2022/03/09

奥田雄太展示会(2)六本木ヒルズA/Dギャラリー

先週末、私はインタビュー取材を受けた。
しかし、このインタビュー取材というもの、受ければ分かるのだがなかなかのクセモノ。
講師なら2時間好き勝手に喋ればいいので私は気が楽である。
しかし、インタビューとなるとそうはいかない。
なぜなら、相手とのキャッチボール(会話)があるからである。
つまりインタビューでは相手の話を聞きながら自分の話を用意する必要もあるわけだが、この2つを同時並行でおこなうのは、慣れないと案外むずかしい。

さて、インタビューは夜なので、昼間は六本木ヒルズなどにもいってきた。
去年末、私は銀座の石川画廊で奥田雄太さんの個展を見た。
私は奥田さんの絵を直感的にイイと思っており、もう1回見たいと思っていたのだが、数日前ミヅマアートギャラリーからメールが届き、今度は六本木ヒルズで個展を開くことを知った。
森美術館の入口(3階)にミュージアムショップがある。
その右手奥に白い扉の小さな展示室があるのだが、そこが展示会場の「六本木ヒルズA/Dギャラリー」である。
この日は初日で、開館30分前なのに10~15人ほどが並んでおり、私はその列のうしろについた。


六本木ヒルズギャラリー、奥田雄太展示会


六本木ヒルズギャラリー、奥田雄太展示会


実は、奥田さんはかなりの売れっ子なのである。
ただ、少し待てば入れると思ったが残念、いまはコロナ禍で入場制限中、おまけに初日は買う気の客も何人かいて、前に進まない。
私はこの後の予定があったので、あきらめて帰ることにした。

しかし、待っているあいだにちょっとした発見もあった。
ショップの一角を間借りするような形で、佐藤明日香さんのドローイングの展示会も同時開催されていたのだが、こちらはまったく誰も興味を示さないので、私は少々気の毒に思った。
私はあえてじっくり佐藤明日香さんの作品を見てみた。
こういう偶然はおもしろいものだ。
この場合「判官びいき」のようなものだが、佐藤明日香さんのドローイングは奥田さんとは対照的な作風で、派手さや華麗さはないが、服や雑貨のデザイン(例えばネクタイなど)には合っていると思った。


六本木ヒルズギャラリー、佐藤明日香


六本木ヒルズギャラリー、佐藤明日香


六本木ヒルズギャラリー、佐藤明日香


先ほどの話に戻ろう。
撮影終了後、ごほうびに、人形町今半のお弁当をもらった。
私はふだん弁当を食べつけないのだが、今半の弁当はおいしかった。
私がおいしいと言うと、インタビュアーのHさん(証券会社のアナリスト)が、ぼそっと言った。

「それ、ぼくのランチ1週間分です。」
「え、本当に??」
「本当ですよ。」
「差し支えなければ、Hさんのランチ代、おいくらくらいなのですか??」
「ぼくのランチ代はね~、もうずいぶん長いけど、500円です。」
「な、なるほど、、、」(ということは今半の弁当は2500円くらいかな)


人形町今半弁当


人形町今半弁当


しかし、昔話を聞くと、1980年代の日本株バブルでは金融マンがランチタイムにお寿司やうな重を食べるのは当たり前だったそうである。
まあ、会社員が、今半の弁当どころか、そんな豪華なものを自腹で食べていたら、それは正真正銘バブルに違いない。
ただ、このランチの話題を聞いて思ったことがある。
それは、アベノミクスから始まった2010年代の日本株バブルが、主として日本経済のファンダメンタルズの成長よりも、日銀の金融緩和の影響によるものだった、ということである。
去年日経平均株価が3万円を突破して盛り上がったが、その後はどうも株価も景気も低迷期に入ってしまった。

現に相場の当事者たちも、当時お寿司やうな重だったのに今はこうして500円ランチの日々。
この相場の上昇の原因は、もしかすると日本人の節約による節約もあるのではないか??
だとすれば、株価が上昇しても街角景気がよくならないのを不思議がる論者もいるけれども、むしろその方が理屈に合っていることになる!!
そして最近は、コロナと戦争、原油高と円安である。
コストプッシュインフレが現実化しつつあり、街角景気がさらに悪化してきている。
そういうわけで、金融関係の人たちはいま、なじみのチェーン店の500円ランチが値上げされるリスクを恐れているのかもしれない。