2019/11/02

事業計画書の書き方(4)





前回の続きである。

④-5 ライバル
競合他社との差別化の話は、事業計画書に不可欠である。
たとえ市場に需要があり、顧客がそこにいるとしても、ライバルを差し置いて自社がその顧客を獲得できなくては負けてしまうからだ。
まず、競合他社を具体的に列挙する。
ふつうに考えると、競合他社との差別化は3つのポイントに分けられる。
第一に商品面、第二に人材面、第三に資金面、である。
ベンチャー投資の本質は、この3つをVCとVB(投資先ベンチャー企業)で役割分担し、他社との競争を勝ち抜くことである。
VC側が資金面、VB側が商品面と人材面。

⑤優秀な人材のアピール
この世に似たような商品サービスはたくさんあるのだし、他社もほとんど同じものをリリースしているとすると、競合他社との差別化で非常に重要なアピールポイントは人材面である(例えば、ボードメンバーの経歴、実績等)。
確かに、事業の主役は起業家自身というよりは、利益を生み出す商品サービスそのものだ。
以前の記事でも、そう書いた。
しかし、サービス商品が同じようなものだとすれば、「マネジメント」すなわち人材が勝敗を分けるカギとなる。
私は、斬新なビジネスモデルであればあるほど、VCは人材を重視して投資するべきだと思うのだ。
なぜなら、斬新なビジネスモデルは不確定要素であり、どんな高度な分析をしたって時間をかけて議論をしたって投資判断のあてにはできないのに対し、そのビジネスモデルを遂行する人材は少なくとも現時点で確定した要素そのものだからである。
まあ、優秀な人材は担保のようなもの、ということだ。

マネジメントチームについて、VCは強い関心を持っている。同じことをしても成功する人と失敗する人に分かれるからだ。マネジメントチームの構成メンバーの経歴を見て、VCが起業の成功について確信を持ったり、まったく期待しなかったりということは現実にある話である。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P179)

⑥設備投資、生産計画
まず、⑥と⑦は、これまでのこととは異なり、スケジュールの話である。
しかし、そもそも名前からして、事業計画書のメインはスケジュールのはずだ。
VBはVCに対して、自社のビジネスを時間軸で説明する必要がある。
なぜなら、VCは待たされる立場だからである。
いつまで待てばいいのか、最終的にはそこが知りたい。
したがって、事業計画書にも、何を書くにせよ、いちいち時期を明記する。
設備投資も生産計画も、ともにコストの決定に関わる。
高すぎれば売れないし、安すぎても儲からない。
企業競争とは果てしない「コスト競争」でもある。
したがって、この点は実は非常に重要である。

⑦資金計画、収支計画(収益計画)
お金を貸すにしろ出資するにしろ、投下資本の回収計画が最重要であることから、実にここが事業計画書のメインではないのか、とも思えるくらいだ。
結局、あなたはいくらほしいのか、必要な金額のことだね。
資金調達の額及び方法(株式OR借入金)、発行済み株式数と株主構成の推移、IPOまでの道のり、いつIPOできるのか、といったことだ。

●どの程度まで累積損失が積み上がるのか。
●調達した資金は事業が立ち上がるまでに、どれくらいのペースで消費され、どれくらいの期間もちこたえることができるのか。
●累積損失を事業立ち上がり後の利益でどのように解消していくのか。
(「概論日本のベンチャーキャピタル」P176)

以上、4回に及んだが、事業計画書の書き方はこんな感じでおしまい。