2019/03/13

東京文化会館、原田慶太楼の「カルメン」

銀座でまた「カルメン」を見た。
とはいえ、東劇(映画館)のスクリーンにMETの録画オペラを流すメットライヴビューイングである。

去年の秋、私はママ殿と東京文化会館で生の「カルメン」を見た。
そのカルメンは良席のチケットが2万円ほどで、まあ、これはヨーロッパの歌劇団の日本公演なので妥当だと思うが、そうはいっても気軽に見に行けるような値段ではない。
しかし、東劇のカルメンは映画なので、わずか2500~3000円程度で見られるのだ。
東劇で私は、これまでにヴェルディーの「ルイザミラー」「椿姫」などを見たことがあり、その時もMETの録画オペラは非常に素晴らしい、と思った。
3月になり、「カルメン」のプログラムが組まれていたので、私は2度目の「カルメン」を1人で見に行ったのだった。


2018年東京文化会館ブルガリア国立歌劇団「カルメン」パンフレット


東京文化会館のオペラ「カルメン」


実は、私は去年ママ殿と行った東京文化会館の「カルメン」に失望していた。
なので、もう一度見に行ったのだ。
ブルガリアヨーグルトの明治ホールディングスがスポンサーなのでよく覚えているが、ブルガリア国立歌劇場歌劇団の主演によるもので、指揮者が日本人の原田慶太楼氏、両者のコンビネーションがイマイチなのであった。
もしかすると、歌劇団付きの指揮者ではなく、若手で売り出し中の日本人の原田氏と歌劇団の間には、様々なトラブルがあったのでは。
また、エンディングが少し違っていたのもモンダイであった。
帰り道にそのことを疑問視して怒っている女性客のグループがいたが、まあ、エンディングが違えば誰だってひとこと言いたくなるだろう。


東劇のメトロポリタンライブビューイングオペラ「カルメン」


東劇のメトロポリタンライブビューイングオペラ「カルメン」


それに比べると、東劇の「カルメン」はメトロポリタンの超一流キャストによるものであり、舞台も定番の作りで、それを見た私は、「ああ、カルメンだ」と思った。
ただ、METを見た後で改めて考えると、原田氏の挑戦的なカルメンにも一定の意味があったのかもしれない。
つまり、パンフレットを見ると原田氏の指揮者としての経歴は異色で、当然、今回のカルメンも普通ではない方が彼らしいとは思うのだ。
確かに東京文化会館の客を相手に、そのようなカルメンを演じたことは評価されるべきである。
様々なカルメンがあっても別によいのだし。
ただ、いつもと違うカルメンを上演する場合は、今後もそうだが、やはりそのことを事前に周知してほしいものである。
私が最もがっかりしたのは、ママ殿ががっかりしていたことなのだ。
一生に一度しかオペラを見れない客や、人生の最後と思って見に来る客も大勢いる。
そのような客との関係では、原田氏の「カルメン」は単なる失敗。
まあ、答えのない芸術の世界では失敗は付き物、なので、原田氏の次回の公演に期待しよう!!