2021/12/25

WATOWA GALLERY、偶然の再会

この日の私は渋谷に用事があった。
用事が済んで、宮益坂を上がり、住宅街の中にある小さなギャラリー「WATOWA GALLERY」に着いたのは12時過ぎだった。
先日の渋谷西武の美術画廊に出展していた倉敷安耶(Aya Kurashiki)さんが、WATOWAでまた出展していると聞いていたので見に来たのだが、ただ、お昼ご飯がまだなので、場所だけ確認して近くのラーメン屋に入った。
一番安いシンプルなラーメンを頼むと出てきたのは甘口のラーメン、その味はなかなか珍しくて新鮮だった。


WATOWA GALLERY


WATOWA GALLERY、御村紗也作品


まずはギャラリーの1階から。
おや、この絵は御村紗也(Saya Mimura)さんではないか。
彼女の作品は、先日、渋谷西武の美術画廊で見たことがあるが、透明感のある素敵な絵である。
女性職員に聞くと倉敷さんの作品は2階にあるというので、私は玄関外のらせん階段をのぼった。
2階の展示室に入ると、1人の中年男性が、静かにじっと1枚の絵を眺めている。

おや、彼は確か、、、先ほど1階で女性職員にいろいろ絵の質問をしていた人なのだが、、、ちょうどいい。
お邪魔して悪いが、彼に頼んで、私と倉敷さんの作品との記念写真を撮ってもらおう。


倉敷安耶作品


倉敷安耶作品


「写真、どうもありがとうございます。」
「いえ。」
「あのう、失礼ですが、、、」
「なにか?」
「人違いかもしれませんが、先週あなた、西武の美術画廊にいらっしゃいませんでしたか??」
「えっ!? 確かに、いましたけど、、、」
「やっぱり、同じ方でしたか!!」
「するとあなたも? 西武画廊は、いつだっけなあ、、、展示替えの翌日かな。」
「ええ、その時にお見かけしたと記憶します。」
(派手な絵柄のマスクをさわって)「ああ、もしかして、この派手なマスクのおかげかな。」

その後、いま記念撮影したばかりの倉敷さんの作品の話題になった。

「あの日、私は西武に倉敷さんの絵を見に行ったのです。でも、うっかりして、展示期間を間違えまして。展示替え直後で彼女の絵はありませんでした。」
「それで今日ここに?」
「ええ、まあ、、、」
「あなた、倉敷さんのお知り合いの方ですか??」
「まあ、そうですけど、、、」
「ああ、それじゃ、倉敷さんの絵を見れなくて残念でしたね。」
「いや、実はすでに、こないだお友達と一緒に見に来てまして。だから2度目なのです。」
「な、なるほど。。。アッ、すごい!! この方の絵がグランプリなんですね。」

今回の共同展示会の作品は、ギャラリーの関係者(審査員)の採点によりランキングされており、倉敷さんがトップということを聞いていた。
確かに、彼女の点数が154.5点でトップであった。


倉敷安耶作品


「すみません、今度はあなたのこともお聞かせ願えませんか?」(と私)
「いいですよ。」
「単刀直入に伺います。あなたってアート業界の人?」
「いえ、シロウトです。ふだんは会社員やってます。でも、まあ、休日はいつもギャラリーめぐりをしてますけど。」
「ということはマニアですね。それに、あなたって芸能人みたいにおしゃれだもの。本当は何者ですか?」
「いや~、何者って言われても困るなあ。私は美術評論家でもないし、ただの庶民です。そういうあなたこそ、何者ですか?」
「私もあなたと同じシロウト、ただの庶民です^^」
「本当に?」
「本当です。だいたい今日のお昼ごはんだってね、ラーメン屋で一番安いラーメンを食べてきました。」
「へ~、私もさっきまでそこのオープンカフェで安いサンドイッチを食べてました。」
「ほう。」
「画家の渡辺さんと2人でサンドイッチを食べながらずっと喋ってましたよ。」
「お~、アーティストと一緒に渋谷でランチなんて、あなた、しゃれてますね~。やっぱり、あなた、すごい人なんですね。」
「いや~、まあ、ええと、、、私と一緒にいたのは渡辺涼太さんです。ご存知ないですか??」
「渡辺涼太さん、知らないなあ、、、」
「まだ芸大生ですが、注目の若手アーティストです。あとでストーリーズに、渡辺さんの作品をアップしますから、よかったら見てください。」
「分かりました。ああ、それなら私もインスタをやってるから、名刺交換ではなく、インスタ交換でもいいですか。」

最近はSNSのアカウントがある人どうしなら、名刺交換はせず、SNS交換で済ませている。
あとでインスタで話しましょうということになり、私は彼(Iさん)と別れてギャラリーをあとにした。
そして銀座線の渋谷駅から虎ノ門へ。
外堀通りを歩き、赤い看板の日本酒情報館のビルに入った(2021/12/23「わたしのワインの先生(2)」へ続く)。