2021/09/03

壁画家倉敷安耶さんとの出会い

7月、私はBNAWALL(BNAウォールアートホテルイン東京)を訪問し、倉敷安耶(くらしきあーや、Aya Kurashiki)さんの素敵な壁画を見てきた。
その時のことはすでに7月末のブログに書いたとおりである。
少し書き遅れたが、実は8月も、私はワイン教室の元クラスメイトAさんと一緒にBNAWALLを訪問した。
再度の訪問の理由は、私の話を聞いたAさんが倉敷さんの壁画を見たがったからだが、前回私がその写真撮影に失敗し、再撮影のためもあった。

夕暮れ時、私たちは三越前駅の福徳神社の鳥居の下で待ち合わせた。
6時過ぎで、空はまだ明るかった。
オリンピックのバトンタッチのモニュメントはこないだとは違い、ロマンティックにライトアップされていた。
福徳神社では、Aさんは引くのをいやがったが、私は例のおみくじをまた引いてみた。
こないだは末吉だったが、今回は大吉。


福徳神社おみくじ


<前回の末吉>
願望 思いがけぬことが起こるが騒ぐな
失物 近いところにある
仕事 騒がぬことです
恋愛 今はよろしくない

<今回の大吉>
願望 はじめのうちは難しそうですが、のちにかないます
失物 出てこないでしょう
仕事 売るのが吉
恋愛 愛情を捧げましょう

なるほど、前回はお静かにだったのが、今回は積極的にいけということか。
私は占いには疎いのだが、今回大吉を引き当てたことで、私の運勢は末吉からアップデート(更新)されたのだろう。
だが、各項目をよく見ると、それによって近いところにあるはずの失物(うせもの)がもう出てこなくなるというのは、かえって事態が悪化しており心外である。
これだと、探し物がありおみくじを引きに来た者にとっては大吉ではなく、また、その者との関係では願望と失物の記述が矛盾することになる。
まあ、でも、読むとおおむね大吉であり、私には探し物がないので、失物の箇所は関係がない。


BNAWALLラウンジ


BNAWALLには歩いて10分ほどで到着。
私たちは三越前駅から徒歩で行ったが、最寄り駅は小伝馬町である。
1階のラウンジへ。
この日はちょうど倉敷安耶さん本人が在廊していた。
他に客がおらず、私たちは早速、壁画のある地下室に案内してもらった。
3人でエレベーターに乗り、地下1階におりた。
そこは30㎡ほどの倉庫あるいは建設現場のような場所で、壁画の周囲には彼女が使い終えた画材、バケツや掃除道具などが散らかっていた。
私は近づき、そびえ立つ壁画を見上げた。
壁画は幻想的で美しく、深海の竜宮城のようにも見えたが、見上げると何とも言えない重圧感、威圧感もある。


倉敷安耶BNAWALL壁画


倉敷安耶BNAWALL壁画




そうそう、現代美術で女性の壁画家というと、私は水野里奈さんを思い出す。
私は水野里奈さんの熱心なファンだが、水野さんの画風は明るく、色彩豊かで、作品はおおむね「陽」である。
これに対し、倉敷さんの画風は水野さんとは対照的で、全体の印象としては「陰」に傾いており、初見ではややとっつきにくいかもしれない。
しかし、何回か見ると目が慣れてくる。
水野さんの鮮やかな絵とは別の魅力があって、私たちは薄暗い場所にいると心が落ち着くのと同じというか、倉敷さんの作品はどれも目が休まるばかりか、不思議と心も休まったのである。








その後、私たちは1階のラウンジに戻り、しばらく壁画以外の作品を見て回った。
そしてテーブル席で、1時間ほど3人で雑談をした。
そのほとんどの時間、私は女性2人のおしゃべりを聞いていただけだが、この時に頼んだカシスオレンジは、本当に本当に、久しぶりに外で飲むお酒で、おいしかった。


BNAWALLラウンジ


さて、この倉敷安耶さん、どんな女性かというと、20代後半の小柄でかわいらしい女性である。
私たちは三越前駅までの帰り道、彼女があのばかでかい壁画を描いた画家本人だと言われても、みんなは信じないだろう、という点で意見が一致した。
地下はまるで建設現場のようだったし、それなら多くの人は、あの壁画を建設作業員のような屈強な男が描いていると思うだろう。
しかし彼女は、地下から1階まで突き抜けた6×6メートルの壁画を、数週間で描きあげた。
まあ、何と言えばいいのかしら、彼女は見かけによらず、ド根性娘(!!)である。
ねえ、倉敷さん、、、そのド根性、少し私にも分けてほしいゾ。


BNAWALLラウンジ


「今日は楽しかった。」
「そうね。」
「倉敷さんとの美術談議、あれ、あなた分かって話してたの?」
「な、何となく、、、」
「お腹が空いたなあ、何か食べて帰ろうか。」
「いいけど、お店やってんのかな?」

三越前周辺は緊急事態宣言下で店舗の照明も看板も真っ暗で、まるでゴーストタウンのよう、大通りに出ると街路灯とコンビニが明るく点在し、彼女と私は横断歩道を渡り向かいのファミリーマートに入った。
が、弁当もおにぎりも売り切れで、仕方なく、ペットボトルのお茶を買って出た。
階段で地下におりると三越前駅の構内は数人しか歩いておらず、終電間際かと思ったが、腕時計を見るとまだ9時前。
まあ、腹が減っても食うところがないんじゃ、各々家に帰るしかない、ということになった。
私たちは銀座線の改札を入ると淡々とサヨナラをし、上りと下りのホームに分かれて家路についた。
彼女は渋谷方面へ、私は上野駅まで行くのだ。
電車に乗り、座ってスマホケースを開けると、カード入れにさっきのおみくじが挟んであった。

願望 はじめのうちは難しそうですが、のちにかないます
失物 出てこないでしょう
仕事 売るのが吉
恋愛 愛情を捧げましょう