2020/02/19

資生堂ギャラリー、諏訪綾子「記憶の珍味」



今日は、1月に会ったばかりの新聞社のFさんとまた会った。
日本橋の魚久でランチを食べながらいろいろ話したのだが、その後は1人で、出光美術館の水曜講演会を聞くため有楽町へ向かった。
夜まで時間があるので有楽町のビックカメラに行き、買いそびれていたものを買った。
その後、私はいつものように、銀座でギャラリーめぐりをした。
ただ、この日は回る順番を間違えた。
有楽町のビックカメラから出光美術館はすぐなのである。
だから銀座のギャラリーめぐりを先にするほうがよかった。

有楽町のビックカメラ→日比谷ミッドタウン→銀座の資生堂ギャラリー→出光美術館

これだと、かなりの遠回りをしているような気がするのだが、、、


資生堂ギャラリー「記憶の珍味」諏訪綾子の展示会


資生堂パーラーの横の階段から、地下の資生堂ギャラリーへ。
ここはいつも前衛的な展示をしており、帰りはキツネにつままれたような気分になるのだが、、、今日は入口の案内板に「諏訪綾子展、記憶の珍味」とあった。

はて、記憶の珍味とは何だろう??
まあ、とりあえず中へ。


資生堂ギャラリー「記憶の珍味」諏訪綾子の展示会


展示室には円を描くようにポールが立っていた。
それぞれのポールの上にあるのは、ガラスケースの中に入った怪しげなグミのような物体である。
それをぼんやり眺めていると、白い服の謎めいた女性が近づいて来て説明を始めた。
彼女がアーティストの諏訪綾子さんなのだろうか。
全てのポールの上のガラスケースを開いていき、自分が最も好きな匂いのモノを1つ選んでほしいという。
説明不足でよく分からないが、私は言われたとおりやってみた。
最もマシな匂いのモノを1つ選んだ。
これ以外は、匂いを嗅いだときに少なからず抵抗感があったので、選んだというよりは消去法である。
その後は1人ずつ順番待ちの列に並ぶことになった。
7~8人の列で30分くらい待たされてから、順番が来て白い服の女性に呼ばれた。
私は、彼女の案内にしたがって、真っ暗闇の小部屋に入った。

そのまま奥の部屋に入ってください。

私はさらに闇の奥へと進んで行った。

そこのカーテンをあけてください。カーテンの向こうに、あなた専用の珍味があります。その珍味を手に取り、匂いを嗅いだら、食べてもかまいませんよ。

カーテンをどかすとそこもまた暗闇であった。
が、暗闇の中央に、こうこうとグミが光っていた。
私はそれを手に取り、匂いを嗅いで、私が選んだ匂いであることを確かめた。
が、だからといってここですぐ食べる気にはなれなかった。
しかし、まあ、どんな味がするのかは気になって、少しだけ噛み切って口に入れてみた。

なあんだ、やっぱりただのグミだな。

私は今日もキツネにつままれたような気分で資生堂ギャラリーを出ることになった。
以前、ワイン教室で味覚と嗅覚の関係について詳しく聞いたことがあるが、それと似たようなことがコンセプトのような気もする。
あとで諏訪綾子さんのことを調べてみると、Food Creationのアーティストとのこと。

夕方になり、私は銀座シックスの大通りを歩いて、4丁目の交差点から晴海通りに入り、ソニーパーク前の道路で客引きに呼び止められた。
私は手にチラシを持たされた。
いま、ソニーパークではQUEENのイベントをやっているのだという。
なるほど、「QUEEN」か、、、出光の講演会まで少し時間があるので、QUEENのイベントを急いでひととおり見て回ることにした。
こちらはエンタテインメントで、どれも非常に楽しかった。
QUEENなんて実に懐かしい。


銀座ソニーパーク、QUEENイベント


銀座ソニーパーク、QUEENイベント





出光美術館の水曜講演会にはぎりぎりで間に合った。
講師は東京大学の東洋文化研究所の研究者である。
そもそも今回の狩野派の展示は、私のような素人には難しく、マニアックすぎる。
しかし、学術的には重要なことのようで、その重要性は内覧会のときにも聞いた。
それにしても出光美術館に来るといつも感じることがある。
私が学校などで教わってきた日本の伝統文化の数々も、遡っていくと中国文化をルーツとしているものが多くあるのだ。


出光美術館「狩野派」の展示会


私たち日本人のアイデンティティーは、中国なしには考えられない。
しかし、多くの日本人が、中国人(中国)をばかにしたり見下したりするのはどうしてだろう。
歴史認識や共産主義思想などの複雑な問題が絡んでいるからだと思うが、もう少し良好な関係を築けるといいのだが。
夜遅く帰宅すると、出光美術館から本年度の研究紀要が届いていた。
今年はどのような話が書かれているのだろうか。
明日、読んでみることにしよう。


出光美術館書籍