2019/10/29

便乗値上げ?

今日は、パレスホテルでウォールストリートジャーナル(WSJ)のラグビーのトークイベントがある。
私はラグビーをほとんど知らない。
しかし、世間はいまラグビーのワールドカップで興奮状態にあるので、雨の中を後学のために聞きに行くことにした。

丸の内のパレスホテルを過ぎ、皇居沿いに歩いて竹橋まで足をのばせば、国立近代美術館、工芸館、国立公文書館、科学技術館といった時間をつぶせるミュージアムがいくつもある。
私は国立近代美術館を見たかったが、あいにくの展示替え期間中であった。
工芸館の企画内容にそれほど興味を持てず、一度も行ったことのない科学技術館に向かった。

雨のせいかもしれないが、初めて見た科学技術館の建物は古びているように見えた。
入場券売場には課外学習の子供たちが並んでおり、美術館の雰囲気とは異なる。
10月の消費税増税で、入館料がはねあがっている。

720円(私のぐるっとパスの表示)→880円(入場券売場の表示)

私はこれほどの便乗値上げを初めて見たが、親方日の丸なのに何か事情があるのだろうか。
私は、入場口からエスカレーターに乗り、上の階へ行った。
どちらかというと子供向けの理科の自由研究向けの資料館のような感じで、学校の先生と子供たちのグループを何組も見かけたりする。


科学技術館の自転車の歴史の展示


私は、自転車の歴史のコーナーに興味を持った。
おもしろいことに、1790年フランスの貴族が最初の自転車を発明したが、その現物はなく、証拠がないから否定されている、と説明があり、その原型のサンプルが展示されていた。
ただ、証拠がなく否定されていることなら、まぎらわしいので、その原型のサンプルをわざわざ作って証拠として飾るのも何だか変である。
ただ、1789年がフランス革命であるから、ちょっとした邪推もできる。
もし当時の貴族が自転車の原型を発明しても、それは一般大衆に壊されたりしてしまったのではないか、とも考えられるからだ。

この後、自転車コーナーのほかも見て回ったのだが、ITやAIといった今どきの最先端に関するコーナーはなく、重工業、建設、宇宙開発、原子力発電などが中心であった。
館内は今もなお昭和の雰囲気をたたえている。
展示内容も時代遅れの方がマッチするのかもしれないが、日本の科学技術館が昭和の雰囲気にマッチしているなら、日本の科学技術ひいては日本経済の未来もどうなることかと心配になってしまう。
フロアの一角には、昭和の雰囲気の古びた売店があった。
こんな売店があるところに、ITやAIの展示はマッチしていない。


科学技術館の売店


国立公文書館「行幸」の展示会


国立公文書館。
今日は「行幸」の企画展である。
行幸の意味を分かりやすく言うと、天皇陛下がどこかへお出かけすることである。
例えば、東日本大震災の被災地を視察するのは行幸である。
そもそも天皇家が政治権力の中心だったころ、天皇陛下は御所にひきこもっていた。
しかし、明治以降は政治的なパフォーマンスにもなるのでよく外出をするようになり、それは表向き、国民とふれあうためだと説明されたが、かくして私たち一般庶民に、天皇陛下の姿も顔も当たり前のように知れるようになったのである。
丸の内に行幸通りという通りがあるが、その名の由来でもある。

ところで、行幸通りのところに三菱地所の地下道があるのを思い出した。
行幸の地下道、である。
この地下道沿いにギャラリーが続いており、暇つぶしにちょっと見たくなって私は東京駅方面へ戻った。
一度見たことがあるが、全部は見切れず、今日はイベントの時間までじっくりと見ることができた。
それから地下道をまた戻って、私はパレスホテルに行った。


行幸通りの地下道のギャラリーの作品


私はウォールストリートジャーナル(WSJ)の有料購読者である。
いつものトークイベントなら金融経済の話題である。
しかし、今回はラグビーの方が新規購読者の獲得に繋がると考えたのだろう。
まあ、確かに会場には、ビール会社の営業マンのような、筋肉質のスーツ姿の男性が何人も来ていた。
ゲストは有名な元ラグビー選手。
いまはスポーツ関連会社の経営者、あるいはスポーツライターのようである。


WSJパーティー


ウォールストリートジャーナルパーティー


会場を出る時、おみやげの入った紙袋をもらった。
その中にはラグビーの本が2冊入っており、帰宅した私は、書斎の本棚にしまう前にひととおり読んでみた。
新しいことを学ぶのはいつでもおもしろい。
知らない、分からない、興味がない、年を取るとついそうなってしまうものだが、常に新しいことを学び、向上心を持ち続けたいものだ。


ラグビーのルール超初級編