2018/09/08

事業計画書の書き方(1)

役所の提出書類の書き方のきまり


役所の作成書類の書かれ方の特徴


「マンガでやさしくわかる事業計画書」


「マンガでやさしくわかる事業計画書」


<役所の提出書類の書き方のきまり>
・一般常識のある社会人の文体
・素人向けの言葉遣い
・シンプルで明快な構成
・はっきりとした根拠を示す
・はっきりと回答する
・結論が明確

<役所の作成書類の書かれ方の特徴>
・役人ならではの文体
・専門職の言葉遣い
・複雑で難解な構成
・はっきりとした根拠はない
・はっきりとしない回答がある
・結論が不明確

役所の提出書類の書き方は、わりと当たり前のことばかりである。
これに対して、イヤミではないが、役所の書類は見事にこの反対である。
もう本当にこれに尽きるのだが、事業計画書は、役所の書類ではなく、役所の提出書類の書き方で作成しなくてはならない。
私の勝手な見立てだと、日本の起業家支援がうまくいかないのは、前者のように考えられない人たちが関わっているからではないだろうか。

うちは〇〇をしたい⇒そのために△△をする計画を立てた⇒しかし、いまは資金不足でそれができない⇒よって、助成金補助金、銀行融資~に申し込みます

事業計画書の全体の構成はこういう感じである。
その審査のためいくつか答えるべき事項があるはずだが、これは試験問題の「問い」にあたる部分なので、必ず「答え」を書かなくてはいけない。
もちろん答えだけではだめで、根拠を示す必要がある。
根拠は文章だけに頼るのではなく、数字、表、グラフ、フローチャートなどを多用する。
しかし、どうも事業計画書を書くのは気が進まないという人もいるだろう。
そういう人は、手始めに自社のウェブサイトを作ってみるのがよい。
ウェブサイトのコンテンツを充実させる過程では、事業計画書を書くのと同じような頭の使い方をするからだ。
これにより頭の中が整理できるので、事業計画書の構想もだいぶ固まるだろう。

事業計画書のメインは何といっても資金計画である。
何かをすれば資金が増減するので、事業計画書とは資金計画書でもある。
言うまでもなく、事業計画書を審査して出資する投資家や金融機関は、そこを一番知りたいわけであるから、全ての物事を「お金」の問題へ落とし込む必要がある。
どんなに素晴らしい目標を語っても、目標だけでは相手を説得できない。
目標の実現手段がハッキリしていることが重要である。
そして、実現手段を担保するのはお金なのである。
また、事業計画書では「ゴール地点」も明らかにしておく必要がある。
登山で言うと、山頂に何があるのか、ということだが、そこには財宝の山があるのだ。
ようするに、数字でそれを示せ、ということである。
強気な数字を示せないなら、そもそも新しい事業なんかやらない方が良い。
さて、事業計画書の詳しい書き方については次回に譲ることにするが、まずはリラックスしてマンガで学べばよいのではないだろうか。