2021/12/24

わたしのワインの先生(3)似たものどうし?

おととい私は、渋谷で用事を済ませた後、日本酒をひっかけるため、銀座線で虎ノ門に行った。
虎ノ門の日本酒情報館、外堀通りを少し歩くと日本酒情報館の赤い看板が見える。
夕方からワイン教室があるのだが、、、その前に日本酒をひっかけてからいこうという飲んだくれのプランである。
今からそれを1人で実行に移す。
実は2週間前、西麻布の忘年会で、ワインとワインの間に富山の銘酒「満寿泉(ますいずみ)」が出された。
これが非常においしかったので、なんだか私はワイン講座の前に日本酒をひっかけたくなったのだった。




しかし、飲む前にトイレに行きたくなって、私は店員にトイレの場所を聞いた。
1階には普通のトイレ設備がなく、2階は他社のオフィスである。
いまは新型コロナウィルスの感染リスクがあるためなのか、すぐそこの身障者用のトイレを使ってください、と言われた。
私は情報館の入口の目の前にあるトイレの扉の前に立った。

あれ、おかしいな、、、
大きなドアを何度か押したり引いたりしてみたが開かない。

その場で少し悩んだりしてから、身障者用トイレは車椅子の人のために引き戸だということを思い出し、ようやく中に入れた。

なあんだ、横にあければいいのか、、、汗。

ドアがやや長方形で、横にあけるようには見えなかったのだ。


日本酒情報館


その後、私は情報館に戻り、30分ほどでテイスティンググラスを3つあけ、飲むのを切り上げ、また銀座線に乗り、T先生のワイン教室に行った。
この日はクリスマスシーズン。
特別に、5種類の赤ワインに加え、スティルトン、シュトレン、えびせんのようなものがおまけで付いた。


赤ワインテイスティング


ワイン教室後は、忘年会も兼ねたアフターの飲み会、予約していた日本橋丸善の裏の「cave de ワイン県やまなし」へ。
caveとは洞窟のほかに、ワインの地下貯蔵庫(ワインセラー)の意味もある。
店名のとおり、古い洋館の地下室の雰囲気で、木の扉を開けるとその向こうは、ワインセラーを模したワインショップになっていた。






cave de ワイン県やまなし


ここはご当地レストランで、メニューのワインも食材も山梨県産に限定されている。
ほうとうカルボナーラ、鹿肉ハンバーグなど、山梨のユニークな料理もいくつか出てきたが、サーモンに添えられたイワナのイクラが珍味だった。
ワインについては、ショップで買ったものを持ち込み料1000円で持ち込めるので、スパークリングで乾杯の後、早速、先生と私でワインを選びに行った。
先生は私に、好きなものを選んでいい、という。
だが、私は日本のワインにさほど詳しくないため、マスカットベイリーA以外、地場品種については品種特性がピンとこないのだった。
しかし、さすが先生はワインのプロフェッショナルである。
ラベルを見るだけで次々とコメントと良い悪いを即答していき、私たちはショップの主要な棚を、ものの数分で見事に制覇してしまった。


勝沼、甲州


結局、先生のすすめで、赤はメルロー、白は甲州を選んだ。
そのほかのワインは、店内のワインリストから頼んでいった。
日本のワインは価格負けしているものも多いが、先生が選んだのはどちらも、価格に見合っており、おいしいワインだった。
ああ、やっぱり、先生はすごい人だなあ、、、私は改めて先生を尊敬してしまった。
ただし、ワインを前にするとこれほどまでに頭脳明晰な先生も、ワイン以外のこととなるとかなりの天然キャラなのである。
実は、先ほどのレストランの入口の扉をあけるときもそうだった。
先生は入るときに一生懸命手前に引いていたが、、、正解は引くのではなく、ガラッと開ける引き戸だったので。

なによコレ、横にあければいいのね。

先生の真後ろで私は、目の前の出来事がとても他人事とは思えず、かける言葉が見つからなかったのだが、たぶん先生もドアの形状を見て、まさか横にあけるとは思わなかったのだろう。
しかしそれにしても、この一件から分かるように先生と私は、似たものどうしのような気もするのである。
お酒好きでもお酒には弱い方である。
飲み会では他人より多く飲み食いしないため、いつもワリカン負けをする。
ワイン好きだが甘党で、途中の本格的なワインよりも、最終のアイスワインを飲んで最も満足していたように思う。
また、おでん屋で飲む場合、おでんの具材で最も好きなものは、どろどろのちくわぶ、こんなところまで同じとは。

あら、いやだわ、師匠と弟子というのは、こんなにもよく似るのかしらねえ、、、

まあ、敬愛する師匠と似たものどうしなのは、弟子の私としては、まんざらでもない気分なのだけど。