2022/07/05

江副浩正「不動産は値下がりする!」

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退

だいたい、この3つは同じことである(逆も同じ)。
景気が悪化するとき、資産価格はそれに先んじて悪化(下落)する。
株価は約半年ほどの景気の先行指標と考えられている。

景気が悪化すれば、需要減で物価は下落あるいは低迷する。
平成のデフレ不況がそれである。
よって、、、

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退
④物価の下落

しかし、現在のように、原材料価格の高騰による物価高なら(コストプッシュインフレ)、このときは、どうなるかというと、、、

①不動産価格の下落
②株価の下落
③景気後退
④物価の上昇

なぜ物価が上昇するのに、不動産価格、株価が下落するのか??
その理由は、投資家が金利の上昇を織り込むからである。
物価が上昇すると私たちは生活に困るから、政府は物価上昇を抑えるために金利を上げざるを得ない。
まあ、それがまともな政策判断なのである。
そのため、投資家はそれを予測し、金利が上がる前に資産を売却し、備えるのである。
その結果、資産価格は金利が上がる前に先んじて下落することになる。

資産価格の下落は始まったばかりのように見える。
物価上昇も始まったばかりだ。
そしていまだにマイナス金利である。

新型コロナウィルスが沈静化し、これから景気が回復する、引き続き、資産価格が上昇するという物語は、日本銀行がマイナス金利を維持する、かつ、日本政府が財政支出を続ける、それが大前提となる。
だが、それだと物価が上昇し続けるので、多くの人が生活に困るし、現金保有者は損である。
このとき、様々な理由で円安になるのが道理であるが、金融緩和の効果とあいまって、円安が今後さらに進んでいく、結果、物価がさらに上昇すると考えられるのである。
そして、さっきの繰り返しとなるが、、、物価が上昇すると私たちは生活に困るから、政府は物価上昇を抑えるために金利を上げざるを得ない。
ということは??


江副浩正の不動産は値下がりする


さて。
不動産価格が下落すると、景気に悪影響を与えることが必至である。

リクルートの創業者江副浩正の「不動産は値下がりする」という名著がある。
私は間違えて2回買ってしまい、書斎に2冊並べてある。
今後の物価高を見込んで、あんみつ先生のサイン入りで、1冊55000円(税込55000円)でお譲りしましょう(*'ω'*)マジデ,タカッ!!!

江副氏はリクルート事件で失脚後、隠遁生活をしたが、晩年にこれを書いた。
リーマンショックの前年(2007年)に出版された。
江副氏は西武グループの堤義明氏などと並んで、昭和の不動産王のひとり。
不動産王が言うのだから当たる、と私は思うのだが、江副氏の指摘することも懸念することもまだ起きてはいない。
それがこれから起きるのではないか、と私は思うのだが、、、

都心に高層オフィスビルと高層マンションが建ち、これまでめぼしいものがなかったエリアでも再開発が進むと、全体として不動産は値下がりするはずだ。
床面積が増えることで、需給関係がゆるむことはあっても、タイト化することはないし、日本は人口減少がほぼ確定しており、高齢化で経済も衰退している。
したがって、長い目で見ると都心の不動産は大きく値下がりするだろう。

ここ10年、このような江副氏の予測に反して不動産価格が上昇していたのは、インバウンドの中国人マネーと東京オリンピックマネーと、そして何よりも、日本銀行の過激な金融緩和(ヘリコプターマネー)のマネーのおかげだったのである。
すると、これからどうなるだろうか??
また、江副氏や堤義明氏の会社が、バブル崩壊後もかろうじて生き延びられたのはどうしてだろう??




■大東建託(1808)
大東建託月足チャート
(出典・YahooFinance)

これはあくまでも、一般的標準的テクニカル分析によるものであるが、2本の下向きの平行線の中に相場があるかぎり、下落トレンドである。

赤い丸=ブレイクアウトで、強い下落シグナル
緑の丸=下げ止まり
青い丸=上昇トレンド転換

ただ恐らく、青い丸のところまで上昇するのは、当面、むずかしそうである。
でも、大東建託はサブリースの不動産屋さんですよね。
サブリースは、2018年にスルガ銀行の事件で社会問題となりました。


■住友不動産(8830)
住友不動産の株価
(出典・YahooFinance)

いまや都心のあちこちで住友不動産のビルを見かける、不動産業界きっての成長企業の住友不動産の株価である。
う~ん、株価のパターンを見るとどうなのだろう??
天下の財閥系不動産会社が大東建託と似ているようにも見える。
なぜサブリースの大東建託と??
もしかすると金利の上昇という共通の爆弾(リスク)を抱えているからではないか。

バブル崩壊当時、高金利を前提に返済計画を立てていた投資家や実業家たち。
しかし、当時とは違い、いまの彼らには、生き延びるための金利ののりしろがあるのかというと、まったくない。