2022/12/12

創業手帳Tシャツの男、再び!!

これまでもブログに何度か登場したことのある新聞社のFさん。
彼と私はABCクッキング友達である。
彼は退社後、田舎に移住してフリーライターをしている。
勤めていたB新聞にも記事を提供しており表向きはB新聞の記者にも見える。
が、実際はもう辞めており、彼の身分はフリーランスなのだ。

さて、数ヶ月前、彼のおかげで、明治大学のビジネススクールの講座を聴講する機会を得た。
講師は創業手帳のファウンダーCEO大久保幸世氏。
実は、私と創業手帳のあいだには奇妙な縁がある。
2021年10月、私はサムライインキュベートの起業家イベントでボランティアのスタッフをしたのだが、そのときに「創業手帳Tシャツ」を着た男(Yさん)と知り合った。


サムライインキュベート、SVS


ふと私は、近くのテーブル席に座る「創業手帳」という濃紺のシャツを着た若い男性に目がいった。
確か、創業手帳はベンチャー支援の会社のはず。
話しかけてみると、彼は登壇者のYさんだった。
若いのに社長なのかと聞くと、自分は急用で来れない社長の代役で、ただの平社員だという。
もうすぐ出番なので緊張しているようだが、まあ、そうは言っても社長の代役なら、かなりのやり手だろう。
しかしどう見ても、秋葉原でアイドルの追っかけをしていそうな青年に見える。

「Yさん、今日はどんな講演をされるんです??」
「まあ、創業手帳の会社紹介をするだけかな。」
「人前で喋るの得意なんですか??」
「いや、全然だめ。」
「創業手帳さんは京橋の会社ですよね??」
「ええ。うちをよく知ってますね。サムライさんとは違って、弱小ですが。」
「私、知ってます。ギャラリー椿と同じビルの会社さんでしょ??」
「ギャラリー椿?? ああ、もしかして1階の画廊のことですか??」
「そうそう、たまに見に行くから。」
「それでうちをご存知なんですね。」
「そうです。私、よく銀座周辺でギャラリーめぐりをするんですが、私、彫刻家中村萌さんの作品が大好きなんですよ。彼女の展示会は、いつも銀座のはずれのギャラリー椿です。」
「へえ~、そういう偶然ってあるもんなんですね。」
「あのビルの4階と5階、ずっと空き室だったでしょ。だからいつも気になって、帰りにビルの案内板を見るんです。」
「ああ、それで。ええと、4階と5階は同じ会社が入っていたんだけど、コロナになってから抜けちゃいましたね~。コロナ後は、銀座も京橋も空き室ばかりですよ。これからテレワークで空き室はもっと増えるだろうし、東京はどうなっちゃうんだろうな。」
「私には、そういう難しい金融経済の話はよく分かりませんが、アートのおかげで、いま、思わぬ出会いがありました。私、創業手帳さんとは不思議なご縁を感じます。」
「た、確かに。」
「今度、ギャラリー椿の展示会の帰りに遊びに行こうかな。」
「うちは6階です。オフィスはテレワークでスカスカだし、来ても大丈夫ですよ。」
「おお、いいんですか!!」
「はい、何のお構いもできませんけど。」
(「ギャラリー椿と同じビルの会社さん」より)


創業手帳
(このビルの1階がギャラリー椿)


実はその後、私はギャラリー椿の展示を見に行ったついでに、本当に創業手帳のオフィスにお邪魔したのだ。
しかし、大久保社長は不在だった。
私は大久保さんとは縁がないと思ったが、あれから約1年がたち、あるときFさんがシリコンバレーで創業手帳の大久保社長と一緒にいる、というおもしろいメールを私に送ってきた。

「あなた、サムライのイベントで、大久保社長と会ったことあるよね。」
「いや、急用があってイベントには若い代打男が来てました。その後、創業手帳のオフィスにも行きましたが、そのときも不在でした。」
「じゃあ、大久保さんにあなたのことを話しても分からないか、、、」


とん久


その後、Fさんが取材で東京に来ているというので、上野駅で待ち合わせてランチを一緒した。
食べながら、彼のノートパソコンでサンフランシスコやシリコンバレーの記念写真を閲覧したが、セールフォース(salesforce)の立派なビルの写真が印象的だった。

「すごいビルですね。」
「サンフランシスコでは最もゴージャスかな。私はこの近くのホテルに泊まりました。」
「それはすごい。」
「いや、ボロ宿です。日銀の金融緩和による円安のせいで、日本人は貧乏になりました。フリーの私がアメリカのいいところには、もう泊まれませんよ。これからどうなるのかな。」
「そうですね、円安不況は始まったばかりです。」
「ちなみにセールスフォースのビルの近くにホームレスがうろうろしてました。私の泊まったボロ宿の目の前。」

その後、何枚か写真をめくると、大久保社長の写真があった。

「この人が大久保さんですね。」
「そうです。」
「いくつくらいなの??」
「あなたと同じ40代と思うけど。」
「へえ、そうなんだ。まだ若いですね。」
「ところで、大久保社長は明大のMBAのスクールで先生をしているんだけど、あなたも、よかったら一度聴講します??」
「ええと、部外者の私が、聴いてもいいんですか??」
「いいみたいです。私もZOOMで受講予定です。私から事前に伝えましょうか。」
「おお、それでは、ぜひ。」
「またあとで連絡します。そろそろ電車の時間なので出ましょう。」

彼と別れたのは午後2時ごろだった。
その後、私は早く帰るのも何なので、上野公園を散歩した。
徐々に外国人観光客が戻って来て、英語や中国語の賑やかな会話が聞こえた。
しかしその近くで、日本人のホームレスが階段に居座り、独り言を喋っていた。
私は不忍池のほとりの道をぐるっと歩き、広小路のほうへ、出口付近の下町風俗資料館に行き着いた。
ここはもう何年も見ていないので、松坂屋で買い物をする前に入ってみよう。


下町風俗資料館


下町風俗資料館


下町風俗資料館


明治大学ビジネススクール


大久保社長の講義の日。
時間ギリギリにZOOMにインすると、私のパソコン画面に大久保社長のアップが映った。
おお、やっぱり、トレードマークの創業手帳Tシャツを着ている!!
社員が着るのだから、社長が着ないわけがないか。

早速、講義開始。

私は聴講の身なので、この講座の内容を詳しく書かないが、最初に登場したゲストスピーカーでドバイ在住の若手起業家の話がなかなかおもしろかった(なお、私がさすがだ!!と思ったのは戦略コンサルタントで投資家の名雲俊忠氏である)。

彼によれば、ドバイはいま、暗号通貨、NFT、メタバースなどが熱い!!
また、ドバイはタックスヘイブンです!!とも。
それなのに、石油資源のおかげで福祉は充実しており、労働者の手取りは下記のようになる。

東京都民  ①お給料ー(②税金)-(③社会保障の負担金)=④手取り
ドバイ市民 ①お給料+(③福祉の支援金)=④手取り

「お給料よりも手取りが多いなんて、うらやましいというか、フシギな話です。」と大久保さん。
まあ、最近の日本政府も様々な名目で福祉の支援金を出すようにはなったが、中東の国々が主に石油資源の利益を原資としているのに対し、日本は借金(赤字国債)でまかなっており、クレジットカードの前借ではないが、若者の将来に前借をしているようなもの。
このような政府のバラマキに腹を立てている若者もかなり多いと思う。
しかしよく考えると、もらえるものはちゃっかりもらっておき、将来は海外で働けばいい、そうすれば丸儲けである。

というわけで、ここで明大の若い受講生たちも、暗号通貨、NFT、メタバースなどはこの際どうでもいい、タックスヘイブンの話をもっと聞きたい!!と思ったようだ。
大久保さん、その雰囲気を鋭く察知したのか(??)、すかさずマイクを握って補足した。

「い~ですか、みなさん。」
「???」
「183日以上、"ドバイ居住"で、日本人は、"無・税" なんですよッ!!」
「!!!」(会場の反応)

183日以上とは、1年のうちの半年以上ということである。
この要件をみたすと、私たち日本人は、日本に住居がなければ軽い税率の海外の国のほうを納税先に選べる。
なお、詳細は税理士の先生にお聞きください。