本は売ってナンボである!
私の終活本が発売されて3週間が経過した。
そこそこ売れているのだろうか。
発売初日、セブンのネット通販で品切れになっていた、ということは聞いていたが、それ以外、めぼしい手がかりがなかった。
また、編集者によれば、データ不足で詳細は不明ですが、まったく売れてないってことはなさそうです、とのことだった。
しかし、きのう用事のついでに立ち寄った丸善本店で、私は自分の本が平積みにされているのを見た。
これなら、まったく売れていないってことはなさそうである。
丸善本店は、東京駅の丸の内改札のすぐそば(丸の内オアゾ)にある。
この光景を見て、私はホッとして、家に帰ることができた。
夕食はグラタン。
食べながら私は、スマホの写真をママ殿に見せた。
「ママ殿、私は少し安心できました。丸善本店で平積みされていたのだから、まったく売れていないってことはなさそうです」
ママ殿は老眼鏡をかけた。
売り場の平積みの写真を食い入るように見つめ、「ウン、これなら間違いない。確かに、あなたは本を出したわ」と言った。
私は微笑んで、「なるほど、それはいえてますね」と答えた。
そもそも私は売れっ子作家ではないのだし、これはビジネス書なのである。
私の本は書店に何列も積まれていないし、他の人が終活の本を書けばいいのかもしれない。
なので、自分自身でもPR活動が必要となる。
そこで私は、ブログやSNSでの告知のほかにも、出版社からもらった見本を配ったり、メールやハガキ等で知っている人などに案内状を出したりしている。
また、こないだ書いたように、自分の本を持ち歩き、外出先で自己PRに使うこともある。
さて、ここからは、ママ殿のマーケティング戦略のことを話そう。
先週、私は久しぶりに、上野広小路のあんみつみはしへ行った。
あんずあんみつを食べ、スマホを眺めていると、ママ殿から1通のメールが届いた。
読むとそこにはママ殿のPR活動についての報告が書かれていた(*'ω'*)
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ママ殿⇒私へのメール
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昼間、病院の待合室で、この本を読んで過ごしたよ。
表紙が見えるので、まわりの患者さんが注目すると思って。
でも、あいにくの雨で患者さんが少なくて、残念。
眼の検査、大丈夫でした。
夕食は、ハンバーグ。
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私⇒ママ殿へのメール
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了解。
いま、上野広小路の喫茶店です。
6時頃に帰ります。
夕食は食べます。
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帰宅後、夕食はハンバーグを食べた。
このとき、私はママ殿に書店の陳列について思うことを話した。
東京の丸善や紀伊国屋書店、駅ビルの書店では、私の本が平積みや立てかけで目立つようになっている。
が、くまざわ書店は縦置きで1冊、書棚に入っているのみだった。
もともと1冊しか仕入れていないのか、もっと仕入れたが売れてしまったのかは不明だ。
が、我が家の場合、本はだいたい、くまざわ書店で買っている。
もっと仕入れてほしいな、1冊だと目立たず、埋もれてしまう、、、と私が言うと、ママ殿はハンバーグをモグモグしながら、無言でうなずいた。
数日後。
私は午後から時間を作り、日本司法書士連合会主催の事業承継シンポジウムを、オンラインで視聴した。
以前の記事で何度か登場した司法書士のM先生、彼が最近、何か新しい事業をしてみたいといっているのだ。
このタイミングだと、終活本を出したばかりの私としては、一度お蔵入りとなった事業承継コンサルがいいのではないか、ということになる(2021/11/07「事業承継コンサルタントで起業をしませんか」)。
なぜなら、事業承継は、経営者の終活の延長線上のことだからである。
というような経緯で、私は事業承継シンポジウムに参加していたのだが、パネルディスカッションの最中に、ママ殿からメールが届いた(*'ω'*)?
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ママ殿⇒私へのメール
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さっき、買い物ついでに、本屋にいってきた。
この本、息子が書いたんです、●●の近くに住んでます、と女性店員さんに言ったら、パソコンを開いて、地元の人の書いた本ということで、店員さん、何やらブツブツいいながら、本の概要をプリントアウトしてましたよ。
店内のどこかに貼って宣伝してくれるのかなぁ。
嬉しくて、帰りにケーキ買っちゃった。
対応した女性も嬉しそうだったよ。
棚に入っていた本は、表に出して、横置きにして帰ったさ。
お刺身を買ったのに、ネギ買うの忘れたから、帰り、買ってきて。
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私⇒ママ殿へのメール
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了解。
ネギ買った帰りに、のぞいてみます。
6時頃に帰ります。
夕食は食べます。
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帰り道、私はそれとなく、くまざわ書店の売場をのぞいてみた。
アッ、本当だ!
ママ殿の仕業(?)で私の本が、他の本の上に出しっぱなしになっている。
どうせなら、右隣の「大賞」受賞の本の上に、置いてほしかった(*'ω'*)...
ムムム、、、私も負けずに、PR活動を頑張ろう!
家に帰って、リビングに入ると、応接のテーブルに花束が飾ってあった。
近所の奥さんが届けてくれたお祝いの花束だという。
「素敵な花束ね。あなた、何かの賞をもらった人みたい!」とママ殿は嬉しそうに言った。
「いや~、私は作家ではないのです。私もよく知らないのですが、小説などとは違い、ビジネス書、実用書のジャンルだと、賞はないみたいです」
「あら、そうなの。ところで、ネギは、買ってきたの?」
「はい」
「さあ、ご飯にしましょう♪」
実は、ママ殿は遠い親戚や古い友達まで、あちこちに私の本の出版を報告している。
ママ殿にしてみれば、ダメな息子が珍しく自慢できるようなことをしたから、言わずにはいられない、ということなのだ。
私はこれまで、本が売れなかったらどうしようとか、間違いがあったらどうしようとか、悪いことばかり考えていたような気がする。
しかし、この本が売れてほしいのはもちろんだが、売れる売れないにかかわらず、親孝行になったんだ、と思った。
12月1日、追記。
最寄りのくまざわ書店にいってきたのだが、拙著が追加で入荷されていた。
レジの女性店員さんに挨拶すると、問い合わせは何件も来ているとのこと。
早速、ママ殿にメールして、買い物帰りに現地視察をするよう伝えた。
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私⇒ママ殿へのメール
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くまざわ書店、エンディングノートの書棚に1冊と、その脇に、平積みで5冊です。
店員さんに挨拶したら、問い合わせは何件も来ているそうですよ。
新しく仕入れたのかな?
今のうち、急いで、見に行ってください。
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ママ殿⇒私へのメール
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いま行く!
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私⇒ママ殿へのメール
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了解。
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ママ殿⇒私へのメール
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ありましたよ。
初めは影を潜めていた感じだったけど、もう堂々として「オレを見てくれ」なんて言ってるみたいだったよ。
ヨッシャ!!
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