2022/02/01

The story of Blue Rose(1)サントリーホールブルーローズ

1月26日夕方、私は新宿駅から地下鉄を乗り継ぎ、六本木に出た。
アークヒルズのスターバックスに入ったのは5時近く。
ここで6時まで休憩して、7時からサントリーホールでコンサートを聞く予定である。
ただ、一緒に行く予定のママはオミクロン株の感染爆発で欠席、今ごろは家のコタツでくつろいでいるだろう。


アークヒルズスターバックス


アークヒルズスターバックス


私はレジで、「パプアニューギニア」のハンドドリップを注文した。
カウンター席に座って店内を見渡すと、客がまばらで閉店まぎわのように見えた。
いつもはモダンなスターバックスのはずなのに、今日は何だか陰気くさいなあ、と思った。
年末、私は久しぶりにこの場所に来て「ザンビア」を注文したのだが、そのときはKさんにいれてもらった。
しかし、Kさんはお休みで、別の女性が出てきてコーヒーをいれてくれた。
彼女とは話したことがないので、私はひとり静かにコーヒーを飲んで過ごした。
チョコレートドーナツが甘くておいしかった。


アークカラヤン広場


6時を回ったので、アークカラヤン広場へ。
私は寒風の中、正面玄関の前で15分以上立って待ち、開場時間を告げる懐かしのオルゴールを久しぶりに聞いた。
サントリーホールは日本で最も有名なコンサートホールだろう。
でも、私は約3年ぶりに訪れた気がする。
記憶をたどると、最近来たのは2018年12月、2018年10月、2018年4月(マリアジョアンピリスの引退記念ピアノコンサート)と記憶する。


サントリーホール


サントリーホールブルーローズ


おや、メインホールの方のNHK交響楽団のコンサートは中止、という張り紙がある。
私は正面入口すぐ左手のミニホール(ブルーローズ)に入った。
コンサート名は「アジアンコネクション」、金管五重奏でガーシュウィンという、あまり聞く機会のないプログラムである。
メインのガーシュウィンは「ポーギー&ベス」、その前にアンドレアガブリエリ、クラウディオモンテヴェルディー、マルコムアーノルドというマイナーな作曲家の曲が次々と演奏された。
アンドレアガブリエリねえ、ガブリエルフォーレならよく知っているのだけど。
モンテヴェルディーは、ワインの銘柄みたいでおもしろい名前だな、と思った。
また、アーノルドの曲を聞きながら、私は、最近自動車事故に遭ったというアーノルドシュワルツェネッガーの姿を思い出した。
結局彼は無事だったわけだが、もし自動車事故であっけなく死んでいたら、ターミネーターの最期としてはふさわしくない、などと考えていたら、コンサートの前半が終わった。






さて、休憩時間といってもホワイエは全部休業で、トイレ以外に用がないので、私はからっぽのお酒売り場のカウンターに寄りかかってぼんやりとしていた。
サントリーホールブルーローズ、、、ブルーローズとはどういう意味で名付けられたのだろうか。
気になってスマホで調べてみた。

英語BlueRoseは不可能の代名詞とされてきましたが、サントリーがバイオ技術によって2004年に新品種「青いバラ」を開発。この小ホールは、多くのアーティストの皆さまに新たな挑戦の舞台として活用して欲しいという思いから「ブルーローズ」と名づけられました。

一般に、男性が女性に赤い薔薇をプレゼントすればそれは愛情を意味する。
まあ、そんなことふつうは知っている。
しかし、薔薇は生来的に青い色素を持たないのでブルーローズは自然界に存在しない。
なるほど、、、そこで実際には、白薔薇を染色して大変な手間をかけて青薔薇を作るようなのだが、このようなことからブルーローズは不可能への挑戦を意味するといわれている。
また、ブルーローズの所有者は願いがかなう(夢がかなう)という言い伝えもあるようだ。
ただし、これにはまだ続きがあって、場合によってはミステリアスな何か、死や破滅を示唆することもあるという。
もちろんサントリーホールのブルーローズは良い意味の方であるが、サントリーが開発したブルーローズの写真を見ると、色みとしては薄紫で、ミステリアスな印象である。

Genetically engineered roses
Scientists have yet to produce a truly blue colored rose; however, after thirteen years of collaborative research by an Australian company, Florigene, and a Japanese company, Suntory, a rose containing the blue pigment delphinidin was created in 2004 by genetic engineering of a white rose.[5] The company and press have described it as a blue rose, but it is lavender or pale mauve in color.[6]
(Wikipedia英語版より)

遺伝子操作されたバラ
科学者たちはまだ真に青い色のバラを生産していません。しかし、オーストラリアの会社であるフロリジーンと日本の会社であるサントリーによる13年間の共同研究の後、2004年に白いバラの遺伝子工学によって青い色素デルフィニジンを含むバラが作成されました。会社と報道機関はそれを青いバラと表現しましたが、色はラベンダーまたは淡い藤色です。
(上記日本語訳)

ああ、ブルーローズ、なんだか素敵な感じがする言葉なので調べてみたが、ちょっと期待はずれかな。
でもこの日のブルーローズのコンサートは、期待以上の内容だった。
アンコールはデュークエリントンの「In a sentimental mood」。
「アジアンコネクション」というタイトルは恐らく、日本人演奏家ヒロノグチ氏が演奏家の友達を誘って企画したもの(??)と思われる。
コロナ禍の欧米で広まったアジア人差別、今回のマイナー作曲家と黒人演奏家の曲の組み合わせは、そのような人種差別に対する静かな抗議の意味があるのではないか。
実は、メインのジョージガーシュウィンは、ユダヤ系ロシア人の移民であるが、そのことはあまり知られてはいない。
ガーシュウィンの旧姓は、ゲルショヴィッツ (Gershowitz)というのだそうである。