2022/11/04

かなるさんは今日も「ショコラエブリデイ(Chocolat Every Day)」

10月から取手市主催の起業家スクール(創業スクール)が始まっていて、私は去年に続き、コーチとして参加している。

~気になった女性起業家を3人紹介しておこう。
(中略)
2人目は、起業とは「愛」であると言った増田佳愛(かなる)さん。
すでに起業してビーントゥバー事業を手がけているという。
ビーントゥーバー(Bean to Bar)とは、ガーナなどの現地でカカオ豆を直接買い付ける、そのカカオ豆からチョコレートを自分で作る~というチョコレート製造の新しいムーヴメントである。
かなるさんは無印良品の無地のワンピースがトレードマークの20代のかわいらしい女の子であるが、行動力があり、聡明で、何やらタダモノではない気配もする。
(2022/10/16「女性起業家の時代??」より)



10月末のスクールの後、私はかなるさん、Wさんと一緒に、近くのファミレスでお昼ご飯を食べた。
実は、かなるさんは、チョコレート業界の有名人である。
しかも、単にチョコレートの専門家というだけではなく、カカオ豆からチョコレートを自分で作ることの専門家、つまり、カカオの専門家でもある。
彼女の話によると、チョコレートの専門家はたくさんいるが、カカオの専門家は少ないという。

かなるさんは、カカオとチョコレートを心から愛している。
カカオのことを語り出すと、彼女はここファミレスでも、食べることを忘れてずっと1人で話し続ける。
しかし、私はハンバーグセットを、Wさんはパスタを食べながら、彼女の話を黙って聞くのだが、彼女の事業の核となる「ビーントゥバー」の意味がよく分からない。
私たちはこの言葉がピンと来ないのだ。
だから彼女も一生懸命になって、ビーントゥバーの説明を詳しくしてくれるのだが伝わらない。

さて、どうしたものかいな、、、

パスタを食べ終えたWさん、理解が及ばずもどかしいご様子である。
しかしあるところで、私が先に、ピーンと来た。
私は、かなるさんの話を遮って質問を始めた。

「ええと、つまり、かなる先生、、、カカオ豆、カカオ、カカオマスというのは違うのですね。」
「はい、もちろん。」
「実は、高級チョコといわれるものも、カカオマスから作られる。その際、乳化剤など、様々な添加物を混ぜる。」
「そうです。」
「あなたのやりたいビーントゥバー事業は、基本的にはそういうものを混ぜない、カカオマスではなく、純粋なカカオそのものからチョコを作るということですか??」
「だいたい、合ってます^^」

Wさんもこれで理解したようだ。
2人で、な~んだ、そういうことか、早く言ってよ~、となった。

下の写真はカカオ豆 (cacao beans) である。
以前のワイン教室で、「ワインとチョコレートのマリアージュ講座」で出されたものなのだが、カカオ豆というのは、落花生のようになっている。


ビーントゥバー、bean to bar


「ビーントゥーバー(Bean to Bar)は、カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うことを指す。一般的なチョコレート生地からの二次加工とは異なり、カカオ豆(Bean)の仕入れから板チョコ(Bar)までの全工程の製造を 一次事業者が手がけるチョコレート製造のスタイル。」
「カカオマス(cocoa mass、まれにcacaomas)とは、カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したもの。外皮と胚芽は工程中で除去される。液体のものをカカオリカー、冷却・固化したものをカカオマスと呼ぶ。主にココアパウダー、チョコレートの原料として利用される。」
「到着したカカオ豆は選別機(クリーナー)を通され、篩(ふるい)や送風機の風、磁石などによって異物を除かれ、人の目視によって最終選別される。 ビーンズロースト法(豆ロースト法)ではこの後、焙煎機(ロースター)で熱風を当て、コーヒー豆と同じように焙煎される(但しコーヒー豆の焙煎温度は230-250℃、アーモンドやピーナッツでは170-180℃、カカオ豆の場合は110-150℃である[要出典])。 焙煎の済んだカカオ豆は粗く粉砕され、風選機(ふうせんき)(セパレーター/ハスカー/ウィノワー)によってハスク(外皮)と胚芽を取り除かれる。 ハスクを取り除き、粗く粉砕されたカカオ豆は、カカオニブ (cacao nibs)と呼ばれる。」
「カカオマスはそれぞれのメーカーの嗜好に合わせて数種類がブレンドされ、チョコレートに加工される。ブレンドはカカオニブやカカオリカーの段階で行われる場合もある。カカオマスに砂糖、粉乳、ココアバター、植物油などを加えて均一に混合したものは、チョコレートの元でありチョコレートドゥと呼ばれる。チョコレートドゥはその後、レファイナーによる最終磨砕、コンチェ(コンチングマシン)による精錬、テンパリング(温調)による脂肪結晶の生成、成型、包装、エージング(結晶安定化)など多くの工程を経て、製品としてのチョコレートになる。」




これは私がおいしいと思う日本橋高島屋のパスカルカフェのチョコレートである。
かなりお高いが、スーパーマーケットの安いチョコレートと何が違うのだろう??

ワインでいうとブドウ品種が違うのである。
安いカカオ豆をブレンドしてカカオマスを作る。
すると、安いチョコレートができる、というのはワインと同じような話だ。
その安いカカオマスは本来低品質である。
だから、低品質のチョコレートになるのが理屈だが、様々な添加物を入れることで味わいを調整し、おいしいチョコレートに仕上がるのだ。
これを人類の知恵、科学技術の偉大さと捉えるか、ゴマカシ、正統派ではないと捉えるか。

かなるさんの考え方はどうも後者のようである。
だから、彼女のチョコレート作りは、安いカカオ豆のカカオマスを使わないってことだと思う。
すると、余計なものを混ぜなくてもよくなる、カカオだけでも十分においしいチョコレートができあがるのだろう。
それは添加物を含まない素晴らしいピュアチョコレート。
ただ、彼女の考えにあまり共感しない人もいるだろう。

ここでワイン好きのWさんがおもしろいことを言った。

「かなるさんのチョコレートは、赤ワインでいうとバローロなんですよ。」
「なるほど・。・ Wさん、分かりやすい。」

Wさんはさらにこう続けた。
なんだか、眉間にしわを寄せて、やりきれないご様子である(*'ω'*)??

「そりゃ、ぼくだって毎晩バローロを飲みたい。」
「ワイン好きなら、そうですよね、、、」
「でも、ぼくは普通の会社員ですから、そうもいきません。成城石井のブレンドを、おいしい、と思って飲むんです。」
「Wさん、とっても、分かりやすいたとえです( ノД`)ウルウル」
「かなるさんのビーントゥバーの話も、結局はそういうことなんです( 一一///)」

彼の理解では、ビーントゥバーチョコレートとは、庶民には手の届かない高級チョコレートのことなのである。
彼のたとえは、やや皮肉めいているが、この論点のポイントを見事に突いた。
つまり、ビーントゥバーとは、こだわりのある作り手には重要な概念でも、消費者にとっては、重要でないのだ。
消費者にとって重要なのは、価格とブランド(ゴディバなど)のほうである。
後日、ワイン友達で高級スイーツにも詳しいSさんにこの話をしたら、Sさんも同意した。

「ビーントゥバーといえば、中目黒のお店の高級チョコレートです。とてもおいしいわ。でも、高いからめったに食べられない。」(私のビーントゥバーの説明を聞き)「悪いけど、私はチョコレートの作り方には興味がないのよね、、、」

しかし、カカオとチョコレートを心から愛するかなるさんは、そのようなざっくりした理解をされるのがご不満のようである。
彼女は、ビーントゥバーチョコレートとはこういうもの!!と私たちにぜひ知ってほしいという。
そこで創業スクールの最終日(11月12日)の懇親会に、チョコレート工房で自作したビーントゥバーチョコレートを持参してくれるという。

おお、これは、めちゃくちゃ楽しみ!!


岡崎京子の「Chocolat Every Day(ショコラエブリデイ)」


というわけで、私は懇親会当日まで、待ち遠しいが、毎日が、いい気分である。
こういうときは難しい本よりも、マンガが読みたい。

私は書斎のマンガ置き場で、岡崎京子の「ショコラエブリデイ(Chocolat Every Day)」を見つけて読んだ。
カカオとチョコレートを心から愛するかなるさんにピッタリの本だが、かなるさんは今日もきっと、チョコレート工房で「ショコラエブリデイ」のはずである。


創業スクール懇親会
(創業スクール懇親会)


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