2023/10/01

好きな人と気になる人のちがいは?(1)

編集者が私の原稿を整理し、デザイナーに入稿すると、本の体裁を得て私のところに戻ってくる。
出版界ではこれをゲラというそうだ。
そういえば、以前投資分析の論文を書いたときも、本のデザインの入った原稿が送られてきて、東洋経済の編集者からゲラを校正してくださいと言われた。
私は著者の立場で、最初のゲラ(初校ゲラ)をチェックする。
このチェックを校閲というが、著者の修正指示は重要で、原則全て反映されるという。

お気楽な私は、執筆というのは原稿を出せば、ハイ、それまでよ、なのかと思っていた。
しかしそうではないのだ。
ゲラが来てからが第2ラウンドなのである。
自分の書いたものを自分で校閲し(著者校閲という)、間違いを見つけ出し、修正をかけたり、足りない事項を加筆しないといけないのだ。
だから時間をかけ、校閲をする必要があるのだが、自宅で座ってだとなかなか集中もできない。
そこで外にゲラを持ち出し、時間のあるとき、電車内や喫茶店などで見て、コツコツ赤ペンで直している。
ただ、私の場合、実際、最もはかどるのはデパートの中の喫茶店で、私は柏高島屋のくまざわ書店に併設されたカフェドクリエにいることが多い。


(柏高島屋椿屋珈琲)


(柏高島屋カフェリビエラ)


(柏高島屋スターバックス)



(柏高島屋カフェドクリエ)


さて。
先日ランチを食べた後、ふと立ち寄った公民館(パレット柏)で、掲示板を見ていた。
そのとき、自習スペースで勉強する学生たちの書いた距離感に関する書き込みが目にとまった。

距離感、、、私の現在の注目テーマのひとつである。
私は掲示板を見ながら、いろいろ考えた。
まず、距離感を私なりに定義すると、こうなった。






距離感とは、彼(彼女)と私は親しくなれそうかなれなそうか、という直観的な感覚のことである。
距離感が近いなら・・・同性なら親友になり、異性なら恋人どうしになる可能性があるだろう。
それは親しさの本質というか、親しい関係に存在するフシギな感覚が、距離感が近いということだと思われる。
親近感があるとか、同類であるとか、感性が同じとか、共通の趣味があるとか、これらを含め、直観的に合うということだから、気楽な関係になれるだろう。
しかし逆に距離感が遠いなら、住む世界が違う、人種が違う、育ちが違うというか、どこまでいっても交わることのない人間関係が想定される。

その後、自分にとって距離感がキーワードとなる周囲の人を考えた。

1人目は距離感が遠すぎの外交官X氏。
フランス料理店では、フランス人の店員に突然フランス語で気さくに話しかける、とてつもないインテリで、さしあたって欠点の見当たらない人である。
私は彼を本当にすごい人だと思ったが、友達になりたいかというと、そうは思わなかった。

2人目は弁護士のT先生。
金融や会計、投資にも詳しく、頭脳明晰、人格者などなど・・・言うことなしの大先生。
T先生と私は気さくに自然体で話せるが、それは私たちの間の距離感の近さが決め手と思われる。
ここで、距離感についてのもうひとつのポイントを言うとすれば、自分と似ているものを持つかどうか、である。
なりたい自分を持っていること、なりたくない自分を持っていないこと、良い意味で部分的に同質で、認めあえることが重要だと思う。

3人目はスタートアップ業界でフリーライターをしている元新聞記者のF氏。
コロナの渦中に知り合い、これまで何度か食事をしたり、メールで近況を話したりする間柄であるが、彼とは細く長く、関係が続いている。
彼は食事のときもメールでも、いつも私に向かって何かを愚痴っているように思える。
話すとどことなく、マイナス思考を感じるのだが、そんな彼がスタートアップ業界というイケイケな若者の集まるところに関わろうとするのは、私には分かる!!のである。

4人目以降は何人かの女性について考えた。
が、これについては、書くのをやめておく。

最近何となく思うのだ。
相手が男でも女でも、ビジネスでもプライベートでも、「最初」のうちは距離感が近すぎない方がいい、ということを。
最初からご縁があるとか、運命の出会いではないかとか、そういうことが強く感じられる場合もあるだろう。
しかし、その場合、かえって本能的に相手を振り払ってしまうことがあるのである。
それは相手の都合による一方的な関係作り(圧力)だからである。
また、自分はまだ心の準備もできていないから戸惑いがあるからである。

では、自分が本能的に振り払った結果、どうなるか?
実はその男性(女性)に対して特別な感情がある、あるいは必要なビジネスパートナーであるから、今度は自分の方から近付きたいんだけど・・・それが難しくなってしまう。
お互いにへんに意識をしていて、それが、かえって難しくなってしまうのである。

ということで、、、相手のことが気になるのは、なぜなのか??
答えは恐らく、そのような状態がいまも続いているからではないだろうか。