2019/07/24

今日は帝劇、明日は三越

皇居とは、いまや日本を代表する観光名所である。
日本人は、国会議事堂など見たくないが、天皇陛下の皇居は見たいのである。
外国人も同じなのだろう。
パレスホテルの交差点を渡り、大手門から皇居に入ると、宮内庁三の丸尚蔵館がある。
こないだは休みだったが、今日は開いていた。


宮内庁三の丸尚蔵館「正倉院宝物を伝える」


実は、私はこれが見たくてきたのである。
皇室が収集した「お宝」が正倉院にあるのだが、それが開かずの宝箱となっているという興味深い話なのである。
幕府の権力者が開けようとして何度か揉めたのだが、明治維新後、ついに明治政府が封を開けた(壬申検査)。
しかし、あまりに長い間、開かずのまま放置されていたため、お宝はがらくたとなり果ててしまった。
何だか、マンガのオチみたいな話だが、その後、(これは宮内庁の仕事と思うが)大金をかけてきれいに修復修理された。
ただし、今日ここで展示されているものはレプリカと書いてあった。

その後、しばらく皇居内を散歩した。
ペットボトルが手放せない真夏日。
暑くて休憩所へ逃げ込んだ。
すると、休憩所の建物はぐるっと周囲が全て工事中なのである。
皇居は現在、どこもかしこも大改装中、東京オリンピック直前だからである。
しかし、誰が見たって工事のしすぎではないか。
私は、工事のしすぎで皇居のありがたみがないような気がした。
いつも通れる場所も通行止めになっていて、満足に散歩もできない。


皇居


そういうわけで、私は早めに皇居を出て、日比谷公園へ向かった。
今日は帝国ホテルで友人と会う約束があるが、早めに着きそうなので、手前の帝劇の角を曲がり、有楽町の駅を通り抜け、銀座4丁目の交差点の三越へ、そこから数寄屋橋へ行き、日比谷ミッドタウンまで歩いた。




ミッドタウンには最新のトレンドがある、と私は思う。
だから、ウィンドウショッピングをしているだけでも楽しいのだ。
もっとも、先ほどの銀座四丁目の三越も、かつては流行の発信地だった。
「今日は帝劇、明日は三越」などと言われた花やかな時代もあったのだが、、、いまはもうミッドタウンのようなショッピングモールが全盛の時代であり、三越の時代(百貨店の時代)ではない。

ミッドタウンの地下へ。
ここに「ビアンカバーネット」という生花店がある。
「ドラゴンクエスト」の登場人物のような店名だが、有名な第一園芸の系列会社である。
すぐ近くの日比谷公園の入口には、ライバル店の日比谷花壇がある。


ビアンカバーネットのフラワーアレンジメントのワークショップ


ビアンカバーネットのフラワーアレンジメントのワークショップ


去年はフラワーアレンジメントのワークショップを受けたり、お花を贈ったりしたが、まあ、それはさておき、この店にはSさんという看板娘がいるのだ。
お花を贈るなら、センス抜群の彼女に頼むと間違いがない。

今日の私は、8月のワークショップとイベントの内容を確認しに来ただけである。
しかし、いつもは接客で忙しいSさんが、珍しくのんびり花の手入れをしており、少し話す機会があった。
彼女に話しかけるとまもなく、奥から店長が現れた。
Sさんと同年代の若くてカッコイイ店長さん。
私は店長のワークショップも何度か受けたことがあるのだが、気さくで真面目なお兄さんである。
ただ、どうも私には、この店長さんとSさんが「お似合いのカップル」に見えるのである。
今日は買い物をするわけでもないので長くはいられない。
すみません、また今度来ます、と言って私は店を出た。

その後、待ち合わせ場所の帝国ホテルへと向かった。
おや、正面玄関のロビーには、ひまわりの花が飾られている。


帝国ホテル


帝国ホテル


ああ、そうだった。
確か、以前誰かにひまわりの花を贈ったとき、花言葉を調べたような気がする。
ひまわりの花言葉は、「憧れ」である。
花言葉で花選びをするわけではないが、買うと気になって調べることがある。
ひまわりには「憧れ」のほかに、「あなただけを見ている」という花言葉もある。
しかし、いくら思い出そうとしてみても思い出せない。
そんな花言葉のひまわりを、私は誰に贈ったのだろうか。