2022/12/16

湯島天神、恒例の終わり詣(2022年)

鴎外記念館


鴎外記念館クリスマスコンサート


今年もあと数週間となった。
1年なんて、あっという間に過ぎる。

12月11日、日曜日。
私は午前中に家を出て、千駄木駅でおりて、団子坂を上がって鴎外記念館に行った。
土日は鴎外にちなんだドイツのクリスマスイベントで、エントランスホールではミニコンサートをしていた。
バッハ、モーツァルトなど、おなじみの曲を聴いた。

コンサートを聞いてから地下の展示室へ。
鴎外哲学を紐解く「鴎外遺産」という企画展だが、ここはいつも撮影禁止なので、拙い記憶に基づく私なりの要約をいくつか書いておこう。

まず、感情に支配されてはいけない、常にクールで理論的に判断するべし、という。
感情に基づく主観的判断はよろしくない、怒りで冷静さを失うなど、感情は判断を誤らせるからだ。

次に、上手に泳ぐ者は溺れ死ぬ、議論好きで百戦百勝の鴎外にこう諭したのは幸田露伴である。
天下無敵の鴎外先生も、いつか戦いに負けるぞ、失敗するぞ、ということだ。

また、権威というのは役に立たない、そういう時代になった、とも書いてあった。
当時すでにそう言われていたのなら、いまはもっと、権威は役に立たないと思うのだが。


湯島天神、ご朱印帳


お昼過ぎには湯島天神へ。
もう読者もおなじみかと思うが、恒例の終わり詣である。
2019年から御朱印を書いてもらい今年で4ページ目になる。
ただ、以前も書いたが、私は来年のご利益を求めて来ているのではない。
それは12月の「幸先詣」と呼ばれるものであるが、私はそうではなく、12月に今年の無事を感謝するためにここへ来ている。


湯島天神


私は本堂の前の参拝者の列に並ぼうとした。
すると本堂から宮司の男性が出てきて私たちにこう言った。

「みなさん、並ばなくていいんですよ。空いているところへどんどん入って、お参りをしていってください。」

ううむ、、、ちゃんと並んでください!!ではなく、並ばなくていいんですよ!!と注意されるなんて。
私たち日本人って、行儀がよすぎます。
もう少し、自己主張をしたり、ずうずうしくならないと、お隣の中国との競争に負けてしまうぞ。
それに、このようなテンションでは、日本の景気は今後悪くなることはあっても、良くなることはないと、私は確信を持ってお詣りを終えた。
結局コロナ禍に、政府とマスメディアが国民を過剰に統制したため、こういうふうになってしまったのではないだろうか。


あんみつみはし、クリスマスあんみつ


その後は上野広小路まで歩き、松坂屋~パルコ屋~あんみつみはしに入った。
やはりというか何というか、あんみつ先生は12月限定のクリスマスあんみつを食べた。
それにしても、以前はあちこちから主婦の雑談が聞こえたのに、いまは誰もがもくもくと、あんみつを食べている。
会社や学校で「黙食」が身に着いたので、これが私たちの日常になってしまったようだ。

上野広小路駅から銀座線で銀座駅へ。
ビックカメラで年末の買い物をしてから、その隣の東京国際フォーラム~相田みつを美術館に入った。


相田みつを美術館


相田みつを美術館


相田みつを美術館


相田みつを美術館


この日は、相田みつをの日めくりカレンダーに関する作品を展示していた。
展示を見た後はミュージアムショップへ。
年賀状に用いる相田みつをハガキを何枚か買った。
郵便局で年賀切手を買って、貼り付けると、相田みつをのメッセージ入り年賀状のできあがり!!


相田みつをのメッセージ入りの年賀状の作り方


相田みつをのメッセージ入りの年賀状の作り方


相田みつをのメッセージ入りの年賀状の作り方
 
 
実はこれ、私にとっては毎年恒例だが、なかなか評判がいいのである。
ただし、相手を選んで送る必要がある。
事前に連絡帳を眺め、送る相手を選んで、今年は3枚ということになった。

さて、お次は有楽町駅の反対側の出光美術館へ。
こちらも久しぶりの訪問である。
以前の私はここの常連だったが、コロナ禍で長期閉館に入ってしまったため会員だった私もさすがに足が遠のき、恐らく約2年ぶりの訪問なのだが、今回は焼き物の展示会であった。
以前、白金台の松岡美術館で見たことのあるような作品がいくつも展示されていて、2018年当時のことを思い出したが、5年なんてあっという間だなあ、、、


出光美術館


展示室を見て回った後は、皇居を見下ろせるラウンジに行った。
お茶でも飲んで休もうと思ったが、ソファーは撤去され、お茶のサービスも中止で閑散としていた。
外は小雨で、見晴らしも悪い。
コロナ前は優雅なラウンジだったのになあ、、、
あ~あ、つまらない、という言葉しか出てこない。
奥の椅子で足を組んで座っている黒服の上品そうなおばあちゃんも、皇居を眺めながら、ただ、ため息をついていた。

つまり、これは「大いなる喪失(感)」なのである!!

思い返せば今から30年前、日本は空前の空騒ぎ(バブル)を楽しみ、それが崩壊し、失われた30年といわれる不況の時代に突入した。
しかし今回のコロナ前とアフターコロナも、あの時とほとんど同じと思える。
東京オリンピックまでの空騒ぎがコロナで崩壊したことは間違いない。
これから、また、失われた何十年かの低迷の時代が始まるような気もするのだが、、、