2022/06/01

日本橋兜町・秘密会議

先週末は、兜町で日本テクニカルアナリスト協会のメンバー数人と秘密会議に出てきた。
などと言うと怪しい話に聞こえるが、ものは言いようである。
秘密会議とは単なる飲み会、飲みながら話せば会議である。
この日は著名な投資顧問の勉強会があり、内輪で数名が現地参加したのだが、ビデオの収録後に飲み会の予定があった。
しかしいまはコロナ禍なので、飲み会も周知すると大人数が出席して飲みに行けなくなってしまうということで、飲み会の方は秘密なのであった。

ただ、その前に小伝馬町で別の用事があり、三越前駅で下車。
約束の時間まで日本橋界隈を散歩した。
三越前駅~室町~小伝馬町~堀留町~通りがかりに椙森神社(すぎのもりじんじゃ)に立ち寄った。


椙森神社(すぎのもりじんじゃ)


ここは日本橋七福神のひとつ。
日本橋七福神というとそのほかに小網神社、茶ノ木神社、水天宮、松島神社、末廣神社、笠間稲荷神社がある。
お詣りをした後、大通り沿いのカフェに入って休憩。
2時間ほど書類を作成するなどして過ごした。

夕方になり、小伝馬町で約束の人と会い、そこから徒歩で、東京証券取引所の裏手にある日本テクニカルアナリスト協会へ。
すぐそばには日証館という立派な洋館があり、夜景がきれいだった。
日証館はかつて、渋沢栄一の邸宅だった。
調べてみると、1878年(明治11年)に東京証券取引所の前身の「東京株式取引所」が作られた。
その創立発起人は、渋沢栄一、木村正幹、益田孝、福地源一郎、三井武之助、三井養之助、三野村利助、深川亮蔵、小室信夫、小松彰、渋沢喜作であった。
日証館の現在の所有者を調べると、平和不動産のようである。


日証館、渋沢栄一旧邸宅跡


6時半を回っており、勉強会はすでに始まっていた。
会議室のドアをあけると、古城理事長(元理事長)、テレビでおなじみのNさん、司会進行役のOさん、事務方のSさんの4人が、椅子に座って、林知之投資顧問の講義を聞いていた。
私は遅れて席に着いた。
林知之投資顧問は著名な相場師林輝太郎氏の子息である。
ぱっと見は谷村新司みたいな優しそうなおじさん、語り口もそんな感じだった。

勉強会の終了後は近所の居酒屋バンボリーナへ。
ここはサイコロステーキが看板メニューのようだが、なるほど、サイコロステーキは少し大きめにカットして、焼きすぎない方がおいしい。


兜町、バンボリーナ


林知之投資顧問の昔話。
「大学のときは遊んでばかり~当時から相場をしてて、就職する考えはなかったのですが、卒業間近に結婚することになりまして、あわてて証券会社に入りました」

続いてNさんの昔話になった。
Nさんはテレビ(日経CNBCなど)でおなじみのテクニカルアナリストだ。
いまは某証券会社の投資情報部にいるが、トレーダー時代の思い出話がおもしろかった。

そして古城理事長の昔話。
ええっ、理事長って、昔はそんな素敵なお仕事をされていたのですか??

この3人、いわゆる兜町の相場師と思うが、それは大昔の言い方である。
今はトレーダーと呼ぶ方がなじみがあるだろう。
トレーダーの方がスマートでカッコいい、と私は思う。
今は横文字がウケるので、投資家よりもトレーダー。

では、トレーダーと株式投資家の違いって何だろう??
もちろん非上場株式の投資家などもいるので、ここでは上場株式の投資家ということだが、私の印象だと、投資家は損をしている株主のことで、トレーダーは儲かっているが株主ではない感じがする。
まあ、株は売らなきゃ儲からないので、読者も納得でしょう。

ただそれは私の偏った印象なのでさておき、、、一般には短期筋か長期筋か、価格分析か価値分析か、の違いだといわれる。
しかし、トレーダーがデイトレーダーとは限らないし、株式の投資家が長期投資とは限らない。
売買の手口は様々である。
トレーダーがファンダメンタルズを気にしないとも限らず、投資家がテクニカルを分析していないというわけでもない。
実際には同じ取引者の1人であり、マーケットでほぼ同じことをしているなら呼び方の区別は重要ではないはずだ。
相場師という言葉が死語となり、何かこう、しっくり来る呼び方がないのだが、手品師をマジシャンというように、相場師をトレーダーというのが、私は自然だと思う。




さて、帰宅は11時過ぎになってしまったが、帰宅後、協会のこれまでの勉強会の資料を整理し、ざっと見返した。
左上が古城理事長の移動平均入門。
左下が先ほどの林知之投資顧問の資料である。
右上は、森谷博之氏のAIで株価分析~とある。
続いて右下を見ると、もはやファンドの多くがシステムトレード(コンピューター売買)をしており、彼らだって本当はトレーダーということが分かる。




ペリーカウフマン(Perry Kaufman)のセミナー


そういえば数年前、ペリーカウフマン(Perry Kaufman)の投資セミナーを聞いた。
彼はNASAの技術者から転身した著名なトレーダーである。
カウフマンの奥さんも、トレーダーを名乗った。
会場の参加者からパフォーマンスを聞かれると、彼女はニコニコしてノーコメントと答えた。
こりゃ、旦那から教わって儲けているな、と思ったが、同時に私は、案外、女性の方が相場に向いているのではないかと思った。
女性は直感に優れ、理屈っぽくない。
男性と比べて危ない橋は渡らず、大胆さや思い切りも持ち合わせている。
しかしそれなのに、ファンドマネージャーもトレーダーもアナリストも、男性ばかりなのは、投資業界がまだまだ男尊女卑という証拠ではないか。
投資の業界人は世間や企業に対しては偉そうなことを言うけれども、実際、自分たちの方が非常に保守的で、遅れているように思える。
今後、優秀な女性がもっと活躍するようになると、投資業界も、いろいろと良い方向に変化するのではないだろうか。