日本の証券関係者も同じようなことを口にする。
「バブルのころは良かったなあ。」
「へえ、そうなの??」
「そうだよ。いまは本当に景気が悪い。」
私はバブル時代の兜町を知らないが、お昼は寿司や鰻だったというし、まあ、バブルなら良かったにきまっているか。
しかし、老人が人生で最も輝いていた時間を取り戻すことは決してできないのだ。
また、人生のピーク時を基準にして現在の自分を評価するのは、非常に欲深いことでもある。
そのような評価をするなら、つねに現在の自分は敗北者ということになる。
でも、本当にそうなんだろうか。
1989年 38915円
しかも、その時はアメリカを凌駕しようかという破竹の勢いの「黄金時代の日本」だった。
たとえ「黄金時代の日本」でもこの水準は高すぎる、というのがマーケットの神様の判断だったようだ。
ちなみに、2021年は一時3万円を超えたが、惜しくも、終値は28791円となった。
いまの日本は1988年と1989年と比較して強い日本なのだろうか。
もしその根拠や手がかりがあるならば、日経平均株価はこれからも上昇すると思う。
日本の証券関係者も、この先、個人投資家に日本株を推奨するときには、1988年と1989年と比較して、いまの日本がどういう点で「強い日本」なのかを説明できなくてはなるまい。
しかし日本の証券関係者は、チャートに買いシグナルがあることくらいしか説明することがないのではないか。
■日経平均株価・年足・ボリンジャーバンド
(出典:かぶたん)
「えっ、きみはそんなばかげた根拠(テクニカル分析)で日本株に投資するの?」
「ええ、そうですよ。どうせ、あぶく銭ですから。」
さて、私もちょっと、テクニカル分析以外の、まともな理由を考えてみる。
すると、現在、日本銀行が大規模な金融緩和をしていること以外、日本の強さはひとつもないと思うのだ。
今のところ、さらなる金融緩和はあっても、その反対の政策はない、と信じ切れるならいいが、、、ウクライナ戦争で世界的なインフレ基調。