。たいていは、A→Aダッシュのように同じ品種として扱われるが、大きな違いを持っている場合、A→Bのように別の品種として扱われる。その例として、ピノノワール→ピノグリ、ピノブランなどがある。

4.クロッシングとハイブリッドの違いを説明せよ。
ブドウの樹の新種を開発する場合、ブドウ品種A×Aの同種交配をクロッシング、A×Bの異種交配をハイブリッドという。ハイブリッドは、ヴィテス・ヴィニフェラ種に北米系などの他品種をかけた場合のことであり、これは非常にまれであるが、フィロキセラ耐性がある。ワイン作りに用いられるブドウはヴィテス・ヴィニフェラ種であるから、ふつうは、ワイン用のブドウの樹の新種というのはクロッシングに該当する。こちらはフィロキセラ耐性がない。

5.台木、接ぎ木それぞれの意味を説明せよ。
台木=フィロキセラ予防のために台にする木。台木は北米系(もしくはハイブリッド)を用いる、もっとも、フィロキセラのリスクがない地域でもわざわざ台木をするのがふつうである、その理由は線虫の予防、干ばつ対策である
接ぎ木=ワイン用のブドウの樹と、台木をつなぐ木のこと。両者をつなぐ作業をする。したがって、接ぎ木は、ヴィテス・ヴィニフェラ種と、北米系(もしくはハイブリッド)の両方である
※台木の接ぎ木、接ぎ木した台木=日本語として理解できるようにする

6.ボルドー地方の気候、ブドウの生育状況、栽培されるブドウ品種を説明せよ。
ボルドーは温和な海洋性気候で、暖流のメキシコ湾流のおかげで、春の遅霜によるブドウ被害はほとんどない。だが、多雨多湿であるため、ブドウは腐敗しやすい。そこで、収穫期の異なるブドウ品種を栽培することで、確実にブドウを収穫する工夫がなされている。例えば、赤ワイン向けのブドウだと、収穫期の早い順番に、メルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、プチヴェルドーといったものが栽培されている。

7.オーメドックについて。
①ボルドー地方のオーメドックは、メドックに対して(南)側に位置する南北に縦長の地区である。
②オーメドックのなかでも特に著名で格式の高いワイン原産地は4つあり、北から順番に(サンテステフ)(ポイヤック)(サンジュリアン)(マルゴー)となる。
③一般的にボルドー地方は(ガロンヌ)川を境界にして左岸と右岸に区分され、(左岸)のワインは(右岸)のワインよりも格付け、価格ともに高い傾向があるが、オーメドックは(左岸)の方の地区になる。

8.ボルドーの土壌の特徴を説明せよ。
大別すると、水捌けがよい砂利質(小石、石灰岩など)で温かい土壌、低温の粘土質の土壌がある。前者は、オーメドック、ペサックレオニャンなどの左岸の最高級ワイン産地の土壌であり、ここで主にカベルネソーヴィニヨンが栽培される。後者は、サンテミリオン、ポムロールなどの右岸のワイン産地の土壌であり、ここで主にメルローが栽培される。

9.ペサックレオニャンは、オーメドックと同様に(砂利質)の土壌であり、黒ブドウ品種としては(カベルネソーヴィニヨン)種が、白ブドウ品種としては(ソーヴィニヨンブラン)種が有名である。ペサックレオニャンの赤ワインは、オーメドックの赤ワインよりもボディーが(軽め)であることが多い。

10.ソーテルヌのバルザックの白ワインの特徴を説明せよ。
セミヨン主体でソーヴィニヨンブランのブレンド、もしくはセミヨンのみ。上質、甘口、貴腐ワイン、フルボディー、オーク樽熟成、アプリコットの香りなど。