2020/01/09

本の美術館東洋文庫ミュージアム

今日は約束があって朝早く外出。

東洋文庫ミュージアム⇒戸栗美術館⇒渋谷でアポ等

東洋文庫ミュージアムでは10月から葛飾北斎展をしており、1月13日で終わるので、駆け込みで見に行った。
東洋文庫が所蔵する葛飾北斎の絵本なども見られるという。
駒込駅から大通りを歩き、看板屋のある交差点を曲がると、古本屋の先にミュージアムの建物がある。
東洋文庫ミュージアムは一風変わった美術館である。

第一に、ここは本の美術館である。
東洋文庫というのは三菱財閥のコレクションなのだが、三菱は丸の内の三菱一号美術館、二子玉川の静嘉堂文庫美術館、駒込の東洋文庫ミュージアム、この3つを持っている。
順に西洋、日本、書籍、というふうにコレクションが分担されている。
第二に、ここでは入場券の代わりにオレンジ色の入場シールを受け取り、それを胸元に付けて入場することになっている。
第三に、次回の企画展のパンフレットは置いてあるのに、現在の企画展のパンフレットがなぜか置いていない。
私は来館の記念にパンフレットを2~3枚持ち帰り、ファイリングをするのだが、ここではいつも見当たらないのだ。
まあ、それはともかく、私はオレンジ色の入場シールをシャツのポケットに貼り付け、自動ドアから展示スペースの1階へ入った。

2階の葛飾北斎展に行く前に、1階の名本の展示コーナーを見て回る。
名本コーナーはたいてい、企画展とは関係のないテーマで展示されているのだが、いつもユニークなのだ。
何がユニークかというと、名本のなかみが実に時宜を得ているのである。
今回は何だろう。


東洋文庫ミュージアムアメリカ合衆国憲法の歴史


東洋文庫ミュージアムフランス革命史


東洋文庫ミュージアムマリーアントワネット物語


ふむふむ、鎖国政策、植民地からの独立、フランス革命、マリーアントワネットのギロチン処刑。
ん~と、何やら新年早々、不穏なテーマですね、、、
例えばこれを日本になぞらえると、こんな感じかしら。
今年の日本は鎖国をする、真の意味でアメリカから独立を果たす、自民党が敗れ去って社会主義的野党連合が誕生し、彼らによって総理夫人が断罪される(??)、まさか、それはないでしょうが、、、


東洋文庫ミュージアム「北斎展」、東洋文庫の入場シール


葛飾北斎展、東洋文庫


私は階段を上がり、葛飾北斎展を見ることにした。
人気の葛飾北斎ということで、狭い展示スペースはかなり混んでいた。
北斎はとにかく、集客力が抜群だよなあ。
1階の展示コーナーは陽光が差し込んで明るいが、2階のギャラリーは薄暗い。
北斎の鮮やかな絵本が、薄暗い中でひときわ色鮮やかに見えた。
次のギャラリーに移動する通路の途中にショーウィンドウがあり、そこに飾ってある北斎の絵本が最も目を引いた。
駒込から山手線で渋谷へ。
まだ時間があるので、戸栗美術館に行った。


戸栗美術館入口


戸栗美術館古伊万里


古伊万里の企画展。
戸栗美術館は入口が大名屋敷のような立派な建物だが、館内もまた立派。
朝早かったので、午後になって私は少し疲れていた。
広々とした1階のロビーでしばらく休み、しばらくスマホを見たり、展示品のカタログを見たりした。
その後、2階のギャラリーに行こうとして正面階段を上がった。
階段の途中、初老の男性とすれ違ったのだが、その男性が何かを落とした。
その男性は落とし物を探し始めた。
私も一緒に探そうとすると、大丈夫ですよと笑って言う。
何を落としたのか聞くと、ゴミの「ようなもの」ですと言う。
でも、その男性が探しているので、私も一緒に探した。
ゴミの「ようなもの」とは何だろうと思った。

私は、階段のすみっこに、小さな何かを見つけた。
これはただの小さなゴミだ。
これですかと聞くと、そうだと言う。
よく見ると、それは東洋文庫ミュージアムのオレンジ色の入場シールだった。

ああ、これは東洋文庫のやつじゃないですか。私もさっきまで東洋文庫にいましたから、同じものを持ってますよ。

その男性とちょっとだけ笑い合うことになったが、見つけたものがこれでは向こうもばつが悪かったろう。
階段のところに私語禁止という注意書きがあり、館内は静まり返っていたので、お互いこれ以上会話することなく、私は2階に上がったのだった。