2025/11/08

青山骨董通り散歩(2)



10月3日の午後。
私は、銀座8丁目の資生堂ギャラリーで、「Perspectives」という展示会を見た。

資生堂ギャラリーは、資生堂ビルの地下にある。
地下への狭い階段をおりると、踊り場があり、そこから展示会場が見下ろせる。

下までおりると、受付でパンフレットをもらい、広いスペースに出た。
そこには、展示作品の本棚と、ベッドと、鏡があった。
今回の展示は、何やら、子供部屋(?)のような雰囲気だが、理系的な雰囲気もある。

説明を読むと、この本棚は、本を積み重ね、地層に見立てているとのことだ。






ベッドの作品は、子供から大人への階段の意味合いだろうか。

私は、先ほど、受付でもらったパンフレットを眺めた。
私が着目したのは、アーティストのプロフィール。
女性2人組で、一卵性双生児だという。

「髙田安規子・政子は、一卵性双子のユニットで活動するアーティストです~中略~2人は2024年、資生堂の文化施設である資生堂企業資料館、資生堂アートハウスの両施設(静岡県掛川市)を訪れ、資生堂の社名の由来である易経(えききょう)の一節「至哉坤元 万物資生(いたれるかなこんげん ばんぶつとりてしょうず)」(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる)に出会いました。自分たちの自然観と重なり合うことから、本展では、「万物資生」の考えを起点に、生命やその成り立ち、進化の歴史を時間の層として描き出しながら、自然の法則で宇宙までつながる時空間を、スケールとともに巨視的・微視的に捉え可視化することを試みます。」




こちらの壁には、一面に、小さな鏡が取り付けられている。
その前に立つと、もうひとりの自分が映し出された。
装飾的な鏡の縁で、自分の姿が切り取られているが、まるで肖像画のようでもある。

鏡に映る自分をよく見ると、左右が逆転している。
ただ、よく考えると、前後が逆転しているから左右逆転していると思うのだが。
頭が混乱してきたので、そこは、まあ、いいか。








資生堂ビルを出たのは午後3時過ぎ。
その後は、銀座三越、銀座松屋で、お菓子などを買った。

夕方になり、銀座駅から銀座線に乗った。
私はこれから、表参道で、20歳ほど年下のステキな女性(!)と会う予定があるのだ。
ただし、ビジネスの用事(?)である。

地下鉄の表参道駅を出て、大通り(国道246号線)を渋谷方面へ歩くと、骨董通り交差点がある。
私は、交差点のスターバックスに入り、約束の時間になるのを待った。






私は、頼んだフラペチーノを飲みながら考えていた。

資生堂ギャラリーのアーティストは、一卵性双生児だ。
個展のタイトルのPerspectiveとは「視点」の意味である。
彼女たちは、独自の視点から、世の中の人々に対し、新しい見方を提示する。

しかし、今の時代、アーティストに限らず、多くの職業でも、そのようなことが求められている。
固定観念にとらわれている世の中の人々に対し、自分だけは視点を変えて見るのである。

では、私もやってみよう。







一卵性双生児のアーティストは、意外とあるあるパターンだと思う。
今回のように、アーティストが「二人二役」で、2人とも表に出てくるパターンが、まずひとつある。

しかし、もうひとつ、「二人一役」もあると思っている。
Aという名義の1人のアーティストに対し、実は、2人のアーティストが活動しているのだ。
例えば、1人は主に、表に出て接客をする役で、もう1人は、ほとんど表に出て来ず、ひたすらアトリエで絵を描いているとか、そういう役割分担のパターンもあるのではないか。
なぜなら、それは結構、合理的効率的な活動方法だと思えるからである。
これに対し、「一人二役」もあり得るが、こちらは効率的ではなく、やや考えにくいように思える。

おや、考え事をしているうちに、約束の時間が近付いてきた。
急がなくてはいけない!

では、ごきげんよう♪~(*'ω'*)」」