2020/02/09

The true story of WSET wine lovers(3)いつでもメンバーになれるから大丈夫

ワインの知識があっても、ブドウ畑すらまともに見たことがない人を、果たしてワインのプロフェッショナルと言えるのだろうか。
まあ、さすがに言えないだろう。

私はブドウ畑をまともに見たことがなかったが、今日ようやくそれを見る機会を得た。
ワイン教室の知人のBさんは、勝沼のブドウ畑を何人かのワイン好きと共同で管理している。
メンバーは全員、都会人で、収穫したブドウは地元の業者に委託して醸造してもらい、ボトルのワインが完成するという。
できあがったこのワインは、貢献度に応じてメンバーどうしで分配するそうだ。
今日はBさんに誘われて、ブドウ畑の手入れを体験しに行くのである。

勝沼ぶどう郷は、東京都内の住人にはわりと近場に入るのではないかと思う。
しかし、まず新宿まで電車でかなり時間がかかるのだ。
私は5時半の電車に乗った。
この時間はまだ路線バスがなく、私は駅まで重い荷物を持って坂道を歩いた。






新宿から勝沼ぶどう郷駅までは、中央本線で2時間もかからない。
Bさんと一緒に、特急あずさ→普通列車と乗り継いで、10時前に到着した。
駅前でマイカー組とおちあい、車に分乗し、急斜面をブドウ畑の手前のほったて小屋まで登った。
ほったて小屋で作業着に着替え、急斜面をさらにブドウ畑まで歩きで登り詰めた。

大変だ、ブドウ畑に行くまでにひと苦労だ、、、


勝沼ぶどう郷のブドウ畑の剪定の様子


急斜面のブドウ畑に立ってみた。
素晴らしい景色を見下ろせるが、私の姿勢はアンバランスだった。
ブドウの農家の人たちは、こういう感じで常に農作業をするのかと思った。
平地より斜面の方がブドウ栽培に適している、これはワインの知識のいろはであるが、今日私は斜面より平地の方が「農作業」に適していることを知った。
メンバーのひとりに話を聞くと、この畑の所有者はすでにご高齢で、長く耕作放棄地となっていたものだという。
確かにこんな急斜面では、耕作放棄地となるのも無理はないだろう。
しかし、そのような事情があったため、広いブドウ畑を安い賃料で借りることができたのだ。
メンバーは全員都会人、地域の新聞雑誌で何度か話題になったことがあるというが、この活動は地方創生のトレンドに合致している。




今日はまだ冬なので剪定に来たのだという。
ブドウの木々は枯れ木のようになっている。
しかし、これが春以降に生き生きと芽吹いてくる。
そうなるためには今のうちにていねいな剪定をしておく必要があるのだという。
簡単な作業であるが、予備剪定というものをみんなでした。
本当にただハサミを動かすだけである。
だが、ずっと同じことを繰り返すので、2時間近くしてクタクタになった。
まだお昼前であったが、満場一致で、今日はおしまいということになった。

おや、このあと、昼間から飲み会かな・・・・








アサヤワイナリー


しかしその前に、車に分乗して周辺のワイナリーに立ち寄った。
グレースワイナリーは休みで、その向かいのアサヤワイナリーの直売所が営業していたので、そこでおみやげなどを購入してから、また車に乗り、となり町の駅前の「歩成」という大衆食堂に入った。
すでに2時を回っていて、ずいぶん遅い昼食となった。


歩成ラーメン


私は歩成ラーメンを注文した。
歩成ラーメンはこってりしていておいしかったが、隣の席のカップルが名物のほうとう鍋を一緒につついていた。
その後、「歩成」を出て、ビールバー(CRAFT HOP STAND)に行き、1~2時間ばかりクラフトビールを飲んで談笑した。


クラフトビール、CRAFTHOPSTAND


クラフトビール、CRAFTHOPSTAND


クラフトビール、CRAFTHOPSTAND




これはとても楽しい。
ぜひ、また来たい。

帰りも特急あずさに乗って新宿へ。
また来るつもりでみんなに挨拶して別れた。

しかし、家に帰って時計を見たら、考えを変えざるを得なくなった。
軽々しくメンバーになると、私ひとりだけ遠いので、みんなに迷惑をかけるような気がした。
1日だけならよいが、継続して参加するのは難しいな、メンバーに、また来るなどと軽々しく言ったことを後悔した。
しかし、私を誘ってくれたBさんは、思いやりと気配りの人である。
後日、それとなく私にラインをくれた。

いつでもメンバーになれるから大丈夫。

私はホッとした気持ちになることができた。
私も人を非難したり批判したりせず、彼のように、あたたかい言葉をかけられるような人間になりたいと思った。